
この記事のまとめ
- 介護職は、転職することで年収がアップする可能性がある
- 職場に不満がある介護職の6割は、「給与が低いこと」を理由に挙げている
- 介護職が転職で年収をアップをさせるためには、資格を取得するのが有効
「介護業界で転職して年収アップは可能なの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。転職で年収アップは十分狙えますが、必ずしも給与が上がるわけではありません。この記事では、介護職が転職で年収アップさせるポイントを解説します。転職で注意すべき点やリスクもまとめました。施設形態別の平均年収も紹介するので、自身の収入と比較して転職で年収アップが叶いそうか検討してみてくださいね。
目次
介護職は転職で年収アップさせられる?
介護職は転職で年収アップを十分狙えます。しかし、転職したからといって必ずしも給与が上がるわけではありません。
厚生労働省の「令和6年上半期雇用動向調査結果の概要 転職入職者の賃金変動状況」によると、転職入職者のうち、前職よりも賃金が増加した割合は40%です。前年(2023年)上半期の調査では38.6%でした。2024年の調査のほうが、転職で賃金が増える割合はやや増加しているため、転職によって年収アップを叶える人は増えているといえます。
出典
厚生労働省「令和6年上半期雇用動向調査結果の概要」(2025年7月15日)
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給与額に満足していない介護職は多い
レバウェル介護(旧 きらケア)が2022年に行った調査「きらケア介護白書2022(p.19)」によると、現在の職場に「あまり満足していない」と回答した介護職の割合は30.8%、「満足していない」が14.1%となっています。介護職が現在の職場に満足していない理由のランキングは、以下の図のとおりです。

現在の職場に満足していない理由としては、「給与水準が低いこと」(59.7%)が最も多い結果。給与水準に不満がある介護職が多いと分かります。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2025年9月30日)
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介護職の年収が低い傾向がある理由
介護職の年収が低い傾向があるのには、「介護報酬額が国に定められている」ことと「人員配置が定められている」ことが関係しています。
介護報酬額が国に定められているから
介護職の給料は、主に介護サービスの報酬として自治体と利用者さんから事業所に支払われる「介護報酬」から捻出されます。介護報酬の金額は、国が定めた基準によってサービス内容ごとに計算されるため、施設が金額を定めることはできません。
介護事業所に入る主な収入は、利用者さんの人数分の介護報酬です。サービスの提供体制によっては、加算が適用されて報酬額が増える場合があるものの、介護保険サービスの費用は決められています。事業所は大きな利益を上げることが難しく、介護職の給料は限られた報酬から支払われるため、年収アップが難しい場合があるようです。
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人員配置が定められているから
介護事業所では、利用者さんに対する職員の人数が定められているため、職員の人数を減らしてその分給与を高くすることはできません。
たとえば、特別養護老人ホーム(特養)では、利用者さん3人に対して介護・看護職員を1人以上配置するのが基準です。人員配置の基準は施設形態や自治体によって異なりますが、いずれの施設でも規定の人数を満たす必要があります。
出典
厚生労働省「第231回社会保障審議会介護給付費分科会資料」(2025年7月15日)
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介護職が転職で年収アップさせるポイント
ここでは、介護職が転職で年収をアップさせるためのポイントを解説します。転職の際は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
資格やスキルを取得して転職する
介護職は、資格やスキルを取得してから転職すると、待遇が良い施設の採用に有利になるでしょう。資格手当が給与に加算されたり、資格保有者の給与が高く設定されたりしている場合もあるので、年収アップのためにも重要なポイントです。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.161)」をもとに、月給制・常勤の介護職員における、保有資格別の平均給与と平均年収をまとめました。なお、平均年収は平均給与に12を掛けて算出しています。
| 保有資格 | 平均給与 | 平均年収(平均給与×12) |
| 介護福祉士 | 35万50円 | 420万600円 |
| 社会福祉士 | 39万7,620円 | 477万1,440円 |
| 介護福祉士実務者研修 | 32万7,260円 | 392万7,120円 |
| 介護職員初任者研修 | 32万4,830円 | 389万7,960円 |
| 無資格 | 29万620円 | 348万7,440円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.161)」
無資格の介護職は、介護職員初任者研修を取得することで、41万円程度の年収アップを目指せます。すでに介護職員初任者研修を保有している人は、介護福祉士などの上位資格の取得にチャレンジするのも良いでしょう。
介護職員初任者研修については、「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」の記事で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年7月15日)
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レバウェル介護の資格スクール実力を評価してくれる施設に転職する
年功序列式の評価制度を採用している施設に転職すると、年収が下がる可能性があるでしょう。反対に、勤続年数に関わらず実力を評価してくれる施設に転職すれば、年収アップを狙いやすいでしょう。
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処遇改善手当が高い施設に転職する
「介護職員等処遇改善加算」を算定している施設であれば、介護職員の給与が高めに設定されている可能性があります。「介護職員等処遇改善加算」とは、介護職員の給与改善を行うために実行されている施策です。
介護職員等処遇改善加算はI~IVの4段階。加算Iが最も加算率が高く、介護サービスの種類によって5.1~24.5%が、介護報酬に上乗せされます。処遇改善加算として事業所に支払われた報酬は、職員の賃金改善に使用しなければなりません。
配分の仕方などは施設ごとに異なるため一概にはいえませんが、上位の処遇改善加算を取得している事業所は給与が高く設定されている可能性も。転職の際は、処遇改善加算の算定状況をチェックしてみるのも良いでしょう。
出典
厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」(2025年7月15日)
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福利厚生や手当の厚い施設に転職する
福利厚生や手当の厚い施設に転職することでも、年収アップが期待できるでしょう。手当の例としては、住宅手当や家族手当、家賃補助などが挙げられます。たとえば、住宅手当として毎月2万円が支給される場合、1年で約24万円受け取ることが可能です。基本給だけではなく、手当や利用できる福利厚生にも注目して転職活動を行いましょう。
長く働ける施設に転職する
長く働ける施設に転職することも、介護職の年収アップにつながるでしょう。勤続年数が長いほど、基本給や手当が上がる傾向があります。給与が高いからといって自身に合わない施設に転職してしまうと、違和感を覚えて転職を繰り返してしまい、数年後の年収が低くなってしまうこともあるので注意しましょう。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.146)」によると、月給制・常勤の介護職員における、勤続年数別の平均給与と平均年収は以下のとおりです。なお、平均年収は平均給与に12を掛けて算出しています。
| 勤続年数 | 平均給与 | 平均年収(平均給与×12) |
| 1年(勤続1年~1年11ヶ月) | 29万8,760円 | 358万5,120円 |
| 3年(勤続3年~3年11ヶ月) | 31万6,080円 | 379万2,960円 |
| 5年(勤続5年~5年11ヶ月) | 33万1,010円 | 397万2,120円 |
| 10年(勤続10年~10年11ヶ月) | 33万7,300円 | 404万7,600円 |
| 15年(勤続15年~15年11ヶ月) | 35万9,090円 | 430万9,080円 |
| 20年以上 | 38万2,520円 | 459万240円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.146)」
介護職員の年収は、勤続年数を重ねることで増加する傾向があります。転職活動では、仕事内容や施設の雰囲気が自身に合い、ストレスを感じずに働ける施設を見極めることが重要といえるでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年7月15日)
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今の職場に満足していますか?
転職で年収アップを狙う際に注意すべき点
ただ転職するだけでは年収がダウンしてしまう可能性もあります。転職で年収アップを狙う介護職の方は、以下の点に注意しましょう。
企業規模が大きいからといって年収が高いとは限らない
企業規模が大きい施設に転職しても、年収が高いとは限りません。企業規模が大きいと職員数も多いため、評価基準が画一的であったり、昇給のチャンスが少なかったりすることも考えられます。反対に、規模の小さい施設では、一人ひとりの活躍が目につきやすく、評価に反映される可能性があるでしょう。企業の規模だけでは年収を判断できないので、しっかりと情報収集を行うことが重要です。
未経験の業種には応募しない
未経験の業種に応募すると、一から仕事について学ばなければいけません。即戦力になるのは難しいため、未経験の業種に転職して年収アップを実現するのは難しいでしょう。ただし、仕事によってはキャリアアップを目指せる場合もあるので、将来性を加味して業種や職種を選ぶことも大切です。
年収アップを狙って転職するリスク
年収アップを狙って転職すると、「採用担当者にマイナスな印象を与える」「ワーク・ライフ・バランスが悪くなる」などのおそれがあります。以下で解説するので、ご確認ください。
面接担当者にマイナスな印象を与える可能性がある
志望動機を聞かれた際に、年収を理由として伝えると、採用担当者に「年収が高ければどこでも良いのでは?」とマイナスな印象を与えてしまうことも。「より年収が高い職場を見つけたら辞めてしまうのでは?」と懸念される可能性もあります。
どの施設も、長く働ける人材を求めているため、年収アップを目的とした転職だとしても、理由をそのまま伝えず意欲をしめすことが必要です。
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年収が高い分ワーク・ライフ・バランスが悪い可能性がある
年収をアップすることを転職の軸にしてしまうと、ワーク・ライフ・バランスが悪くなる可能性があります。希望どおり年収はアップしたとしても、夜勤が多かったり休日が少なかったりする場合、身体的な疲労が蓄積して働き続けることが困難になるおそれも。転職活動の際は、給与だけではなく、労働時間などの待遇もチェックしましょう。
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自身の年収と平均年収を比較することが大切
年収アップを目的として転職をする前に、給与が自身の能力に見合っているかどうか判断することが大切です。希望の年収が高過ぎると転職活動が上手く行かないこともあります。
下記では、介護従事者の職種別の平均年収と、介護職員の施設形態別の平均年収を紹介するので、給与を比較する際に参考にしてみてください。
介護従事者の職種別の平均年収
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.126)」によると、月給制・常勤の介護従事者における、職種別の平均給与と平均年収は以下のとおりです。なお、平均年収は平均給与に12を掛けて算出しています。
| 職種 | 平均給与 | 平均年収(平均給与×12) |
| 介護職員 | 33万8,200円 | 405万8,400円 |
| 看護職員 | 38万4,620円 | 461万5,440円 |
| 生活相談員・支援相談員 | 35万3,950円 | 424万7,400円 |
| 理学療法士・作業療法士・ 言語聴覚士又は機能訓練指導員 | 36万2,800円 | 435万3,600円 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 37万5,410円 | 450万4,920円 |
| 事務職員 | 31万7,620円 | 381万1,440円 |
| 調理員 | 27万2,240円 | 326万6,880円 |
| 管理栄養士・栄養士 | 32万3,810円 | 388万5,720円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.126)」
介護職員は、事務職員や調理員より平均年収が高く、生活相談員やケアマネジャーより平均年収が低い結果です。介護業界では、専門性の高い職種や、利用者さんのケアに直接関わる職種の年収が高い傾向があります。
年収アップを目指したい介護職の方は、生活相談員やケアマネジャーへのキャリアアップを目指すのも良いかもしれません。
介護職員の施設形態別の平均年収
同資料 (p.129)」によると、月給制・常勤で働く介護職員における、施設形態別の平均給与と平均年収は以下のとおりです。なお、平均年収は平均給与に12を掛けて算出しています。
| 施設形態別 | 平均給与 | 平均年収(平均給与×12) |
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 36万1,860円 | 434万2,320円 |
| 介護老人保健施設 | 35万2,900円 | 423万4,800円 |
| 介護医療院 | 33万30円 | 396万360円 |
| 訪問介護事業所 | 34万9,740円 | 419万6,880円 |
| 通所介護事業所(デイサービス) | 29万4,440円 | 353万3,280円 |
| 通所リハビリテーション事業所(デイケア) | 31万9,310円 | 383万1,720円 |
| 特定施設入居者生活介護事業所 | 36万1,000円 | 433万2,000円 |
| 小規模多機能型居宅介護事業所 | 30万5,220円 | 366万2,640円 |
| 認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 30万2,010円 | 362万4,120円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.129)」
入居型施設の介護職員は、平均年収が比較的高い傾向があります。身体介護などスキルが必要な業務に対応する機会が多い事業所では、その分給与も高めに設定されていることも少なくありません。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年7月15日)
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介護職の年収に関する質問
ここでは、介護職の年収に関する質問に回答します。転職で年収アップを目指す方は、ぜひご覧ください。
介護職員が給料を上げるにはどうすれば良い?
介護職員が給料を上げるには、夜勤の回数を増やしたり資格を取得するのが効果的です。夜勤手当や資格手当によって、収入がアップが見込めるでしょう。また、同じ職場で勤続年数を重ねたり、キャリアアップしたりすることでも年収アップを狙えます。
介護職員が給料を上げる方法については、「介護職で高収入を得るには?資格や夜勤手当を活かして給料アップを目指そう」の記事でも解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
介護系で高収入を得られる資格は?
取得により高収入が期待できる介護系の資格として、「介護福祉士」と「介護支援専門員(ケアマネジャー)」が挙げられます。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」によると、無資格の介護職員の平均給与が29万620円であるのに対し、介護福祉士は35万50円、介護支援専門員は38万8,080円でした。
介護職が年収アップを目指す方法については、「介護職で年収500万円を目指せる?高給与の施設へ転職した事例も紹介」の記事でも紹介しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年7月15日)
まとめ
介護職は転職で年収アップを目指せますが、必ずしも転職すると年収がアップするわけではありません。介護職の給与は、取得している資格や勤続年数などによって変わります。転職で年収アップを成功させるには、より上位の資格を取得することや、長く働ける職場を選ぶことが有効です。また、実力を評価してくれる施設や、福利厚生・手当が手厚い施設に転職するのも、年収アップの方法といえます。
年収アップを狙って転職することにはリスクもあるので注意が必要です。転職をする前に、自分にとってどれくらいの収入が適切なのか、職場ごとの平均年収と比較してみましょう。
介護職が年収を上げるには、自分にとって居心地が良く、働きやすい職場を見つけることが重要です。しかし、1人でそのような職場を見つけるのは難しいこともあるでしょう。
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今の職場に満足していますか?
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


