グループホームのケアマネジャーの給料は平均いくら?給与アップ方法も解説

介護職の給料 2025年2月25日
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この記事のまとめ

「グループホームのケアマネの給料は高いの?」と気になることがあるかもしれません。ケアマネジャーは、施設ケアマネと居宅ケアマネの2つに分かれていますが、施設ケアマネのほうが給料が高い傾向があります。グループホームのケアマネジャーは施設ケアマネの中では給与が低めであるものの、小規模施設ならではのやりがいのある仕事です。この記事では、グループホームに勤務するケアマネジャーの平均給与と給料を上げる方法を解説します。

ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?業務内容や役割を解説!

目次

ケアマネジャーの給料は年々アップしている

厚生労働省の調査によると、ケアマネジャーの給料は年々増加傾向にあります。以下で、ケアマネジャーの平均給与をまとめているので、確認してみてください。

年度平均給与
平成29年度(2017年)345,820円
平成30年度(2018年)350,320円
令和2年度(2020年)357,850円
令和3年度(2021年)353,560円
令和4年度(2022年)361,770円

参照:厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.133)」「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.62)」「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.128)」「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.144)」「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)

ケアマネの平均給与が上がっているのは、介護職員の待遇が向上しているためと考えられるでしょう。介護職の人材獲得、定着のために政府が「介護職員等処遇改善加算」などの政策を実施しています。そのため、介護職員を兼務している施設ケアマネは給与アップなどの恩恵を受けることが可能。施設ケアマネの給与水準が上がったことで、ケアマネ全体の給与も上がったようです。

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ケアマネジャーの平均給与

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)」をもとに、ケアマネジャーと介護職員の平均給与を比べてみました。

平均給与平均基本給
ケアマネジャー361,770円220,050円
介護職員317,540円186,190円

参照:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)

ケアマネジャーと介護職員は、平均給与で4万円以上の差があります。そのため、介護職員はケアマネになることで給与アップする見込みがあるでしょう。高給与を目指す介護職員は、ケアマネジャーを目指してみるのも方法の一つです。

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グループホームで働くケアマネの給料はほかの施設より高い?

施設形態別の介護支援専門員の資格を保有している職員の平均給与は、以下のとおりです。

施設形態別平均給与
介護老人福祉施設(特養)414,760円
介護老人保健施設(老健)397,600円
訪問介護事業所364,940円
通所介護事業所(デイサービス)313,480円
通所リハビリテーション事業所(デイケア)356,920円
特定施設入居者生活介護事業所(有料老人ホーム)364,310円
小規模多機能型居宅介護事業所361,010円
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)359,850円

参照:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)

グループホームで働くケアマネの平均給与は、359,850円です。ケアマネジャー全体の平均給与は376,770円なので、グループホームで働く場合は平均よりやや低いといえます。

施設ケアマネは居宅ケアマネより給料が高い

特養や老健などの介護施設で働く施設ケアマネは、居宅ケアマネよりも給与が高い傾向があります。施設ケアマネの給与が高い理由は、介護職員を兼務することがあるからです。介護職員を兼務する場合、介護施設は24時間体制で利用者さんを見守るため、夜勤があり、その分手当が支給されます。

施設ケアマネの中ではグループホームは給与が低め

施設ケアマネの中で比較すると、グループホームのケアマネは、ほかの施設に比べて給与が低い傾向にあります
とはいえ、グループホームは利用者さんの数が少ないため、密な関係を築けるのが魅力です。また、グループホームでは、認知症の症状に合わせたケアプラン作成が求められるため、認知症介護の領域を極めることができます。利用者さんの日常の見守りをもとにケアプランを組めるので、やりがいのある仕事です。給与以外の面も踏まえて、就業先を選びましょう。

グループホームのケアマネの給料が上がる2つのポイント

グループホームのケアマネジャーの給料は、工夫次第でアップできます。ここでは、給料を上げる2つの方法を紹介しているので、ぜひご一読ください。

長く勤めてキャリアアップする

グループホームのケアマネジャーは、勤続年数を積みキャリアアップすることで給料が上がる傾向にあります。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.144)」をもとに、グループホームで働く介護職員の勤続年数による平均給与を以下にまとめました。

勤続年数平均給与
1年(勤続1年~1年11ヶ月)266,180円
5年(勤続5年~5年11ヶ月)287,570円
10年(勤続10年~10年11ヶ月)293,350円
15年(勤続15年~15年11ヶ月)316,990円
20年以上351,890円

参照:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.144)

1年目の新人から20年目のベテランになるころには、8万円以上の給与アップが見込めます。勤続年数を重ねれば、グループホームのケアマネジャーを続けながら給与アップできるでしょう。

管理職に就いて役職手当をもらう

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.136)」をもとにグループホームの管理職と管理職ではない職員の平均給与を以下にまとめました。

管理職の有無平均給与
管理職365,600円
管理職ではない283,680円

参照:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.136)

介護職員が管理職になると、8万円以上給与が増えます。管理職を目指してマネジメント力を身につければ、給与アップとともにキャリアアップも望めるでしょう。
なお、給与は施設によって異なるので、あくまで参考としてご覧ください。

グループホームで管理者を目指す方は、「グループホーム管理者の資格要件とは?必要なスキルと向いている人をご紹介」もあわせてチェックしてみましょう。

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居宅ケアマネと施設ケアマネの仕事の違い

居宅ケアマネと施設ケアマネは、勤務する場所や仕事内容に違いがあります。

居宅ケアマネの仕事内容

居宅ケアマネは居宅介護支援事業所に在籍するケアマネのことで、ご自宅で介護サービスを必要とする利用者さんに向けてケアプランを作成します。

利用者さんの自宅を訪問する都合上、相手の予定に合わせるため、日程調整が必要です。事業所によっては新規開拓のために営業活動が必要な場合もあり、フットワークの軽さが求められるでしょう。

施設ケアマネの仕事内容

施設ケアマネは入居型介護施設に勤務するケアマネのことで、勤務先の利用者さんに対してケアプランを作ります。施設のスケジュールに合わせて働くので、日程調整の必要はありません。利用者さんの状態確認やモニタリング業務が施設内で完結するので、居宅ケアマネと違い、移動に時間を取られることはないでしょう。

入居型介護施設で働く介護職の中では、デスクワーク中心なので、身体介助メインの介護職員に比べて身体的負担が少ないといえます。しかし、施設ケアマネが介護業務を兼務することもあるので、事前に業務内容を確認しておくことが大切です。

グループホームのケアマネは他の職種と兼務が多い

グループホームは利用者さんの数が少ないため、ケアマネジャーは、介護職員や管理者と兼任するのが一般的です。身体介助や見守りを通じて、利用者さんに必要なケアを直接把握できるのがメリットといえます。
日常の気づきをもとにケアプランを作成できるので、利用者さんの要望にあった適切なプランを作れるでしょう。

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今後の介護報酬改定でケアマネの処遇改善が期待される

ケアマネジャーの処遇は、今後の介護報酬改定で改善が期待されています。現在、ケアマネジャー離れが問題視されており、人員確保のために国が給与アップを行うと考えられるからです。

ケアマネジャー離れの原因は、2020年10月にスタートした「介護職員特定処遇改善加算」といわれています。「勤続10年以上の介護福祉士の給料を月額8万円以上アップする」ことを定めた制度で、ケアマネジャーは介護職員と兼任でなくては加算の対象になりません。結果として、介護福祉士の給料がケアマネジャーを上回ったり、ケアマネジャー試験の応募者数が前年度より6割減少したりする事態が起きました。日本介護支援専門員協会も危機感を持ち、厚生労働省にケアマネジャーの処遇改善を求めたほどです。

ただし、2024年6月から運用されている「介護職員等処遇改善加算」では、職種間の配分ルールがありません。介護職員等処遇改善加算を取得しているグループホームでは、ケアマネジャーも給与アップの恩恵を受けられる可能性があるでしょう。介護職員等処遇改善加算について詳しく知りたい方は、「処遇改善手当とは?介護職員はいくらもらえる?加算の支給対象や要件も解説」の記事をご覧ください。

グループホームで働くケアマネに関するよくある質問

ここでは、グループホームのケアマネに関してよくある質問を紹介します。

グループホームに勤めるケアマネの平均給与を教えてください

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.158p.162)」によると、グループホームで働く月給・常勤ケアマネの平均給与は359,850円でした。時給・非常勤の場合は、月収が159,150円、平均労働時間が103時間なので、時給換算すると1,545円程度です。
施設形態別のケアマネの給与は、「グループホームで働くケアマネの給料はほかの施設より高い?」で解説しているので、ぜひご覧ください。

グループホームのケアマネの給料を上げることは可能ですか?

グループホームのケアマネが給料アップするには、「介護職を兼務して手当を受ける」といった方法が効率的でしょう。介護業務を兼務することで、ケアマネ以外の資格手当や、夜勤手当が支給される可能性が上がります。ほかにも、管理職に就いたり、勤続年数を重ねたりすることで、給料アップを叶えられるでしょう。
詳しくは「グループホームのケアマネの給料が上がる2つのポイント」をチェックしてみてください。

グループホームのケアマネの今後はどうなりますか?

ケアマネの仕事は、今後の医療・福祉を支える重要な職業の一つです。高齢化社会によって、介護が必要な方が増えることが予想され、ケアプランを作成するケアマネの需要は高まる可能性があるでしょう。また、高齢化にともないグループホームだけではなく、ほかの施設形態や介護関連の求人数が増加する可能性も考えられます。
介護業界で長く活躍したい方は、自身のキャリアプランを明確にしておくと、モチベーションを維持して働けるでしょう。

まとめ

ケアマネジャーの給料は年々増加傾向にあります。具体的なケアマネの平均給与は361,770円。グループホームで働くケアマネジャーの平均給与は、359,850円です。
グループホームのケアマネは、施設ケアマネに該当します。施設ケアマネの中で、グループホームのケアマネの給与は低い傾向にありますが、小規模な施設であるため利用者さん一人ひとりに寄り添ったケアプランの作成ができる魅力があるでしょう。

グループホームのケアマネの給料を上げる方法は、勤続年数を重ねキャリアアップする方法と管理職に就いて役職手当をもらう方法などがあります。

グループホームで働いているけど現在の給与に納得できない方や、これからグループホームでケアマネとして働いてみたい方は、「レバウェル介護(旧 きらケア)」にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した就職・転職支援サービスです。介護業界の転職に精通したキャリアアドバイザーがヒアリングを行い、希望条件にあった求人をご紹介いたします。地域の求人情報に精通しているため、ひとりでは見つけられなかった好待遇の求人が見つかることも。自分にマッチする職場を探したい方は、お気軽にご相談ください。

実際どれだけもらえるの?

転職後の給与額を聞く

執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2025年2月25日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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