
この記事のまとめ
- 介護職員がグループホームを辞めた理由は、人間関係の悩みや身体的負担など
- グループホームを辞める前、職場でのコミュニケーションを振り返ってみる
- グループホームからの転職先には、デイサービスや訪問介護事業所などがある
グループホームで働いている介護職員の方のなかには、「辞めたい…」と悩んでいる方もいるかもしれません。グループホームの仕事では、人間関係の悩みや身体的な負担、認知症ケアの大変さなどを感じることもあります。この記事では、介護職員がグループホームを辞めたいと思う理由やその対処法を解説。そのほか、退職前に行うことや転職先の例も紹介します。グループホームを辞めるか悩んでいる方は、チェックしてみてください。
グループホームとは?簡単に解説します!入居条件や費用、メリット、選び方目次
グループホームを辞めた理由
介護職員の方がグループホームを辞めた理由には、「人間関係に対する不満」「労働条件や待遇面に関する不満」などがあるようです。
レバウェル株式会社の「きらケア介護白書2022(p.30)」によると、「介護職員として 2回以上転職したことがある方の転職理由」には、「職場の人間関係が悪かった」が 29.8%、「給与が低かった 」が16.3%、「仕事内容への不満があった 」は14.7%とあります。
グループホームに限ったアンケートではありませんが、職場の人間関係や待遇などは、仕事への不満につながりやすいようです。
1.職場の人間関係が合わなかった
グループホームでは利用者さんやそのご家族、介護職員など、多くの人が関わります。そのため、「合わないスタッフがいる」「ある利用者さんとうまくコミュニケーションが取れない」など、人間関係の悩みを持つ方もいるようです。
また、サービスに対する考え方や認識の違いによって誤解が生じたり、経験値の差や職種の違いによって、摩擦が生じたりすることも。とはいえ、これは職員一人ひとりが介護の仕事に真剣に向き合っているからこそ起こることでしょう。
2.身体的な負担が大きかった
職員1人あたりの業務負担が大きいことが、退職を決める理由になることもあるようです。
グループホームは少人数制のため、職員の人数も一般的な入所施設と比べて少ない傾向にあります。少人数で業務を回すため、「1人での夜勤がつらい」「職員1人あたりの身体的な負担が大きい」など、身体的な負担が大きいと感じることがあるようです。
3.職場の介護方針が合わなかった
職場の介護方針と自身の介護観との不一致が、退職理由となるケースもあります。職場で起こった問題や悩みを相談しても真剣に取り合って貰えなかったり、「こういうものだから」などと上司の考えを押し付けられたりすると、精神的に疲弊してしまうこともあるようです。
また、利用者さんへ寄り添いたい気持ちと業務効率のバランスが取れていない場合も、仕事がつらくなる原因となるでしょう。
4.認知症介護による精神的負担が大きかった
グループホームの介護職員は、利用者さんの認知症の症状による意思疎通の困難さや暴言などにより、精神的ストレスを感じる場合があります。グループホームは認知症の方が入所しているため、認知症ケアの難しさを感じる場面は少なくありません。特に、認知症ケアの経験や知識が浅い場合は、「つらい」と感じやすいでしょう。
5:生活援助中心の業務に苦手意識を感じた
グループホームの介護職員は、食事の準備や洗濯、掃除などの生活援助を行います。家事を中心とする業務に苦手意識を感じる介護職員は、「仕事が合わない」と転職を検討する要因になることがあるようです。また、介護職員としての専門性を活かしたいと考えている人にとっては、生活援助中心の業務内容では物足りなさを感じる場合があるでしょう。
6.今後、収入が上がる見込みが低いと感じた
グループホームの介護職員のなかには、求められるスキルや仕事の大変さに対して、給与が見合っていないと感じ、転職を考える方もいるようです。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」によると、介護職員等処遇改善加算を取得しているグループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)で常勤で働いている介護職員の平均給与は30万2,010円です。これは、介護職員全体の平均給与(常勤33万8,200円)と比較すると、低い傾向にあります。職員によっては、不平等に感じることがあるでしょう。
近年、国の政策により介護職員の給与は上昇傾向にあります。しかし、処遇改善加算の未取得事業所では、給与上昇が見込みにくい場合も。昇給に不安を感じる場合は、待遇の良い職場への転職も検討してみても良いでしょう。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2025年9月29日)
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月8日)
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グループホームの介護職員の離職率
公益財団法人 介護労働安定センターの「令和6年度 介護労働実態調査結果:事業所における介護労働実態調査 結果報告書 (資料編‐19)」によると、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)における訪問介護員と介護職員の2職種を合算した離職率は、13.9%とあります。介護職全体の離職率12.4%と比較すると、グループホームの離職率は平均的な水準といえるでしょう。
出典
公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」(2025年9月8日)
グループホームの介護職員を辞める前にできること
グループホームを辞めるかどうか迷っているときは、つらいと感じる理由を明確にし、現状を改善できるか考えてみることが大切です。下記に状況別の対処法をご紹介するので、参考にしてみてください。
職場の人間関係が良くない場合の対処法
人間関係を円滑にするには、相手の気持ちになって考えてみることが大切です。
たとえば、何度も繰り返し同じことを聞いてくる利用者さんがいる場合、つい「さっきも言ったよ!」と答えてしまいたくなるかもしれません。しかし利用者さんにとっては、覚えていないから同じ質問をしているだけなので、無視をされたり怪訝な顔をされたりしたら嫌な気持ちになります。
介護現場のコミュニケーションは、否定せず、共感することや相手のペースを尊重することが大切です。高齢者とのコミュニケーションが上手くいかないと感じたときは、傾聴スキルを身に着けると業務で活かせるでしょう。
傾聴スキルについては、「介護で役立つ傾聴スキルとは。共感を示すコミュニケーションの方法」を参考にしてみてください。
また、職員同士のコミュニケーションも同様です。自分の意見が間違っていないと思っても、押し付けるように話しては人間関係はうまくいきません。きちんと相手の気持ちに寄り添うことで、人間関係が改善する場合もあります。
身体的なつらさが原因の場合の対処法
介護業務における身体的なつらさは、できるだけ早く対処すべき問題の一つです。夜勤や身体的な負担が多く日々の疲れがとれない場合は、グループホームの施設長に相談してみましょう。シフトや配置を調整してもらえる可能性があります。
また、腰痛がつらい場合は、腰痛に効く体操やストレッチをしてみる、先輩スタッフに負担のかからない介助のコツを聞いてみるなどを試してみましょう。なお、体調不良が長引くときは、無理せずに病院に行くことが大切です。
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給料に不満がある場合の対処法
夜勤に多く入ったり、資格手当が支給される資格を取得したりすることで、給料が上がる場合があります。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.162)」によると、介護職員等処遇改善加算を取得しているグループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)における資格別の平均給与は、下記のとおりでした。
| 資格名 | 平均給与(月給・常勤) |
| 資格なし | 26万3,290円 |
| 保有資格あり | 30万3,400円 |
| 介護職員初任者研修 | 28万8,740円 |
| 実務者研修 | 29万0,300円 |
| 介護福祉士 | 31万5,600円 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 35万8,900円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.162)」
資格なしの場合の平均給与は26万3,290円ですが、資格を保有している職員の平均給与は30万3,400円で、約4万円高くなっています。資格取得に一定の費用が掛かりますが、長い目で見ると資格を保有していたほうがメリットが大きい場合が多いでしょう。
最近では、資格取得支援制度を設けているグループホームも増えてきました。資格取得に挑戦したい方は、勤務先の資格取得支援制度を確認してみると良いでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月8日)
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レバウェル介護の資格スクール職場環境に不満があり、改善が見られない場合の対処法
施設長に相談をしたり自分なりの改善方法を試してみたりしたものの、状況の改善が見られない場合は、転職するのも方法の一つです。どれほど努力をしてもつらい状況が変わらないのは、問題が施設にある可能性が高いといえます。辞めたい理由が職場にあれば、何年その場にいても状況は変わりません。自分の希望や条件にあった職場に転職すれば、つらいと感じていることが解消される場合があるので検討してみましょう。
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グループホームを転職する前に行うこと
グループホームを辞めて転職することを決めたなら、次のポイントについても考えてみましょう。転職前にすべて実施する必要はありませんが、やっておいたほうが良いこともあります。
ボーナスを受給する
グループホームを辞めるタイミングに悩んでいる方は、ボーナスを受け取ってから退職を申し出るという選択肢があります。施設によって金額は異なるものの、ボーナスは基本給の2~3ヶ月分が相場。支給される場合は大きな収入源になるでしょう。退職後の生活にもゆとりが出るはずなので、できるだけもらっておくと安心です。
ただし、心身に不調があるなど、緊急性の高いときは無理にタイミングを合わせる必要はありません。自分の良いと思ったタイミングで退職の相談をするようにしましょう。
資格を取得する
前述のように、介護職は保有資格によって給与に差が出る場合があります。グループホームを辞めたい理由が「収入面の不満」なら、転職先を探す前に資格を取得しておくと良いでしょう。
また、介護職員初任者研修以上の資格を取得しておけば、応募できる求人の幅が広がります。無資格の場合も転職することは可能ですが、選択肢は多いほうが内定を貰えるチャンスも増えるはずですよ。
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レバウェル介護の資格スクールしっかりと引き継ぎをする
転職するからといって、「あとは自分には関係ない」と引き継ぎをしないまま辞めるのは避けましょう。引き継ぎをしなければ、利用者さんにとって大切な情報を共有できなかったり、必要な業務を誰も行わなかったりするなど、職場が混乱する恐れがあります。
すでに転職先が決まっている場合でも、最後に迷惑を掛けたことが新しい職場に伝われば信頼を失ってしまう可能性も。仕事はきちんと最後まで責任を持つことを意識し、円満退職を心掛けましょう。
退職前に転職先を決める
特に退職を急ぐ理由がなければ、在職中に転職先を決めておくと良いでしょう。退職をしてから転職活動を始める場合、新しい職場が決まらなければ収入が途絶えてしまう場合があります。雇用保険の基本手当(失業保険)を受けていても、在職時の給与の満額を貰えるわけではありません。
もし、収入が減った場合、転職活動に焦りが生じてしまい、結果として入職後のミスマッチにつながる可能性があります。働きながら転職活動を行うことで、焦ることなく、自分に合った職場をじっくり探すことができるでしょう。
また、在職中に転職先を決めておけば、収入が途切れることなくスムーズに新生活を送ることができます。どうしても早めに退職したい場合は、あらかじめ貯金をしておくと安心です。
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グループホームを辞めた人の転職先
グループホームを辞めた場合、以下のような選択肢があります。グループホームで働いた経験を活かせる職場はたくさんあるので、グループホームの施設形態に限らず範囲を広げて探してみましょう。
デイサービス
転職理由が「グループホームの夜勤がつらかった」「介護の身体的な負担がきつかった」という場合は、デイサービスが向いているでしょう。
デイサービスは、基本的に利用者さんの朝のお迎えから夕方の送りまでの時間帯に勤務します。在宅での生活が可能な方が対象なので、比較的要介護度が低い傾向があるので身体的な負担も少ないでしょう。
ただ、夜勤が必要になる「お泊りデイサービス」を実施している事業所もあるので、転職先を選ぶときはきちんと確認してくださいね。
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訪問介護事業所
「職場の人間関係に疲れた」という場合は、訪問介護事業所でホームヘルパーとして活躍する方法があります。
訪問介護の仕事は、基本的に一人で利用者さんのご自宅へ伺うので、一般的な介護施設と比べて、職員同士の関わりは少なめです。1日の訪問がすべて終わったら、そのまま直帰できる職場もあります。職場によっては事業所に戻ってサービス状況報告書を記入することもありますが、それほど長い時間ではないため人間関係に悩む機会は減少するでしょう。
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特別養護老人ホーム
「給料や待遇面に不満があった」という方は、グループホームから特養への転職を検討してみると良いでしょう。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.129)」によると、介護職員等処遇改善加算を取得している特養において、常勤で働いている介護職員の平均給与は、36万1,860円です。前述したグループホームの平均給与の30万2,010円と比較すると、約6万円高くなっています。
特養は医療依存度の高い利用者が多いことから、高いスキルと経験が求められる職場です。そのため、給与水準も高くなる傾向にあります。特養への転職は、収入アップやスキルアップに加え、やりがいも得られる良い機会となるでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年9月8日)
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別のグループホーム
同じグループホームという施設形態でも、働き方や職場環境、雰囲気は施設ごとに違います。「グループホームの仕事内容自体は好き」「人間関係がなかったら続けたかった…」といった場合は、別のグループホームに転職するのも良いでしょう。収入や待遇面も、施設ごとに違いがあるので、懸念点がある場合はあらかじめ調べておくと安心です。
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介護業界以外の仕事
介護業界での経験を活かせる仕事は、ほかの業界にもたくさんあります。たとえば、コミュニケーションスキルは営業や接客、販売の仕事で活かすことが可能です。「人の役に立ちたい」「誰かのサポートをするのがやっぱり好き」というのなら、営業事務などの仕事も向いているでしょう。
資格が必須であるものの、介護職から保育士や看護師へ転職する人も。業界や職種に囚われずに、視野を広げて考えてみると良いでしょう。
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グループホームを辞めるか悩んでいる方によくある質問
ここでは、グループホームを辞めるか悩んでいる方によくある質問を紹介します。転職を検討している方は、チェックしてみてください。
転職で注意すべき介護施設の特徴はある?
離職率が高かったり、有給休暇の取得率が低かったりする職場は、転職後に働きにくさを感じるかもしれません。上記が当てはまる施設は、職員や利用者さんの雰囲気が暗い、細かいところまで清掃が行き届いていないといった特徴がある場合があります。
転職前に職場見学を行い、職場の人間関係や清潔感をチェックしておくと良いでしょう。「働きやすい職場に転職したい」という方は、「ブラックな介護施設の見極め方を解説!転職時にチェックしたい求人の条件」もチェックしてみてください。
介護の求人情報はどこでチェックすべき?
介護の求人情報は、求人サイトやハローワーク、求人雑誌、転職エージェントなどから探せます。自分のペースで転職活動を進めたい場合は、転職サイトや求人雑誌を活用すると良いでしょう。転職のサポートを受けたい場合は、ハローワークや転職エージェントの利用が向いています。
転職を希望する業界に特化した転職エージェントなら、豊富な求人情報から応募先を選べます。介護業界への転職を検討している方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。
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まとめ
グループホームを辞めた理由には、「職場の人間関係が合わない」「身体的負担が大きい」「職場の介護方針が合わない」などがあるようです。
グループホームでは、利用者さんやそのご家族、介護職員など、多くの人が関わるため、価値観の違いから摩擦が生じることも。これにより、人間関係の悩みを抱える方がいるようです。
また、グループホームは少人数の職員で業務を回しています。職場によっては、職員1人当たりの業務負担が大きくなり、身体的な負担を感じることもあるようです。
「グループホームを辞めたい」と悩んだ場合は、何がつらいのかを明確にしたうえで、改善できるかを考えてみると良いでしょう。人間関係に悩んでいる場合は、普段の自分のコミュニケーションを振り返ってみる、身体的なつらさがある場合は施設長にシフトや配置の調整を相談してみるなどを試してみましょう。そうすることで、現状を改善できる可能性があります。
「対処法を試したけど辞めたい」という場合は、転職活動へ動いても良いでしょう。無理して働き続けると、体調を崩して、長期間働けなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
「自分に合った職場を見つけたい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)へご相談ください。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


