看護師は介護士を見下すと感じる理由とは?考え方や対処法について解説

介護職の悩み 2025年2月10日
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この記事のまとめ

「看護師から見下されている気がする」「パワハラを受けている」といったお悩みのある介護士の方もいるかもしれません。介護士にとって、近くで働く看護師との人間関係はとても重要な問題。協力し合って働くためには、役割の違いを理解することが大切です。この記事では、介護士と看護師の関係性が悪くなる理由や対処法を解説します。「看護師と良好な人間関係を築きたい」という介護士の方は、参考にしてみてください。

目次

お悩み「看護師が介護士を見下す態度を取ってきます…」

病院で働く介護士の方が抱く、看護師との関係性についてのお悩みを紹介します。

ナースコールに対応し、患者さんのご希望で物品の位置を過ごしやすいように移動させました。もちろん介護士のリーダーや先輩と相談し、師長の許可も取ったうえで行っています。
しかし、ある看護師から「介護士さんは看護師の指示に従って。自分の考えで動かないで!」と言われました。看護師は介護士を見下すものなんですか?

お悩みに回答すると、すべての看護師が介護士を下に見て対応するわけではありません。看護師と介護士は、それぞれ医療と介護という異なるフィールドのプロです。そのため、看護師は介護士とは違う視点で大切にしたいことがあり、そのような発言をしたのかもしれません。看護師本人は見下したつもりがなかった可能性もあるので、発言の背景について考えてみると良いでしょう。

とはいえ、いじめやパワハラは決して許されるものではありません。その看護師の方も、相手が嫌な気持ちにならないよう配慮して伝えるべきだったと思います。

介護士と看護師の関係が悪くなることは、病院だけでなく介護施設でも起こりうる問題です。看護師と介護士が良好な人間関係を築くには、お互いの立場や事情を理解して歩み寄る姿勢が大切といえます。

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看護師と介護士の関係が悪くなる5つの原因

職場によっては、看護師と介護士の関係性が悪くなることがあるようです。そういったケースでは、看護師からパワハラを受けたと感じる場合もあるかもしれません。看護師と介護士の関係性が悪くなる5つの理由について、1つずつ解説します。

役割と仕事内容の違い

看護師と介護士は、業務や役割分担に対する認識の違いが原因で、関係が悪くなるケースがあります
病院で働く介護士は「看護助手」とも呼ばれ、看護師の指示を受けて業務を遂行する立場です。介護士は原則として医療行為ができないため、医療行為は看護師の仕事、介護業務は介護士の仕事、と明確に役割分担をしてチーム医療が成り立っています。
そのため、病院の勤務環境に慣れている看護師が介護施設で働く際に、介護業務を手伝うことを当たり前だと思っていない場合があるようです。

このように、役割分担の認識のズレが介護士の「看護師が介護業務を全然手伝ってくれない」という不満につながることもあります。看護師と介護士がそれぞれ納得して働くためには、担当する業務や責任範囲の認識をすり合わせることが必要です。

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専門領域や前提知識の違い

看護師と介護士は、学んできた知識や積んできた経験が異なるため、前提知識の違いがすれ違うきっかけになることもあります。看護師は「どうしてこんなことも分からないの?」と感じたとしても、介護士からすると「自分の専門領域じゃないから高度なことを求められても困る」と感じてしまうこともあるでしょう。

現場でよく使う専門用語などを分からないままにしておくと、業務に支障が出る場合があるので、分からないときは質問して知識を身につけることが大切です。

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患者さん・利用者さんへの関わり方の違い

看護師と介護士は、利用者さん・患者さんをアセスメントする際の観点が異なります。医療職として、ケガや病気の治療のために、疾患の状態やリスクを考えながら関わるのが看護師。それに対し、ご本人やご家族の希望に寄り添い、安心して日常生活を送れるようサポートするのが介護士の役割です。

関わり方が異なるため、患者さんや利用者さんを思う気持ちから意見が対立し、関係性が悪くなることもあるかもしれません

資格や職種によるヒエラルキーの意識

介護や医療の現場では、誤ったヒエラルキーの意識が影響して、看護師が介護士を見下している場合があるようです。

看護師と介護士は、それぞれの専門性を活かして連携し、利用者さん・患者さんの支援を行うのが本来あるべき姿で、上下関係は存在しません。しかし、保有資格や担当できる業務の違いから、介護士を見下す看護師も少数ながらいるのが実情です。看護師や介護士自身にヒエラルキーの意識があることで、指示が「上から目線」と感じる場合があります。

現場業務の忙しさ

現場の仕事が忙しく、余裕がなくなってピリピリしてしまう人もいます。忙しい現場だと、介護士も看護師もつい言い方がきつくなってしまい、関係が悪くなることがあります。言葉は一度口にすると、引っ込めることができません。相手の気持ちを思いやる余裕がないほど忙しいと、そのときの感情で厳しい物言いをしてしまうことも考えられます。

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看護師からパワハラを受けたときの5つの対処法

看護師から突然厳しいことを言われると、つらい気持ちになりますよね。そのようなときの対処法を5つ紹介するので、参考にしてみてください。

言われた理由や状況を冷静に整理する

感情を抑えて冷静に状況や発言の理由を考えてみましょう。相手の発言を客観的に捉えることが大切です。ただし、看護師の言い分がすべて正しいとは限らないので、根拠のない発言には思い悩み過ぎないよう意識してみてください。

看護師からパワハラと感じる発言があったときは「なぜこのような言葉が出たのか」を分析する気持ちで対応してみましょう。看護師自身が何かに悩んでいたり、プレッシャーを感じていたりするのかもしれません。相手にも感情があるのだと認識し、きつく言われた理由を理解するよう努めましょう。また、相手に対して感情的にならないためには、アンガーマネジメントを行うことが重要です。

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看護師と対話する時間を作る

看護師との間に誤解がある場合は、解消するために対話する機会を設けましょう。きつい言い方をされたときは、その場でいきなり話すのではなく、状況が落ち着いてから話すのがベターです。適切な場所やタイミングを見計らって話しかけてみましょう。

きつい言葉を投げかけられてしまうと、なかなか話しかけづらいかもしれません。しかし一緒に働く仲間同士、スムーズに業務を進めるためと割り切ることも大切です。対話の中で看護師が介護士に求めている対応が分かれば、お互いストレスなく患者さん・利用者さんに良いケアを提供できるはずです。

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看護師の考え方を聞いてみる

介護の基本「傾聴」「受容」「共感」を思い出し、聞き役に徹してみましょう。まずは相手の立場や状況を理解する姿勢を見せることが大切です。看護師が介護士に何を求めているのかを見つけるつもりで聞いてみましょう。

実際に話を聞くことで、看護師の言動の背景にある医学的根拠に気づくことができれば、次からは注意して対応できるはずです。看護師の気持ちを汲み取って歩み寄れば、今後の関係性を良いものに変えていける可能性が高まります。

先輩や上司に相談して改善してもらう

本人同士の対話で問題が解決しない場合は、先輩や上司に相談してみましょう。先輩は過去の体験から、看護師とうまくやっていくコツを知っている場合があります。上司は配置転換を検討してくれるかもしれません。また、職種間に上下関係はないと明言してくれる可能性もあります。職場でコミュニケーションや役割分担のルールを取り決めてもらうのも良い方法です。

転職を考える

上記の対処法を試しても改善がない場合は、別の職場で頑張る選択肢もあります。いじめと感じるほどきつい場合は、無理せず転職することも考えてみてください。心身が疲弊した状態で同じ職場に居続けても、どんどんつらくなってしまいます。心だけでなく身体の不調を招く恐れもあります。

別の職場に移れば、これまでとは違った環境で自分らしく働ける可能性があるでしょう。「今の職場では疲れるばかり」と感じたら、転職を検討してみることをおすすめします。

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看護師と良い関係を築く3つのコツ

ここでは、看護師と良好な関係を築くためのコツを3つお伝えします。意識することでコミュニケーションがスムーズになる可能性があるので、ぜひ試してみてください。

お互いの専門分野・考え方の違いを理解する

看護師と介護士はそれぞれ専門性が異なることを、理解するよう努めてみましょう。看護師・介護士はともに専門職です。そこに上下関係はないと双方が認識することが、より良い関係づくりのコツです

介護士は医療行為ができないため、医療的な判断については看護師に指示を仰がなければなりません。看護師が仕事で大切にしている価値観や介護士に求めているコミュニケーションが分かれば、対立を避けて業務上のやり取りができるようになるはずです。報告の仕方や看護師の指示内容の背景について考えてみると、理解が深まるでしょう。

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自分から積極的にコミュニケーションを図る

積極的なコミュニケーションは、良好な人間関係を築くために大事なことの一つです。自分から進んで看護師とコミュニケーションを取ることが、信頼関係の構築につながります。また、お互いの立場を考慮し、尊重しながらコミュニケーションを取ることも大切です。

毎日あいさつをする、感謝を伝えるなども立派なコミュニケーション。仕事上のやり取りはもちろん、休憩時間の雑談なども良い関係性作りに役立ちます。普段から話しやすいと感じてもらえれば、業務のやり取りもスムーズになって働きやすくなります。

利用者さんを第一に考えて協力し合う

看護師と介護士が共通して優先すべきは利用者さん・患者さんです。利用者さん・患者さんのニーズや希望を理解し共有することが、良好な関係性の構築につながります。職種間の価値観の違いが出たときは、起点に立ち返って利用者さん・患者さんにとって何が一番良いケアなのかを一緒に考えていくことが大切です。

それぞれの価値観や考え方によって意見が割れることもありますが、利用者さん・患者さんのことを思えばこそです。対立しそうなときは、「どうすれば利用者さん・患者さんが今よりも穏やかに過ごせるか」「本来のニーズはどのようなものか」を看護師と一緒に振り返ると良いかもしれません。

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看護師と介護士の関係に関してよくある質問

ここでは、看護師と介護士の関係性に関する質問や悩みに回答します。

施設では看護師なのに介護業務をすることもあるの?

看護師が介護業務を行うかどうかは、施設の方針によります。看護師と介護士の業務が分業されている施設では、看護師は看護業務に集中できることが多いでしょう。一方で、明確な分業がない施設では、看護師も介護業務を行うことがあります。医療的な処置を必要としない利用者さんが多い施設では、介護士と一緒に介護業務に入る可能性があることを理解しておきましょう。

介護施設の看護師が働かないのですがどうしたらいいですか?

まずは、看護師の仕事の範囲がどこまでかなのかを明確にしましょう。個人で看護師に相談に行くのが難しければ、上司に相談して組織単位で決めてもOKです。「コールが鳴ったときは職種に関係なく手が空いている人が対応する」「業務に余裕があるときは介護業務も手伝う」など、職場内で明確にルール化されれば、看護師と連携しやすくなるでしょう。

まとめ

看護師が介護士を見下していると感じたら「パワハラだ」とすぐ結論付けず、まずは相手の心情や状況を理解するよう努めましょう。もし対処法を試しても状況が変わらない場合は、転職を検討する選択肢もあります。

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執筆者

  • 元介護士ライター

グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。

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※この記事の掲載情報は2025年2月10日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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