障害者施設の仕事のやりがいとは?サービス内容や向いている人の特徴を解説

介護の仕事 2023年8月16日
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施設で過ごす母

この記事のまとめ

「障害者施設のやりがいはどんなものがあるの?」と気になる方もいるでしょう。障害者支援施設は、身体や精神などさまざまな障害がある方を支援するための施設です。この記事では、障害者支援のサービス内容や、やりがいについて解説しています。障害者支援施設の仕事が向いている・向いていない人の特徴も紹介しているので、障害者支援の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

障害者支援施設とは?仕事内容や一日の流れ、高齢者介護との違いを解説!

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サービスはこれまでと変わらずすべて無料で簡単にご利用いただけます。一人ひとりに寄り添った転職サポートをこれからも提供していきます。

目次

障害者施設とは

障害者施設とは、障害がある方を対象に生活をサポートするための施設です。身体障害や精神障害、知的障害など幅広い障害に対応しています。身体介助や就労支援など、サービス内容は多岐にわたり、利用者さん一人ひとりに合ったケアを行えるのが特徴です。

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障害者支援の主なサービス内容

障害者支援の主なサービス内容は、居宅介護や重度訪問介護、同行援護、生活介護、就労継続支援などです。障害者支援サービスは、基本的に18歳以上の方が利用できます。サービス内容を以下で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

居宅介護

居宅介護は、利用者さんの自宅に訪問して食事・入浴・排泄などの身体介助や調理・掃除・洗濯などの生活援助、生活に関する相談対応を行います。「訪問介護と何が違うの?」と思う方もいるかもしれません。訪問介護は高齢者向けのサービスですが、居宅介護は18歳以上で障害支援区分1以上の認定を受けている方が対象です。また、訪問介護は居宅サービスのうちの一つで、居宅介護は障害福祉サービスのなかの一つ。仕事内容自体に大きな違いはないので訪問介護・居宅介護のどちらかの経験がある方は、もう一方でも活躍できるでしょう。

重度訪問介護

知的障害や精神障害、肢体が不自由な方など重度な障害があり、日常生活を自力で送ることが難しい方を対象に、常時身体介護や移動支援を提供するサービスです。障害支援区分が4以上で、「二肢以上に麻痺などがあり、歩行・移乗・排尿・排便が「支援が不要」以外に認定されている人」「障害支援区分の認定調査項目のうち、行動関連項目など(12項目)の合計点数が10点以上である人」のどちらかに当てはまる方が利用できます。

同行援護

同行援護は、視覚にハンデのある方を対象に、代筆・代読・公共機関の移動支援などの必要な情報提供および介護を行います。身体介護を伴う同行援護を利用できるのは、「障害者支援区分が2以上であること」「障害支援区分の認定調査項目のうち、歩行・移乗・移動・排尿・排便のいずれかが支援が必要と認定されていること」の両方の条件を満たす方です。
社会通念上適当でない外出、通年かつ長期にわたる外出、営業活動等の経済活動に係る外出の同行援護はできないので、ギャンブルに行く際や通学などに利用することはできません。

行動援護

行動援護は、自己判断能力が制限されている方が移動や外出時の危険を回避できるように、精神的な安定を図る介護や支援を行うサービスです。精神障害や知的障害があり、障害支援区分が3以上、行動関連項目など(12項目)の合計点数が10点以上である人がサービスの対象。障害により発作やパニックが起きた際に対処したり、移動中の介護を行ったりします。

生活介護

生活介護は、障害者支援施設を利用している方を対象に、身体介助や自立支援を行うサービスのことです。身体介助や生活援助、相談対応、生産活動・創作活動の場の提供などを行っています。生活介護の対象者は年齢や施設に入所しているかの有無によって異なるようです。「生活介護とは?障害者福祉施設で働く生活支援員の仕事内容と対象者を解説!」の記事で、生活介護の対象者について解説しているので、あわせてご覧ください。

就労継続支援(A型)

就労継続支援(A型)では、一般企業への就労が難しい方を対象に就労機会を提供して、就労スキルの獲得および能力向上に必要な支援を実施。雇用契約を結ぶので雇用保険が発生し、賃金の保障がされます。仕事内容の例としては、飲食店のホールスタッフやデータ入力、部品の加工業務などがあるようです。
就労継続支援(A型)は、「就労移行支援を利用したが雇用につながらなかった人」「特別支援学校を卒業し、就職活動を行ったが雇用につながらなかった人」「就労経験があるが、現在は雇用されていない人」が活用できます。

就労継続支援(B型)

就労継続支援(B型)では、一般企業への就労が難しい方を対象に就労機会を提供。就労スキルの獲得および能力向上に必要な支援を実施しています。A型とは異なり雇用契約は結ばないので、賃金は支給されません。報酬を受け取る場合は工賃となり、工賃は生産活動の利益から支払われます。仕事内容の例としては、食品の調理・製造やクリーニング作業、清掃作業、手工芸、農作業などがあるようです。
就労継続支援(B型)は、「就労経験があるが、年齢や体力の問題により就職が難しい人」「就労移行支援事業を利用し、就労継続支援(B型)の利用が適していると判断された人」「50歳に達している人、もしくは障害基礎年金1級を受給している人」が利用できます。

就労定着支援

就労移行支援や就労継続支援を活用し、一般企業への就労移行した方を対象に、仕事に関する悩みや相談に対応して就労の定着支援を行っています。相談者との面談や企業との連携、関連事業所との連絡・調整などを実施。障害の症状によっておこる問題や不安を解消し、長く働き続けられるようにサポートします。

共同生活援助(グループホーム)

共同生活を行う環境において、夜間や休日に身体援助や生活援助を行います。障害者向けグループホームは、「介護サービス包括型」「日中活動サービス支援型」「外部サービス利用型」の3種類。介護サービス包括型は夜間や休日にケアが必要な方向けで、身体介助などを行います。日中活動サービス支援型は、24時間体制でケアを提供しているグループホームです。外部サービス利用型は、夜間や休日に掃除や洗濯などの生活援助のサポートが受けられます。
障害者向けグループホームの利用対象者は、知的障害や身体障害、精神障害、難病がある方です。なお、利用対象者の障害支援区分は施設によって異なります。

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障害者グループホームで働く職員の仕事内容とは?1日の流れも合わせて解説

障害者支援施設で働くやりがい

ここでは、障害者支援施設で働くやりがいについて解説しています。「どんなやりがいがあるの?」と気になる方はぜひご覧ください。

障害者支援への理解が深まる

障害者支援施設で働くことで障害に関する知識が身につき、障害がある方の考えや行動に対する理解が深まるでしょう。状態に合った適切な対処が求められるので、仕事を通して障害に対する幅広い技術や知識を身につけられます。積極的に学習したり、経験を積んだりすることで、利用者さんへの対応がスムーズにできるようになるでしょう。利用者さん一人ひとりの特性を理解して必要な援助ができた際にやりがいを感じるようです。

利用者さんを笑顔にできる

利用者さんができなかったことができるようになったときや、社会参加・日常生活に生きがいを感じて楽しそうに過ごす様子を見られたときに、やりがいを感じられます。自立を促すためのトレーニングやレクリエーションを続けると、コミュニケーションをとるのが難しかった方が挨拶をしてくれたり、利用者さんの笑顔が増えたりすることも。利用者さんに感謝の言葉をもらうことで人の役に立っていると感じられるでしょう。

多種多様な価値観に触れられる

障害者支援施設で働くと自分にはない価値観や考え方を学ぶ機会を得られるため、人間としての成長ができるでしょう。ハンデのある方の中には先天性の方もいれば後天性の方もおり、障害者支援施設では多種多様な価値観を持つ利用者さんと出会えます。価値観が広がることで、思考の柔軟性が増し、新たな視点でケアをできるようになるでしょう。

利用者さんの目標を一緒に達成できる

利用者さんの目標を一緒に達成できることにやりがいを感じられるようです。障害者支援施設では、利用者さんの就労支援をしており、支援していた方の就職が決まったときの喜びは大きいでしょう。ほかにも、一人でトイレに行けるようになる、公共交通機関を利用できるようになるなど、日常生活での目標を達成する場面を目の当たりにすることも。小さな目標だとしても日々やりがいを感じられるでしょう。

転職で有利になる

障害者支援施設で働くことで、障害者支援の理解が深まったり経験値を積めたりするため、転職で有利になる可能性があります。障害者支援施設で身につけた知識や技術を活かしてキャリアアップもできるでしょう。

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障害者支援施設で働く心構えとは?介護士さんが気を付けたいポイント

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障害者支援施設の仕事の流れ

障害者支援施設の仕事の流れの一例として、障害者向けグループホームで働く職員の1日のスケジュールを紹介します。

午前8時出勤。利用者さんの食事介助・服薬管理・片付けをします。
午前9時利用者さんと掃除や洗濯をします。
午前10時レクリエーションの実施や運動をします。
正午昼食を準備し、食事介助・服薬管理・片付け業務を実施。
職員は適宜、休憩を取ります。
午後1時利用者さんの入浴をサポートします。
午後3時利用者さんの見守り業務を行います。
午後4時利用者さんの買い物に付き添います。
午後5時夜勤に利用者さんの引き継ぎを行い、退勤します。

1日のスケジュールは、施設や日によって違うのであくまで参考としてご覧ください。利用者さんは就労継続支援を受けたり、自立訓練を受けたりするので、そのサポートがある日もあります。
高齢者施設では、基本的に65歳以上の方を対象としていますが、障害者支援施設では10代~20代といった若い年齢層の方も対応。訓練以外の基本的な仕事内容は、高齢者支援と大きな差がないといえるでしょう。

また、障害者支援施設は入所型が多く、早出や夜勤が発生するため、基本給に加えてそれらの手当を受け取ることが可能です。無資格から活躍できる施設もあり、中には働きながら資格取得を目指せるところもあります。福利厚生やキャリアパスは各施設によって異なるため、応募する前に公式Webサイトや求人情報を確認するようにしましょう。

障害者支援施設に向いている人の特徴

障害者支援施設に向いている人は以下の特徴があります。障害者支援施設の仕事に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

  • 障害に対する理解がある人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 思いやりがある人
  • ポジティブな人
  • 向上心がある人

障害者支援に取り組むには障害に関する理解があることが大切です。食事や歩行介助、パニック時の対応方法など基本的な対処の仕方があり、すべての障害について知る必要はありませんが、自分が仕事として関わる分野の範囲は知識を身につけておきましょう。
障害者支援は人と人が接する仕事のため、コミュニケーション能力が高い人に向いています。また、利用者さんやそのご家族の悩みや不安に寄り添えることも重要です。利用者さんにはきちんと敬語を使ったり、介護をする際は声掛けをしたりと丁寧な対応を心がけましょう。明るい声掛けをすることで利用者さんの不安も軽減できるはずです。

障害者支援施設に向いていない人の特徴

障害者支援施設に向いていない可能性のある人の特徴は以下のとおりです。

  • 効率重視の人
  • 感情のコントロールが苦手な人
  • コミュニケーションが苦手な人
  • 思い込みが強い人
  • 体力に自信がない人

障害者支援施設には、障害により思うように動けなかったり気持ちを整理できなかったりする方がいます。そのため、効率重視でケアを行う方はあまり向いていないかもしれません。また、利用者さんと話が通じない場合にイライラしてしまう方も向いていないでしょう。より良い支援を行うためには、障害の理解を深め、感情を上手にコントロールすることが大切です。
人と接することの多い障害者支援施設ではコミュニケーション能力が求められるので、人との関わりが苦手な方はストレスに感じるかもしれません。同じ障害であっても症状は異なるので、思い込みで支援を行うのは危険です。利用者さん一人ひとりの理解を深め、本当に必要としている支援を見極める必要があるといえるでしょう。

障害者支援にやりがいを感じる人は介護職もおすすめ

障害者支援のやりがいと介護職のやりがいは通じるものがあります。介護職も利用者さんのサポートをすることで感謝されたり、回復する様子を間近で見られたりすることにやりがいを感じたりするようです。障害者支援の仕事にやりがいを感じる方は、介護職でもやりがいを感じられる可能性が高いので、転職する際の選択肢に入れてみるのも良いでしょう。

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障害者支援施設についてよくある質問

障害者支援施設についてよくある質問に回答します。障害者支援施設の仕事に興味がある方は、ぜひご一読ください。

障害者支援施設で働く心構えは?

障害者支援施設で働く際の心構えは、利用者さん一人ひとりを尊重し、思いやりを持って接することです。同じ性別、年代、障害であっても症状や考え方は人それぞれ。利用者さんの気持ちを尊重して、意見を否定したり、抑えつけたりしないようにしましょう。職員は利用者さんの生活を支援するのが仕事です。利用者さんが望む生活や行動ができるようにサポートしましょう。

障害者支援施設はどんな人が向いているの?

障害者支援施設の仕事が向いている人は、障がいに対する理解がある人やコミュニケーション能力が優れている人、思いやりを持って接することができる人、明るくポジティブな考え方の人などです。「障害者福祉に向いている人の特徴とは?高齢者介護との違いや仕事内容を解説」の記事で向いている人の特徴を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

まとめ

障害者支援施設とは、身体障害や精神障害、知的障害などがあり、支援を必要としている方に居宅介護や重度訪問介護、同行援護、行動援護、就労継続支援A・Bなどのサポートをする施設です。

障害者支援施設で働くやりがいは、「障害者支援の理解を深められること」「利用者さんを笑顔にできること」「多様な価値観に触れられること」「利用者さんと一緒に目標を達成できること」「転職で有利になること」などがあります。

障害者支援施設の仕事に向いている人は、障害に対する理解がある人やコミュニケーション能力が優れている人、思いやりがある人などです。一方で、効率重視の人や感情のコントロールが苦手で怒りっぽい人、思い込みが強い人などは障害者支援施設の仕事が向いていないかもしれません。

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※この記事の掲載情報は2023年8月16日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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