サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?有料老人ホームとの違いを解説

介護の仕事 2023年5月8日
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高齢者の安否確認をする男性介護士の画像

現在介護職員として働いている人のなかには、サ高住への転職を検討している方もいるでしょう。とはいえ、「サ高住ってどんな施設?」と疑問に思う方も多いようです。この記事では、サ高住の特徴や、有料老人ホームとの違いを解説。また、サ高住が提供する介護サービスを紹介します。サ高住での仕事が気になる方は、施設の特徴や強みを理解したうえで、自分が活躍できそうな環境かどうかを確認してみましょう。

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目次

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、要介護度の低いご高齢者が入居できるバリアフリーの賃貸の住まいで、「サ高住(さこうじゅう)」や「サ付き」と呼ばれています。サ高住は施設ではなく、住宅といった立ち位置にあるといえるでしょう。介護職員は生活相談や安否確認を行い、利用者さんの生活をサポートしています。

サ高住では、「介護施設に入るほどではないが、一人暮らしが不安な方」を対象としているため、基本的に身体介助などは行っていません。ただ、運営方針によっては外部の事業所に介護サービスを委託したり、介護サービスを提供したりしているため、必要なときにサービスを受けられる住居として人気を集めているようです。また、介護施設のようなスケジュール管理がされていないので、自由度が高いといった特徴があります。

サ高住の特徴

下記では、サ高住の特徴を解説します。

住宅設備

サ高住の特徴として、介護付有料老人ホームのような介護設備が少ないという点が挙げられます。高齢者向けのバリアフリー設計を基本とするマンションであり、居住スペースの広さは25平方メートル以上という基準が設けられています。

自宅と同じ生活ができる

サ高住には、介護のいらない高齢者が入居するのが一般的です。見守りや相談対応のスタッフは常駐していますが、入居者さんは自宅で暮らすのと同じ暮らしをしています。そのため、「まだまだ元気だけど、高齢なので自宅で暮らすことに不安を感じる」という方におすすめです。

サ高住の事業者に義務付けられていること

サ高住の事業者に義務付けられているのは、定期的な「安否確認」と「生活相談」の2つです。安否確認では、常駐するスタッフが住宅を巡回する見守りサービスをして安否の確認を実施。生活相談では入居者さんが生活していく上でのさまざまな悩みや問題の相談に乗り、必要であれば自立した生活が営めるように支援を行います。

サ高住の入居者さんが高齢になり介護が必要になったら?

基本的に、サ高住には介護サービスがありません。そのため、入居者さんが高齢になって介護が必要な場合は、外部の介護事業所などが訪問して介護サービスを提供します。また、最近では介護事業所を併設するサ高住も増えてきているようです。

サ高住の設備と人員基準

サ高住では、日中1名以上の職員の常駐が定められているのが特徴です。具体的には、下記の職員が当てはまります。

  • 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員
  • 医師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員
  • ヘルパー2級以上の資格を有する者

なお、人員配置の基準は都道府県によって異なるので注意が必要です。常駐が定められていない夜間では、緊急通報システムを利用して対応されることが多くあります。

サ高住の利用者さんの特徴

サ高住の入居条件は、60歳以上のご高齢者、または要支援・要介護状態にある60歳未満の方となっています。基本的には自立したご高齢者が入居対象です。なお介護を提供しているサ高住の場合は、介護度が高い方も対応しています。

サ高住の費用

サ高住は有料老人ホームと比較すると、低費用で入居が可能です。とはいえ、食事の提供や家事のサポート、日常生活上の世話など、提供するサービスによって費用は異なります。

初期費用月にかかる費用
一般型数十万円ほど8~30万円ほど
介護型数十万~数千万円ほど15~35万円ほど

介護型のサ高住では介護サービスや設備が充実しているため、一般型より費用が高い傾向にあると考えられるでしょう。居住に必要な費用を支払っている利用者さんが快適に過ごすためにも、介護職員は手厚いサポートを行わなければなりません。

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サ高住と有料老人ホームの違い

サ高住とは、サ高住の住宅基準を満たしたうえで、生活の見守りや相談サービスを提供している住まいを指すのが基本です。さらに、サ高住のうち食事の提供サービスがあれば「有料老人ホーム」に該当します。また、特定施設入居者生活介護の指定を受けて、日常生活や療養上の世話、機能訓練などを行っているサ高住は「介護付き有料老人ホーム」。そのほか、食事や家事、身体介助、健康管理などを提供する「住宅型有料老人ホーム」もあります。

高齢者向け住まいについて①(各サービス関係図)のイメージ

引用:厚生労働省「特定施設入居者生活介護(p2)」

また、特定施設入居者生活介護は「一般型」と「外部サービス利用型」に分けられます。一般型は各施設に配置された介護職員・看護職員がサービスを提供。一方の外部サービス利用型は、介護サービスを提供する外部の事業者に委託して必要な介護サービスを提供します。

下記の表ではそれぞれの特徴をまとめました。

サ高住住宅型有料老人ホーム介護付き有料老人ホーム
契約形式賃貸借方式利用権方式利用権方式
生活の送り方自宅と同じように過ごせるある程度のスケジュールが定められている1日のスケジュールが決められている
提供サービス生活相談、安否確認が基本食事の提供、健康管理、生活支援など身体介護、健康管理、機能訓練など

契約内容の違い

介護付有料老人ホームは介護施設という位置づけですが、サ高住は一般的な賃貸住宅と同じ扱いになります。サ高住では基本的に介護サービスを提供しておらず、義務付けられているのは「安否確認」と「生活相談」の2つだけ。入居者さんはアパートやマンションを借りるときと同じ賃貸契約を事業者側と結び、入居して生活します。

自由度の違い

介護付有料老人ホームは、介護職員が生活援助や食事介助を行っているため食事や入浴の時間などのスケジュールが決まっているのが一般的です。しかし、サ高住では基本的に入居者さんが食事の調理や掃除、洗濯などを行います。そのため、利用者さんのペースで生活できるのが特徴です。また、介護付有料老人ホームには各人に個室が割り当てられますが、サ高住の場合は一般的なマンションと同じような間取りのゆったりとした居住空間となっていることが大半です。

看取り対応を行うこともある

近年では、サ高住での看取り対応が求められるようになってきています。厚生労働省の調査(p17)によると、看取り対応を応相談としているところが52.3%。このうち対応実績ありが38.2%、実績なしが14.4%となっています。介護度が高い方を受け入れているサ高住では特に、看取りの実績が多くなっているようです。

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有料老人ホームとは?受けられる介護の種類やかかる費用を比較

サ高住が提供しているサービス

一般型のサ高住では、生活相談と安否確認を提供しています。それぞれの業務内容は下記にまとめました。

生活相談

サ高住に常駐する介護職員は、利用者さんの生活に関する相談を行います。生活相談では、居室の掃除や買い物、ご家族への連絡など、介護業務以外の幅広いサービスに対応。施設によっては、生活相談を行う時間を決めて効率的に業務を進めている場合もあります。

安否確認

利用者さんの安否確認を行うのも、サ高住の介護職員の仕事です。居室を定期的に訪問したり、カメラやセンサーを用いてシステムからチェックしたりと、施設によって安否確認の方法は異なります。定期訪問とシステムの両方を組み合わせることもあり、利用者さんが安心できる暮らしをサポートしているところが大半です。

上記以外の介護サービス

サ高住によっては、食事の提供や日常生活上の世話や療養上の世話などの介護サービスを行っていることもあります。一般型の場合、サ高住に勤める介護職員が身体介護や生活支援を担当。入居者さんの生活のサポートをします。

サ高住では、夜勤の介護職員の配置は定められていないものの、夜間帯に介護職員を必置していることも。とはいえ、特養などの介護施設と比較して、サ高住における夜間の身体的・精神的負担は少ないでしょう。

サ高住の仕事はきつい?

介護型でなければ、基本的にサ高住では介護業務がありません。そのため、一般型のサ高住であれば身体的な負担は少ないでしょう。介護型の場合は身体介助に取り組む必要がありますが、介護経験を積めるので着実にスキルアップができます。

なお、夜勤のあるサ高住では生活リズムが崩れたり、勤務時間が長かったりするので注意が必要です。一般型の夜勤なら基本的に体位変換やおむつ交換がないので、比較的負担が少ない状態で勤務できます。イメージギャップで早期離職を防ぐためにも、業務内容に関する情報をしっかりと掴んでおきましょう。

サ高住に関するよくある質問

サ高住に関するよくある質問に回答します。「サ高住ってどんな施設なの?」と疑問に思う方は、ぜひチェックしてみてください。

サ高住って何の略称なの?

サ高住とは、「サービス付き高齢者向け住宅」の略称です。サ高住には、要介護度の低い方が多く入居しており、自分らしい生活を送っています。

特定施設入居者生活介護の指定を受けたサ高住には、サ高住に勤める介護職員が介護サービスを提供する「一般型」と、介護サービスを外部に委託する「介護型」の2種類があります。自分にはどちらの施設が合っているのかしっかりと考えましょう。

サ高住と有料老人ホームの違い」では、サ責や有料老人ホーム、介護付き有料老人ホームの違いを解説しているので、ぜひご一読ください。

サ高住に入居する目的は?

サ高住では、介護職員が見守っているので、安心して生活できます。「入居型施設には入りたくないけど、1人で暮らすのが心配…」「自立した生活ができるが、少しだけサポートしてほしい」という方におすすめの住宅です。サ高住では、掃除や買い物のお手伝い、安否確認を行っています。希望する方には身体介助も行っているので、自分に必要な介護を受けることが可能です。「サ高住が提供しているサービス」で、サ高住のサービスについて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

まとめ

サ高住とは、要介護度の低い自立した高齢者が入居可能なバリアフリーの住宅です。一般型のサ高住では安否確認や生活相談を行い、介護型のサ高住では身体介護やレクリエーションを行います。サ高住には、日中1名以上の職員の常駐が必要です。常駐が定められていない夜間帯は緊急通報システムを利用します。

一般型であれば介護業務を行わないため、職員の身体的な負担は少ないでしょう。介護型のサ高住なら経験とスキルが身につくのがメリットです。とはいえ、実際の業務内容は求人票だけでは把握しきれません。業務内容を十分に把握したうえで、転職をしたい方は「レバウェル介護(旧 きらケア)求人」にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)では、スタッフが募集先に直接話を聞いて情報収集しているため、業務内容はもちろん、施設の雰囲気や人間関係など細かい情報の提供もお伝えします。

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「きらケア」は「レバウェル介護」にサービス名を変更しました

「きらケア」は転職だけではなく、介護職の方が働く中での悩みに幅広く寄り添えるサービスになるために「レバウェル介護」として新しく生まれ変わりました。

サービスはこれまでと変わらずすべて無料で簡単にご利用いただけます。一人ひとりに寄り添った転職サポートをこれからも提供していきます。

※この記事の掲載情報は2023年5月8日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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