ソーシャルワーカーと社会福祉士の違いを解説!仕事内容や必要な資格とは?

介護の仕事 2024年1月4日
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この記事のまとめ

「ソーシャルワーカーと社会福祉士の仕事に違いはあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。ソーシャルワーカーは福祉に関する相談援助を行う人の総称で、社会福祉士は社会福祉士国家資格を持っている人のことです。この記事では、ソーシャルワーカーの仕事内容を職種別に解説。社会福祉士や精神保健福祉士の役割もまとめました。ソーシャルワーカーに必要なスキルにも触れているので、相談援助に携わりたい方はご覧ください。

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目次

ソーシャルワーカーと社会福祉士の違い

ソーシャルワーカーと社会福祉士の違いは、名乗るために資格が必要かどうかです。ソーシャルワーカーとは、福祉の相談援助を行う人全般を指す言葉で、資格がなくても名乗れます。一方、社会福祉士を名乗れるのは、社会福祉士国家資格を保有する人のみです。

社会福祉士の資格を活かして働く方は、ソーシャルワーカーに含まれます。ソーシャルワーカーは職業の大きなカテゴリーで、社会福祉士は社会福祉士国家資格をもとにソーシャルワークに携わる人のことです。

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ソーシャルワーカーとは

ソーシャルワーカーとは、生活を送るうえで課題がある人の相談に乗り、助言や支援を行う仕事のことです。通称なので、「ソーシャルワーカー」という職種や資格があるわけではありません。介護施設で生活相談員として働く人や、病院で医療ソーシャルワーカーとして働く人などが、ソーシャルワーカーと呼ばれます。

ソーシャルワーカーとして活躍しているのは、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格といった福祉系の資格を保有している人が多いようです。

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社会福祉士とは

社会福祉士とは、社会福祉士国家資格を取得し、社会福祉士登録簿に登録して、相談援助を行う人のことです。社会福祉士は、高齢者や障がいのある方、生活に困っている方の相談に乗り、社会資源を活用できるようサポートします。

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ソーシャルワーカーの応募条件になりやすい資格

ソーシャルワーカーには資格要件がない場合もありますが、求人に応募するときの条件に設定されることが多い資格が3つあります。ソーシャルワーカーに関する3つの資格については、以下の解説を参考にしてください。

社会福祉士

社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく名称独占の国家資格で、社会福祉士国家試験に合格することで取得可能です。社会福祉士国家試験は合格率は30%前後なので、難易度は高めといえるでしょう。

社会福祉士国家試験を受験するためには、要件を満たす必要があります。受験資格を得る方法は、「福祉系大学ルート」「短期養成施設ルート」「一般養成施設ルート」の3通り。養成施設は通信制と通学制があります。社会福祉士の受験資格を得るには、4年制の福祉系大学等で指定科目を履修した場合を除き、相談援助の実務経験が必要です。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神保健福祉士法に基づく名称独占の国家資格です。精神保健福祉士として働く方は、専門性を活かして、精神に障がいのある方を支援します。精神科病院などの医療機関でソーシャルワーカーとして働きたい方は、取得しておくと転職に有利になるでしょう。

精神保健福祉士国家試験に合格すると、精神保健福祉士として働けるようになります。合格率は60%以上の年が多いので、社会福祉士と比べて取得の難易度は低いでしょう。なお、精神保健福祉士国家試験を受けるには、福祉系大学等の卒業や実務経験が必要です。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事任用資格は、福祉事務所のケースワーカーとして働いたり、社会福祉施設の施設長・生活指導員として働いたりするために必要な資格です。任用資格なので、特定の職種に就く際に取得が必須となります。

社会福祉士や精神保健福祉士の資格があれば、社会福祉主事として働けます。また、大学や短期大学・通信教育・養成機関・都道府県等講習会などで指定の科目を履修することでも、社会主事任用資格を取得できるようです。

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ソーシャルワーカーの代表的な職種と仕事内容

福祉分野で活躍するソーシャルワーカーの代表的な職種は次のとおりです。

  • 生活相談員・支援相談員
  • 医療ソーシャルワーカー
  • 精神科ソーシャルワーカー
  • スクールソーシャルワーカー
  • ケースワーカー

ご紹介したソーシャルワーカーの職種の仕事内容や職場について、以下で解説します。

生活相談員・支援相談員

生活相談員は、介護施設で利用者さんやその家族の相談に乗る職種です。特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイサービスなどに勤務しています。なお、介護老人保健施設で相談援助を行う職員のことは「支援相談員」と呼びますが、仕事内容は生活相談員に近いようです。

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生活相談員・支援相談員になる条件

生活相談員や支援相談員になるには、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかの資格が必要な場合が多いでしょう。ただし、自治体によっては、一定の実務経験を積んだ介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)が、生活相談員として働けることもあります

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医療ソーシャルワーカー(MSW)

医療ソーシャルワーカーは、病院や保健所、社会復帰施設などで、患者さんやその家族の相談援助を行います。お金や仕事、心理的な不安などの相談に乗り、問題解決や社会復帰を支援するのが役割です。
医療ソーシャルワーカーの求人は、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を要件とする場合が多いでしょう。

精神科ソーシャルワーカー(PSW)

精神科ソーシャルワーカーは、精神障がいがある人の相談に乗り、社会生活を送るための就労支援などを行う仕事です。病院や障がい者施設、介護施設といった職場があります。「精神保健福祉士」として求人が出されている場合が多いので、資格がある方は就職しやすいでしょう。

スクールソーシャルワーカー(SSW)

スクールソーシャルワーカーは、学校や関係機関と連携して、いじめや不登校、虐待といった問題の解決に取り組む仕事。学校や児童養護施設などで働いています。社会福祉の専門家として、児童の置かれている環境を改善するのが、スクールソーシャルワーカーの役割です。
社会福祉士や精神保健福祉士を募集する求人が多いですが、公認心理師や臨床心理士を要件に含む場合もあります。

ケースワーカー(CW)

ケースワーカーの仕事内容は、病気や経済的な理由などで困っている人の相談を受け、支援を行うことです。地方公務員として自治体の福祉事務所に勤務するので、就業するには都道府県や市区町村が実施する地方公務員試験に合格する必要があります
ケースワーカーについて詳しく知りたい方は、「ケースワーカーとは?資格・年収・ソーシャルワーカーとの違いも解説」の記事も参照してください。

ソーシャルワーカーに必要なスキル

生活に課題を抱える人たちの相談に対応する仕事であるソーシャルワーカーには、コミュニケーション能力や福祉に関する専門的な知識などが必要です。以下で確認してみましょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、相談援助を行ったり、多職種と連携をしたりするために欠かせないスキルです。ソーシャルワーカーには、生活上で困りごとがある人が、信頼して悩みを話せるよう寄り添う傾聴スキルが求められます。相談者の方とのコミュニケーションについては、「介護で役立つ傾聴スキルとは。共感を示すコミュニケーションの方法」の記事を参考にしてください。

また、相談者の方の生活を総合的に支援するには、医療職や介護職、ケアマネジャーなど、ほかの職種と連携するスキルが必要です。コミュニケーション能力があれば、多職種間の連携も柔軟に対応できるでしょう。

冷静な対応力

感情に流されず冷静に判断して対応するスキルがある人は、ソーシャルワーカーとして活躍できるでしょう。ソーシャルワーカーは、相談援助業務で悩みを聞くことが多い仕事なので、相談者の方のネガティブな感情に影響されないよう、自身をコントロールすることが大切です。

相談者の方の希望を聞いたうえで、日常生活・社会生活を送るために必要なサポートは何かを見極めることが、ソーシャルワーカーの専門性といえます。

介護や医療に関する知識

ソーシャルワーカーは、介護保険制度や医療保険制度に関する知識を身につける必要があります。介護保険サービスの種類や利用方法、適切な医療を受けるための手続きなどを相談者に伝えることで、課題を解決できる場合も多いでしょう。
福祉サービスの種類は自治体によって異なる場合があるので、働く地域の制度を調べることも重要です。

複数の仕事を同時に進めるスキル

ソーシャルワーカーには、複数の仕事を同時に進めるスキルが必要です。担当する相談者の方や連携する関係者は多数いるので、急に連絡が来るときもあり、スケジュールどおりに仕事が進まないこともあるでしょう。そのため、タスクごとにいつまでに対応すれば良いのかを管理して、優先すべき仕事から計画的に進めるスキルが求められます。

ソーシャルワーカーの平均年収・求人倍率

職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「福祉ソーシャルワーカー」によると、2022年度のソーシャルワーカーの平均年収は415.7万円でした。なお、給与は職種や職場によって異なるので、平均年収は参考値としてご覧ください。ソーシャルワーカーの給与事情は、「社会福祉士の給料・年収は?収入を上げる方法と資格取得の目指し方を解説」の記事が参考になります。

同資料によると、2022年度のソーシャルワーカーの有効求人倍率は1.07倍でした。また、同サイトの「医療ソーシャルワーカー」によると、医療ソーシャルワーカーの有効求人倍率は4.8倍にものぼります。
高齢化に伴い、日常生活に課題を抱える人が増加する可能性は高いので、ソーシャルワーカーは今後も必要な将来性のある仕事といえるでしょう

ソーシャルワーカー・社会福祉士についてよくある質問

ここでは、ソーシャルワーカーや社会福祉士についてよくある質問に回答します。「ソーシャルワーカーの資格や仕事内容が知りたい」という方は、ぜひチェックしてみてください。

ソーシャルワーカーは国家資格ですか?

「ソーシャルワーカー」は、相談援助を行う仕事全般を指す言葉で、資格や職種の名称ではありません。ソーシャルワーカーとして働く人の多くは、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」という国家資格を保有しています。

ソーシャルワーカーにはどんな役割があるの?

福祉に関する専門的な知識・スキルを活かして、困っている人にアドバイスを行うのが、ソーシャルワーカーの役割です。具体的には、年齢・病気・障がい・金銭的な理由などで生活に課題を抱える人の相談に乗り、問題の解決に向けてサポートを行います。

社会福祉士は企業内ソーシャルワーカーになれますか?

社会福祉士は、一般企業で働く人の相談に乗る「産業ソーシャルワーカー」として働くことも可能です。ただし、産業ソーシャルワーカーの求人は少ない傾向にあるので、就職の難易度は高いでしょう。

まとめ

ソーシャルワーカーと社会福祉士の違いは、名乗るために資格が必要かどうかです。ソーシャルワーカーは、福祉の相談援助を行う人全般を指す言葉なので、資格がなくても名乗ることができます。一方、社会福祉士は名称独占の国家資格なので、社会福祉士国家資格を取得して資格登録した人以外は名乗ることができません。

ソーシャルワーカーの求人は、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかを応募要件とする場合が多いでしょう。ただし、資格要件は職種や自治体などによって異なり、介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)が生活相談員として働ける都道府県もあります。傾聴や多職種連携のスキル、冷静な対応力がある方は、ソーシャルワーカーとして活躍できるでしょう。

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執筆者

  • 元介護士ライター

グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。

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※この記事の掲載情報は2024年1月4日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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