社会福祉士の給料・年収は?収入を上げる方法と資格取得の目指し方を解説

介護職の給料 2022年10月11日
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社会福祉士の給料はどのくらいもらえるのか気になる方もいるでしょう。日本の介護・福祉に関わる職種のなかでも、社会福祉士の給料は比較的高い傾向があります。本記事では、社会福祉士の給料事情について、平均年収や月収など、さまざまな観点からまとめました。社会福祉士の概要や資格の取得方法、給料をアップさせるためのポイントも解説しているので、社会福祉士の仕事に興味のある方はぜひ参考にしてください。

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目次

社会福祉士の平均年収は403万円

社会福祉振興・試験センターの調査(p.11)によると、2020年度における社会福祉士の平均年収は403万円となっています。性別による平均年収は、男性473万円、女性365万円と、男性のほうが108万円上回る結果でした。詳しくは「社会福祉士の給料は高い?」で後述します。

そもそも社会福祉士とは

社会福祉士とは、社会福祉に関する国家資格であり専門家のことです。職場によって、ソーシャルワーカーや生活相談員、生活指導員など、さまざまな呼び方があります。高齢者や児童、日常生活や社会生活を送るうえでハンデのある方、地域に住む人々などを対象に、幅広い相談業務に対応できる資格(職種)です。

社会福祉士の仕事内容

社会福祉士は、専門的な知識や技術を活用し、心身上の障害がある方や日常生活を営むのに支障がある方などの相談業務を行うのが仕事です。具体的には、福祉分野での支援を必要としている方への助言や指導、福祉・医療サービス関係者との連絡調整などを行います。利用者さんの置かれている状況に合わせ、希望を汲み取りながら柔軟な対応をすることが大切です。

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社会福祉士の給料は高い?

社会福祉士の給料は、見る観点によって変わるのが特徴です。「社会福祉士の給料は高い?」「どれくらいの収入になる?」と気になる方は、男女別や介護サービスの種類別、地域別の給料を確認してみましょう。

男女別の平均年収

公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「社会福祉士就労状況調査実施結果報告書」によると、男女別に見た社会福祉士の平均年収は以下のとおりです。

性別2020年度2015年度
男性473万円439万円34万円
女性365万円339万円26万円
全体403万円377万円26万円

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士就労状況調査実施結果報告書(p.11)

2020年度の平均年収は、2015年度よりも男性の場合34万円、女性の場合26万円アップしています。前述のように、男性と女性の平均年収は、108万円もの違いがあるものの、どちらも2015年度と比較すると、給料が上がってきていることが分かるでしょう。

介護サービス種類別の平均月収

介護サービスの種類別に見た社会福祉士の平均月収は、厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」のデータをもとにご紹介します。

介護サービス種類平均月収
介護老人福祉施設378,110円
介護老人保健施設371,640円
訪問介護事業所368,570円
通所介護事業所315,670円
通所リハビリテーション事業所363,660円
特定施設入居者生活介護事業所375,990円
小規模多機能型居宅介護事業所330,130円
認知症対応型共同生活介護事業所397,800円

引用:厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.183)

社会福祉士の平均月収は、訪問サービスや通所サービスよりも入居型のサービスを提供している施設(事業所)の方が高い傾向にあります。入居施設は夜勤手当がついたり、利用者さんの介護度が高めで求められる介護技術も高い傾向があったりするなどの理由から、給料が高くなると考えられるでしょう。

地域別の平均年収

地域別の平均年収は、厚生労働省・職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「福祉ソーシャルワーカー」を参考にまとめました。

地域平均年収
全国403.7万円
東京都449万円
神奈川県425.1万円
千葉県424.6万円
埼玉県431.8万円
茨城県411.3万円
栃木県395.2万円
群馬県465万円

データから、関東近郊の社会福祉士の給料は、全国の平均年収である403万円を超えている場合が多いことが分かります。特に、群馬県や東京都は平均よりも45万~60万円ほど多い金額です。働く地域をうまく選べば、転職により給料アップを図ることもできるでしょう。

>>関東近郊以外の年収データをチェックする

介護業界における社会福祉士の給料

社会福祉士の給料は、ほかの介護系の職種や資格保有者と比べてどのくらい変わるのか気になる方もいるでしょう。ここでは、介護業界における社会福祉士の平均給料を、職種別、資格別に解説します。

職種別の平均年収

ここでは、社会福祉士(福祉ソーシャルワーカー・医療ソーシャルワーカーなど)の給料を、ほかの福祉・介護系の職種を比べてみましょう。厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」をもとにした、介護系職種ごとの平均年収は下記のとおりです。

職種平均年収
社会福祉士403.7万円
介護支援専門員(ケアマネジャー)409.7万円
介護職員352.8万円
訪問介護員(ホームヘルパー)364.1万円
言語聴覚士(ST)426.5万円
作業療法士(OT)426.5万円
理学療法士(PT)426.5万円

参考:厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)

社会福祉士は、現場で働く介護職員や訪問介護員よりも給料が高い傾向があるようです。一方で、高度な専門スキルを保有する言語聴覚士や作業療法士といった職種に比べると、給料はやや低めとなっています。なお、このデータはあくまでも平均のため、経験年数や取得している資格などによって収入は変動するでしょう。

資格別の平均月収

介護業界では、保有資格によって給与に違いが出ます。厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」をもとに、社会福祉士とそのほかの介護資格保有者との平均月収の違いを見てみましょう。

保有資格平均月収
社会福祉士363,480円
保有資格なし271,260円
介護職員初任者研修300,510円
実務者研修307,330円
介護福祉士328,720円
介護支援専門員362,290円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.182)

社会福祉士は、介護系の資格のなかでも給料が高めであるといえます。介護業界全般において社会福祉士の需要は高く、実力に応じた給料を受け取れるでしょう。資格がなく、給料に不満を感じている場合は、社会福祉士に関わらず資格取得を目指すことで収入アップを目指せるはずです。

社会福祉士の資格を取得するには

「社会福祉士国家試験」に合格すれば、社会福祉士の資格を得られます。なお、2022年に行われた社会福祉士国家試験の合格率は、31.1%でした。福祉系の資格のなかでも難易度が高いため、十分な試験対策が求められるでしょう。

社会福祉士国家試験の受験資格

社会福祉士国家試験を受験するには、受験資格を満たさなければなりません。資格取得ルートには、次のようなものがあります。

  • 福祉系大学等に4年通学し、指定科目を履修する
  • 福祉系短大等に通学して指定科目を履修し、学習期間に応じた相談援助実務をする
  • 福祉系大学等に4年通学して基礎科目を履修し、短期養成施設等へ6か月以上通う
  • 福祉系短大等で基礎科目を履修し、学習期間に応じた相談援助実務を行ったあと、短期養成施設等へ6か月以上通う
  • 一般大学等を卒業後、一般養成施設へ1年以上通う
  • 一般短大等を卒業後、学習期間に応じた相談援助実務を行い、一般養成施設等へ1年以上通う
  • 指定の福祉施設で4年の実務を行い、短期養成施設等へ6か月以上通う
  • 相談援助実務を4年行ったのち、一般養成施設等に1年以上通う
  • 社会福祉主事養成機関を卒業後、相談援助実務を2年行い、短期養成施設等へ6か月以上通う

卒業する大学や履修する科目によって資格要件は異なるため、自身がどこに当てはまるか、何を経験すべきかをきちんと理解したうえで受験を目指しましょう。

社会福祉士の求人がある職場

社会福祉士の求人は、下記のような介護・福祉施設や事業所で展開されています。

  • 高齢者介護施設
  • 訪問、通所介護事業所
  • 児童相談所、児童養護施設
  • 身体、知的障害者更生相談所
  • 病院、医療関係施設
  • 都道府県庁、市役所、区役所

日本は少子高齢化が進んでいるため、今後も介護や福祉サービスの必要性が高まると考えられます。そのため、社会福祉士の求人数も年々増加していくでしょう。まずは、自分が活躍したい環境はどのような場所なのかを考えてみることから始めるのがおすすめです。

社会福祉士が給料アップを目指す5つの方法

社会福祉士として給料を上げるには、長期的な活躍を目指したり、管理職に就いたりする方法があります。ここでは、社会福祉士の給料を上げる方法を5つご紹介します。

1.在籍する施設で長期的に活躍する

在籍する介護・福祉施設で長期的に活躍すれば、昇進や昇給のチャンスがあります。「給与が低いから」といってすぐに転職してしまっては、なかなか給料アップを目指すのは難しいのが実情です。経験年数を重ねるにつれ専門職としてのスキルが評価される傾向にあるため、社会福祉士として長く働ける職場を選びましょう

2.資格手当の申請をする

施設や事業所によっては、社会福祉士の資格保有者に対して資格手当を支給する場合があります。相談業務に関わっていない場合でも、社会福祉士の資格を持っている場合は資格手当の申請をしましょう。なお、相談業務は無資格でも行える場合がありますが、社会福祉士の資格があれば担当できる仕事の幅が広がります。資格を持っているのなら、きちんと職場に伝えるようにしてくださいね。

3.役職や管理職に就く

社会福祉士としてのキャリアを積み上げ、役職に就けば、役職手当が支給されます。施設によっては上位の役職になるほど手当の額が大きくなるので、収入アップを目指せるでしょう。また、施設長や管理者になれば、施設のトップとなるので年収アップを期待できます。管理職の仕事は責任が重くなりますが、その分給与水準が高くなるようです。

4.独立・開業する

福祉事業所や介護施設を開業して独立するのも一つの手です。社会福祉士は、事業の届出をしたり、独立型社会福祉士の養成研修を修了したりと、いくつかの要件を満たせば独立できます。独立直後は、案件をなかなか確保できないと収入アップは難しいかもしれませんが、継続的に依頼がくるようになれば高収入を目指せるでしょう。

5.高収入の見込める介護施設や事業所へ転職する

現在の職場よりも待遇の良い介護施設や事業所を探すのも、社会福祉士の給料を上げる方法として挙げられます。前述のように、社会福祉士の給料は運営する施設・事業所のサービス形態や地域などの条件によって異なるのが特徴です。条件の合う職場に転職すれば、給料を含めて納得して働けるでしょう

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社会福祉士の給料に関するよくある質問

最後に、社会福祉士の給料について知りたい方にありがちな疑問を、Q&A形式でご紹介します。

社会福祉士の給料は上がる?

社会福祉士の給料はこれからも上がっていく可能性があります。公益財団法人社会福祉振興・試験センターのデータによると、2015年度における社会福祉士の平均年収は377万円でしたが、2020年度は403万円でした。5年間で26万円もアップしていることから、給与面は今後も期待ができるでしょう。

>>介護福祉士の給料事情について知りたい方はこちらをチェック

社会福祉士以外に給料の高い介護系の仕事はある?

社会福祉士以外に給料の高い傾向のある介護系の仕事は、介護支援専門員(ケアマネージャー)が挙げられます。資料によって若干の差はあるものの、社会福祉士とケアマネの給料は同程度です。現在介護職に従事している場合は、介護福祉士の実務経験を積みケアマネを目指す方法もあるので検討してみると良いでしょう。

>>介護支援専門員の目指し方が知りたい方はこちらをチェック

社会福祉士のこれからの需要はどうなる?

高齢化が進む社会において、社会福祉士の需要が期待できるでしょう。需要が高まれば、給料のアップも期待できます。
「さらに給料を上げたい」と考えている社会福祉士の方は、長期的に一つの施設に勤めたり、管理職・役職に就いたりするのが有効でしょう。給料を上げる方法は、「社会福祉士が給料アップを目指す5つの方法」で詳しく解説しています。

社会福祉士の公務員の平均年収は?

令和3年地方公務員給与実態調査」によると、福祉職の地方公務員の平均給与は、34万333円。年収は約408万3,996円です。あくまで、福祉職全体の職員の平均給与であり、社会福祉士のみの平均給与ではないので、参考としてご覧ください。

まとめ

2020年度における社会福祉士の平均年収は403万円でした。社会福祉士の資格は国家資格であり専門性が高く評価されるため、ほかの介護資格の保有者と比較すると、比較的給料が高い傾向にあります。とはいえ、職場のサービス形態によって平均給料が変わるため、「思ったよりも収入が低い」と感じる場合も少なくありません。

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※この記事の掲載情報は2022年10月11日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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