
この記事のまとめ
- 介護職のストレスチェックとは、事業者に実施が義務付けられている検査
- 介護の仕事にストレスを感じるときは、セルフチェックしてみよう
- 介護職のストレスへの対処法は、自分なりの気分転換の方法を見つけること
「介護職のストレスチェックとは?」と気になる方もいるのではないでしょうか?ストレスチェックは、労働者のメンタルヘルスの不調を防ぐために実施が義務付けられている検査で、介護職も対象です。この記事では、ストレスチェックの概要や流れを解説します。セルフチェックの方法や介護職がストレスを抱える原因、対処法もご紹介。良い職場を見分けるポイントもまとめたので、「介護の仕事がつらい…」と感じる方はご覧ください。
目次
介護職のストレスチェックとは?
介護職のストレスチェックとは、介護従事者がストレスに関する質問(選択方式)に回答することで、ストレスの度合いを調べる簡単な検査です。介護従事者自らがストレスの度合いを確認し、メンタルヘルスの不調を予防する目的があります。
ストレスチェック実施の際の企画や評価を担当するのは、事業者が選んだ医師や保健師などです。結果は直接本人に通知され、事業者が本人の同意なく結果を入手することはできません。
事業者がストレスチェック制度を実施する流れは?
ストレスチェック制度の大まかな流れは以下のとおりです。
2.質問票をもとに医師や保健師などがストレス状況を評価する
3.本人へ評価結果と面接指導の要否を通知する
4.本人からの申し出があった場合、事業者が医師や保健師に依頼して面接指導を実施する
5.事業者は、職員への就業上の措置が必要かどうか、医師や保健師に意見聴取する
6.事業者は、必要に応じて職員へ就業上の措置を実施する(原則として本人の同意が必要)
7.事業所は、ストレスチェックの結果に応じて職場環境を改善する(努力義務)
企業はストレスチェックで高ストレス者と診断された職員からの申し出により、医師や保健師による面接指導を実施します。面接指導後は、必要に応じて就業上の措置を講じなくてはなりません。就業上の措置で不利益な取り扱いは認められず、休職や異動などの判断は本人の意思を確認しながら行います。
質問票の回収や結果の通知は、医師や保健師などの指示のもと、実施事務従事者が行う場合が多いようです。また、ストレスチェックの実施は、外部機関に委託されることもあります。
事業者による介護職のストレスチェックは義務?
厚生労働省の「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策|厚生労働省」によると、労働者が50人以上の事業者にはストレスチェックの実施が義務付けられています。ストレスチェックは、1年に1回以上行わなければなりません。
また、労働者が50人未満の事業所では、ストレスチェックの実施は努力義務でしたが、法改正に伴い義務化される見込みです。2025年5月に公布された「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)」によると、2028年5月までの間に同法が施行され、労働者50人未満の事業者にもストレスチェックが義務化されます。
ストレスチェックの対象者
事業者がストレスチェックを実施する必要があるのは、常時使用する労働者で、一定以上の勤務時間で働く方です。
常時使用する労働者とは、無期雇用契約で働く方や、契約期間が1年以上の方を指します。契約期間が1年未満であっても、すでに1年以上継続して働いていたり、契約更新によって1年以上の雇用の見込みがあったりする場合、ストレスチェックの対象です。
また、1週間の労働時間が、事業所の所定労働時間の4分の3以上であることも条件。労働時間がそれ以下だと、ストレスチェックの実施義務はありませんが、事業所の所定労働時間の半分程度働いている場合は行うことが望ましいとされています。
パートタイム労働者や派遣労働者も、上記の条件を満たす方はストレスチェック制度の対象です。派遣労働者の場合、基本的に派遣元がストレスチェックや就業上の措置を行います。必要に応じて、派遣先がストレスチェックや職場環境の改善を実施する場合もあるようです。
ストレスチェックが義務化された背景
ストレスチェックが義務化された背景は、長時間労働やハラスメントなど、仕事のストレスが原因で精神障がいを発病し、労災認定される方が増加したことにあります。労働者のメンタルヘルス不調を予防し、働きやすい職場環境を整備するために法改正がなされました。
出典
厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策|厚生労働省」(2026年3月27日)
厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)」(2026年3月27日)
その悩み、解決できるかも
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介護職が自分でできるストレスチェックはある?
介護職がストレスを予防・対策するための第一歩は、自分のストレスレベルを知ることです。前述した「ストレスチェック制度」を利用するのも一つの手段ですが、今ストレスが限界になりそうなら、事業所の実施を待たずにセルフチェックを行ってみると良いでしょう。
こころの耳の「5分でできる職場のストレスセルフチェック」では、簡単な質問に回答するだけでストレスレベルを測定可能です。質問内容は、「仕事についての質問(17問)」「最近1ヶ月の状態について(29問)」「周りの方々について(9問)」「満足度について(2問)」の4項目で、およそ5分ほどで回答できます。
回答後は、「ストレスの原因因子」「ストレスによる心身反応」「ストレス反応への影響因子」の3つのレーダーチャートで結果が表示されます。そして、「現在のストレス反応」と「ストレスの原因となりうる因子」の解説や、ストレスケアのアドバイスを受けられる仕組みです。
出典
こころの耳「5分でできる職場のストレスセルフチェック」(2026年3月27日)
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介護職がストレスを感じる原因
介護職はどのようなときに「ストレスが溜まってつらい」と感じることがあるのでしょうか?ここでは、具体的なストレスの要因を3つに分けて解説します。
職員や利用者さんとの人間関係が難しい
介護職は、利用者さんだけではなく職員同士の関わりも多い仕事で、人間関係のストレスを抱えることが少なくありません。「自分は利用者さんのためにこうしたいのに、上司や同僚から違う指示をされた」というように、介護観の違いから上司や同僚との関係が上手くいかないこともあるようです。
また、「利用者さんやそのご家族との関係性に悩む」という意見もあります。特に、介護の仕事に慣れるまでの間は、高齢者の方や認知症を患う方とのコミュニケーションのコツがつかめず、難しさを感じやすいでしょう。
仕事量に待遇が見合っていない
労働に対して給与が見合っていない場合、待遇面に対する不満からストレスを感じることもあるでしょう。
特に、テキパキと仕事をこなせる人は、周囲から頼られてさまざまな業務を任せられることがあるのではないでしょうか?努力してスキルアップしたにもかかわらず、仕事量が増えるだけで見合った待遇を受けられなければ、「納得できない」と感じるのも無理はありません。
人手不足で業務の身体的・精神的な負担が大きい
夜勤や身体介護の負担が大きいと、肉体的な疲労が溜まってくるものです。肉体的な疲労が蓄積すると、精神的にも疲れてくる場合があります。
特に、人手が足りていない施設は、1人で多くの業務をこなさなければならないため、肉体的にも精神的にも負担が大きくなりやすいでしょう。
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やってられない!介護職がストレスで限界なときの対処法
「介護職はもうやってられない!」とストレスで限界を感じている方は、以下の対処法で上手にストレスマネジメントしてみましょう。ストレスでつらい状態を我慢し続けるのではなく、心身の健康に悪影響を及ぼす前に、きちんと対処することが大切です。
仕事は仕事と割り切って考える
人間関係に悩んでいる介護職は、「仕事は仕事」と割り切ってみるのがおすすめです。「職場は仕事をする場所」「今の時間が将来の糧になっている」と考えると、細かいことが気にならなくなる場合があります。
もちろん、利用者さんの情報共有などのコミュニケーションは不可欠ですが、無理にそれ以上仲良くなろうとする必要はありません。プライベートの時間は、仕事のストレスを忘れて気持ちを切り替えるように意識してみてくださいね。
介護観は一人ひとり違うものと捉えてみる
施設の方針やほかの職員との介護観の違いに悩んでいる人は、「介護観は一人ひとり違うもの」と理解することで気持ちが楽になるかもしれません。
相手の価値観を否定するより、認め合うことで自分自身もストレスが溜まらない可能性があります。自分とは考え方が違う相手でも、まずはその人の話に耳を傾ける姿勢を意識してみましょう。
体の緊張をほぐすために運動する
仕事のストレスが溜まっている人は、体の緊張をほぐすために運動習慣を持つのもストレスを解消する方法の一つです。運動すれば、気持ちがスッキリするだけではなく体力もつくので、介護の仕事にも役立ちます。
散歩やサイクリングといった軽めの運動でもOKです。「休みの日は1時間運動する」「晴れたら自転車で通勤する」というようにルールを決め、運動を習慣付けてみると良いかもしれません。
自分なりのリラックス方法を探す
音楽鑑賞や読書、旅行、ショッピングなど、自分なりの気分転換の方法を見つけましょう。おいしいものを食べたり、友達とおしゃべりしたり、ストレス発散の方法は人それぞれです。趣味がある人は意識的に趣味に割く時間を増やすなどして、ストレス解消を心がけましょう。
自分に合った職場へ転職する
努力しても今の状況が改善しないときは、自分の価値観や希望に合った働き方ができる職場へ転職するのも一つの手です。今の仕事を続けながら転職活動を行えば、急に収入がなくなる心配はありません。
1人で転職するのが不安な方は、レバウェル介護(旧 きらケア)のような介護業界に特化した転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
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辞めてよかった…ストレスが溜まる職場の特徴
仕事にストレスを感じ、「今の職場を辞めるかどうか悩んでいる…」という介護職の方もいるのではないでしょうか?以下の特徴に当てはまる職場は法律に違反しているので、改善の見込みがない場合、我慢を続けず転職したほうが良い可能性があります。
いじめやパワハラが横行している
職場内でいじめやパワハラが横行している場合は、自分の力で状況を変えるのは難しいといえます。上司へ相談しても改善されない場合や、相談できる人が職場にいない場合は、ストレスで限界になる前に退職することも検討してみてくださいね。
労働基準法を守っていない
給料の支払われない残業、いわゆる「サービス残業」が常態化している場合は、労働基準法違反になります。また、「6時間以上の勤務で休憩が45分未満」「8時間以上の勤務で休憩が1時間未満」という場合も、同様に労働基準法違反です。
このような違法性が疑われる職場はブラック企業とも呼ばれ、長期的に働く場として適切でないため、改善の見込みがなければ早めに転職を考えたほうが良いかもしれません。
介護職が違法な医療行為を行っている
介護職が医療行為を行うことは、医療に関わる資格がない限り違法行為にあたります。このような状況が見られる場合、職場の管理体制に重大な問題がある可能性が高いでしょう。
血糖値測定やインシュリン注射、摘便などは医療行為なので、介護職は行えません。介護職にできるのは、目薬をさす、爪を切る(爪に異常がない場合)、湿布を貼るなどの危険性の低いケアです。
喀痰吸引等研修を修了して実地研修を受ければ、たん吸引・経管栄養の処置は行えますが、それ以外の場合で医療行為の実施を求められる場合、違法性を疑うべきでしょう。たとえ職場の指示であっても、違法な医療行為を行うと自身にも責任が生じるリスクがあるので注意が必要です。
介護職が良い職場を見分ける4つのポイント
ストレスで限界を感じて転職する場合、職場環境が整備されており、同じ悩みを抱えないような転職先をを探すことが大切です。以下に該当する職場は、介護職が働きやすいと感じる傾向にあるので、参考としてご覧ください。
1.経営母体が医療法人または社会福祉法人
地域に根ざした医療・福祉を行う医療法人や社会福祉法人が経営している施設は、事業の安定性が高く、長期的な視点で職員の育成や労働環境の改善に取り組んでいる可能性があります。医療サービスとの連携や福祉のノウハウを活かして、質の高いケアを提供する職場環境であることも期待できるでしょう。
民間企業が経営する施設を選ぶ場合は、介護サービスのノウハウが不足していないかを確認するのがポイントです。
2.施設内が清潔に保たれている
施設内が清潔に保たれている場合は、十分に人手を確保できており、介護サービスが行き届いている可能性が高いと考えられます。入職する前に、できれば施設見学をさせてもらい、床に汚れやゴミがないか、机や器具は清潔かなどをチェックすると良いでしょう。
3.ベテランと若手スタッフの仲が良い
介護職同士の仲が良い場合や、ベテランスタッフと若手スタッフがバランス良く配置され、円滑なコミュニケーションができている場合は、働きやすい職場環境であるといえるでしょう。
ベテランスタッフだけで固まっているなど、年齢が離れた職員同士の連携が取れていなさそうな雰囲気があれば注意したほうが良いかもしれません。
4.介護現場で働いた経験のある管理責任者がいる
介護職から管理責任者になった人がいる職場なら、介護現場に対する理解があるため働きやすいでしょう。現場経験のない人が責任者の場合、どうしても経営視点で物事を見てしまい、現場と意見が噛み合わないこともあるようです。
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介護職の職場の選び方とは?転職で失敗しない方法や各施設のおすすめ理由
介護職のストレスチェックに関するよくある質問
ここでは、介護職のストレスチェックに関するよくある質問を、Q&A方式でまとめました。
介護職にとってストレスチェックは重要なものですか?
ストレスチェック制度は、介護職が心身の健康を維持して働くために重要なものです。この記事の「事業者による介護職のストレスチェックは義務?」でも触れているように、原則として事業者は労働者のストレスチェックを実施する義務があります。ストレスチェックで自身のストレスを把握することで、心身への影響が大きくなる前に対処できるでしょう。
介護職はストレスが溜まりやすい職業ですか?
ストレスの感じ方は、置かれている環境や人によって異なるので、一概に「介護職はストレスが溜まりやすい」とは言えません。しかし、介護職は身体介護や夜勤業務などが体力的にハードなことや、利用者さんとの繊細な関わりを求められることから、ストレスが溜まる場合があるようです。
ストレスが溜まると、寝つきが悪くなったり、体調を崩してしまったりするリスクがあります。ストレスや疲労を感じたときは、ゆっくり体を休めてリフレッシュすると良いでしょう。どうしても仕事がつらいと感じたら、「上司に相談する」「転職する」などの選択肢もあるので、1人で我慢して悩みを抱え込まず対処してみてくださいね。
ストレスが溜まって「介護職をやっていられない!」と感じる理由や解決策は、「介護職が「やってられない」と思う理由と解決策を解説!転職先の選び方とは」の記事にまとめています。
介護職にとってストレスが少なめの職場はありますか?
ストレスが少なめな介護施設の特徴としては、「人間関係が良い」「人員が充実していて時間外労働が少ない」「無理なシフトがない」などが挙げられます。ストレスが少ないと精神的にゆとりを持って働けるので、仕事に集中できてスキルアップも目指しやすいでしょう。
介護職にとって良い職場を見つけるコツは、この記事の「介護職が良い職場を見分ける4つのポイント」で詳しく紹介しています。
まとめ
介護職のストレスチェックは、原則としてすべての事業所に対し、年に1回以上の実施が義務付けられている制度です。ストレスチェックには、早期にストレスを自覚して対処することで、心身への影響を抑える目的があります。
「最近ストレスが溜まっているかも…」と感じる介護職は、セルフチェックを行って自身の状況を整理してみるのも良いでしょう。視野を広げて介護観の違いを受け入れたり、読書や旅行などでリラックスしたりすることが、ストレスと上手に向き合う対処法です。
対処法を試してもストレスが軽減されないときは、職場を変えてみることで状況が改善する場合もあります。「転職活動をする自信がない」「本当に今の仕事を辞めても良いの?」といった悩みがある方は、転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。専任のキャリアアドバイザーが丁寧にアドバイス・サポートして、働きやすい職場をご紹介いたします。
その悩み、解決できるかも
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点



