
この記事のまとめ
- サービス提供責任者になるには介護福祉士などの資格が必要
- サービス提供責任者になる最短ルートは介護福祉士実務者研修を修了すること
- サービス提供責任者として働くメリットは夜勤なしの働き方を選べることなど
「サービス提供責任者になるには資格が必要?」と気になる方もいるのではないでしょうか。サービス提供責任者になるには、介護福祉士実務者研修もしくは介護福祉士などの資格が必要です。この記事では、サービス提供責任者として働くために必要な資格と取得方法を紹介します。サービス提供責任者の仕事内容や働くメリット・デメリットもあわせて解説するので、訪問介護の管理職について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
サービス提供責任者とは?仕事内容は?必要な資格と取得方法、給料を解説!目次
サービス提供責任者になるのに資格要件はある?
サービス提供責任者は、介護の専門知識が必要とされる職種のため、介護に関係する資格が必要とされます。以下で資格要件を解説するので、サービス提供責任者として働くことに興味がある方は参考にしてみてください。
サービス提供責任者として勤務するための資格要件
訪問介護のサービス提供責任者になるためには、下記のいずれかの資格が必要です。
- 介護福祉士
- 介護福祉士実務者研修
- 介護職員基礎研修
- ホームヘルパー1級(訪問介護員1級養成研修課程)
この中でホームヘルパー1級と介護職員基礎研修はすでに廃止され、介護福祉士実務者研修に統合されました。
廃止された資格を保有していれば現在も有効ですが、これからサービス提供責任者になるための資格を取得する場合は、介護福祉士を取得するか、介護福祉士実務者研修を修了する必要があります。
出典
職業情報提供サイト(job tag)「訪問介護のサービス提供責任者」(2026年1月29日)
サービス提供責任者という名称の資格はない
サービス提供責任者は、訪問型のサービスを管理する職種の名称であり、「サービス提供責任者」という名称の資格はありません。ただし、サービス提供責任者として訪問介護計画を立てて実行するには、介護に関する専門的な知識が必要なので、先述のように資格要件が定められています。
サービス提供責任者の資格要件は2018年に改定
サービス提供責任者の資格要件は、2018年に改定されました。以前は介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の修了者も実務経験が3年以上あれば、サービス提供責任者として働けましたが、2018年以降は要件から除外されています。
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サービス提供責任者にほかの資格要件があるケース
訪問介護ではなく、障害福祉サービスの一種である「同行援護」や「行動援護」のサービス提供責任者になるには、該当の支援に特化した研修の修了や実務経験などが必要です。ここでは、「同行援護」や「行動援護」のサービス提供責任者になるための資格や実務経験の要件を解説します。
同行援護サービス
同行援護とは、視覚障がいがあり、1人で外出するのが困難な方のサポートをするサービスです。
こども家庭庁の「資料3 同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について(p.3)」によると、同行援護のサービス提供責任者になるには以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 介護福祉士の取得もしくは実務者研修の修了+同行援護従業者養成研修(一般・応用課程)の修了
- 居宅介護職員初任者研修課程の修了+実務経験3年+同行援護従業者養成研修(一般・応用課程)の修了
- 同行援護従業者養成研修(一般課程)の修了+視覚障がいがある方の介護等の業務を3年+同行援護従業者養成研修(応用課程)の修了
- 国立障害者リハビリテーションセンター学院に置かれる視覚障害学科の教科を修了
同行援護のサービス提供責任者には、介護スキルのほかに視覚障がいがある方への理解が求められます。視覚障がいのある方が安全に外出できるよう支援する役割があるため、同行援護に特化した研修の修了が要件になっているようです。
出典
こども家庭庁「社会保障審議会障害者部会(第142回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第7回)合同会議」(2026年1月29日)
行動援護サービス
行動援護とは、知的障がいまたは精神障がいがあり、常時介護を必要とする方の外出をサポートをするサービスです。
厚生労働省の「行動援護に係る報酬・基準について≪論点等≫(p.1)」によると、行動援護のサービス提供責任者になるには、下記2つの要件を満たす必要があります。
- 行動援護従業者養成研修課程または強度行動障害支援者養成研修(実践研修)修了
- 知的障がい・精神障がい等のある方を仕事で直接介護した経験が3年以上
行動援護の場合は、特定の研修修了に加えて3年以上の実務経験が必須となるため、要件のハードルは比較的高いといえます。行動援護のサービス提供責任者になるには、知的障がい・精神障がいのある方の行動や心理への深い理解と、現場での確かな実践力が必要です。
出典
厚生労働省「第36回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料」(2026年1月29日)
サービス提供責任者になるには
ここでは、訪問介護のサービス提供責任者になるのに必要な資格である「介護福祉士実務者研修」と「介護福祉士」の資格の取得方法を解説します。
介護福祉士実務者研修の取得方法
介護福祉士実務者研修は、介護の技術や、根拠をもって介護サービスを提供するための知識を身につけるための資格です。受講要件がなく無資格や未経験の方も受講でき、約450時間のカリキュラムを履修することで取得できます。
無資格の場合、取得に最短でも6ヶ月ほどの期間を要しますが、修了したらサービス提供責任者の要件を満たせるので、キャリアアップを目指す最短ルートです。
介護福祉士の取得方法

「介護福祉士」は介護に関する唯一の国家資格。取得するには、要件を満たしたうえで介護福祉士国家試験への合格が必要です。受験資格を得るルートは、「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「EPAルート」の4通りあります。
働きながら資格を取得する場合は、「実務経験ルート」が人気です。実務経験ルートでは、「介護福祉士実務者研修の修了」と「3年以上の介護等の実務経験」の両方の条件を満たせば、介護福祉士国家試験を受験できます。
なお、サービス提供責任者の業務は「介護等の実務経験」に含まれないため、訪問介護事業所で働きながら介護福祉士を目指す場合は注意しましょう。
無資格から介護福祉士の資格を取得するには、「実務経験ルート」の場合は最低3年、「養成施設ルート」の場合は最低2年ほどかかります。
介護福祉士は資格取得に要件がある分専門性が高く、介護業界での評価が高いのが取得するメリットです。将来的にケアマネジャーや管理職へのキャリアアップを目指したい方や、給与アップを目指す方は、取得を検討すると良いでしょう。
「働きながら介護福祉士の資格を取得したい」という方は、「社会人として働きながら介護福祉士になるには?資格取得のルートを解説!」も参考にしてみてください。
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サービス提供責任者の仕事内容
サービス提供責任者の仕事内容は、訪問介護計画の立案・実施やホームヘルパーの指導・教育などです。
訪問介護計画の立案・実施
ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき、利用者さんの心身の状態や希望を反映させた「訪問介護計画書」を作成します。計画を策定した後は、それに基づいた適切なサービスが提供されるよう、現場の体制を整えなければなりません。
サービス開始後は訪問介護の提供状況を随時チェックし、利用者さんの状況の変化に応じてケアマネジャーと連携して計画を修正します。
ホームヘルパーの管理・指導・教育
現場で介護業務を行うホームヘルパーの管理や、質の高いサービスを提供するための教育・指導を担うのもサービス提供責任者の役割です。具体的には、ホームヘルパーのシフトの調整や業務の割り振りなどを実施します。
また、ホームヘルパーが初めての利用さ者さんの自宅に訪問するときや、サービス内容に変更があったときは、同行訪問をしてケアの手順や注意点を共有することが必要です。
利用者さんやご家族との面談
サービスの開始前に利用者さんやご家族のもとを訪れて、意向を確認するための面談を行います。現在困っていることや、どのような生活を送りたいかといった要望を伺い、訪問介護計画に反映させるのが主な目的です。
訪問介護サービスの提供開始後も定期的に利用者さんの自宅を訪問し、現在のサービス内容に過不足がないか、新たな課題が生じていないかを確認します。
サービス担当者会議への出席
ケアマネジャーが開催するサービス担当者会議に出席し、訪問介護サービス提供時の利用者さんの状態やご家族の様子などの現状を報告します。主治医や看護師、リハビリスタッフといった他職種と情報を共有し、関係機関との連携を図るのが主な目的です。
訪問介護サービスの提供
職場によっては、サービス提供責任者が訪問介護の業務を兼務することもあります。専任で働く場合も、サービス開始時の「初回訪問」や、ホームヘルパーに引継ぎを行う「同行訪問」は、サービス提供責任者の業務です。
訪問介護の業務内容は、排せつ介助や入浴介助といった身体介護や、掃除や調理といった生活援助です。訪問介護の業務について詳しく知りたい方は、「ホームヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容や必要な資格、給料を解説」をご一読ください。
サービス提供責任者の1日のスケジュール例
ここでは、サービス提供責任者の1日のスケジュール例を紹介します。多岐にわたる業務をどのようにこなしているのか、具体的な流れを確認してみましょう。
| 時間 | 仕事内容 |
| 午前8時30分 | 出勤 |
| 午前9時~10時 | 訪問介護業務 |
| 午前10時~ | 訪問介護計画書の作成、事務作業 |
| 午前11時40分 | ホームヘルパーから「利用者さんが下痢で腹痛を訴えているため、食事は取れそうにない」と連絡あり。水分補給を促すように指示。訪問看護とケアマネジャーに報告 |
| 正午~午後1時 | 休憩 |
| 午後1時00分~2時30分 | ホームヘルパーに利用者さんの情報を共有。入浴介助の同行訪問 |
| 午後3時~3時30分 | サービス担当者会議に出席。利用者さんやご家族、関係者と意見交換。訪問介護サービス提供時の利用者さんの様子を共有 |
| 午後4時~ | 介護計画書の作成、介護記録の確認 |
| 午後5時 | ホームヘルパーから介護サービスについての相談あり。話し合いやレクチャーを実施 |
| 午後5時30分 | 退勤 |
訪問介護の突発的なトラブルへの対応や多職種との連携が発生することがあるため、サービス提供責任者は優先順位を判断しながら柔軟に動く必要があります。なお、スケジュールは日によって異なるため、参考程度にご覧ください。
サービス提供責任者として働くメリット
サービス提供責任者として働くメリットは、ホームヘルパーよりも平均給与が高いことや夜勤なしで働けること、身体的な負担が軽い傾向にあることなどです。以下で詳しく解説します。
ホームヘルパーよりも平均給与が高い
サービス提供責任者は、ホームヘルパーよりも給与が高い傾向にあります。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.143)」によると、常勤・月給で働くサービス提供責任者の平均給与は36万7,190円、ホームヘルパーの平均給与は32万2,800円でした。平均給与がホームヘルパーよりも4万4,000円ほど高いことは大きなメリットといえます。
サービス提供責任者の給与事情は、「サービス提供責任者(サ責)の給料を解説!手取りや年収、給与アップの方法」の記事にまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年1月29日)
夜勤なしの働き方も可能
訪問介護事業所は日中のみサービスを提供している事業所が多いため、夜勤なしで働ける可能性が高いのがメリットです。
ただし、夜間対応型の訪問介護事業所の場合は夜勤が発生することもあります。サービス提供責任者の求人に応募する際は、あらかじめ夜間のサービス提供があるかを確認しておくと良いでしょう。
サービス提供責任者の夜勤については、「サ責に夜勤はあるの?勤務実態や夜間に対応する訪問介護サービスを解説!」の記事で詳しく扱っているので、確認してみてください。
身体的な負担が軽い傾向にある
サービス提供責任者の業務はデスクワークが中心なので、ホームヘルパーと比較して身体的な負担が少ない傾向にあります。年齢を重ねても無理なく働き続けやすいのは大きなメリットといえるでしょう。
スキルアップ・キャリアアップにつながる
訪問介護の現場をまとめる立場として、マネジメント能力や多職種と連携するスキルを習得できるのも魅力です。サービス提供責任者として経験を積むことで、ケアマネジャーや管理者などキャリアの選択肢を広げられるメリットがあります。
たとえば、将来的にケアマネジャーを目指す場合、仕事で培った関係機関と調整するスキルが実践的に役立つはずです。また、ホームヘルパーの育成や管理に携わった経験は、管理者への昇進や事業所の運営に関わるときに活かせます。
利用者さんからの感謝がやりがいにつながる
利用者さんの気持ちに寄り添って訪問介護を実践するサービス提供責任者は、直接感謝の言葉をもらえることがある、やりがいの大きい仕事です。
介護サービスを利用して自宅で生活する方やご家族にとって、サービス提供責任者は頼れる存在。利用者さんの不満を聞いたり、ご家族に介護についてのアドバイスを行ったりすることもあります。
サービス提供責任者として働くデメリット
サービス提供責任者として働くデメリットは、「ほかの職種との人間関係を負担に感じる可能性がある」「人手不足の事業所は業務量が多い場合がある」などです。以下で詳しく紹介します。
ほかの職種との人間関係を負担に感じる可能性がある
サービス提供責任者は仕事で関わる人が多く、人間関係が複雑です。そのため、「年上のホームヘルパーを指導するのが難しい」「ケアマネジャーと意見が合わない」といった理由で、関係者とのコミュニケーションを負担に感じることがあるかもしれません。
良好な人間関係を築くには、相手を否定しないことが大切です。しっかりと周りの意見に耳を傾けたうえで、冷静に自分の考えを伝えて話し合いましょう。
人手不足の事業所は業務量が多い場合がある
人手不足の事業所では、サービス提供責任者が訪問介護を行う時間が長くなる場合があるようです。サービス提供責任者には、訪問介護計画書の作成といった事務の仕事もあるので、介護業務が多いと大変に感じやすいでしょう。
働き始めてから不満を感じないためには、人員配置やシフト体制をあらかじめチェックしておくことが大切です。
利用者さんの介護を行う機会が減る
サービス提供責任者として働くと、事務作業や相談対応を行う分、利用者さんのケアに直接関わる機会が減ります。利用者さんの介助をあまり担当しないことは、介護業務が好きな人にとっては、デメリットに感じる場合があるでしょう。
サービス提供責任者は、直接ケアを行うことは少ないですが、訪問介護サービスの管理を通じて、陰で利用者さんの生活を支える不可欠な存在です。
サービス提供責任者の資格や要件に関するよくある質問
ここでは、サービス提供責任者の資格や要件に関するよくある質問を紹介します。「サービス提供責任者になりたい」という方はぜひ参考にしてみてください。
サービス提供責任者になるには研修や試験を受ける必要がある?
サービス提供責任者になるには、「介護福祉士実務者研修の修了」もしくは「介護福祉士の資格取得」が必要なので、研修の受講か試験への合格を経て要件を満たさなければなりません。いずれかの資格要件を満たしていれば、サービス提供責任者の業務に従事するために新たに研修や試験を受ける必要はありません。
サービス提供責任者の要件を満たす資格の取得方法については、この記事の「サービス提供責任者になるには」で解説しているので、あわせて確認してみてください。
サービス提供責任者は名前だけ貸すことができますか?
訪問介護事業所の人員配置基準を満たすために、サービス提供責任者として名前だけ貸すのは違法です。行政処分の対象になると、貸す側にも借りる側にも不利益が生じるリスクがあるので、名義の貸し借りは絶対にやめましょう。
サービス提供責任者の名義の貸し借りについては、「サービス提供責任者は名前だけ貸し借りしても良い?事例や対応策を解説」の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
看護師の資格でサービス提供責任者の要件を満たせる?
自治体によっては、看護師や准看護師もサービス提供責任者の資格要件を満たせることがあります。たとえば、大阪府の定める人員基準が適用される自治体の場合、看護師や准看護師もサービス提供責任者に従事可能です。
介護以外の有資格者がサービス提供責任者になれるかどうかの要件は自治体によって異なるので、お住まいの自治体の情報をチェックしてみてください。
出典
大阪府「訪問介護 新規指定申請について」(2026年1月29日)
まとめ
訪問介護のサービス提供責任者として働くには、国家資格である介護福祉士を取得するか、介護福祉士実務者研修を修了して要件を満たす必要があります。介護福祉士実務者研修には受講要件がなく、無資格から最短半年程度で取得可能です。
サービス提供責任者の主な業務は、訪問介護計画の作成やホームヘルパーの指導・育成など。身体的な負担が少ない傾向にある点や、給与向上や将来のキャリアアップを目指せる点が、サービス提供責任者の仕事の魅力といえます。
「働きながらサービス提供責任者に必要な資格を取得したい」「資格を活かしてサービス提供責任者に転職したい」という方は、ぜひレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職支援サービス。資格取得支援制度が充実している職場や、サービス提供責任者として活躍できる職場の求人を多数取りそろえているので、未経験の方も転職を成功させやすいのが強みです。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


