介護職員初任者研修は役に立たない?無資格と上位資格との違いを解説

介護の資格 2026年3月2日
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この記事のまとめ

「介護職員初任者研修は役に立たないの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。介護職員初任者研修は介護業界における入門資格で、介護現場や介護業界の転職活動で活かせます。この記事では、介護職員初任者研修と無資格・上位資格との違いを解説。介護職員初任者研修を取得するメリット・デメリットや方法も紹介しているので、資格を取得するか悩んでいる方は参考にしてみてください。

介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット

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目次

介護職員初任者研修は役に立たない?

介護職員初任者研修は、介護現場で必要な基礎知識や技術を学ぶ資格なので、「役に立たない資格」とはいえません。
介護職員初任者研修を修了することで、利用者さんの身体に直接触れる食事介助・入浴介助・排泄介助といった「身体介護」を有資格者の監督なしで行えるようになります。そのため、無資格のまま働くよりも業務の幅が広がるでしょう。

また、高い専門性を求められる職場では、介護資格を保有していることを応募条件としていることもあります。特に訪問介護事業所の訪問介護員として働くには、介護職員初任者研修の修了が必要です。介護職員初任者研修を取得していることで、介護施設だけでなく在宅介護の分野も視野に入り、転職先の選択肢も広がるでしょう。

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介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修とは、介護の基本的な知識や技術を有していることを保証する資格です。介護業界における入門資格とされています。
初任者研修修了後は、「介護福祉士実務者研修」を経て「介護福祉士」を目指すのが、介護業界における一般的なキャリアパスです。

介護職員初任者研修の受験資格

介護職員初任者研修に受験資格は設けられていないため、誰でも受験できます。無資格・未経験から挑戦できる資格なので、介護職員としてスキルアップしたい方はもちろん、家族介護に活かしたい方も受講しているようです。

初任者研修の上位資格である「介護福祉士実務者研修」も同様に受験資格がないため、誰でも受講が可能です。しかし、実務者研修は基本的な介護知識があることを前提としたカリキュラムになっており、介護経験がない場合は難しいと感じる場合があります。無資格・未経験の場合は、初任者研修から受講したほうが研修内容を理解しやすくなるでしょう。

ホームヘルパー2級から介護職員初任者研修に変更

介護職員初任者研修は、2013年4月に「ホームヘルパー2級」から移行した資格です。同時期に、「ホームヘルパー1級」と「介護職員基礎研修」が「介護職員実務者研修」に一本化されました。

介護資格の制度改正が行われた主な理由は、複雑だったキャリアパスを整理し、明確化するためです。改正される前は資格の種類が多く、キャリアアップの道筋が分かりにくいのが課題でした。そこで資格体系を再編し、「初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士」というように、一本道のルートを確立。介護職員がキャリアビジョンを描きやすい資格体系に整えられました。

ホームヘルパー2級については「ホームヘルパー2級は意味ないって本当?廃止理由や初任者研修の違いも解説」の記事でも説明しています。

介護職員初任者研修と無資格との違い

「介護職員初任者研修を修了した場合」と「無資格の場合」の違いを解説します。資格を取得することで無資格と比べてどのような利点があるか知っておきましょう。

求人数

無資格の状態に比べて、介護職員初任者研修を修了してたほうが、応募できる求人の選択肢は格段に豊富になります。。無資格者は「無資格可」の求人しか応募できませんが、有資格者は介護職員初任者研修の取得が条件になっている求人にも応募可能。応募可能な求人が多いので、就職・転職では有利になります。また、選択肢が増えるので、希望の勤務形態や待遇の求人も見つかりやすくなるでしょう。

平均勤続年数

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」によると、介護職員(月給・常勤)の勤続年数は介護職員初任者研修の取得者が8.8年で、無資格者が5.8年です。

資格を有している職員のほうが長く働き続けていることが分かります。無資格者の勤続年数は最も少なく、無資格者は早めに別の仕事に挑戦するか、介護職員初任者研修をはじめとした介護系の資格を取得する傾向があるといえるでしょう。

平均給与

同資料(p.161)によると、介護職員(月給・常勤)の平均給与額は、介護職員初任者研修の取得者は32万4,830円、無資格者は29万620円です。月収の差は3万4,210円あり、単純計算で年収に41万520円の差が出ることになります。
勤続年数が伸びるほど、介護職員初任者研修取得者と無資格者の給与の差は広がります。

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介護職員初任者研修と上位資格との違い

ここでは、介護職員初任者研修と上位資格との違いを解説します。介護職員初任者研修を取得後、上位の資格取得を目指す際の参考にしてみてください。

求人数

介護職員初任者研修修了者よりも、上位資格を保有している人のほうが、応募できる求人数はより豊富にあります。上位資格者の取得者は下位資格を内包した条件の求人に応募可能。また、同じ条件の求職者がいた場合、上位の資格を有しているほうが活躍が期待できるため、内定を貰える確率が高まります。

そのため、介護職員初任者研修を取得した人は、上位資格を有している人がライバルだと、就職で不利になる可能性も。応募可能な求人を増やすためにも上位資格取得を目指すと良いでしょう。

平均勤続年数

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」によると、介護職員初任者研修を修了した人と上位資格を取得した介護職員(月給・常勤)の勤続年数は以下のようになっています。

保有資格勤続年数
介護職員初任者研修8.8年
介護福祉士実務者研修6.9年
介護福祉士10.4年
社会福祉士9.3年
介護支援専門員(ケアマネジャー)14年

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」

特に、ケアマネジャーは14年と最も長く、長期にわたりキャリアを築いていることが分かります。資格の専門性が高くなるほど、勤続年数が長くなる傾向にあるようです。

一方、実務者研修の勤続年数がほかの資格と比べて短いのは、この資格が「介護福祉士」を取得するための通過点であるためと考えられます。

平均給与

同資料(p.161)をもとに、平均給与を保有資格別にまとめました。平均年収は平均給与額に12を掛けて算出しているので、参考としてご覧ください。

保有資格平均給与額平均年収額
(平均給与額×12)
介護職員初任者研修32万4,830円389万7,960円
介護福祉士実務者研修32万7,260円392万7,120円
介護福祉士35万50円420万600円
社会福祉士39万7,620円477万1,440円
介護支援専門員(ケアマネジャー)38万8,080円465万6,960円

参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」

初任者研修修了者の平均給与額は32万4,830円で、平均年収額に換算すると389万7,960円です。実務者研修修了者は初任者研修修了者と比べて、平均給与額は2,430円、平均年収額は2万9,160円と収入が多くなっています。

さらに、上位資格である介護福祉士は初任者研修修了者よりも、平均給与額が2万5,220円、平均年収額は30万2,640円と、より収入の差が大きくなるようです。介護業界では、より専門性の高い資格を取得することで、資格手当の支給や昇進に伴う昇給が期待でき、収入アップにつながる可能性があります。

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介護職員初任者研修を取得するメリット・デメリット

介護職員初任者研修の資格を取得するメリット・デメリットについて解説します。資格取得を迷っている方は、参考にしてみてください。

介護職員初任者研修を取得するメリット

介護職員初任者研修を取得するメリットは、「仕事の幅が広がる」「介護の知識が深まる」「上位資格を目指しやすくなる」「家族を介護する際に資格を活かせる」ことです。以下で詳しく解説します。

仕事の幅が広がる

介護職員の仕事は主に「生活援助」と「身体介助」ですが、「介護職員初任者研修は役に立たない?」でも触れたとおり、無資格者が身体介助を行う場合、有資格者の監督が必要です。無資格の方は介護職員初任者研修を取得することで、単独で身体介護が行えるようになります。訪問介護業務も行えるようになり、業務の幅が広がるでしょう。介護業界で働き続けたい方にとって大きなメリットといえます。

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介護の知識が深まる

介護職員初任者研修では、基礎的な介護の知識技能を学びます。そのため、未経験者は初任者研修を修了することで、「なぜこの介助が必要なのか」という根拠に基づいた業務が行えるようになり、日々の仕事に自信を持てるようになるでしょう。また、介護の知識を深めることで、より安全な介護を提供できるようになります。

上位資格を目指しやすくなる

初任者研修の修了者は、上位資格である介護福祉士実務者研修の資格を取得する際に、一部の科目が免除されます。通常よりも受講時間が短くなり、資格の取得がしやすくなるのがメリットです。

厚生労働省の「実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について(p.3)」によると、初任者研修の修了者は20科目中9科目が免除。通常450時間ある受講時間のうち130時間が免除され、320時間の受講で修了できます。
また、介護職員初任者研修を先に受講したほうが基礎から段階的に学べるので、より理解しやすくなるでしょう。

初任者研修の免除科目については、「介護福祉士実務者研修の受講が免除になる資格は?費用が安くなる制度も紹介」をご覧ください。

家族を介護する際に資格を活かせる

家族を介護する際に介護職員初任者研修で身につけた知識やスキルを活かせます。高齢者社会である現在、いつ家族の介護をするようになるか分かりません。家族に介護が必要になった場合も、資格を有しておけば安全な介護を行えます。また、介護計画や介護サービスの利用方法などに対する知識も役立たせることが可能です。

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介護職員初任者研修を取得するデメリット

介護職員初任者研修の資格を取得するデメリットは費用と時間がかかることでしょう。スクールによって異なりますが4~12万円ほどの費用がかかります。取得までの期間は一般的には3~4ヶ月で、最短でも1ヶ月です。スケジュールによってはさらに期間が長くなることも。多くの方が受かる資格ですが、スクール費は安い値段ではないので、受講を悩んでしまう方もいるようです。

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介護職員初任者研修の取得方法

介護職員初任者研修の資格はスクールに通い、規定のカリキュラムを修了後、筆記試験を受けることで取得できます。

取得方法は2通りある

介護職員初任者研修の取得方法は「通学」と「通信+通学」の2つがあります。通信で受講できる時間は130時間のうちの40.5時間なので、通信のみで修了することはできません。

「通学」は、全130時間スクールに通って資格を取得する方法です。夜間・平日のみなど、自身のスケジュールに合ったスクールを選んで受講します。集中して短期間で資格を取得したい方に向いているでしょう。

「通信+通学」は、全カリキュラムのうち約40.5時間を自宅学習で進め、演習などのカリキュラムをスクールに通って受講します。カリキュラムの一部を通信で受講できるため、自分のライフスタイルに合わせて学習を進められるのが特徴です。

スクールを選ぶ際は、通いやすさやスケジュールの柔軟性を考慮し、自分のライフスタイルに合った受講スタイルを選択しましょう。

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研修内容

介護職員初任者研修で学ぶカリキュラムは10科目・130時間で、講義と演習を一体的に学びます。

研修科目学習時間
1.職務の理解6時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援9時間
3.介護の基本6時間
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携9時間
5.介護におけるコミュニケーション技術6時間
6.老化の理解6時間
7.認知症の理解6時間
8.障害の理解3時間
9.こころとからだのしくみと生活支援技術75時間
10.振り返り4時間
合計130時間

参考:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について(p.2)」

全カリキュラムを修了すると、研修の理解度を図るための筆記試験が行われます。十分に対策をしていれば合格できるでしょう。修了試験に合格することで、介護職員初任者研修の資格を取得できます。

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初任者研修資格に関するよくある質問に回答します。初任者研修資格の取得を考えている方は、ぜひご一読ください。

初任者研修を活かせる仕事はありますか?

初任者研修資格を取得すると、介護に関する基礎的な知識やスキルを身につけられるので、介護職員として働くうえで、どのような仕事でも活かせるでしょう。特に身体介助は、無資格の介護職員が人で行うことは認められておらず、必ず有資格者の監督のもとで実施しなければなりません。身体介助を行うことが多い施設で働く場合は、初任者研修を取得することで携われる業務の幅が広がり、スキルアップの機会も増えるでしょう。初任者研修の受講を迷っている方は、「介護職員初任者研修を活かせる仕事は?取得するメリットや働ける職場を解説」も参考にしてみてください。

初任者研修資格を取得する費用はどれくらいかかるの?

初任者研修資格を取得するのにかかる費用は、4~12万円ほどです。スクールによって費用が大きく異なるので、自身の通える範囲のスクールの料金を比較しておくと良いでしょう。また、職場の資格取得支援制度やハローワークの職業訓練を利用することで、無料で介護職員初任者研修を取得できることも。求職中に資格取得を目指している方は、「介護職員初任者研修はハローワークで取得可能?給付金制度やメリットを解説」の記事を参考にしてみてください。

初任者研修は働きながら取得を目指せるの?

夜間のみのコースや週1回から通えるコースを実施しているスクールを選択すれば、働きながらでも初任者研修の取得が可能です。働きながら資格取得を目指す場合は、取得までに3~4ヶ月ほどかかることを覚えておきましょう。働きながら初任者研修の取得を目指す際のポイントは、「介護職員初任者研修を働きながら取得する方法を解説!無料のスクールはある?」の記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

まとめ

介護職員初任者研修は、無資格者が取得することで、単独での身体介護が行えたり、転職先の選択肢が広がったりするため、「役に立たない資格」とはいえません。さらに、介護職員初任者研修を足がかりにして、上位資格を取得することで、収入が上がる場合もあります。基礎的な介護の内容で資格取得の難易度も低いので、介護業界で働き続けたいと考えている方は、取得を目指して見ると良いでしょう。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2026年3月2日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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