ホームヘルパー2級は意味ないって本当？廃止理由や初任者研修の違いも解説

「ホームヘルパー2級は意味ないの？」と気になる方もいるかもしれません。ホームヘルパー2級は2013年に廃止されましたが、現在も介護知識や技術があることを証明できる資格として使えます。この記事では、ホームヘルパー2級が廃止された背景や現在の立ち位置を解説。ホームヘルパー2級保有者ができることやメリット、介護職のキャリアパスについても紹介します。介護資格に興味のある方は、チェックしてみてください。

目次

「ホームヘルパー2級は意味ない」は本当？

ホームヘルパー2級（訪問介護員2級養成研修課程）は、介護の基礎知識や技術を有していることを証明できる資格で、現在も介護現場において有効な資格です。
ただし、ホームヘルパー2級は2013年に廃止されており、現在ホームヘルパー2級を取得することはできません。すでに廃止された資格のため、「ホームヘルパー2級は意味ない」と誤解されることがあるようです。

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ホームヘルパー2級が廃止された背景

ホームヘルパー2級が廃止された背景には、介護の資格体制の見直しとキャリアパスの明確化があります。
以前の介護資格は複数あり、学習内容が重複していたりキャリアアップの道筋が分かりにくかったりするなど、介護職員のキャリアパスは複雑なものでした。このような事情から「資格取得への意欲が高まりにくい」という声もあったようです。

高齢化社会が深刻な問題になるなか、介護人材の確保と介護の質の向上が求められ、より実践的で体系的な研修制度が必要になりました。そこで、2013年に厚生労働省は、ホームヘルパー2級を「介護職員初任者研修」へ移行。同時に、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修は、「介護福祉士実務者研修」へ一本化されました。

現在は、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」という順番で、段階的に資格を取得することで、キャリアアップできる仕組みになっています（2025年4月時点）。

ホームヘルパー2級の現在の立ち位置

ここでは、ホームヘルパー2級の現在の立ち位置を解説します。「ホームヘルパー2級は、今どうなっているの？」と気になっている方は、チェックしてみてください。

介護職員初任者研修と同等の資格として扱われている

前述したとおり、ホームヘルパー2級は廃止されて以降、「介護職員初任者研修」と同等の資格として扱われています。後述する「ホームヘルパー2級ができること」でも説明しますが、従事できる仕事は介護職員初任者研修修了者と大きな違いはありません。ホームヘルパー2級は、介護の専門知識があることのアピールとして、履歴書の「免許・資格」の欄への記入も可能です。

ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い

ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修は、どちらも介護職の入門的な資格として位置づけられている資格ですが、研修の目的やカリキュラムが異なります。

ホームヘルパー2級は、訪問介護に必要な専門的な知識や技術を習得することを目的とした資格でした。一方、初任者研修は、訪問介護などの施設形態を問わず、介護職員に必要な基礎知識や技術の習得を目的としています。

また、ホームヘルパー2級から初任者研修に移行した際、幅広い介護サービスへの対応と知識の定着のため、カリキュラムの見直しもされました。初任者研修には、「認知症の理解」のカリキュラムが追加。ホームヘルパー2級の介護現場での施設研修が廃止され、初任者研修は通学（スクーリング）の時間が11.5時間増加しました。さらに、ホームヘルパー2級は、すべてのカリキュラムを修了することで資格取得ができましたが、初任者研修では修了試験への合格が必要になりました。

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介護職員初任者研修は取得するべき？

ホームヘルパー2級は初任者研修と同等の資格とされているため、ホームヘルパー2級を保有していれば、初任者研修を新たに取得しなくても、介護施設や訪問介護事業所の介護職員として働けます。「ホームヘルパー2級を保有していて、これから資格を取得したい」という場合は、初任者研修の上位資格で介護福祉士国家試験の受験要件の一つである「介護福祉士実務者研修」を目指すと良いでしょう。

ただし、介護職員実務者研修は、実務経験がないと難しいと感じる可能性があります。介護職の経験が浅い場合やブランクが長い場合は、初任者研修で介護の基礎から学ぶのも一つの選択肢です。資格取得の際は、目的や自分のスキルに合ったものを選ぶと良いでしょう。
初任者研修と実務者研修、どちらの資格を取るか迷っている方は、「初任者研修と実務者研修の違いは？共通点やどっちの取得が向いているか解説」も参考にしてみてください。

ホームヘルパー2級ができること

「ホームヘルパー2級を保有している介護職員は何ができるの？」と、疑問に思う方もいるかもしれません。ここでは、ホームヘルパー2級を保有している介護職員ができることを紹介します。

ホームヘルパー2級が働ける施設と事業所

ホームヘルパー2級修了者は初任者研修修了者と同様に、特別養護老人ホーム（特養）や介護老人保健施設（老健）などの入所施設、デイサービスやデイケアといった通所施設の介護職員として働けます。初任者研修以上の資格が必要とされる、訪問介護への従事も可能です。
また、ホームヘルパー2級修了や初任者研修修了といった要件を定める求人にも応募できるため、転職先の選択肢も広がるでしょう。

ホームヘルパー2級でできる仕事

ホームヘルパー2級修了者は、初任者研修修了者と同様に、身体介護をはじめとする介護業務に従事できます。ただし、ホームヘルパー2級では、喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアは行えません。また、サービス利用責任者や生活相談員、ケアマネジャーの業務も、それぞれ要件に応じた資格が必要です。

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ホームヘルパー2級を持っているメリット

ホームヘルパー2級を保有しているメリットには、「転職に有利になる」「資格手当が支給される可能性がある」「実務研修の一部のカリキュラムが免除になる」などがあります。
ここでは、ホームヘルパー2級を持っていることのメリットを解説。介護職への転職を検討中の方は、チェックしてみてください。

転職に有利になる

ホームヘルパー2級は、介護の基本的な知識や技術を持っていることの証明になるため、選考に有利になることがあります。先述したように、介護求人には介護資格を有することを応募要件に定めていることがあるため、ホームヘルパー2級の保有者は応募できる求人の幅も広がるでしょう。

資格手当が貰えることがある

勤務先によっては、保有資格に応じて資格手当が支給されることがあります。ホームヘルパー2級が資格手当の支給条件に含まれていれば、支給手当による給料アップが期待できるでしょう。

ただし、資格手当の支給条件や金額は職場によって異なります。資格手当を受け取るには、転職先の支給条件を確認しましょう。資格手当の金額が気になる方は、「【介護職の資格手当一覧表】相場はいくら？給料アップに繋げる方法を解説！」をご覧ください。

実務研修の一部のカリキュラムが免除になる

ホームヘルパー2級を持っている場合、介護福祉士実務者研修の一部のカリキュラムが免除されます。資格取得に掛かる時間が短縮されるため、スケジュール調整がしやすくなるでしょう。

厚生労働省の「実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について（別添1）」によると、ホームヘルパー2級保有者は、受講時間約450時間のうち約130時間が免除されるため、合計受講時間は320時間ほどになります。
実務者研修のカリキュラムが免除になるほかの資格については、「介護福祉士実務者研修の受講が免除になる資格は？費用が安くなる制度も紹介」もご覧ください。

ホームヘルパー2級のキャリアパス

ホームヘルパー2級修了者のキャリアパスは、実務経験を積みながら「介護職員実務者研修」を修了し、国家資格である介護福祉士を目指すのが一般的です。介護福祉士として経験を積み、ケアマネジャー資格を取得してケアマネジャーになる方も少なくありません。そのほか、現場での経験を活かして、施設長などの役職に就く方もいます。

ホームヘルパー2級からキャリアアップを考えている方は、「介護職員のキャリアパスとは？モデルケースや制度導入のメリットを解説！」の記事も参考にしてみてください。

ホームヘルパー2級に関するよくある質問

ここでは、ホームヘルパー2級に関するよくある質問を紹介します。「介護資格を活かして介護職で働きたい」と考えている方は、チェックしてみてください

ホームヘルパー2級資格証明書の再発行はできますか？

ホームヘルパー2級資格証明書を紛失してしまった場合は、自分が資格を取得した研修実施機関に問い合わせると再発行してもらえます。研修を受けた施設がすでになくなっている場合は、施設があった都道府県の県庁の「介護保険担当課」に確認してみましょう。

ホームヘルパー2級の取り方を知りたい

ホームヘルパー2級は2013年に廃止され、「介護職員初任者研修」に移行しました。現在は、ホームヘルパー2級の取得はできません。「介護資格を取得したい」という方は、「介護職員初任者研修」を目指すと良いでしょう。初任者研修とは、介護の基礎的な知識や技術を取得することを目的とした資格です。施設介護や認知症介護などのカリキュラムがあるため、ホームヘルパー2級よりも幅広い範囲の介護知識を習得できます。
「ホームヘルパー2級の現在の立ち位置」では、ホームヘルパー2級と介護職員初任者との違いにも触れているので、チェックしてみてください。

まとめ

ホームヘルパー2級は2013年に廃止され、介護職員初任者研修に移行しました。すでに廃止されているため、「意味ない」と誤解されることがありますが、現在も介護現場において有効な資格です。

ホームヘルパー2級が廃止された理由には、介護の資格体制の見直しとキャリアパスの明確化があります。ホームヘルパー2級を介護職員初任者研修に移行するなどして、資格体制を見直すことで、介護人材の確保と介護の質の向上を図ったようです。

現在、ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修と同等の資格として扱われています。初任者研修修了者と同じように、介護施設や訪問介護事業所の介護職員として従事が可能です。

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