
この記事のまとめ
- ハンドマッサージには、利用者さまの孤独感や苦痛を緩和する効果がある
- 介護施設でハンドマッサージを行うのに必須の資格はない
- ハンドマッサージを学べる資格は、「介護リハビリセラピスト」など
介護施設のレクリエーションなどで、高齢者の方へのハンドマッサージを検討していて、「資格がない人がハンドマッサージをしてもいいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。介護施設におけるレクリエーションで行うハンドマッサージに資格は必須ではありませんが、知識は必要です。この記事では、ハンドマッサージを学べる講座や資格を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
介護資格の種類31選!取得方法やメリットを解説します目次
ハンドマッサージとは
ハンドマッサージとは、手のツボを刺激して血行を促進することにより、冷えの改善や疲労回復、リラックス効果などが期待できるマッサージです。人の手に触れることで副交感神経が優位になるため、ハンドマッサージには孤独感や苦痛を緩和する効果もあると考えられています。
最近では、デイケアなどの介護施設で、レクリエーションの一環として取り入れているところもあり、ハンドマッサージに関する資格の取得を目指す介護職員が増えているようです。
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介護現場でハンドマッサージを行うのに資格は必要?
介護施設のレクリエーションやボランティアなどでハンドマッサージを行う程度であれば、資格は必要ありません。とはいえ、専門知識がない状態で施術を行うと、利用者さまが体調不良を起こしてしまったり、持病を悪化させてしまったりするリスクもあるため、知識がない状態での実施は避けたほうが良いでしょう。
また、ハンドマッサージにアロマオイルを使用する場合は、アロマオイルに関する知識も必要です。高齢者の方は、アロマオイルで肌荒れを起こしてしまったり、持病に影響してしまったりすることがあるかもしれません。ハンドマッサージをするにあたって必須の資格はなくても、資格を取得して専門的な知識を学んでから行うことが望ましいといえます。
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ハンドマッサージを学べる資格や講座
ハンドマッサージを学べる資格は、すべて民間資格です。一例として、「介護リハビリセラピスト」「アロマハンドセラピスト」「AHTA認定プロフェッショナル資格」「ハンドリフレセラピスト」などがあります。
ハンドマッサージが学べる資格の特徴と取得方法を下記にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
資格の名称 (認定機関) | 資格の特徴 | 取得方法 |
介護リハビリセラピスト(日本介護リハビリセラピスト協会) | ・高齢者の方への施術に適した介護アロマを学べる ・肩こりや関節痛、脳卒中の後遺症による手足のまひ、認知症の予防にも対応可能な施術を習得できる | ・通信講座もしくは講師による1日講座で取得可能 |
アロマハンドセラピスト(AEAJ) | ・アロマハンドトリートメントを学べる ・解剖生理学から学ぶため、より実践的なハンドマッサージ技術を身につけることができる | ・アロマテラピー検定1級に合格し、アロマテラピーアドバイザー資格を取得。その後、認定スクールでアロマハンドセラピストのカリキュラムを修了し、履修証明書の提出と登録手続きを行うことで、取得可能 |
AHTA認定プロフェッショナル資格(アロマハンドトリートメント協会) | ・AHTA認定資格は、アロマハンドトリートメントを学べる資格で、基礎から講師までの5段階に分かれている ・医療現場などで活用できる「プロフェッショナル資格」は、3段階目の資格で、介護施設や保育施設などでの校外実習もあり、実践的な技術が学べる | ・認定校もしくは認定講師が主催するスクールに通うことで、取得可能 ・実技習得課程の修了や筆記試験を経て、「プロフェッショナル資格」の取得まで学習を進める必要がある |
ハンドリフレセラピスト(JHA日本ハンドリフレクソロジー協会) | ・手にある反射区を刺激することでリラックス効果が得られる「ハンドリフレクソロジー」を学べる ・「ハンドリフレセラピスト」では、症状別のケアを学ぶため、介護現場で活かせるスキルを習得できる ・セラピストとして独立開業できるレベルの知識と技術を身につけることが可能 | ・「ホームハンドリフレセラピスト」を取得済みの方が受講できる ・短期集中型講座では、6時間の講座を3日間受講することで取得可能 ・講座の受講後にテストに合格すると、協会から認定証が届く |
参考:日本介護リハビリセラピスト協会「介護リハビリセラピスト資格1日講座」、アロマハンドトリートメント協会「5段階の資格について」、日本ハンドリフレクソロジー協会「資格概要」
「アロマも一緒に学べる資格」や「ハンドマッサージに重点をおいた資格」のほか、「個人で楽しむための資格」「講師になることを視野に入れた資格」など、ハンドマッサージに関する資格はさまざまです。利用者さまにどのようなケアを提供したいのかを明確にしてから、計画的に資格を取得しましょう。
出典
日本介護リハビリセラピスト協会「介護リハビリセラピスト資格1日講座」(2025年4月14日)
アロマハンドトリートメント協会「5段階の資格について」(2025年4月14日)
日本ハンドリフレクソロジー協会「資格概要」(2025年4月14日)
マッサージを事業とするには国家資格が必要
介護施設のレクリエーションやボランティアなどで行うハンドマッサージには、法律における資格の定めはありませんが、マッサージを事業とする場合は国家資格が必要です。
「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の第1条では、「医師以外で、あん摩・マッサージ・指圧・はり・灸を業とする人は、あん摩マッサージ指圧師免許、もしくははり師免許、灸師免許を受けなければならない」と定められています。
さらに、同法の第12条には「医師もしくはあん摩マッサージ指圧師・はり師・灸師の免許を持つ人以外は、医業類似行為を業としてはならない」と記載されているため、民間資格だけではマッサージを事業として行うことはできません。
また、上記に留意していても、広告で「マッサージ」と記載してしまうと「あん摩マッサージ指圧師による施術が行われている」と勘違いされる可能性があります。
東京都保健医療局の「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復施術所」には、以下のような記載があります。
医師又はあん摩マッサージ指圧師による施術が行われていない施設において「あん摩」、「マッサージ」、「指圧」等と広告することは、医師又はあん摩マッサージ指圧師でなければ行うことができない「あん摩マッサージ指圧」が行われていると誤認されるおそれがあります。
つきましては、医師又はあん摩マッサージ指圧師による施術が行われていない施設におかれては、このような広告を行わないよう、御注意ください。
東京都福祉保健局「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復施術所」
セラピストなどは、事業の内容に誤解が生じないよう、留意する必要があります。そのため、国が指定している免許を持たない人がハンドマッサージを行う場合は、「ハンドトリートメント」といった名称にしているところが多いようです。
出典
e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(2025年4月14日)
東京都保健医療局「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復施術所」(2025年4月14日)
介護職としてスキルアップできる資格
介護職の主要な資格には、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」などがあります。
介護職員初任者研修は、介護技術を基礎から学ぶ資格です。詳しくは、「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」をご覧ください。
初任者研修の上位にあたる「介護福祉士実務者研修」については、「介護福祉士実務者研修とは?資格取得のメリットや初任者研修との違いを解説」の記事にまとめています。
また、「認知症ケア専門士」や「レクリエーション介護士」といった、特定の分野に特化した資格もあります。介護職が活かせる資格について知りたい方は、「介護の資格の難易度を種類ごとに解説!取得方法や試験の合格率、要件とは?」も参考にしてみてください。
介護職は資格取得支援制度を活用しよう!
介護職員として働きながら資格を取得するなら、「資格取得支援制度」の活用がおすすめです。資格取得支援制度の内容は、施設によってさまざま。資格取得のための費用を援助してくれたり、研修に参加するためにシフトを調整してくれたりする介護施設は少なくありません。
とはいえ、求人票だけで、資格取得支援制度の内容を把握するのは難しいでしょう。職場の資格取得制度を活用して、効率的にスキルアップを目指したい方には、レバウェル介護(旧 きらケア)がおすすめです。
介護業界を専門とする転職エージェントの「レバウェル介護(旧 きらケア)」では、求人先の施設から直接情報を集めているので、資格取得支援制度の内容など、求人票からは分からない情報もお伝えできます。「効率的にスキルアップしたい」「資格を取得して活躍したい」という方は、気軽にご相談ください。
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介護職の資格取得支援制度とは?給付金の種類や利用するメリットを解説
介護のハンドマッサージの資格に関するよくある質問
ここでは、介護のハンドマッサージの資格に関する質問に回答します。レクリエーションなどにハンドマッサージを取り入れようと考えている方は、ぜひご覧ください。
高齢者向けハンドマッサージを学べるおすすめの資格は?
介護施設で実践できるマッサージを学ぶ資格には、「介護リハビリセラピスト」や「アロマハンドセラピスト」「AHTA認定プロフェッショナル資格」などがあります。それぞれのハンドマッサージ資格の特徴や受講方法については、「介護現場でハンドマッサージを行うのに資格は必要?」で解説しているので、ぜひチェックしてみてください!
介護アロマセラピストとはどんな仕事ですか?
介護アロマセラピストとは、高齢者の生活の質の向上を目的としたアロマセラピーを行う仕事です。主に介護施設のレクリエーションなどにおいて、アロマに関する教室を開催したり、手足などにアロマを用いたマッサージを行ったりします。介護アロマセラピストには、アロマセラピーの知識だけでなく、介護に関する知識やスキルなども必要です。
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まとめ
ハンドマッサージには、リラックス効果や孤独感・苦痛を緩和する力があるといわれており、最近は介護施設でも取り入れられるようになってきました。そのため、ハンドマッサージの資格取得を目指す介護職員も増えているようです。
ボランティアや介護施設のレクリエーションなどでハンドマッサージを行う場合、資格の取得は必須ではありません。しかし、知識がない状態でハンドマッサージを行うと、利用者さまの健康に影響してしまう可能性があるため、資格を取得して専門的なスキルを得たほうが良いでしょう。
介護職員におすすめのハンドマッサージの資格は、「介護リハビリセラピスト」「アロマハンドセラピスト」などです。
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執筆者
「レバウェル介護」編集部
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介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点