
この記事のまとめ
- 「訪問介護は派遣禁止」という噂もあるが、実際は誤解
- 訪問介護員として働くためには、正社員・派遣社員を問わず資格が必要
- 派遣社員として訪問介護に携わるメリットは、シフトの融通が利くことなど
「派遣社員による訪問介護は禁止されているの?」と気にされている方もいるのではないでしょうか。派遣社員が訪問介護を行うことは法律で禁止されていません。この記事では、派遣社員による訪問介護禁止説の背景について解説します。訪問介護員が派遣社員として働くメリットやデメリットもまとめました。派遣社員として介護職に従事する方や、訪問介護の仕事に興味がある方は、ぜひご覧ください。
介護派遣のメリットとデメリットは?働き方や派遣会社の選び方、体験談も目次
派遣社員が行う訪問介護は法律違反にならない
派遣社員が訪問介護を行っても、法律違反にはなりません。人材派遣会社に登録している介護職の方は、希望が通れば訪問介護の仕事もできます。
厚生労働省の「労働者派遣事業を行うことができない業務は・・・」によると、派遣が禁止されているのは、港湾運送業務、建設業務、警備業務、病院等における医療関係業務です。訪問介護はいずれにも該当しないため、派遣社員として勤務しても問題ありません。
出典
厚生労働省「労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-」(2025年6月23日)
「訪問介護は派遣禁止」という噂はなぜ流れたのか
「訪問介護は派遣禁止」という噂が流れた理由は定かではありませんが、可能性の一つとして「看護師」の派遣に関する規定を「介護士」と混同してしまった説があります。
労働者派遣事業を行えない業務の一つである「病院等における医療関係業務」について、医療関係業務を行う職種は医師や歯科医師のほか、看護師も該当します。看護師が派遣社員として医療を受ける方の自宅に訪問することは禁止されているので、いつの間にか「訪問介護も禁止である」という解釈が広まったのかもしれません。
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派遣の訪問介護員について
ここでは、派遣社員として訪問介護を行う職員について解説します。正社員と派遣社員の間に仕事内容や給与の差はあるのか、確認してみましょう。
正社員と派遣社員で仕事内容は異なる?
訪問介護の仕事内容は、正社員と派遣社員の間で大きな差はありません。訪問介護の主な仕事は、身体介護、生活援助、通院介助に分類されます。正社員だから○○ができる、派遣社員だからできないといった区分はないため、訪問介護員が正社員でも派遣社員でもやることは基本的に変わりません。
ただし、サービス提供責任者や管理者といった役職に就くなど、サービスの管理に携わる割合は正社員のほうが高いようです。
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派遣の訪問介護員の平均給与は?
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p.131)」によると、派遣社員を含む、時給制・常勤の訪問介護員の平均給与は27万5,100円でした。一方、時給制・常勤の介護職員全体の平均給与は24万6,020円です。時給制・常勤の介護職員全体の平均給与と比べ、訪問介護員の平均給与は約3万円高いと分かります。
「訪問介護員の給料の平均額は?施設より安い?年収アップの方法もご紹介」の記事では、訪問介護の給与についてさらに詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
出典
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年6月23日)
正社員・派遣社員を問わず訪問介護には資格が必要
正社員なのか派遣社員なのかに関わらず、訪問介護を行うには、基本的に「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」のいずれかの資格か同等の資格が必要です。生活援助従事者研修の資格でも訪問介護を行えますが、できるのは生活援助のみで身体介護は行えないので注意しましょう。
訪問介護に必要な資格については、「訪問介護に向いている人の特徴は?仕事内容や必要資格、やりがいもご紹介」の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
派遣社員として訪問介護をするメリット
派遣社員として訪問介護を行うと、「時給が高め」「シフトの自由が利く」といったメリットがあります。以下で解説するので、派遣社員として訪問介護に携わりたい方は、ぜひチェックしてみてください。
時給が平均より高め
派遣の訪問介護の時給は、平均よりやや高めに設定されています。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別」によると、正社員以外の雇用形態で働く人の平均給与は27万1500円でした。こちらの平均給与は、「きまって支給する現金給与額+(年間賞与その他特別給与額÷12)」で算出した金額です。
一方、「派遣の訪問介護員の平均給与は?」でも触れたように、時給制で働く常勤の訪問介護員の平均給与は27万5,100円となっています。平均給与に3,600円の差があるため、より多く稼ぎた方は、訪問介護の時給が高いことにメリットを感じられる可能性があるでしょう。
ただし、上記2つは異なるデータで単純比較はできないため、あくまで参考程度にお考えください。
出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別」(2025年6月23日)
シフトの自由が利く
正社員は月や週ごとに働く日数や時間が決められている傾向があります。一方、派遣社員をはじめとする非正規雇用の職員は、自身の予定や働きたい日に合わせてシフトを調整してもらいやすいのがメリットです。
正社員もある程度シフトの調整をできる場合があります。しかし、家事や育児などのプライベートの事情に合わせてより柔軟に働きたい場合、正社員以外の雇用形態で訪問介護を行うほうが向いていると感じるかもしれません。
直行直帰OKの事業所が多い
訪問介護事業所で派遣社員として働く場合、直行直帰OKのことが多いのもメリットの一つです。自宅から直接利用者さんのお宅へ訪問し、仕事が終わり次第そのまま帰宅できれば、通勤時間を短縮することができます。
なお、訪問介護では、介護記録や報告書を事業所に提出しなければなりません。事業所に立ち寄らず直行直帰する場合は、メールなどで報告書を提出するか、後日提出する形になるようです。
事業所によっては仕事を掛け持ちできる
事業所によっては仕事を掛け持ちできるのも、派遣社員のメリットです。とにかく稼ぎたいときや、複数の事業所のなかから働きやすい職場を確かめたいときなどに、掛け持ちは便利な選択肢といえます。
ただし、掛け持ちを禁止している訪問介護事業所もあるので、掛け持ちしたい場合は事前に確認することを忘れないようにしましょう。
派遣社員として訪問介護を行うデメリット
前項では、派遣社員として訪問介護を行うメリットを解説しました。一方で、派遣ならではのデメリットも存在するので、以下で確認しておきましょう。
収入が不安定
派遣社員は一般的に時給制なので、利用者さんや自身の都合で訪問介護のキャンセルが多くなれば、収入が不安定になってしまいます。利用者さん都合のキャンセルで収入の増減が激しくなった場合は、事業所の責任者と話し合う必要が出てくるでしょう。
利用者さんの担当変更やケアプランの見直しなどで改善される場合もありますが、一時的に解決できても、正社員と比べて収入面には不安が残る可能性が高いといえます。急なキャンセルの際の給与の取り扱いについては、事前に派遣会社に確認しておきましょう。
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こまめに勤怠管理のための連絡が必要
派遣元や派遣先の事業所は、派遣社員の仕事内容や勤務時間を正確に把握しなければなりません。そのため、仕事の進捗や状況が分かるよう、派遣社員は細かく連絡をすることが必要です。マメに連絡をするのが苦手な方は、派遣社員以外の雇用形態で働くほうが向いていると感じる可能性があります。
派遣の働き方に興味がある方は、メリットとデメリットを比較して働き方を検討すると、自分に合った雇用形態を選択できるでしょう。
訪問介護の派遣に関するよくある質問
ここでは、訪問介護の派遣に関するよくある質問をご紹介します。「訪問介護は派遣禁止なの?」「派遣のホームヘルパーとして働ける?」などの疑問をお持ちの方は、参考にしてみてください。
訪問介護の派遣は禁止されていますか?
訪問介護の派遣は禁止されていません。派遣のホームヘルパーが訪問介護を行っても、法律違反にはならないので安心してください。なお、労働者派遣事業が禁止されているのは、「港湾運送業務」「建設業務」「警備業務」「病院等における医療関係業務」を行う労働者です。訪問介護を行うホームヘルパーは含まれないので、問題なく派遣社員として働けます。
詳しくは、この記事の「派遣社員が行う訪問介護は法律違反にならない」をご覧ください。
訪問介護の派遣社員として働く方法は?
訪問介護の派遣社員として働くには、「介護職員初任者研修」以上の介護資格を取得したうえで、介護派遣会社に登録するのが一般的です。ホームヘルパーが1人で訪問介護の業務を行うには介護資格が必要なので、無資格で派遣のホームヘルパーとして働くのは難しいかもしれません。
訪問介護に必要な資格については、「ホームヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容や必要な資格、給料を解説」の記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
派遣社員が訪問介護を行うことは、禁止されていません。「派遣社員が訪問介護をしてはいけない」と誤解が生まれたのは、看護師と介護士を混同してしまったからという理由をはじめ、諸説あります。
派遣社員として訪問介護を行うことを検討している場合、メリットとデメリットを理解して働き方を選びましょう。雇用形態の違いによる働き方の違いが分かれば、より自分に合った働き方を選択できます。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


