
この記事のまとめ
- 社会福祉士は、福祉の相談援助に必要な知識を有していることを証明する資格
- 社会福祉士になるには、国家試験の合格と資格登録が必要になる
- 社会福祉士は需要が高いため転職しやすく、将来性がある職種といえる
「社会福祉士とはどんな資格なの?」と、気になる方もいるのではないでしょうか?社会福祉士は、福祉の相談援助を行う際に役立つ国家資格です。この記事では、社会福祉士の役割や取得方法、平均給与を紹介します。転職難易度と将来性も紹介しているので、社会福祉士への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
社会福祉士とは簡単にいうとどんな資格?
社会福祉士とは、福祉の相談援助に関する専門的な知識・技術を取得している証明となる資格のことで、社会福祉専門職の国家資格の一つです。
社会福祉士を取得している人は、福祉分野や医療分野の相談援助において重要な役割を担っています。社会福祉士は、ソーシャルワーカーやケースワーカー、生活相談員などと呼ばれることもあるようです。
「社会福祉士及び介護福祉士法第2条」において、社会福祉士は専門的な知識や技術を持ち、身体上もしくは精神上の障がいがある人や環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある人を対象に、福祉に関する相談対応やアドバイス・指導を行う人のことであると定義。このほか、福祉サービスを提供する人や医師、保健医療サービスを提供する関係者との連絡・調整・援助を行う人であるとも定義されています。
出典
e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法」(2025年3月7日)
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社会福祉士の役割と仕事内容
ここでは、社会福祉士の役割と仕事内容を解説します。社会福祉士の仕事に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
困っている人と福祉サービスをつなぐ役割を担う
社会福祉士は、困っている人が適切な福祉サービスを受けられるようにつなげる役割を担っています。
社会福祉士が活躍する分野は、高齢者分野や医療分野、障害者福祉分野、教育分野、児童・家庭福祉分野など多岐にわたっているのが特徴です。そのため、社会福祉士がサポートする対象者は幅広く、抱えている福祉的な課題も多種多様。相談内容に応じて、利用できる福祉サービスや制度を紹介して相談者さんの生活の支援を行います。
仕事内容は相談援助とサービス調整
社会福祉士の主な仕事内容は、相談援助と福祉サービスを提供するための連絡・調整などです。相談者さんの悩みや問題点を引き出し、解決するために福祉サービスの提案や紹介を行います。また、福祉サービスの関連機関に相談者さんの情報を共有して、スムーズにサービスを利用できるように連絡や調整をすることも重要な仕事です。
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社会福祉士と混同しやすい資格・職種
社会福祉士は、ソーシャルワーカーや介護福祉士、ケアマネジャーと混同されやすい傾向があります。ここでは、「ソーシャルワーカー」「介護福祉士」「ケアマネジャー」との違いを解説します。
ソーシャルワーカーとの違い
ソーシャルワーカーは、資格名ではなく職種名です。一方、社会福祉士は名称独占の資格であり、社会福祉士資格を持っていないと名乗ることができません。
ソーシャルワーカーは福祉の相談に乗って必要な福祉サービスにつなぐ職種全般を指します。ソーシャルワーカーと呼ばれる職種は、生活相談員や医療ソーシャルワーカー(MSW)、スクールソーシャルワーカー(SSW)、ケースワーカー(CW)などです。
社会福祉士だけでなく、精神保健福祉士や児童福祉司、社会福祉主事任用資格の保有者もソーシャルワーカーとして働くことが可能ですが、職種によって必要な資格が異なります。
ソーシャルワーカーは特定の資格や職種ではなく、福祉の相談援助を行う職種として社会福祉士が含まれると考えると分かりやすいかもしれません。
介護福祉士との違い
介護福祉士と社会福祉士は、ともに国家資格ですが、専門領域が異なります。介護福祉士は介護の専門性、社会福祉士は福祉全般の専門性の高い資格です。
サービスの対象者にも違いがあり、介護福祉士は高齢者や障がいがある方を対象に、身体介護や生活援助などの介護サービスを提供。社会福祉士は高齢者や障がいがある方以外にも低所得者や母子、生活に問題がある方を対象に相談援助を行っています。
ケアマネジャーとの違い
ケアマネジャーは介護に関する相談対応のプロです。社会福祉士は福祉全般の相談に乗るため、対応範囲が違います。ケアマネジャーはケアプランの作成をして、利用者さんが快適な生活を送れるようにサポートするのが仕事です。
また、必要な資格も異なり、ケアマネジャーは介護支援専門員の資格が必須。専門性の高い資格となっていますが、国家資格ではありません。
社会福祉士資格の取得方法
社会福祉士を取得するには、社会福祉士国家試験に合格して、登録する必要があります。以下で、社会福祉士国家試験の受験資格や合格基準を解説しているので、ぜひご一読ください。
科目履修と実務経験で受験資格を得る
福祉系の大学や専門学校か社会福祉士の養成施設で必要な福祉知識を学び、学歴や指定された科目の履修内容に応じて必要な実務経験を積むことで受験資格を得られます。
なお、社会福祉士国家試験は、実務経験だけでは受験資格を満たせないので注意が必要です。
社会福祉振興国家試験は、最終学歴や履修科目によって受験ルートが変わるので、「ソーシャルワーカーに必要な資格の取り方や難易度は?職種別の要件も解説!」で、自分がどのルートで受験できるか確認してみてください。
社会福祉士国家試験に合格する
試験は毎年1回、2月ごろに実施されます。試験は五肢択一中心の選択式で、問題数は129問あり、1問1点の129点満点です。
合格基準
社会福祉士国家試験の合格基準は、総得点の60%程度を基準として問題の難易度で補正されます。補正した点数以上を取ること、かつ以下の6科目群においてすべての科目で得点があることが合格の条件です。
- 医学概論、心理学と心理的支援、社会学と社会システム
- 社会福祉の原理と政策、社会保障、権利擁護を支える法制度
- 地域福祉と包括的支援体制、障害者福祉、刑事司法と福祉
- ソーシャルワークの基盤と専門職、ソーシャルワークの理論と方法、社会福祉調査の基礎
- 高齢者福祉、児童・家庭福祉、貧困に対する支援、保健医療と福祉
- ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)、ソーシャルワークの理論と方法(専門)、福祉サービスの組織と経営
129点満点なので、60%程度の得点を得る目安は、77.4点です。ただし、合格点は難易度によって前後するので、78点を取っても不合格になる可能性があるので注意しましょう。
合格率・難易度
厚生労働省の「第37回社会福祉士国家試験合格発表」によると、2025年に実施された社会福祉士国家試験の合格率は、56.3%でした。近年の合格率は30~60%程度です。
厚生労働省の「第36回介護福祉士国家試験合格発表」によると、同じ国家資格である介護福祉士国家試験の近年の合格率は70~80%程度。比べると、社会福祉士は介護福祉士より合格率が低く、難易度の高い試験といえるでしょう。
社会福祉士国家試験は、勉強せずに受かる試験内容ではないので、半年ほどかけてしっかり対策しましょう。
なお、第37回(2024年度)の試験結果は「2024年度社会福祉士試験の合格発表はいつ?概要や勉強方法も解説します」の記事にも掲載しているので、あわせてご覧ください。
出典
厚生労働省「第37回社会福祉士国家試験合格発表」(2025年3月7日)
厚生労働省「第36回介護福祉士国家試験合格発表」(2025年3月7日)
資格登録をする
社会福祉士は、社会福祉士国家試験に合格しただけでは取得することはできません。合格通知書とともに申請書類が届くので、必要な書類を揃えて簡易書留で提出しましょう。
必要な書類は、「社会福祉士登録申請書」「振替払込受付証明書」「個人事項証明書、戸籍抄本、住民票のいずれか1通」で、どの書類も原本が必要です。申請書には、15,000円の収入印紙を貼付します。
ほかにも、介護福祉士養成施設の卒業時期によっては、卒業証明書の原本も必要です。
試験センターで書類が受理されると、登録証が交付されます。交付までは1ヶ月程度かかるようです。登録証が発行されれば、社会福祉士として働くことができます。
社会人から社会福祉士を目指す方は「社会人が社会福祉士になるには?一般養成施設の選び方も解説」でベストな受験資格のルートや学習のコツを紹介しているので、参考にしてみてください。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[社会福祉士国家試験]試験概要」(2025年3月7日)
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社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法7選!独学でも取得できるの?
社会福祉士の給料相場
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの「社会福祉士就労状況調査結果(p.11)」によると、パートを含む社会福祉士全体の平均年収は403万円でした。
正規職員のみの場合、300万円以上400万円未満で25.9%、400万円以上500万円未満で23.3%が占めており、社会福祉士の正規職員の半数近くが年収300~500万円程度に分布しているようです。
同センターの「介護福祉士就労状況調査結果(p.50)」によると、同じ国家資格である介護福祉士の平均年収は、292万円。正規職員のみの平均年収は、300万円以上400万円未満が36.4%で最も多く分布しており、社会福祉士は介護福祉士よりも給与が高い傾向にあります。
社会福祉士として年収アップを目指している方は、「社会福祉士の年収を解説!職種や年代ごとの平均給与、収入アップの方法とは」の記事もご覧ください。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」(2025年3月7日)
社会福祉士の転職難易度と将来性
経済状況の悪化や高齢化が進むと社会福祉士の需要が高まるので、将来性がある職種といえるでしょう。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「老人福祉施設生活相談員」と「児童指導員」によると、社会福祉士が活躍できる「老人福祉施設生活相談員」の有効求人倍率は8.59倍、「児童指導員」の有効求人倍率は4.1倍でした。
有効求人倍率が高く、需要が高いので転職の難易度は低いといえるでしょう。また、社会福祉士は前述したようにさまざまな分野で活躍することができます。職場を変えれば転職を成功させる機会も豊富にあるでしょう。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「老人福祉施設生活相談員」(2025年3月7日)
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「児童指導員」(2025年3月7日)
社会福祉士の資格を取得するメリット
社会福祉士の資格を取得すると、社会的信用を得られたり転職で有利になったりするなど、メリットが豊富にあります。社会福祉士は、人の相談を聞いて悩みが解決できるようにサポートするのが仕事なので、人の役に立っているという実感も覚えやすいほか、直接「ありがとう」と感謝の言葉がもらえることも。資格手当が支給されることもあるので給与アップも期待できるでしょう。
社会福祉士を取得するメリットは、「社会福祉士資格を取得する7つのメリットとは?取得方法やルートも解説!」の記事で解説しているので、気になる方はあわせてご一読ください。
社会福祉士が活躍している施設
ここでは、社会福祉士が活躍している施設を紹介します。「どのような職場で働けるの?」と知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
- 高齢者福祉施設(特養・老健・デイサービスなど)
- 地域包括支援センター
- 医療機関
- 障害者福祉施設
- 児童・母子福祉施設
- 行政機関
- 学校
社会福祉士の就職先は、福祉関係の施設が中心ですが、誰にどのような支援を行うのかは職場によって異なります。それぞれの施設で社会福祉士がどのように活躍しているのかについては、「社会福祉士の就職先には何がある?仕事内容や給料、働き方の違いを解説!」の記事を読んでみてください。
社会福祉士に向いている人の特徴
社会福祉士は、さまざまな人とコミュニケーションを取りながら、困っている人の問題を解決する仕事です。相手の状況や気持ちを引き出すコミュニケーション能力や相手に寄り添って対応する優しさが求められます。
ときには、解決が難しい問題の相談を受けることもあるでしょう。自分のメンタルを守るために、相手に寄り添いつつも気持ちを切り替えて冷静に対応することが重要です。
困っている人を助けたい、サポートしたいという気持ちが強い人は、社会福祉士を目指してみると良いでしょう。社会福祉士に向いている人・向いていない人の特徴を詳しく知りたい方は、「社会福祉士に向いている人とは?向いていない人の特徴や仕事内容も解説」をご覧ください。
社会福祉士についてよくある質問
ここでは、社会福祉士についてよくある質問に回答します。社会福祉士の取得を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
「社会福祉士はやめとけ」と言われるのはなぜですか?
社会福祉士の仕事は、人間関係のストレスや相談業務のプレッシャー、職種間の板挟みなど、大変なことがあるので「やめとけ」といわれることがあるようです。社会福祉士は、きついと感じることもあるかもしれませんが、その分、やりがいもある仕事です。メリット・デメリットを比較して、自分に合った仕事かどうか確認しましょう。
社会福祉士が大変な理由は、「「社会福祉士はやめとけ」と言われる理由は?向いている人やメリットを解説」の記事で解説しているので、あわせてご一読ください。
社会福祉士になっても仕事がないって本当ですか?
社会福祉士には、さまざまな仕事があります。「社会福祉士が活躍している施設」で解説したように、社会福祉士は、高齢者施設や地域包括支援センター、医療機関、障害者福祉施設、行政機関など、多種多様な職場で働くことが可能です。社会福祉士は福祉系の相談業務を行う際に役立つ資格なので、仕事は豊富にあるでしょう。
まとめ
社会福祉士とは、福祉の相談援助に関する専門的な知識・技術を取得していることを証明できる国家資格です。社会福祉士は、相談者が適切なサービスや制度を利用できるように福祉サービスとつなげる役割を担います。
社会福祉士は、社会福祉士国家試験に合格して登録をすることで資格が取得可能。受験資格は、短期養成施設や一般養成施設での通学や実務経験を積むことで取得することができます。受験資格を取得する方法は、最終学歴や履修科目によって異なるので、自分の取得ルートを確認しておきましょう。
社会福祉士は、需要が高く求人も豊富にあります。有効求人倍率も高いので転職も成功しやすいかもしれません。高齢化問題などによりさらなる需要が期待でき、将来性も高い職種といえるでしょう。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


