
この記事のまとめ
- 2024年度社会福祉士国家試験の合格発表は、2025年3月4日
- 社会福祉士国家試験に合格したら資格登録の申請手続きが必要
- 社会福祉士国家試験は、例年2月上旬の日曜日に行われている
「社会福祉士国家試験の合格発表はいつ?」と気になる方もいるかもしれません。2024年度(第37回)の合格発表は、2025年3月4日午後2時に、社会福祉士振興・試験センターのWebサイトで行われました。この記事では、合格発表の日時や方法をご紹介します。合格基準や合格率、社会福祉士国家試験の概要も解説するので、受験を考えている方はご一読ください。
目次
2024年度社会福祉士国家試験の合格発表について
2024年度(第37回)の合格発表は、2025年3月4日午後2時に、社会福祉士振興・試験センターのWebサイトで行われました。また、3月7日に結果通知が発送され、合格者には合格証書が交付されます。
2024年度の合格者数・合格基準
2024年度(第37回)社会福祉士国家試験の合格率は56.3%となっており、27,616人の受験者のうち15,561人が合格しました。
合格基準は問題の60%程度。1問1点の129点満点なため、78問程度の正答が合格点の目安です。ただし、合格点は難易度によって補正されるので、あくまで参考までにご覧ください。
過去10年分の合格点・合格率の推移
以下で、社会福祉士国家試験における、過去10年分の合格点と合格率の推移を表にまとめました。
実施年度(回) | 合格率 | 合格点 |
2024年度(第37回) | 56.3% | 全科目受験62点・共通科目免除22点 |
2023年度(第36回) | 58.1% | 全科目受験90点・共通科目免除41点 |
2022年度(第35回) | 44.2% | 全科目受験90点・共通科目免除41点 |
2021年度(第34回) | 31.1% | 全科目受験105点・共通科目免除47点 |
2020年度(第33回) | 29.3% | 全科目受験93点・共通科目免除40点 |
2019年度(第32回) | 29.3% | 全科目88点・共通科目免除37点 |
2018年度(第31回) | 29.9% | 全科目89点・共通科目免除39点 |
2017年度(第30回) | 30.2% | 全科目99点・共通科目免除43点 |
2016年度(第29回) | 25.8% | 全科目86点・共通科目免除36点 |
2015年度(第28回) | 26.2% | 全科目88点・共通科目免除38点 |
参考:厚生労働省「社会福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移」「社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について:第37回・第36回・第35回・第34回・第33回・第32回・第31回・第30回・第29回・第28回」
2024年度の合格点は129点中62点、一部科目免除の場合の合格点は45点中22点です。なお、2024年度以前の社会福祉士国家試験は全150問だったため、90点前後が合格点でした。
過去10年の合格率を見ると、合格率は上昇傾向にあるようです。2023年度(第36回)の国家試験では初めて50%を超え、直近2年は半数以上の受験者が合格しています。
2024年度の解答発表
2024年度(第37回)社会福祉士国家試験の解答は、合格発表と同日の2025年3月4日に発表されました。2024年度試験の解答は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「[社会福祉士国家試験]過去の試験問題」から確認できます。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」(2025年3月6日)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[社会福祉士国家試験]試験概要」(2025年3月6日)
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「[社会福祉士国家試験]過去の試験問題」(2025年3月6日)
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社会福祉士国家試験の合格後に必要な手続き
社会福祉士国家試験に合格すると、合格証書と資格登録に必要な書類が届きます。書類の指示に従って、登録証の交付手続きを行いましょう。必要書類を社会福祉振興・試験センターに簡易書留で送付し、審査を通過すると登録証が交付されます。
資格登録に期限はありませんが、手続きをしていないと社会福祉士として働けないため、注意が必要です。登録証が交付されるまで1ヶ月ほどかかるため、早めに申請しましょう。
社会福祉士の資格登録について、詳しくは、「社会福祉士に合格したら何をしたら良い?登録証交付の手続きの流れを解説」の記事をご参照ください。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[資格登録]新規登録の申請手続き」(2025年3月6日)
社会福祉士国家試験の概要
ここでは、社会福祉士国家試験の概要をまとめました。今後、社会福祉士国家試験の受験を考えている方は、チェックしてみてください。
試験日
社会福祉士国家試験は、年に1度で、例年2月上旬の日曜日に行われています。第37回社会福祉士国家試験は、2025年2月2日に、第36回の国家試験は 2024年2月4日に実施されました。
公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「[社会福祉士国家試験]試験概要」から、最新の試験日程をチェックできます。
受験申し込み受付期間
2025年度(第38回)社会福祉士国家試験の受験申し込み期間は、2025年9月上旬から10月上旬を予定しています。なお、2024年度(第37回)試験の申し込み期間は、2024年年9月5日~10月4日でした。
試験会場
2024年度(第37回)社会福祉士国家試験は、以下の24都道府県の会場で行われました。
社会福祉士国家試験は、申し込み時に受験する都道府県を選べます。ただし、試験会場の指定はできません。
受験料
第37回社会福祉士国家試験の受験料は、19,370円でした。共通科目免除で受ける場合の受験料は、16,230円です。
また、社会福祉士と精神保健福祉士を併願受験する場合、社会福祉士16,840円と精神保健福祉士19,520円を足した36,360円が受験料になります。
受験資格
社会福祉士国家試験を受験するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 4年制大学を指定科目を修めて卒業した(受験年の3月31日までに卒業見込みの場合も可)
- 2年制または3年制短期大学等を指定科目を修めて卒業し、2年以上または1年以上相談援助の業務に従事した(受験年の3月31日までに従事する見込みの場合も可)
- 学歴や実務経験の要件を満たしたうえで、6ヶ月以上の社会福祉士短期養成施設を卒業した(受験年の3月31日までに卒業見込みの場合も可)
- 学歴や実務経験の要件を満たしたうえで、1年以上の社会福祉士一般養成施設を卒業した(受験年の3月31日までに卒業見込みの場合も可)
社会福祉士国家試験を受験するには、福祉系の大学・短大を指定科目を履修して卒業するか、養成施設を卒業する必要があります。受験資格を得る際は、自分に合ったルートを選びましょう。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[社会福祉士国家試験]受験資格」(2025年3月6日)
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出題形式
社会福祉士国家試験の出題形式は、五肢択一を基本とする選択式。午前・午後の2部構成で試験時間は225分、全129問です。
試験科目
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの「[社会福祉士国家試験] 試験概要」によると、第37回(2024年度)社会福祉士国家試験における試験科目は、以下の19科目です。
- 1.医学概論
- 2.心理学と心理的支援
- 3.社会学と社会システム
- 4.社会福祉の原理と政策
- 5.社会保障
- 6.権利擁護を支える法制度
- 7.地域福祉と包括的支援体制
- 8.障害者福祉
- 9.刑事司法と福祉
- 10ソーシャルワークの基盤と専門職
- 11.ソーシャルワークの理論と方法
- 12.社会福祉調査の基礎
- 13.高齢者福祉
- 14.児童・家庭福祉
- 15.貧困に対する支援
- 16.保健医療と福祉
- 17.ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
- 18.ソーシャルワークの理論と方法(専門)
- 19.福祉サービスの組織と経営
精神保健福祉士の試験科目は18科目、介護福祉士は13科目です。福祉系の国家資格のなかで、社会福祉士の出題範囲は広いことが分かります。
合格基準
前述したように、社会福祉士国家試験の合格基準は総得点の60%程度です。問題の難易度によって補正されるため、具体的な合格点は年によって異なります。
また、19科目は以下の6つの科目群に分類され、すべての科目群で得点することが必要です。
- 1.医学概論、心理学と心理的支援、社会学と社会システム
- 2.社会福祉の原理と政策、社会保障、権利擁護を支える法制度
- 3.地域福祉と包括的支援体制、障害者福祉、刑事司法と福祉
- 4.ソーシャルワークの基盤と専門職、ソーシャルワークの理論と方法、社会福祉調査の基礎
- 5.高齢者福祉、児童・家庭福祉、貧困に対する支援、保健医療と福祉
- 6.ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)、ソーシャルワークの理論と方法(専門)、福祉サービスの組織と経営
総得点で基準を満たしていても、得点していない科目群があると不合格になります。そのため、社会福祉士国家試験を受験する際は、試験範囲を幅広く勉強することが大切です。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[[社会福祉士国家試験] 試験概要」(2025年3月6日)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[社会福祉士国家試験]合格基準」(2025年3月6日)
社会福祉士に合格するための効果的な勉強方法
社会福祉士国家試験に合格するために効果的な勉強方法として、「過去問を活用する」「スキマ時間を有効活用する」などが挙げられます。
過去問題集で実際の問題に慣れる
社会福祉士国家試験の過去問を活用することで、問題の雰囲気や出題傾向をつかめるでしょう。「重点的に勉強したい科目がある」「最近の過去問を解きたい」など、自分に合った問題集を選ぶのがポイントです。実際の試験時間に合わせて問題を解いてみると、より正確に実力を測れます。
また、実際の試験問題を解くことで、苦手分野を把握することが可能です。繰り返し問題を解けば、知識を定着させられるでしょう。
アプリで時間を有効活用する
社会福祉士国家試験の対策アプリを利用するのもおすすめです。スマートフォンがあれば気軽に勉強できるので、通勤や通学、休憩の時間などの時間を有効活用できます。
試験対策のアプリは、苦手科目を繰り返し出題してくれたり、ブックマークで自分専用の単語集を作れたりなど、便利な機能が付いていることもあるようです。無料で使えるものもあるため、複数のアプリを試してみるのも良いでしょう。
模擬試験で試験本番の雰囲気に慣れる
社会福祉士国家試験の本番を迎える前に、一度は模擬試験を受けておくと良いでしょう。
模擬試験は、本番と同じ試験時間や環境で行うことが多いようです。試験の雰囲気や緊張感を体験できるので、本番に備えることができます。
社会福祉士国家試験の勉強方法について、詳しくは「社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法7選!独学でも取得できるの?」の記事もチェックしてみてください。
新カリキュラムに対応した対策をする
厚生労働省の「社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(p.9)」によると、2024年度(第37回)社会福祉士国家試験から、新カリキュラムに対応し、試験科目や時間が変更されています。具体的には、新科目として「地域福祉と包括的支援体制」「刑事司法と福祉」が創設されたり、ソーシャルワークに関する科目が見直されたりしているようです。
試験の問題数は21問少なくなり、129問になっています。試験時間も240分から減って225分となりました。出題範囲や試験時間の変更を踏まえて、勉強を進めましょう。
出典
厚生労働省「令和元年度社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」(2025年3月6日)
社会福祉士としての就職・転職を成功させるポイント
ここでは、社会福祉士として就職・転職を成功させるポイントをご紹介します。「資格を取得したら社会福祉士として働きたい!」という方は、チェックしてみてください。
求人が出やすい時期を狙う
求人が出やすい時期に転職・就職活動をするのがおすすめです。年度末である3月は、退職する方が多いことから、人員補充のため求人が増える傾向にあります。
また、「社会福祉士の資格」を条件に採用されたものの、国家試験に合格できず内定が取り消される場合もあるようです。内定取り消しによって採用の枠に空きが出ると、追加の求人が出る可能性があります。
転職エージェントを活用する
「一人で転職活動をするのは不安…」という方は、転職エージェントを活用するのも、選択肢の一つです。レバウェル介護(旧 きらケア)では、専任のアドバイザーがあなたの希望をヒアリングいたします。職場環境やキャリアパスについてのお悩みにもご対応するので、転職・就職に不安がある方は、ぜひご相談ください。
今の職場に満足していますか?
社会福祉士に関するよくある質問
ここでは、社会福祉士国家試験についてよくある質問にお答えします。社会福祉士国家試験の受験を考えている方は、ご一読ください。
社会福祉士の難易度は高いですか?
社会福祉士国家試験は、「受験資格が厳しい」「出題範囲が広い」「法律・制度の改正に合わせて知識をアップデートが必要」などの理由から、難易度が高いと感じる方もいるようです。また、2023年度に実施された社会福祉士国家試験の合格率は58.1%であるのに対し、介護福祉士の合格率は82.8%、精神保健福祉士の合格率は70.4%となっています。ほかの福祉系の国家試験と比較して、社会福祉士は難易度が高いといえるでしょう。
出典
厚生労働省「第36回社会福祉士国家試験合格発表」(2025年3月6日)
厚生労働省「第36回介護福祉士国家試験合格発表」(2025年3月6日)
厚生労働省「第26回精神保健福祉士国家試験合格結果を公表します」(2025年3月6日)
社会福祉士国家試験に不合格になったらどうすれば良い?
社会福祉士国家試験に不合格になったら、次の受験に備えて対策を始めましょう。不合格となった原因を分析して勉強計画を立てると効果的です。たとえば、総得点が合格基準に届かなかった場合は、勉強時間が不足していた可能性があります。1日に確保できる勉強時間を踏まえて、試験日から逆算して対策を始めましょう。効果的な勉強法については、この記事の「社会福祉士に合格するための効果的な勉強方法」で解説しているので、チェックしてみてください。
まとめ
2024年度(第37回)の合格発表は、2025年3月4日午後2時に、社会福祉士振興・試験センターのWebサイトで行われました。合格率は56.3%で、全科目受験の合格点は62点、一部科目免除の場合は22点です。結果通知は3月7日に発送され、合格者には合格証書が交付されます。
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今の職場に満足していますか?
執筆者
「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点