
この記事のまとめ
- ターミナルケアとは、死期が近い利用者さんに対して行うケア全般のこと
- ターミナルケアを担当する介護職は、身体的・精神的・社会的ケアを行う
- ターミナルケアで大切なことは、利用者さんやご家族の希望を尊重すること
介護職として働いていて、「ターミナルケアについて詳しく知りたい」「看取りケアを学びたい」と考えている方もいるのではないでしょうか?ターミナルケアとは、死期が近い利用者さんに対して行うケア全般のことです。この記事では、ターミナルケアの意味や介護職が担う役割を解説します。緩和ケアとの違いや、ターミナルケアを実施する施設もご紹介。介護職がターミナルケアを行ううえで大切なこともまとめたので、ご覧ください。
目次
ターミナルケア(終末期医療)とは簡単にいうと?
ターミナルケアとは簡単にいうと、「人生の最期に向き合う人を支えるケア」です。病気などの回復が見込めない方に対して、無理な延命ではなく、残された時間をできるだけ心穏やかに過ごせるように支援します。
ターミナルケアの意味
ターミナルケアは、最期のときが近い人に対して行うケア全般を指します。ターミナルとは、「終末期」を意味する言葉です。そのため、「終末期医療」や「終末期ケア」とも呼ばれます。
「生きるためのケア」ではなく「どのような最期を迎えるか」という点に焦点を当てた考え方が根底にあるのが、ターミナルケアの特徴です。病気や老衰などにより、近い将来に死を迎える方とそのご家族の方を支える役割があります。
ターミナルケアを開始する時期
ターミナルケアを開始する時期は、明確に決まっているわけではありません。本人やご家族の方の選択を尊重しながら、医師の治療方針と合わせて協議して決定するのが一般的です。
ただし、がんなどで、病気の進行に伴って余命の予測がつく場合は、病状や治療の効果などを考慮して、ターミナルケアの開始時期を決定することもあるでしょう。
一方で、認知症による機能低下や老衰などの場合は、寝たきりになり経口摂取が難しくなったタイミングをターミナルケアの開始時期とするのが一般的な考え方です。
ターミナル期の利用者さんの心理状態
アメリカの精神科医キューブラー・ロスが提唱した「死の受容過程」によると、ターミナル期の利用者さんは、死を目前にした心理的な変化を段階的に経験するとされています。各段階は、「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の5つです。
- 否認:自分の死を受け入れられず否定する段階
- 怒り:死が近づいたことに対して怒りを感じる段階
- 取引:終末期を迎えたことを自覚し、行動を改めることで死を先延ばしにすることなどを願う段階
- 抑うつ:死を避けられないことに対する苦悩や治療の苦痛などによる、不安や絶望を感じるの段階
- 受容:自身の死を受け入れて向き合う段階
否認や怒りの段階では、余命宣告をされた利用者さんが「何かの間違いだ」と事実を否定したり、「どうして自分なんだ!」と怒りを感じたりすることがあります。また、「もっと良い行いをすれば生き長らえるかも…」と自らの行動を改めることで延命を試みるのが取引の段階です。
避けられない死に対する悲しみや苦しみを感じる抑うつの段階を経て、死を受容して向き合うという心理状態の変化を辿ります。ただし、すべての利用者さんが死の受容課程のプロセス通りに進むわけではなく、段階を飛ばしたり、戻ったりすることもあるようです。
ターミナル期の利用者さんの心理状態は一様ではありません。介護職はその変化に寄り添い、少しでも安心して過ごせる環境を整えることが求められます。
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ターミナルケアとほかのケアの違い
ターミナルケアのほかに、「緩和ケア」や「ホスピスケア」「看取りケア」など、よく似た言葉があって困惑する方もいるのではないでしょうか?ここでは、ターミナルケアとほかのケアの違いを解説します。
ターミナルケアと緩和ケアの違い
ターミナルケアと緩和ケアの違いは、「ケアの目的」です。緩和ケアは、苦痛を少なくしながら「生きていく」ために行うケアであり、がんを患っている方が主な対象になります。身体的・精神的・社会的な苦痛を緩和し、QOLの向上を目指すケアです。そのため、積極的な治療と並行して行う場合も珍しくありません。
一方のターミナルケアは、「最期の迎え方」に着目したケアです。苦痛を緩和するという意味では、緩和ケアと共通する部分もあるでしょう。ターミナルケアの場合、積極的な治療はせず穏やかな最期を迎えることに重点を置く点が、緩和ケアとの違いといえます。
ターミナルケアとホスピスケアの違い
ターミナルケアとホスピスケアの違いは、対象疾患や年齢層にあります。ホスピスケアはがんやエイズなどの疾患がある方を主な対象としますが、ターミナルケアは対象疾患が限定されておらず、認知症や老衰など、幅広い方を対象にするのが特徴です。
また、ホスピスケアを利用する方の年齢は若年層から高齢者までさまざまですが、ターミナルケアは高齢者を対象とすることが多い傾向があります。
ターミナルケアと看取りケアの違い
ターミナルケアと看取りケアは、死期が近い方に対して、穏やかな最期を迎えてもらうために施すケアという点は共通しています。ただし、投薬などの医療行為をメインに行う場合はターミナルケアと呼び、それ以外の介護などのケアをメインに行う場合を看取りケアと呼ぶことが多いようです。
病院で最期を迎える場合に行われるのがターミナルケア、介護施設で最期を迎える場合に行われるのが看取りケアと覚えておくと良いかもしれません。
ターミナルケアを担当する介護職の役割
ターミナルケアや看取りケアを担当する介護職は、基本的に医療行為以外の生活面のケアを担います。具体的な役割は、身体的ケア・精神的ケア・社会的ケアの3つのケアに対応することです。
身体的ケア
介護職は、身体的ケアを行って利用者さんの身体的な不快感や苦痛を軽減します。
食事・排泄・入浴など日常生活のケア
体調や嚥下(えんげ)機能などを記録・報告し、食形態の変更の打診や介助方法の工夫などを行います。また、トイレでの排泄が難しくなった場合は、ベッド上でのオムツ交換を実施するといった、状況に応じた支援をすることが必要です。
入浴に関しても、体力の低下とともに難しくなってくる場合があるため、清拭で対応する場合もあるでしょう。体調の良い日を見計らって、ストレッチャー浴での入浴を試みるなど、最期までできるだけ快適に過ごしてもらえるよう、本人の意思を尊重しながら日常生活を支えていくことが求められます。
褥瘡予防のための体位変換
看取り期で寝たきりになり、自力での寝返りが難しい場合は、クッションなどを適宜使用しながら体位変換を行います。褥瘡(床ずれ)ができてしまうと、痛みによる苦痛が増大してしまうため、十分に注意しましょう。
身だしなみを整える整容介助・更衣介助
外出が難しい寝たきりの状態であっても、整容や更衣は大切です。朝になったら温かいタオルで顔を拭いたり、汗をかいたら下着を取り替えたりするなど、清潔で快適な状態を保てるようケアを行いましょう。
精神的ケア
死に直面した恐怖や不安を取り除けるように支援するのも、介護職に求められる大切な役割の一つです。利用者さんが抱える恐怖や不安に寄り添い、傾聴したり声掛けをしたりして、穏やかに過ごせるように手助けを行います。また、趣味の時間や家族との時間などを設けるよう提案することも有効でしょう。
社会的ケア
社会的ケアとは、看護・介護にかかる費用や相続など、社会的な問題に対する利用者さんやご家族の方の不安を解消するためのケアです。また、ご家族の方の負担やストレスを軽減するケアも含まれます。面会に来たご家族の方とのコミュニケーションも、介護職の大切な役割の一つです。
費用面に関しては、医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーなどが相談に応じる場合が多いため、現場の介護職員が直接関わることは少ないでしょう。
ターミナルケアを実施している施設
ターミナルケアを実施する場所は、主に自宅、介護施設、病院・ホスピスです。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
介護施設
介護施設でも、ターミナルケアの対応は可能です。特に看護師が常駐している介護施設は、看取り対応を可能としていることも少なくありません。ターミナルケアを行う介護施設・事業所は、介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)、介護付き有料老人ホーム、グループホームなどです。
介護施設は、病院と比べると行える医療行為は限られます。介護施設での看取りを希望するのは、利用者さんもしくはご家族の方がより自然な形での最期を望む場合に多いようです。
なお、ターミナルケアを行っているかどうかは、介護施設・事業所によって異なります。ターミナルケアを学びたい・携わりたいと考えている方は、就業前に確認が必要です。
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自宅(在宅)
自宅でも、医療や介護のサービスを利用して、ターミナルケアを受けられます。自宅で最期を迎えるメリットは、住み慣れた場所であるため、利用者さんが安心感を得やすいことです。
訪問看護や訪問介護・医療が連携をとり、24時間いつでもサポートできるよう、ケアの体制を整えます。ご家族の方が仕事などで不在の時間帯にケアに入ることもあり、ご家族の方との連携も重要です。利用者さんの自宅に出向くので、介護施設や病院でのターミナルケアに比べて、プライバシーに配慮しやすい環境といえます。
介護職として在宅でのターミナルケアに携わりたい場合は、訪問介護事業所や看取りに特化したサービス付き高齢者向け住宅に勤務すると良いでしょう。ただし、すべての訪問介護事業所がターミナルケアに対応しているとは限らないため、事前に確認しておくことが必要です。
病院・ホスピス
ターミナルケアを行う病院・病棟として、「療養型病院」や「緩和ケア病棟(ホスピス)」があります。療養型病院は、継続的な療養を必要とする方で、医療依存度が高い患者さんを優先的に受け入れている医療機関です。また、ホスピスは、基本的にがんやエイズといった難病の方を受け入れ対象としています。入院の対象者や期間は、病院によって異なるでしょう。
療養型の病院は、介護が必要な患者さんが多くいるため、介護職として就職することも可能です。病院で働く介護職は、一般的に「看護助手」と呼ばれます。医療の必要性の高い人のケアに興味がある方にとって、適した職種といえるでしょう。
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介護業界におけるターミナルケアの現状
ここでは、介護業界におけるターミナルケアの現状を解説します。今後、介護職として看取りケアに携わる機会が増えるのかどうかや、ターミナルケアの展開が気になる方は、ぜひご覧ください。
介護施設や自宅での看取りが増えている
近年、介護施設や自宅で最期を迎える方が増えており、ターミナルケアの現場は医療機関から介護施設・自宅へと広がりを見せています。
厚生労働省の「生統計要覧(令和6年度)第1編人口・世帯 第2章人口動態(第1-25表)」によると、2010年と2023年における死亡場所の割合は以下のとおりです。
| 亡くなった場所 | 2010年 | 2023年 |
| 病院 | 77.9% | 64.4% |
| 介護医療院・老健 | 1.3% | 4.0% |
| 老人ホーム | 3.5% | 11.5% |
| 自宅 | 12.6% | 17.0% |
参考:厚生労働省「生統計要覧(令和6年度)第1編人口・世帯 第2章人口動態(第1-25表)」
2010年と2023年のデータを比較すると、「病院」で亡くなった方は約78%から約64%に減少。一方で、「介護医療院・老健」「老人ホーム」「自宅」はいずれも増加していることが分かります。
住み慣れた自宅や地域での看取りが増えているため、介護職がターミナルケアや看取りケアに携わる機会が今後増えていく可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省「厚生統計要覧(令和6年度)第1編人口・世帯 第2章人口動態」(2025年9月18日)
介護報酬にはターミナルケアに関する加算がある
ターミナルケアの対応強化や質向上のために、介護報酬では「ターミナルケア加算」や「看取り介護加算」が設けられており、国が現場の取り組みを経済的に支援しています。以下で、加算内容や対象サービスなどを確認してみましょう。なお、加算の単位数は2025年9月時点のものです。
ターミナルケア加算
ターミナル加算は、終末期の利用者さんに対するターミナルケアの実施を評価して適用されます。加算の目的や対象サービス、単位数は以下のとおりです。
| 加算名 | ターミナルケア加算 |
| 目的 | 医療的ケアを含む終末期支援を評価 |
| 対象サービス | 老健、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護 |
| 単位数 | <老健> ・死亡日45日前~31日前:72単位 ・死亡日30日前~4日前:160単位 ・死亡日前々日、前日:910単位 ・死亡日:1,900単位 <訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護> ・2,500単位(死亡月) |
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について(p.14、p.16)」
2024年の介護報酬改定では、ターミナルケア加算が見直されました。これは、老健における看取りへの対応を充実させたり、在宅復帰・在宅療養支援を行う施設の看取りケアを評価したりするために行われたものです。具体的には、死亡日45日前~31日前の単位数が下がり、死亡日の前日や前々日、死亡日の加算が手厚くなりました。
また、介護保険の訪問看護で行うターミナルケアと医療保険のターミナルケアは同様であると評価され、訪問看護のターミナルケア加算が改定前の月2,000単位から2,500単位に引き上げられたのも変更点です。
出典
厚生労働省「第239回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2025年9月18日)
看取り介護加算
看取り介護加算は、入居型の介護施設や事業所において、医師が回復の見込みがないと判断した方に、適切な看取り介護を提供した場合に適用されます。加算の目的や対象サービス、単位数は以下のとおりです。
| 加算名 | 看取り介護加算 | 看取り介護加算(I) | 看取り介護加算(II) |
| 対象サービス | グループホーム(短期利用を除く) | 特養、特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなど) | 特養、特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなど) |
| 単位数 | ・死亡日45日前~31日前:72単位 ・死亡日30日前~4日前:144単位 ・死亡日前々日、前日:680単位 ・死亡日:1,280単位 | ・死亡日45日前~31日前:72単位 ・死亡日30日前~4日前:144単位 ・死亡日前々日、前日:680単位 ・死亡日:1,280単位 | <特養> ・死亡日45日前~31日前:72単位 ・死亡日30日前~4日前:144単位 ・死亡日前々日・前日:780単位 ・死亡日:1,580単位 <特定施設入居者生活介護> ・死亡日45日前~31日前:572単位 ・死亡日以30日前~4日前:644単位 ・死亡日前々日・前日:1180単位 ・死亡日:1780単位 |
参考:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について(p.15、p.18、p.19)」
看取り介護加算は、2021年の介護報酬改定で加算期間が見直され、死亡日の45日前から算定が可能となりました。
なお、看取り介護加算(II)の単位数が、特養と特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなど)では大きく異なる理由として、算定要件に違いがあることが考えられます。特定施設入居者生活介護事業所が加算を取得するには夜勤か宿直の看護職員が必要で、より手厚い体制が求められるようです。
ターミナルケアに関連する加算には、上記のほか、居宅介護支援が対象の「ターミナルケアマネジメント加算」や「看取り連携体制加算」もあります。こうした加算は、利用者さんが介護施設や自宅で最期を迎える際に、適切なケアを受けられるように創設されたものです。
今後もターミナルケアを受ける場所として介護施設や自宅が増えることが予想されるため、さらなる制度の見直しや拡充が期待されます。
出典
厚生労働省「令和3年度介護報酬改定について」(2025年9月18日)
WAM NET「介護保険事務処理システム変更に係る参考資料(確定版)(令和7年3月28日事務連絡)」(2025年9月18日)
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介護職がターミナルケアに携わるうえで大切なこと
ここでは、介護職がターミナルケアに携わるうえで大切なことをまとめました。これからターミナルケアに携わる方は、ぜひ参考にしてみてください。
利用者さんやそのご家族の希望を尊重する
ターミナルケアに限ったことではありませんが、本人による意思決定が介護の自立支援の基本です。どのような生き方・最期の迎え方をしたいのかをしっかりと把握するために、しっかりコミュニケーションを取りましょう。
事前に意思確認をしていても、そのときになったら気持ちが変わる・迷いが生じることも珍しくありません。密にコミュニケーションを取り、なるべく気持ちの変化に気づけるように意識しましょう。
職員同士でコミュニケーションを取って情報共有する
ターミナル期は日々状態が変化するため、職員同士で密なコミュニケーションを取り、状態把握に努めましょう。また、看護師などの医療職とも連携し、最期まで苦痛の少ないケアを提供できる体制を整えることが大切です。
さらに、ご家族とも密に連絡を取って容態を共有しておくと、ご家族の方も納得できる満足度の高いケアを提供しやすくなります。
チームで取り組む姿勢を持つ
ターミナルケアを提供する場合、24時間体制で要観察の状態が続くため、チームで連携を強め、全員で質の高いケアを行う意識を持つことが大切です。職員間で経験や知識に差がある場合は、積極的に教え合うことを心掛けましょう。
思いやりのあるケアを心掛ける
ターミナルケアでは、利用者さんやご家族の方を気遣う、思いやりのあるケアが大切です。介護施設での看取りでは、老衰や認知症により、コミュニケーションが難しい状態の方をケアする場合も珍しくありません。
コミュニケーションが取れない場合も、無言のケアにならないように注意しましょう。身体の機能は徐々に衰えますが、耳は最後まで機能を保つことが多い器官とされています。適宜声掛けを行いながらケアを実施しましょう。
また、終末期はご家族の面会が多い時期で、施設によっては時間外の面会を許可している場合もあります。利用者さんやご家族の方が残りの時間を充実したものにできるよう配慮しながらサポートすることも重要です。
ターミナルケア・看取りケアの知識を身につける
ターミナルケアや看取りケアに携わることが決まっている場合は、事前に終末期の身体の変化やケアの重要なポイントを学んでおくと良いでしょう。ターミナルケアに対する知識を身につけておけば、現場で仕事を教わる際も理解しやすくなります。
また、「看取りケアパートナー」など、ターミナルケアに関連する資格を取得して、基礎知識やスキルを習得するのも良いかもしれません。専門的な知識があれば、利用者さんに根拠に基づく質の高いケアを提供できます。
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看取りケアパートナーとは?終末期ケア専門士との違いや資格取得方法を解説
利用者さんが負担するターミナルケアの費用
利用者さんが負担するターミナルケアの費用は、医療保険・介護保険の制度によって自己負担額が定められており、利用者さんの年齢や世帯所得によって異なります。これは、経済的な負担をできるだけ軽減しながら、必要なケアを受けられるようにするためです。
厚生労働省の「医療費の一部負担(自己負担)割合について(p.1)」によると、医療保険の自己負担割合は以下のようになっています。
- 75歳以上の方は原則1割(課税所得28万円以上145万円未満の人は2割、課税所得145万円以上の人は3割)
- 70歳から74歳までの人は原則2割(課税所得145万円以上の人は3割)
- 70歳未満の人は3割(6歳未満は2割)
たとえば、75歳以上の方は後期高齢者医療制度の対象で、基本的に医療費は1割負担です。
また、自己負担額が多くなり過ぎないよう上限金額が設けられています。所得区分が、課税所得28万円未満の「一般」に該当する場合、1ヶ月の医療費の自己負担額の上限は5万7,600円、外来では1万8,000円です。自己負担額を超える費用が発生した場合、上限を超えた差額分は、医療保険から高額療養費として受け取れます。
ただし、高額療養費制度は医療費の自己負担軽減のための制度なので、食費や差額ベッド代(基本的に1~4人部屋を利用した場合の費用)は対象外です。
介護保険の場合も、65歳以上の方の介護サービスの自己負担額は基本的に1割負担。世帯収入によっては、自己負担額が2割もしくは3割の場合もあります。
なお、在宅で看取り介護などのサービスを受ける場合、要介護度によって支給限度額があるため、限度額を超えた場合は全額自己負担となる点に注意が必要です。
出典
厚生労働省「高齢者医療制度」(2025年9月18日)
厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」(2025年9月18日)
ターミナルケアについてよくある質問
ここでは、ターミナルケアについてよくある質問にお答えします。「終末期の方の余命はどれくらいなの?」「ターミナルケアでは延命治療をするの?」と気になる方は、ぜひご一読ください。
ターミナル期の余命はどのくらいの期間ですか?
ターミナル期の余命は、個人差が大きく一概に言えませんが、一般的に数日から数ヶ月とされています。医師の診断などによってある程度余命の目安が示される場合はあるものの、病状の進行や基礎疾患の有無、体力など複数の要因が影響するため、あくまで予測であり確定的なものではありません。
介護職の心構えとしては、余命の期間よりも「今この瞬間をどのように支えるか」に焦点を当て、利用者さんの心身に寄り添うケアを提供することが大切です。
ターミナルケアでは延命治療をしますか?
ターミナルケアでは、基本的に延命治療を行いません。ターミナルケアは、治療による回復が見込めない状態にある方に対して、無理な延命をするよりも苦痛を和らげ、穏やかに最期を迎えられるよう支援することが目的です。
ご本人やご家族の方の意思を尊重するため、医療的処置を希望される場合は、医師と相談のうえ対応することもあります。介護職としては、延命治療の有無など、利用者さんの価値観や希望を丁寧にくみ取る姿勢が求められるでしょう。
まとめ
ターミナルケアとは、穏やかな最期を迎えるために施されるケアのことです。身体的・精神的な苦痛を軽減し、穏やかに最期を迎えることを目的としたケアであり、終末期医療とも呼ばれます。積極的な治療を行わないため、いかに穏やかな最期を迎えるかということに重点を置いたケアといえるでしょう。
ターミナルケアの現場で働く介護職は、基本的に医療行為以外のケア全般に関わります。身体的ケアとして、日常生活を送るうえで必要な身の回りのお世話をしたり、精神面のケアをしたりするのが役割です。
介護職としてターミナルケアに携わる際は、利用者さんやご家族の方の希望を尊重したり、思いやりのあるケアを心掛けたりすることが大切。質の高いケアを提供するためには、ターミナルケア・看取りケアの知識を身につけると良いでしょう。
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内定後まで安心サポート
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


