
この記事のまとめ
- 2026年3月時点で介護福祉士が看護師になる場合の科目免除の制度はない
- 介護福祉士が看護師になるには、看護師国家試験の受験資格を得る必要がある
- 介護福祉士が看護師になるメリットは、医療面から患者さんを支援できること
「介護福祉士が看護師に転職するときに免除される科目はあるの?」、気になる方もいるのではないでしょうか。2026年3月時点で、介護福祉士が看護師になる際に免除を受ける制度はありません。この記事では、介護福祉士が看護師に転職する方法や、看護師国家試験の概要を紹介。看護師に転職する場合と介護福祉士を続ける場合のメリット・デメリットも解説するので、介護職を続けるか悩んでいる方はご覧ください。
介護福祉士とはわかりやすくいうとどんな資格?取得方法や試験概要を解説!目次
介護福祉士が看護師になる際に科目は免除されない
2026年3月時点で、介護福祉士が看護師になる際に免除される養成課程や試験科目はありません。そのため、介護福祉士が看護師になるには、通常のルートで看護師国家試験の受験資格を得て受験し、合格する必要があります。
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介護福祉士から看護師へ転職する方法
介護福祉士から看護師へ転職するには、次のいずれかのルートで看護師国家試験の受験資格を得る必要があります。
- 4年制の看護系大学に通う
- 3年制の看護短期大学に通う
- 3年制もしくは4年制の看護師養成所に通う
- 5年一貫制の看護師養成課程校に通う
- 准看護師になって実務経験を積む
以下でそれぞれ解説します。
4年制の看護系大学に通う
4年制の看護系大学に通い、規定のカリキュラムを修了することで、看護師国家試験の受験資格を獲得できます。時間と費用がかかりますが、一般教養や保健師、助産師について学べる大学もあり、将来の選択肢を増やすことができるでしょう。
3年制の看護短期大学に通う
3年制の短期大学に通い、規定のカリキュラムを修了することでも、看護師国家試験の受験資格を獲得できます。4年制の大学と同様に一般科目も学習できますが、期間が短い分スケジュールが過密になる可能性があるでしょう。看護に関する知識を集中して身につけたい方にとっては、短期間で看護師を目指せるメリットがあります。
ただし、看護系の短期大学の数は少なく、「通える範囲に学校がない…」という可能性もあるので、事前に調べることが大切です。
看護師養成所(専門学校)に通う
看護師養成所(専門学校)に通って所定の課程を修了することでも、看護師国家試験を受験できます。看護師に特化した学習を行うのが特徴で、履修期間は3~4年です。大学に比べて社会人の学生が多い傾向にあるため、介護福祉士から看護師への転職を考えている方が選びやすいルートといえます。
中卒の場合は5年一貫制の看護師養成課程のある高等学校に通う
最終学歴が中卒の方は、5年一貫制の看護師養成課程のある高等学校に通うことで、看護師国家試験の受験資格を得られます。高校3年間と看護学科2年間の勉強ができるのが、5年一貫制の看護師養成課程校です。
すでに高校を卒業している方は、別の方法のほうが短期間で看護師国家試験の受験資格を満たせます。
准看護師になり実務経験を積む
准看護師養成所に2年以上通い、都道府県が実施する准看護師試験を受験して合格すれば、准看護師免許を取得できます。
准看護師免許を取得すれば、実務経験を積みながら看護師国家試験の受験資格を得ることが可能です。准看護師として働きながら看護師を目指せるので、実践的な知識やスキルを身につけられるでしょう。
准看護師から看護師を目指す方法は、「看護師養成所に2年通い、看護師国家試験に合格する」などがあります。看護師養成所の2年課程の受験要件として、中卒の方の場合は実務経験3年以上、通信制の養成所の場合は実務経験5年以上が必要です。
高卒以上の准看護師の方が、通信制以外の養成所の2年課程で看護師を目指す場合、実務経験は問われません。
出典
公益社団法人日本看護協会「看護職になるには | 看護職を目指す皆さまへ」(2026年3月4日)
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将来的に介護福祉士は看護師の課程が一部免除される可能性がある
近年、保健医療福祉における職種の基礎教育部分を共通化する「共通基礎課程」という仕組みの導入が検討されています。
もしも、共通基礎課程の制度が実現すれば、職種や分野を超えた共通の認識を持つ人材の育成が進んだり、ダブルライセンスで専門性の高い人材が増えたりすることが期待できるでしょう。教育課程における共通部分が免除される場合、介護福祉士から看護師を目指しやすくなります。
ただし、共通基礎課程制度は、2026年3月時点で導入されていません。介護福祉士が看護師になるには最短3年ほどかかりますが、共通基礎課程が導入されれば期間が短縮される可能性があります。
出典
厚生労働省「図表2-1-23 共通基礎課程のイメージ」(2026年3月4日)
厚生労働省「「地域共生社会」の実現に向けて」(2026年3月4日)
看護師国家試験の概要
ここでは、看護師国家試験の概要を紹介します。看護師への転職を考えている方は、ぜひご一読ください。
看護師国家試験の出題内容
看護師国家試験は、マークシート方式です。四肢択一の問題が多い傾向にありますが、五肢択一や五肢択二による出題もあります。ほかにも、数字を選ぶ問題もあるので、出題内容や解答方法をしっかりと確認して解答しましょう。
看護師国家試験は、「必修問題(50問)」「一般問題(130問)」「状況設定問題(60問)」の240問で構成され、合計点は300点です。必修問題は絶対評価で、80%(40問)以上正答しないと不合格となります。試験問題は、必修問題・一般問題・状況設定問題の区分けがされていないので注意が必要です。
なお、一般問題・状況設定問題の合格ラインは試験年度によって異なり、およそ60~70%ほどの得点が求められます。
看護師国家試験の試験科目
看護師国家試験の試験科目は、以下のとおりです。
- 人体の構造と機能
- 疾病の成り立ちと回復の促進
- 健康支援と社会保障制度
- 基礎看護学
- 地域・在宅看護論
- 成人看護学
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学及び看護の統合と実践
看護師国家試験では、子どもから高齢者まで、さまざまな人の看護を行ううえで必要な知識が問われます。
出典
厚生労働省「看護師国家試験の施行」(2026年3月4日)
看護師国家試験の合格率
厚生労働省の「第108回助産師国家試験及び第114回看護師国家試験の合格発表」によると、2025年2月に行われた看護師国家試験の合格率は、90.1%でした。例年受験者の9割近くが合格しており、比較的合格率が高い試験といえます。
しかし、看護師国家試験は、看護系の学校で学ぶ内容が問われる専門的な試験です。不合格になる人も1割程度いるので、合格率が高いからといって気を抜かず対策する必要があります。
出典
厚生労働省「第108回助産師国家試験及び第114回看護師国家試験の合格発表」(2026年3月4日)
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介護福祉士から看護師に転職するメリット・デメリット
ここでは、介護福祉士が看護師に転職するメリット・デメリットを詳しく解説します。メリットとデメリットを理解して、転職をするかどうか判断してみてください。
看護師に転職するメリット
介護福祉士が看護師に転職するメリットは、「介護の経験を活かして働けること」「医療の面から人々を支えられること」です。看護師は、治療のサポートだけではなく、移動介助や更衣介助など、患者さんの身の回りのお世話をすることもあり、介護福祉士の経験を活かして働けるでしょう。
また、介護の現場で利用者さんに接するうちに、「医療の面から支えたい」と思うようになった方は、希望の働き方ができます。
看護師に転職するデメリット
看護師は、介護福祉士と同様に夜勤のある仕事なので、生活リズムを改善したいと考えている方はミスマッチを感じるかもしれません。シフト勤務のため、プライベートとの両立が難しいと感じることも考えられます。ただし、介護福祉士も看護師も職場によっては夜勤なしの働き方が可能です。
看護師に転職する場合の懸念点として、患者さんの命に直接関わる仕事で、介護現場以上にプレッシャーを感じる可能性があることが挙げられます。
さらに、介護福祉士から看護師に転職するには、資格取得に3年以上かかってしまうこともデメリットです。
介護福祉士を続けるメリット・デメリット
介護福祉士として働き続けるメリット・デメリットを、以下で解説します。「今後も介護福祉士として働き続けるか悩んでいる」という方は、ぜひ判断の参考にしてみてください。
介護福祉士を続けるメリット
介護福祉士を続けるメリットは、「家族の介護に経験を活かせること」「介護の面から人々を支えられること」です。介護福祉士の経験は、家族に介護が必要となったときに役立てられます。
また、介護福祉士は、食事・排泄・入浴などの介助だけではなく、掃除・洗濯・買い物などの支援も行い、介護の面から利用者さんの生活に貢献できる仕事です。利用者さんやご家族の気持ちに寄り添って希望を叶えることで、感謝の言葉をもらえるやりがいがあるでしょう。
介護福祉士を続けるデメリット
介護福祉士を続けるデメリットは、看護師よりも給与水準が低いことです。看護業務は資格がないと従事できず専門性が高いため、看護師は介護福祉士よりも給与が高い傾向にあります。
介護職の給与は、介護保険によって定められた介護報酬から支払われ、事業所の努力だけで給与を上げるのは難しいため、「なかなか給料が上がらない」と感じることがあるかもしれません。せっかく介護福祉士という国家資格を取得しても、ほかの国家資格を保有する方と比べて給与が低い傾向にあることは、デメリットといえます。
ただし、介護福祉士の資格を活かして管理職やケアマネジャーにキャリアアップすれば、給与アップの可能性もあるでしょう。
介護福祉士を続けるデメリットには、夜勤や利用者さんの身体を支えて行う身体介護など、体力的な負担のある業務が多いこともあります。
介護や医療の現場で働く場合、介助時の姿勢に注意して腰痛を予防したり、生活習慣が乱れないよう睡眠時間を確保したりすることが必要です。
介護職から看護師への転職に関するよくある質問
ここでは、介護職から看護師への転職に関するよくある質問に回答します。看護師免許の取得やキャリアチェンジを考えている方は、ぜひご覧ください。
介護福祉士として働きながら看護師は目指せる?
介護福祉士として働きながらでも看護師は目指せます。働きながら看護師免許を取得するには、看護師養成所(専門学校)に通うと良いでしょう。定時制の専門学校であれば、日中働きながら勉強できます。
また、まずは無資格でなれる看護助手として働き、実際の看護の現場を見てからキャリアを検討する選択肢も。看護助手の仕事については「看護助手の仕事内容は?職場ごとの違いや向いている人の特徴、体験談も紹介」の記事で解説しています。
看護師が介護福祉士になるにはどうすれば良いの?
看護師が介護福祉士になるには、要件を満たしたうえで介護福祉士国家試験を受験し、合格しなければなりません。介護福祉士国家試験の受験資格の一つとして、介護等の実務経験を3年積みながら、介護福祉士実務者研修を取得する方法があります。看護師としての実務経験では受験資格をクリアできないので注意しましょう。
看護師は、訪問介護事業所での経験や内定があることなどを条件に、介護職員初任者研修を受講しなくても修了証をもらえる場合があります。さらに、申請すると実務者研修の「医療的ケア」の科目が免除に。看護師が実務者研修を受講する場合、「初任者研修と共通の130時間」と「医療的ケアの約50時間」のカリキュラムが免除される可能性があります。
また、看護師が介護福祉士になる方法には、養成施設に2年通い介護福祉士国家試験を受験する方法もあるでしょう。大学で社会福祉に関する科目を履修している場合は、養成施設に1年通うことで受験資格を満たせます。
介護福祉士国家試験に必要な実務経験については、「介護福祉士国家試験の受験資格である実務経験とは?対象の施設や職種を解説」で解説しているので、ご覧ください。
介護福祉士と看護師はどっちが上の資格なの?
介護福祉士も看護師も、福祉や医療の分野において欠かせない資格で、どちらが上というものではありません。どちらの資格も国家資格であり、取得するには数年の期間がかかります。介護福祉士と看護師は、仕事内容や労働環境などが異なるので、どちらの資格を取得するか悩む方は、希望の働き方ができる職種に必要なほうを選択すると良いでしょう。
准看護師と看護師って何が違うの?
准看護師と看護師の仕事内容自体に大きな違いはありません。しかし、准看護師が医療行為を行う際は、看護師の指示が必要です。また、看護師は看護計画を作成できます。保有する資格も異なり、准看護師は国家資格ではなく都道府県が管轄する資格です。一方の看護師は国家資格で、厚生労働大臣が認定します。
まとめ
2026年3月時点で、介護福祉士が看護師になる際に免除されるカリキュラムはありません。そのため、介護福祉士から看護師に転職する際は、一般的な看護師国家試験の受験ルートを辿る必要があります。
もしも今後「共通基礎課程」が導入された場合、介護福祉士が看護師に転職する際に一部の教育課程が免除されるかもしれません。
介護福祉士が看護師に転職する方法は、「看護系の大学に通う方法」「看護系の短大に通う方法」「看護系の専門学校に通う方法」などです。准看護師免許を取得して、医療の現場で経験を積みながら看護師を目指すルートもあります。また、中卒の方の場合は、5年一貫制の看護師養成課程のある高等学校に通う方法が選択肢に入るでしょう。
介護福祉士から看護師に転職するメリットは、介護の経験を活かして医療面のサポートができること。デメリットは、仕事のプレッシャーが大きいことや、看護師免許を取得するのに時間がかかることです。
介護福祉士を続けるメリットは、介護のプロとして活躍ができることなどがあります。デメリットは、給料が上がりにくいことや、一定の体力的な負担があることです。介護福祉士から看護師への転職を考えている方は、それぞれの仕事のメリット・デメリットをしっかり理解したうえで判断しましょう。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


