福祉とは何?定義や考え方を簡単に解説!仕事の種類や必要な資格も紹介

介護の知識 2024年4月30日
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この記事のまとめ

福祉について考えていると、「そもそも福祉って何?」と気になることもあるでしょう。福祉とは、幸福な社会を作ること。その実現のために、さまざまな法律や制度があります。この記事では、福祉とは何かを分かりやすく解説。「福祉」という言葉の意味や定義にも触れています。社会福祉に関する制度・仕事についてもまとめました。「福祉の考え方を知りたい」「誰かの生活を支援する仕事に就きたい」という方は参考にしてください。

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目次

福祉とは?

福祉とは何か簡単に説明すると、すべての人が幸せに生活するための取り組みのことです。厚生労働省の「障害福祉業界への転職BOOK福祉ではたらく(p.26)」では、「ふくしとは、ふだんの くらしの しあわせ」と紹介されています。つまり、一人ひとりが幸福を感じながら生活するための社会を築いていくことが、福祉といえるでしょう。

一人ひとりが自身の幸福を追求できる環境があるのが、社会における福祉です。自分の権利を最大限に発揮して、幸せな暮らしを実現させるためには、周りの協力が必要なこともあります。特に、社会的なハンデを抱えやすい子どもや高齢者、障がいのある方などは、福祉サービスの対象になりやすいでしょう。そのため、福祉と聞くと、子ども・高齢者・障がいのある方などへの支援をイメージする方もいるかもしれません。

「福祉」という言葉の意味

「福」と「祉」は、両方とも幸せを意味する漢字です。そのため、もともと「福祉」は幸福を表す用語として使われていました

また、福祉は英語で「welfare」と言います。良い暮らしを指すwelfareという言葉が伝わるとともに、日本語の「福祉」という言葉の意味も幅広くなっていったようです。生活や文化の変化から、人々の社会福祉への関心が高まったことにより、「福祉」は「社会保障による生活の安定」という意味合いで使われることが増えたのかもしれません。

福祉の定義

「福祉」という言葉に対して抱くイメージが人それぞれである以上、福祉とは何かを明確に定義付けて答えを出すことは難しいでしょう。
先に述べたように、福祉とはもともと「幸せ」を指し、現在は「社会保障などによって豊かな暮らしをする」という意味でも用いられています。つまり、福祉の定義とは、一人ひとりが幸福を求めることや、そのために協力し合うことなのではないでしょうか。

一番大切なのは、福祉という言葉の正しい定義ではなく、自身の考える福祉と向き合うことです。福祉とは何か、実現させるためにはどうしたら良いのかを考えることが、福祉に関わる第一歩ともいえます。

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福祉の考え方とは?

人々が幸せに暮らすためには、生活が安定していることや、権利が保障されること、生きる意味を感じられることなどが必要です。これらの人権は、法律・憲法・条約などによっても保障されています。

たとえば、日本国憲法第25条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という生存権の記載があるのは有名です。また、世界人権宣言においても、性別や年齢、職業、国籍などに関わらず、自由に生きる権利や尊厳があることが示されています。

つまり、福祉の基本となる考え方は、「すべての人は生まれながらにして平等な権利をもっている」ということです。福祉に関わるうえでは、誰もが幸せになる権利があることを忘れないことが重要になります。

社会福祉とは?

社会福祉とは、高齢者や障害がある方、児童、ひとり親などが安心して生活できるように社会で支援を行うことです。社会保障として、生活課題に応じた公的な福祉サービスが展開されています。社会福祉の種類をチェックしてみましょう。

介護・高齢者福祉

介護・高齢者福祉とは、高齢になっても地域で役割をもって生活できるよう、必要な支援を行うことです。具体的には、介護保険制度による介護サービスや、自治体独自の高齢者支援などがあります。

介護・高齢者福祉の目的は、高齢で介護が必要になった場合も、自分の希望に沿った生活を送れる社会を作ることです。関係する法律として、介護保険法や老人福祉法などが挙げられます。介護・高齢者福祉の分野では、介護職員をはじめ、さまざまな職種のスタッフが活躍中です。

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障がい者福祉

障がい者福祉とは、障がいを抱える方も、地域や社会に参加できるよう支援を行うことです。障がいを抱える方だけではなく、ご家族や周りの方へ支援を行う役割もあります。障がいのある方を支援する公的な制度は、障害福祉サービスなどです。

障がい者福祉は、障害者総合支援法や障害者差別解消法などに基づいています。障がい者福祉に携わる際は、一人ひとりの障がいの特性や支援の必要度などに合った個別な対応が必要。専門性のあるスタッフが知識を活かして活躍しています。

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児童福祉

児童福祉とは、児童や保護者をサポートすることです。具体的には、子どもの保育や、虐待を受けている子どもの保護、金銭的な理由で養育が難しい家庭の支援などを行います。児童福祉に関わる職場の例は、保育園や児童養護施設です。児童福祉法、子ども・子育て支援法、児童虐待防止法などに基づいて、支援が行われています。

母子父子寡婦福祉

母子父子寡婦福祉とは、ひとり親家庭への支援のことです。具体的には、養育費や就業の問題、生活支援などに対応します。関係する法律は、母子及び寡婦福祉法や児童扶養手当法です。ひとり親家庭の支援としては、児童家庭支援センターにおける相談や、母子生活支援施設における生活支援などが行われています。

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保健医療福祉とは?

社会保障の中には、保健医療・公衆衛生に関する制度やサービスがあり、これらも福祉の一環といえます。具体的な取り組みは、医療保険による医療サービス、感染症予防・対策といった保健事業、食品の安全性を確保する公衆衛生などです。関係する法律の例として、健康保険法、国民健康保険法、地域保健法、食品衛生法が挙げられます。保健医療サービスを提供する施設は、病院や診療所、保健所など。医療職をはじめとするさまざまな専門職が活躍しています。

福祉の仕事とは?

生活に課題を抱えている人が、自分の望む暮らしをできるよう支援するのが、福祉の仕事です。福祉に関わる仕事の種類は多数あり、スキルを習得するための資格も多くなっています。下記で解説するので、「福祉に携わりたい」と考えている方は参考にしてください。

福祉の仕事の種類

福祉に関わる主な仕事は以下のとおりです。

  • 介護・高齢者福祉:介護職員、介護支援専門員(ケアマネジャー)、生活相談員
  • 障がい者福祉:生活支援員(介護職員)、就労支援員、相談支援専門員
  • 児童福祉:保育士、児童指導員
  • 保健医療福祉:看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

支援が必要な方を直接ケアする仕事のほかに、日常生活や社会生活に課題を抱える方の相談に乗る仕事もあります。福祉の仕事の特徴を詳しく知りたい方は、「福祉の仕事を40種類解説!介護以外にも資格なしで働ける職種はあるの?」の記事をチェックしてみてください。

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福祉の仕事に役立つ資格

福祉の仕事に携わりたい人におすすめの資格を以下にまとめました。

  • 直接ケアに関わるための資格:介護職員初任者研修、介護福祉士、保育士、看護師
  • リハビリの支援をするための資格:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
  • 相談援助や助言を行うための資格:介護支援専門員(ケアマネジャー)、相談支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士

自分がやりたい仕事内容や携わりたい分野に役立つ資格を取得すると良いでしょう。なお、福祉に関する仕事は、資格が必須の職種と、無資格から挑戦できる職種があるため、事前に調べておくことが大切です。福祉系の資格の種類や取得方法を知りたい方は、「【福祉系のおすすめ資格一覧】20種類を紹介!取得方法や難易度も解説」もご参照くださいね。

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福祉に関するよくある質問

ここでは、福祉に関するよくある質問に回答します。福祉教育に携わっている方や、福祉の勉強をしている方は、ぜひ参考にしてください。

福祉とは何かを小中学生向けに分かりやすく教えて!

福祉とは何か分かりやすく言うと、皆が幸せに暮らせる社会を作ることです。福祉と聞くと、高齢者や障がいのある方の支援を思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、介護や支援を行うことだけではなく、周りの人がより良い暮らしもできるように活動することすべてが福祉です。福祉という言葉を聞くと、難しく感じるかもしれませんが、「誰かの手伝いをする」「誰かに助けてもらう」など、普段の生活で何気なくしていることも、福祉だといえます。

福祉の作文やレポートの書き方は?

福祉の作文やレポートを書くときは、自身の経験をもとに、福祉についてどのように考えるかという意見をまとめましょう。高齢者や障がいがある方との関わりを題材にしたり、幸福・権利・平等などについての考えを福祉に結び付けて論じたりすると、説得力のある内容になります。また、作文やレポートを書くときは、自分の言いたいことが伝わるよう、文章の最初や最後に結論を簡潔に述べることが大切です。

まとめ

福祉とは、誰もが幸せに暮らせる社会になるよう、協力し合うことです。人々の幸福を実現させるためには、生まれながらにある基本的な権利を尊重するという考え方が重要になります。
また、社会福祉とは、生活に課題を抱える方が、充実した暮らしをするための取り組みです。高齢者や障がいのある方、子どもなどが、自身の権利に基づいて安定した生活を送ることができるよう、公的な社会保障が整備されています。

福祉に関わる仕事の種類は豊富です。なりたい職種に資格は必要なのかを確認したうえで、キャリアを選択すると良いでしょう。

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執筆者

  • 元介護士ライター

グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。

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※この記事の掲載情報は2024年4月30日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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