看護助手(ナースエイド)と介護士の違いを給与や仕事内容、転職市場で比較

介護の仕事 2025年5月1日
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この記事のまとめ

「看護助手と介護士って何が違うの?」と疑問を持っている方もいるかもしれません。看護助手と介護士は似ている職種ですが、役割や細かい仕事内容が異なります。この記事では、看護助手と介護士の役割・業務内容・給与などの違いを解説。看護助手と介護士、それぞれの仕事に就くメリットも解説するので、転職を検討している方は参考にしてみてください。

看護助手の仕事内容は?職場ごとの違いや向いている人の特徴、体験談も紹介

目次

看護助手(ナースエイド)と介護士の違い

看護助手(ナースエイド)と介護士(介護職員)の違いを一覧表で解説します。まずは、両者の違いを大まかに把握しましょう。

看護助手介護士
役割患者さんが治療に専念できるよう、看護師の業務をサポートする利用者さんが快適に生活できるよう支援する
仕事内容看護業務のサポート(入浴・排泄・更衣・食事の介助・リネン交換・検査やリハビリの付き添いなど)利用者さんの生活のサポート(入浴・排泄・更衣・食事の介助・リネン交換・服薬介助・レクリエーションなど)
平均年収約329万円約376万円
職場主に病院主に介護施設
ケアする対象者患者さん(年齢層や疾患は多岐にわたる)利用者さん(高齢者や障がいがある方)
必要な資格無資格でも勤務可能無資格でも勤務可能

※平均年収は、政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」の看護助手と介護職員のデータから算出しています(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)。

看護助手と介護士のそれぞれの役割や仕事内容について、詳しく見てみましょう。

看護助手(ナースエイド)と介護士の役割の違い

看護助手は看護師をサポートするのが役割です。介護が必要な患者さんの介助に入ることはもちろんありますが、カルテの整理や病室の環境整備・清掃なども看護助手の仕事に含まれます。

一方で介護士は、利用者さんの生活を支えるのが主な役割です。身体介護や生活援助がメインになります。ほかにも、レクリエーションやイベントを企画・実施するなど、利用者さんに生活をより楽しんでもらうための工夫も重要な仕事です。また、看護助手はあくまでサポート的な役割であるのに対し、介護士は主体的に動くことを求められる点は大きな違いといえるでしょう。

看護助手(ナースエイド)と介護士の仕事内容の違い

患者さんや利用者さんの介助という仕事内容は共通していますが、職場や役割が違うため、細かい業務内容は異なります。
たとえば、看護助手は病室の清掃、カルテの整理、看護師が使用した器具の洗浄など、病院特有の仕事を任されることもあるでしょう。

介護士の場合、レクリエーションの企画と実施、利用者さんのご家族とのやり取り、病院受診の付き添いや年中行事の企画・運営など、看護助手とは異なる仕事内容が多くあります。
「介助」という共通の仕事がある一方で、看護助手と介護士それぞれに特有の仕事内容も少なくないでしょう

看護助手(ナースエイド)と介護士の給料の違い

政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、看護助手の年収は3,285,700円。介護士の年収は3,760,300でした。
看護助手と介護士の平均年収には約47万円の差があり、介護士の方が給与水準が高くなっています

看護助手と介護士はどちらも無資格で仕事を始めることができますが、看護助手よりも介護士のほうが手当が充実している傾向にあることが、年収に反映されているようです。介護士の給与には、処遇改善手当・資格手当・役職手当・夜勤手当などが含まれることが多いでしょう。

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看護助手(ナースエイド)の給料の平均額は?年収・ボーナス・時給を解説!

看護助手(ナースエイド)と介護士のケアする対象者の違い

看護助手は病院に入院する患者さんがケアの対象であるのに対し、介護士は介護施設に入所する高齢者や障がいのある方が対象です。

看護助手が対象とする患者さんの年齢層や疾患の種類は、配属される病院や、病棟の診療科によって異なります。幅広い年齢層の患者さんと関わり、より多くの疾患について知りたい場合は、看護助手の方が向いているかもしれません

看護助手(ナースエイド)と介護士の資格の違い

看護助手も介護士も、無資格で仕事に就くことが可能です。看護助手は、専門性を高めるために「メディカルケアワーカー」や「看護助手認定実務者」の取得を目指すこともできます。一方、介護士は「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」と段階的に介護技術・知識に関する資格取得が可能です。

介護系の資格を取得すれば、看護助手と介護士両方の業務に活かせます。また、看護助手や介護士として介護業務の実務経験を積み、「介護福祉士実務者研修」を修了すれば、国家資格である「介護福祉士」の取得も目指せるでしょう。

看護助手(ナースエイド)に資格はいる?業務に役立つ講座や取得方法を解説」の記事で、看護助手の仕事に活かせる資格を解説しているので、あわせてご一読ください。

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看護助手(ナースエイド)から介護士へ転職は可能?

看護助手と介護士は、どちらも無資格で就くことができ、未経験で応募可能な求人が豊富にあります。また、「看護助手から介護士」「介護士から看護助手」の転職は、それぞれ可能です。筆者は現在、介護福祉士として介護施設で働いていますが、介護職のキャリアは看護助手からのスタートでした。

もし、現時点でどちらの仕事を選ぶか迷っているのであれば、両方を経験してみて、よりやりがいを感じるほうを選ぶのも良いかもしれません。

介護士の方が主体的に動けるため、筆者はやりがいがより大きいと感じ、介護士を続けています。また、賃金の差も、介護士として働いている大きな理由の一つです。看護助手として勤務しているときは、もらえる手当は多くありませんでした。介護士として働くと、役職に就いたり、夜勤に多めに入ったりできるため、収入を上げやすいのも大きな魅力と感じています。

このように、介護士と看護助手を両方経験すれば、両方のメリット・デメリットを充分に理解したうえで、自分に向いている職場を判断できるようになるでしょう。

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看護助手(ナースエイド)と介護士それぞれのメリット

看護助手・介護士で仕事内容は似ていますが、それぞれに特有のメリットがあります。就職・転職の際は、自分の目指す働き方ができるほうを選ぶと良いでしょう。

看護助手(ナースエイド)として働くメリット

看護助手として働くメリットや仕事の魅力を、下記でチェックしてみましょう。

  • 医療に関する知識を得られる
  • 看護師の仕事を間近で見られる
  • 患者さんの急変時も看護師が主体となって対応するので不安が少ない

病院に勤務すると、医療について身近で見ることができます。そのため、看護助手の仕事は、看護師へのキャリアチェンジを考えている方や、医療に興味がある方などに向いているかもしれません

また、看護助手は、看護師のサポートが主な業務なので、基本的に独断で仕事をすることはありません。患者さんの急変など不測の事態が起きたときに、自分だけで対応することはなく、プレッシャーを感じず安心して働けるでしょう。

看護助手経験が約3年の筆者が、看護助手を経験して良かったと思っていることは、看護師の仕事が間近で見られたことです。看護師を目指すべきか迷っていた当時の筆者にとっては、とても大きなメリットでした。また、看護師を中心とした多職種との関わり方を学んだ経験も、現在の業務に活きていることの一つです。

看護助手は、医療や看護に興味がある方には、非常にメリットの大きい職種であるといえます。ただし、部下を抱える立場や率先して指示を出す役職は目指しにくい傾向にあるため、指示を受けながら仕事をすることにストレスを感じやすい人は、注意が必要です。

介護士として働くメリット

続いて、介護士として働くメリットを解説するので、確認してみましょう。

  • 転職・再就職に有利
  • 主体的に働ける
  • 判断力や観察力が身につく
  • 利用者さんの生活に寄り添える
  • 手当が充実している

介護施設は人手不足の傾向にあるため、介護士として一度経験を積めば転職・再就職をしやすく、全国どこでも働けるのは大きなメリットです

介護士は看護助手に比べて、主体性を求められる場面が多くあり、判断力や観察力が身につきやすいのも魅力といえます。さらに、年中行事の企画など、利用者さんの日常生活に寄り添ったケアを提供できるのも、介護士として働くやりがいです。

介護士は看護助手よりも主体性が求められるため、自然と観察力や判断力が身につき、スキルアップを実感しやすいのが一番の魅力です。また、介助のみならず、日々のレクリエーションや行事の企画と実施も行うため、利用者さんの生活に密接に寄り添うことが可能。利用者さんに喜んでもらえる機会が多いのが、大きなやりがいの一つとなっています。
看護助手よりも率先して動く必要があることと、業務の幅が広いことが、介護士の大きな特徴です。もちろん大変さはありますが、その分大きなやりがいも感じることができるでしょう。

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転職しやすいのは看護助手?介護士?

看護助手になるか介護士になるか迷っていて、転職しやすい方を選択したいとお考えの方もいるのではないでしょうか。看護助手と介護士は両方とも需要が高く、転職のしやすさは同程度です。ただし、管理職を目指したいのであれば、介護士のほうが良いかもしれません。
以下で詳しく解説するので、仕事選びの参考にしてください。

看護助手も介護士も無資格・未経験から働ける

看護助手も介護士も、無資格・未経験からチャレンジできる職業で、転職の難易度は同じくらいです。高齢化に伴い、介護や医療を必要とする人は増加しているので、介護士や看護助手は全国どこでも活躍できます。

職業情報提供サイトの「看護助手」によると、2023年度の看護助手の有効求人倍率は、4.13倍。同サイトの「施設介護員」によると、介護士の有効求人倍率は3.01倍でした。データから、看護助手と介護士は、両方ともニーズが高い職種といえます。
どちらの職に就くべきか迷っている場合は、求人を比較したり職場見学を活用したりして、より魅力的に感じた方を選択すると良いでしょう。

管理職求人は看護助手より介護士のほうが多い

看護助手はあくまで看護師のサポートという立場のため、役職などを用意されることは少なく、キャリアアップを目指しにくい傾向にあります。一方で、介護士は介護施設や事業所において支援の中核を担うため、役職を任されることも多いでしょう。経験を積めば、処遇改善による年収アップも目指しやすいのも特徴です。

介護士は、看護助手と比べて組織の重要なポジションを担いやすいため、管理職候補の求人も多い傾向にあります。管理職へのキャリアアップを目指す方は、介護士として介護業界で経験を積むのも良いでしょう。

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看護助手と介護士についてよくある質問

ここでは、看護助手と介護士に関するよくある質問に回答します。看護助手になろうか、介護士になろうか悩んでいる方は、参考にしてみてください。

看護助手と介護士どっちになったほうが良いの?

看護助手と介護士は、ケアをする対象者や仕事内容などに違いがあります。看護助手は病院やクリニックなどの患者さんのケアをして、看護師の業務を補助するのが仕事です。介護士は、介護施設や事業所を利用する高齢者に、身体介護や生活援助を提供する仕事。それぞれの仕事の特徴や相性を考えて、自分に合っているのはどちらの仕事なのか判断しましょう。看護助手と介護士の転職のしやすさは、「転職しやすいのは看護助手?介護士?」で解説します。

看護助手と介護士の給料の違いはいくら?

政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、看護助手の月給は、235,200円。介護士の月給は271,000円でした。介護士のほうが給与が高い傾向にあることが分かります。なお、給与額は施設形態や保有資格、地域によっても異なるので、あくまで参考としてご覧ください。

まとめ

看護助手と介護士の違いは、仕事内容や給与、ケアをする相手、役割などです。看護助手は、看護業務のサポートを中心に行います。一方の介護士は、高齢者や障がいがある利用者さんの日常生活に寄り添い、支援をするのが役割です。

看護助手の仕事には、医療に関する知識を得られるというメリットがあります。一方、介護士として働くメリットは、手当の種類が豊富なことや、主体的に動けることです。看護助手と介護士はそれぞれに特色があるので、自分に合った仕事を選びましょう。

「自分にはどの職場が向いている?」「実際の仕事ってどんな感じなの?」と気になる方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。介護業界に特化した就職・転職エージェントの「レバウェル介護(旧 きらケア)」は、看護助手や介護士の求人を数多く取り扱っています。転職先の雰囲気をお伝えしたり、職場見学のセッティングを行ったりなど、求人に応募する前のサポートも可能です。サービスは無料なので、ぜひ気軽に利用してくださいね。

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執筆者

  • 椿るい

    介護福祉士ライター

現役介護福祉士。認知症専門病院で看護助手として勤務した後に介護福祉士を取得し、現在は特養に勤務している。食事・排泄・入浴等、利用者さんの生活に係る介護全般に従事。派遣社員として勤務していた経験や副業経験もあり、介護職として柔軟な働き方を目指す。

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※この記事の掲載情報は2025年5月1日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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