認知症介助士とは?資格取得の流れや試験概要、勉強方法などを解説!

介護の資格 2025年1月7日
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この記事のまとめ

「認知症介助士ってどんな資格?」と気になる方もいるでしょう。認知症介助士は、認知症に対する正しい理解やコミュニケーション方法を学べる民間資格です。この記事では、認知症介助士の資格取得の流れや、検定試験に向けた学習方法を解説します。資格を取得するメリットや活かせる職場、取得前に知っておきたいこともまとめました。認知症介助士や認知症ケアに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

認知症介助士とは

認知症介助士とは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定する民間資格です。取得する過程で、認知症の基礎知識や認知症を患う方に対する正しい応対方法を学べます。認知症介助士は国家資格ではありませんが、保有していれば認知症に対する理解があることを証明できるでしょう。また、認知症介助士には更新制度がないため、一度取得すれば生涯にわたり認知症介助士を名乗ることができます。

認知症介助士は、介護や医療の仕事だけではなく、接客業などの人と関わる仕事にも活かせる資格です。厚生労働省の「介護分野の最近の動向について(p.17)」によると、認知症を患う高齢者の数は増加しており、2025年には700万人前後になると推計されています。認知症に関する知識や理解は今後ますます求められるため、日本において認知症介助士の需要は高いでしょう。

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認知症介助士とほかの資格との違い

認知症介助士以外にも、認知症について学べる民間資格や公的資格は多くあります。「認知症ケア専門士」「介護福祉士」との違いを以下にまとめたので、取得する資格を迷っている方はチェックしてみましょう。

認知症ケア専門士との違い

認知症介助士と認知症ケア専門士は、学習範囲や資格取得の難易度、対象者などに違いがあります。前述のとおり、認知症介助士は、認知症の基礎知識・応対方法を身につけるための資格で、幅広い職業の人が対象です。受験要件を満たしたり、資格取得後に更新したりする必要はありません。また、認知症介助士に上位資格はありません。

一方で、認知症ケア専門士は、認知症ケアの専門家を育成するための資格です。そのため、アセスメントやケアプラン、医療的な知識など、広範囲にわたり専門的な学習をします。受験要件として認知症ケア業務に3年以上従事することが求められたり、資格取得後に5年おきの更新が必要だったりなど、資格を取得・維持する難易度は高いでしょう。

また、認知症ケア専門士の資格は、入門的な「認知症ケア准専門士」と、上位資格の「認知症ケア上級専門士」があり、段階が分かれています。詳しくは、「認知症ケア専門士とは?認定試験の合格率と難易度、資格の取得方法を解説!」の記事で確認できるので、ぜひご一読ください。

介護福祉士との違い

認知症介助士と介護福祉士は、資格の種類や取得の難易度、業務範囲、役割などが異なります。介護福祉士は国家資格で、実務経験や養成施設の卒業などの受験要件を満たさないと試験を受験できません。介護の知識・スキル以外にも、社会保障制度や障がいの知識、医療的ケアなど、広範囲にわたる学習をしなくてはならないため、取得の難易度は高いといえるでしょう。

また、対応できる業務の範囲や、期待される役割にも違いがあります。認知症介助士は、認知症の方への適切な応対が期待される、認知症ケアに特化した資格です。一方の介護福祉士は、高齢者や障がいのある方など、介護が必要な幅広い方々に対し、プロとして支援することが期待されます。

介護福祉士についてさらに詳しく知りたい方は、「介護福祉士とは?仕事内容や資格の取得方法、試験概要をわかりやすく解説!」の記事もチェックしてみてください。

認知症介助士の資格取得の流れ

認知症介助士の資格を取得するには、検定試験に合格しなければなりません。下記で、認知症介助士の資格取得までの流れをまとめたので、受験を検討している方は参考にしてみてください。

認知症介助士検定試験に向けて勉強する

認知症介助士検定試験の受験を決めたら、勉強を始めましょう。勉強方法は、「認知症介助士セミナーの受講」「通信講座の受講」「独学」の3通りあります。認知症介助士は検定試験に合格すれば取得できる資格のため、3つのなかから自分に合う勉強方法を選択しましょう。詳しくは「認知症介助士検定試験に向けた勉強方法」で後述するので、あわせてご確認ください。

検定試験を受験して合格する

認知症介助士検定試験は、出題数30問の選択式の試験です。受験資格が設けられていないため、無資格・未経験の方も受験できます。検定試験の概要は、下記のとおりです。

試験時間40分
受験料3,300円
受験場所試験会場もしくは自宅
合格基準1問1点の30点満点中21点以上
合格率約80%

参考:公益財団法人日本ケアフィット共育機構「認知症介助士検定試験

受験場所は、セミナー会場・日本ケアフィット共育機構の事務局・全国各地のCBTセンター・自宅です。認知症介助士セミナーの受講者は、セミナー会場で試験を受けます。認知症介助士オンラインセミナー・通信講座を受講した方や独学の方は、試験会場か自宅での受験です。セミナー会場や日本ケアフィット共育機構の事務局で受験する場合はマークシート方式で、CBTセンターや自宅で受験する場合はパソコン入力で解答します。合格率は8割ほどで、試験難易度は比較的低めです

試験日は受験方法によって異なり、日本ケアフィット共育機構の認知症介助士のWebサイトから確認できます。

認定状を受け取る

認知症介助士検定試験の結果は、受験から約3週間で郵送にて通知されます。合格していれば結果通知に認定状が同封されるので、必ず確認しましょう。不合格の場合も結果が通知されますが、CBTセンターや自宅から受験した場合は郵送されないようです。

なお、合格者のうち希望者には、カード型の認定証や認知症介助士バッジが有料で発行・販売されます。

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【認知症介護の資格一覧】取得方法や試験の難易度、習得できるスキルを解説

認知症介助士検定試験に向けた勉強方法

ここでは、認知症介助士検定試験を受ける方に向けて、勉強方法を紹介します。対面式のセミナーや学習支援体制を望むかどうかなどを考え、自分に合った勉強方法を選びましょう。

認知症介助士セミナーを受講する

認知症介助士セミナーは、日本ケアフィット共育機構公式のセミナーです。カリキュラムは5時間で、講師から対面式で研修を受けます。学習カリキュラムは下記のとおりです。

  • 高齢社会の進展と認知症の基礎知識
  • 認知症の主な種類と症状
  • 認知症の人の心理状態
  • グループワーク
  • 身近な事例から認知症の人の困りごとや応対を考える
  • 認知症の人への接遇
  • 認知症の人の家族からのアドバイス
  • 関連法規と制度

認知症介助士のカリキュラムでは、サービス現場や地域社会での事例などを交え、日常で実践できる認知症ケアのスキルを学びます。認知症介助士の認定団体が主催する公式セミナーなので、検定試験の受験対策を万全にしたい方におすすめ。受講料はテキスト代込みで1万9,800円です。

なお、認知症介助士セミナーは、対面式だけではなくオンラインセミナーもあります。4時間の講義で、受講料は1万6,500円です。オンラインセミナーには検定試験が含まれていないため、試験を受けるには別途申し込みが必要となります。

通信講座を受講する

認知症介助士検定試験に向けて、民間企業や大学の通信講座を受講して勉強する方法もあります。学習期間の目安は2~3ヶ月ですが、4~6ヶ月程度の期間内に取得すれば良いので、無理なく学習を進めやすいでしょう。

受講方法は自宅学習のみで、講師のアドバイスを受けながらカリキュラムに沿って学習を進められるのが特徴です。通信講座のカリキュラムは日本ケアフィット共育機構公認のため、学習内容に大きな違いはありません。

通信講座は、公認テキスト以外にも副教材を採用していたり、添削・質問対応といった学習支援があったりなど、独自のサポート体制を取っています。「セミナーを受講するのは難しいけど、サポート体制は欲しい」という方には通信講座がおすすめです。なお、受講料は1万5,000円~3万5,000円程度となっています。

独学で勉強する

認知症介助士は試験に合格すれば取得できるため、独学のみで取得を目指すことも可能です。勉強方法として、基本的に公式テキストを使用してカリキュラム内容を学びます。また、受験対策には検定試験対策問題集を活用すると良いでしょう。認知症介助士検定試験の過去問は非公開のため、検定試験の出題傾向が分かる問題集は受験対策に有効です。
公認テキストは3,300円、検定試験対策問題集は2,200円で、日本ケアフィット共育機構の認知症介助士のWebサイトから入手できます。

独学での勉強は、資格の取得費用を抑えたい方におすすめです。自力で合格を目指すなら、何ヶ月を目標に資格を取得するのかを決め、試験日から逆算して学習スケジュールを立てるなど、具体的な目標を設定すると良いでしょう。

認知症介助士を取得するメリット

認知症介助士を取得することで、認知症の基礎知識を学べたり、認知症に理解があることを証明できたりするメリットがあります。

認知症に関する知識・スキルを学べる

認知症介助士を取得するなかで、認知症に関する基礎知識やコミュニケーション方法を学べます。認知症の症状や心理状態なども理解できるため、認知症の方への対応をスムーズにできるようになるでしょう。特に、認知症ケアを行う現場で活用できるので、介護職だけではなく看護師など、認知症を患う方と接する機会が多い職種の方におすすめです。

認知症に対する理解があると証明できる

認知症介助士の資格を取得することで、認知症に対する理解があると証明できます。そのため、職場内での信頼性が高まり、認知症の方と接する際に周囲から頼りにされることもあるでしょう。また、資格を取得する意欲を上司から評価される可能性もあります。

仕事以外にも活用できる

仕事以外にも知識やスキルを活かせるのが、認知症介助士の魅力です。たとえば、認知症を患う家族や知り合いの方がいる場合に、状況に応じたアプローチができます。また、認知症を患う方とのコミュニケーションに悩む方にアドバイスもできるので、認知介助士の知識は活用できる機会が多いでしょう。

認知症介助士が活躍できる転職・就職先

認知症介助士が活躍できる主な職場は、介護施設や介護事業所です。そのほか、医療機関や行政機関、公共施設、一般企業など、認知症の方と接する機会がある職場でも、知識を活かして働けるでしょう。

介護施設や介護事業所

介護施設や介護事業所は、認知症介助士の知識を活かせる職場です。たとえば、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの介護施設や、認知症対応型のデイサービス・グループホームなどが挙げられます。そのほか、訪問介護事業所や居宅介護支援事業所など、認知症の方と接する機会の多い職場で、適切に応対できる介護従事者として活躍できるでしょう。

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医療機関

病院などの医療機関は高齢者の方も多く利用するため、認知症介助士の知識を活かして働けます。たとえば、認知症病棟は、徘徊やせん妄など、認知症の症状に対応する機会が多いのが特徴です。患者さんの気持ちや言動を否定せず、適切な応対ができる認知症介助士のスキルは、認知症の方が多く利用する病棟で重宝されるでしょう。

行政機関や公共施設

行政機関や公共施設を利用する高齢者の方とのコミュニケーションにも、認知症介助士のスキルを活かせます。たとえば、市役所や地域包括支援センターなど、高齢者福祉や相談支援を提供する職場では、高齢者と接する機会が多く、相談者の方に認知症の症状が見られる場合も。認知症介助士は、認知症の方の気持ちに寄り添った応対を通して、地域の高齢者の方を支援する役割を担えるでしょう。

一般企業

認知症介助士の応対スキルは、一般企業でも役立てられます。特に、公共交通機関や金融機関、スーパーマーケットなど、高齢者が利用する企業やお店では、認知症の方に接する機会が多いようです。認知症の方に正しく応対できないと、トラブルにつながることも考えられます。事例を交えて認知症について学んだ認知症介助士であれば、サービス現場で適切な応対を実践できるでしょう。

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認知症介助士を取得する前に知っておきたいこと

最後に、認知症介助士を取得する前に知っておきたいことをお伝えします。資格を取得する目的とのミスマッチが生じないように、以下の留意点をチェックしてみましょう。

必ず給料が上がるとは限らない

認知症介助士の資格を取得しても、給料が上がるとは限りません。認知症介助士は、介護報酬における認知症専門ケア加算の対象外です。そのため、認知症介護実践リーダー研修など、認知症専門ケア加算の対象となる資格と比べて評価を受けにくい傾向があります。

ただし、認知症介助士の資格取得が給料アップに直接影響しなくても、スキルや意欲が評価につながる可能性はあるでしょう。

仕事の幅が大きく広がるわけではない

認知症介助士を取得することでできるようになる仕事はないため、資格を取得しても業務内容は大きく変わらない傾向にあります。そのため、仕事の幅を広げたい場合は、介護福祉士やケアマネジャーなどとのダブルライセンスを目指すと良いでしょう。

資格を取得して認知症ケアの高い専門性を身につけることで、介護業界において幅広く活躍できます。

認知症介助士に関するよくある質問

ここでは、認知症介助士に関するよくある疑問に回答します。認知症介助士にまつわる口コミや求人情報が気になる方は、ぜひご確認ください。

認知症介助士は役に立たないという口コミは本当?

認知症介助士は、スキルアップに活かせる資格ですが、「取得しても役に立たないのでは?」と不安に感じる人もいるようです。給与アップや就職・転職対策を目的とした場合、職場や採用担当者からの評価を受けられず、役に立たないと感じることがあるのかもしれません。しかし、認知症介助士を取得すると、認知症への理解を深めることができるため、介護の仕事などに活かせるメリットがあります。

認知症介助士はどのような求人がありますか?

「認知症介助士」として出されている求人は少ないようです。ただし、認知症ケアを必要とする職場では、認知症介助士の活躍が期待されます。特に、介護施設や介護事業所など、高齢者向けのサービスを提供する介護業界からの求人にマッチするでしょう。職種は介護職としての募集が多く、正社員やパート、アルバイトなど、さまざまな雇用形態があります。そのほか、認知症介助士の知識を活かせる職場は「認知症介助士が活躍できる転職・就職先」で紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

まとめ

認知症介助士は、認知症の主な症状や基礎知識、適切な応対方法などを学べる民間資格です。認知症の方の地域生活をサポートするスキルを習得することを、資格の目的としています。認知症を患う方は今後も増えると予想されているため、認知症ケアに理解のある認知症介助士の需要は高いでしょう。

認知症介助士を取得するには、検定試験への合格が必要です。認知症介助士検定試験には受験資格がないので、無資格・未経験の方も受験できます。検定試験に向けた勉強方法は、認知症介助士セミナーの受講・通信講座の受講・独学から選択可能です。検定試験対策問題集や公式テキストを活用して、合格を目指しましょう。

認知症介助士の資格を取得すると、認知症に関する知識を身につけられたり、介護のスキルを証明できたりするメリットがあります。また、認知症の方に対する適切な応対方法を事例を交えて学べるため、介護・医療現場に限らず、幅広い業界で知識を活かして働けるでしょう。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2025年1月7日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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