
この記事のまとめ
- 介護福祉士のと保育士のどちらがいいかは、希望するキャリアによって異なる
- 介護福祉士と保育士は国家資格で、介護福祉士のほうが試験の合格率が高い
- 介護士と保育士の平均月収は27万円程度で、大きな差はない
福祉系の仕事に興味のある方のなかには、「介護福祉士と保育士ではどちらがいい?」とお悩みの方もいるかもしれません。介護福祉士と保育士は誰かのお世話をするという共通点があります。しかし、必須の資格や目指し方、給与などさまざまな違いがあり、一概にどちらがいいとはいえません。この記事では、介護福祉士と保育士について、仕事内容や給与、将来性の違いを解説。ダブルライセンスのメリットもご紹介します。
目次
介護福祉士と保育士ではどちらがいい?
介護福祉士と保育士はどちらも福祉系の仕事ですが、業務内容や必要な資格、給与、将来性などに違いがあります。そのため、一概にどちらがいいとはいえません。
福祉系の仕事に就きたいと考えていて、介護福祉士と保育士のどちらがいいか悩む人は、自身の希望や目指す将来像と照らし合わせ、向いている職業を考えると良いでしょう。
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介護福祉士と保育士の仕事内容の違い
介護福祉士と保育士は、仕事内容や支援対象者が異なります。以下で確認してみましょう。
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士は、高齢者施設や訪問介護事業所などに勤務し、高齢者など介護が必要な方の日常生活をサポートするのが仕事です。介護業務には、利用者さんの身体に直接触れて行う入浴介助や食事介助、排泄介助といった身体介護をはじめ、買い物や洗濯、調理などの生活援助もあります。
さらに、体操やクイズ大会などさまざまなレクリエーションを企画し、高齢者の心身機能の維持・向上を支援するのも、介護福祉士の仕事の一つです。
デイサービスや特養、有料老人ホームなど、勤務先によって提供するサービスの詳細は異なるものの、仕事内容は共通する部分が多いでしょう。
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保育士の仕事内容
保育士は、乳幼児(生後2ヶ月程度から小学校就学前)を預かり、食事や排泄、睡眠といった生活面のお世話や遊びを通して、成長をサポートするのが仕事です。
保護者に代わり、トイレや衣類の着脱、歯磨きのトレーニングをしたり、散歩や運動、絵本の読み聞かせなどの活動をしたりします。また、子どもを迎えに来た保護者にその日の様子を伝えるのも保育士の仕事内容です。
勤務先は、保育園や保育所などの保育施設のほか、家庭福祉員(保育ママ)として自宅で働く方もいます。家庭福祉員とは、3歳未満の子どもを対象に少人数制で昼間保育をする認可保育事業です。
介護福祉士と保育士の資格取得の難易度
ここでは、「保育士(国家資格)」と介護に関する唯一の国家資格である「介護福祉士」について、資格取得の難易度を解説します。介護福祉士は介護士の必須要件ではありませんが、介護のスキルを証明できる資格なので、チェックしておきましょう。
介護福祉士の難易度
介護福祉士国家試験の合格率と受験資格を以下にまとめました。
介護福祉士国家試験の合格率
厚生労働省の「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」によると、2025年1月に実施された介護福祉士国家試験の合格率は78.3%でした。近年の合格率は70~80%程度で、介護福祉士国家試験の難易度はそれほど高くないと考えられます。
出典
厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」(2026年2月19日)
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介護福祉士国家試験の受験資格
介護福祉士国家試験は難易度が比較的低いものの、受験するには以下のいずれかのルートで受験資格を満たさなくてはなりません。

引用:厚生労働省「介護福祉士の資格取得方法」
たとえば、「実務経験ルート」の場合は、最低でも実務経験が3年間必要なので、すぐに資格を取得するのは難しいでしょう。
介護福祉士養成施設や福祉系高校に通い、介護福祉士に必要な知識と技能を習得して卒業した場合は、実務経験が求められません。
実務経験ルート、養成施設ルート、福祉系高校ルートの詳細が知りたい方は、「最短で介護福祉士になるには?知っておきたい3つのルート」で、介護福祉士を目指すルートをチェックしてみてくださいね。
出典
厚生労働省「介護福祉士の資格取得方法」(2026年2月19日)
保育士の難易度
保育士試験の合格率と受験資格も確認してみましょう。
保育士試験の合格率
こども家庭庁の「保育士試験の実施状況(令和6年度)」をもとに、2024年度の合格率を算出すると、約26.3%という結果でした(合格者数÷受験申請者数×100)。4人に1人ほどしか合格できないことから、保育士試験の難易度は介護福祉士試験よりも高いと考えられます。
出典
こども家庭庁「保育」(2026年2月19日)
保育士試験の受験資格
保育士試験の受験資格は、学歴や経歴によって細分化されているのが特徴です。厚生労働省の「保育士になるには?」では、以下のような図で表されています。

引用:厚生労働省「保育士になるには?」
指定保育士養成施設に通えば、試験を受けずに保育士資格の取得を目指せます。一般的な大学や短大、専門学校を卒業している方は、保育士試験を受験して合格すれば、保育士になることが可能です。最終学歴が中学・高校卒業の場合は、2年以上の実務経験が求められます。
試験に合格する難易度は介護福祉士よりも高いですが、保育士のほうが受験資格や要件を満たしやすいといえるでしょう。
出典
厚生労働省「保育士になるには?」(2026年2月19日)
国家資格を目指すならどちらも一定の大変さがある
ここまでお伝えしたように、介護福祉士も保育士も資格取得を目指すならどちらも一定の大変さがあり、簡単な道ではありません。「介護福祉士と保育士どちらがいい?」とお悩みの方は、将来のキャリアビジョンをイメージすることが大切です。
次項からご紹介する「給与」「将来性」などを参考に、キャリアプランを考えてみましょう。
介護福祉士と保育士の給与
介護福祉士と保育士の給与は、それほど大きな違いはありません。あえていうなら、介護士は資格手当や夜勤手当によって給与アップを目指しやすいので、保育士よりも高い収入を狙える可能性があるでしょう。ただし、職場によって給与は異なります。
介護福祉士の平均給与
政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、介護職員(介護士)のひと月当たりの給与(きまって支給する現金給与額)は、27万1,000円でした。年間賞与その他特別給与額は、50万8,300円です。これらのデータから算出すると、介護職員(介護士)の平均年収は376万円になります。
なお、上記は介護福祉士の平均給与ではなく、施設で働く介護士全体のデータなので、参考程度にご覧ください。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」によると、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所における、月給制・常勤で働く介護職員(介護士)の平均給与は33万8,200円です。
保有資格による介護士の平均給与の違いを、以下で確認しましょう。
| 保有資格 | 平均給与 |
| 無資格 | 29万620円 |
| 介護職員初任者研修 | 32万4,830円 |
| 介護福祉士実務者研修 | 32万7,260円 |
| 介護福祉士 | 35万50円 |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 38万8,080円 |
| 社会福祉士 | 39万7,620円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.161)」
介護福祉士の平均給与は35万50円で、平均年収を算出すると約420万円になります。同じ介護士でも、無資格者と介護福祉士の平均給与は6万円近く差があるようです。
介護士は、保有資格に応じて、基本給が上がったり資格手当がプラスされたりすることも少なくありません。
介護士の給与事情について詳しく知りたい方は、「介護士(介護職員)の給料は?平均給与や年収アップの方法、処遇改善の状況」もチェックしてみてくださいね。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」(2026年2月19日)
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2026年2月19日)
保育士の平均給与
政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、保育士のきまって支給する現金給与額(平均月収)は、27万7,200円でした。年間賞与その他特別給与額は、74万1,700円です。平均月収12ヶ月分と年間賞与を合わせて計算すると、保育士の平均年収は約407万円になります。
前述した介護福祉士を含む介護職員(介護士)全体の平均給与の27万1,000円と比較すると、保育士全体の給与は同程度です。ただし、介護福祉士のみの平均給与と比較すると、保育士のほうが給与が低い結果でした。
なお、介護福祉士の平均給与と保育士の平均給与では扱っているデータが違うので、単純比較することはできません。また、給与は働く地域や職場によって異なるため、平均給与額はあくまで参考程度に捉えておきましょう。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」(2026年2月19日)
介護士と保育士の将来性
介護士と保育士は、どちらもAIに取って代わられる仕事ではないうえに、人手不足で需要が高い状態のため、将来性のある職種といえます。
AIに代替できない仕事の特徴は、人を相手にし、細やかな対応やコミュニケーションが必要不可欠なこと。まだ自分の意志をはっきり伝えられない乳幼児や、生活に課題がある利用者さんのケアを行うには人の手が必要なので、今後もなくならない仕事です。
日本では、高齢化に伴う介護人材不足や、共働き世帯の増加による待機児童の問題が顕著で、介護士・保育士ともに需要が高い状態にあります。人材不足を解消するために、国は介護士や保育士の処遇改善を図っており、将来性が期待できるでしょう。
介護士や保育士には、賃金アップのための処遇改善加算という制度があり、加算を算定する事業所では給与改善が進められているようです。近年も処遇改善加算の見直しが行われており、多くの職員がスキルや経験に応じて賃金改善を受けられる環境が整備されつつあります。
出典
こども家庭庁「第8回 子ども・子育て支援等分科会」(2026年2月19日)
厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」(2026年2月19日)
介護福祉士と保育士のダブルライセンスのメリット
介護福祉士と保育士どちらがいいか悩んでいる方は、ダブルライセンスという選択肢もあります。ダブルライセンスとは、「複数の資格を保有すること」です。
介護福祉士と保育士のダブルライセンスを目指すメリットには、以下のようなものがあります。
1.一部科目の免除制度が適用される場合がある
介護福祉士と保育士の試験科目には共通点があるため、条件を満たせば一部科目の免除が適用されます。介護福祉士資格を有している方が保育士試験を受ける場合、「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」になるようです。
上記の科目は、介護福祉士以外にも社会福祉士や精神保健福祉士を取得している方も免除されます。
また、保育士養成施設を卒業してから介護福祉士を目指す場合は、通常2年かかる介護福祉士養成施設での履修期間が1年に短縮されるようです。期間・費用面で有利になるため、一から学ぶよりも資格取得を目指しやすいでしょう。
2.福祉分野の幅広い知識が身につく
ダブルライセンスによって、介護・保育の分野を越えて総合的な観点から福祉サービスを考えられるようになります。保育士なら乳幼児、介護士なら高齢者や介護が必要な方というように、片方の資格だけではすべての年齢層に十分なケアを行うのは難しいでしょう。
近年、「幼老複合施設」といった、介護施設と保育施設が一体化した施設が増えていることもあり、保育と介護、両方の観点を持つ人材は非常に貴重です。これから福祉分野で幅広く活躍したい方は、ダブルライセンスを検討してみましょう。
3.両方の資格があれば転職先の選択肢が広がる
引っ越しや家庭の事情で職場を変えなければならないときに、介護・保育どちらの求人も選択肢に入るのがダブルライセンスの利点です。
地域によって、「高齢者化が進んでいて介護施設が多い」「待機児童が多く保育士が不足している」などの特性があります。介護士と保育士の両方の求人から探せば、「仕事が少ない」という状況を回避できるでしょう。
また、「子育て中はパートで働きたい」「夜勤のみで効率的に働きたい」といった希望がある場合も、選択肢が多いほうが希望の職場を見つけやすいはずです。
未経験から目指すなら介護士と保育士どちらがいい?
高卒以上で未経験から介護士や保育士を目指す場合、「養成学校ルート」と「実務経験ルート」のどちらがいいか考えましょう。まずは、「最短でダブルライセンスを目指したい」「すぐに就職したい」など、自分の希望を洗い出してみてください。
最短でダブルライセンスを目指すなら保育士
最短でダブルライセンスを目指すなら、「保育士→介護福祉士」の順で養成施設へ通うのが良いでしょう。前述のように、保育士養成施設を卒業している場合、通常2年の介護福祉士養成課程の履修を1年に短縮できるので、最短3年でダブルライセンスを目指せます(保育士養成施設の履修課程2年を含む)。
一方で、「介護福祉士→保育士」の順番で養成施設に通う場合、履修課程の免除がなく、最短でもダブルライセンスには4年かかるので気をつけてくださいね。
働きながら少しずつ資格取得を目指すなら介護士
「急に国家資格を目指すのは無理かも…」と不安な方は、無資格から少しずつステップアップしやすい介護士からスタートするのが向いている可能性があります。
介護士は無資格者や未経験者を歓迎する求人が多く、比較的早く就業を目指せます。さらに、働きながら「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」というように段階を踏んで資格取得を目指しやすいのがポイントです。
保育関連の求人にも、無資格から働ける「保育補助」がありますが、介護士のように段階的にスキルアップを目指せる資格制度はありません。介護士の実務経験は、介護福祉士国家試験の受験資格の一つなので、働きながらスムーズに国家資格を目指せます。
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介護士と保育士どちらがいいかに関する質問
ここでは、介護士と保育士どちらがいいか迷っている人がよく抱く疑問に回答します。キャリアプランにお悩みの方は、チェックしてみてください。
介護士と保育士はどちらが大変なの?
介護士と保育士どちらが大変なのか、一概に判断することは難しいでしょう。介護士は、身体介護による体力的な負担や夜勤業務を大変に感じる場合があるようです。一方で、保育士は子どもたちの安全を確保する責任や、保護者の対応などに大変さを感じる傾向があります。
どのような仕事にも大変さはあるので、キャリアプランを考えたり仕事内容を確認したりして、自分に合った職業を選ぶことが大切です。介護福祉士と保育士の仕事の違いは、「介護福祉士と保育士の仕事内容の違い」で解説しています。
介護士と保育士の処遇改善手当とは?
処遇改善加算は、職員のスキルや経験に応じた賃金改善を行ったり、職場環境を改善したりするための制度です。加算を取得する事業所では、職員に処遇改善手当が支給されます。
これまでは、保育士と介護士いずれの処遇改善加算にも、手続きの煩雑さなどの課題があり、取得していない事業所もありました。そのため、より多くの職員が賃金アップの効果を受けられるよう、処遇改善加算の一本化など、制度の見直し・改善が行われています。
出典
こども家庭庁「第8回 子ども・子育て支援等分科会」(2026年2月19日)
厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」(2026年2月19日)
保育士と介護福祉士を両方取得するメリットは?
保育と介護の資格を両方取得することによって、転職先や働き方の選択肢が広がるのが、最大のメリットです。
保育士と介護福祉士の養成課程における履修内容には多くの共通点があるため、条件を満たせば一部の試験科目の免除が適用されます。また、保育士養成施設を卒業した方が介護福祉士の資格取得を目指す場合、通常2年かかる養成施設での履修が1年に短縮されるなど、学習期間や費用の面でも有利に働くことがあるでしょう。
詳しくは「介護福祉士と保育士のダブルライセンスのメリット」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
「介護士と保育士どちらがいい?」と悩んでいるときは、自分自身の考え方や今の状況に合わせて、どちらがいいかゆっくり考えてみましょう。介護士も保育士もこれからの日本を支えるのになくてはならない存在です。AIに代替可能な仕事内容ではないため、どちらを選択したとしても長期的に活躍していけるはずですよ。
ただ、「今すぐ働きたい」「養成学校には通わず段階的にスキルを身につけたい」「無資格・未経験から働きやすい職場を選びたい」という人には、介護士が向いている可能性があります。
介護士の仕事には、無資格・未経験から携われる業務も少なくありません。働きながら「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」などの介護資格を取得すれば、資格手当による収入アップも狙えるでしょう。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


