
この記事のまとめ
- 同行援護従業者養成研修は、視覚障がいがある方に対する移動支援を学ぶ資格
- 同行援護従業者養成研修の一般課程は、受験要件がないので誰でも受講できる
- 同行援護従業者養成研修を取得するメリットは、仕事の幅が広がることなど
「同行援護従業者養成研修がどんな資格なのか知りたい!」という方もいるのではないでしょうか。同行援護従業者養成研修とは、視覚障がいのある方の移動支援に必要な資格で、特に障害福祉の仕事に活かせます。この記事では、同行援護従業者養成研修の概要を、一般課程と応用課程に分けて解説。取得するメリットや活躍できる職場も紹介するので、障がいのある方の支援に興味がある方は参考にしてみてください。
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同行援護従業者養成研修とは?
同行援護従業者養成研修とは、視覚障がいがあり1人での移動が難しい方の外出をサポートする「同行援護」に従事する際に必要な資格です。「一般課程」と「応用課程」の2段階に分かれています。
詳しくは後述しますが、「一般課程」は視覚障がいがある方の支援に関する基礎知識の習得が目的の資格です。同行援護従業者養成研修の一般課程を修了することで、同行援護サービスを提供できるようになります。
そのほか、「居宅介護職員初任者研修等の修了+直接処遇経験1年以上」という要件を満たすことでも、同行援護に従事が可能です。
同行援護従業者養成研修の応用課程は、同行援護のサービス提供責任者として働くために求められる資格の一つ。「同行援護従業者養成研修の一般課程と応用課程の修了」に加え、「介護福祉士実務者研修や介護福祉士の資格取得」などの要件を満たせば、同行援護のサービス提供責任者として働けます。
出典
厚生労働省「第36回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料」(2026年2月3日日)
こども家庭庁「社会保障審議会障害者部会(第142回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第7回)合同会議」(2026年2月3日)
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同行援護従業者養成研修一般課程
同行援護従業者養成研修の一般課程では、視覚障がいがある方に関する基礎知識を習得したり、移動支援の技術を身につけたりします。試験の実施義務はないため、基本的にカリキュラムを修了すれば同行援護従業者として従事可能です。
受講要件
一般課程に受講要件はありません。実務経験がなくても受講できるため、障がい者支援に関する資格を初めて取得する方にもおすすめの資格です。
カリキュラム
同行援護従業者養成研修の一般課程は合計28時間で、講義と演習があります。
こども家庭庁の「同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について(p.1)」によると、具体的なカリキュラムは下記のとおりです。
| 科目 | 基本時間数 | 区分 |
| 外出保障 | 1時間 | 講義 |
| 視覚障害者の理解と疾病1 | 1時間 | 講義 |
| 視覚障害者の理解と疾病2 | 0.5時間 | 講義 |
| 視覚障害者(児)の心理 | 1時間 | 講義 |
| 視覚障害者(児)福祉の制度とサービス | 1.5時間 | 講義 |
| 同行援護の制度 | 1時間 | 講義 |
| 同行援護従業者の実際と職業倫理 | 2.5時間 | 講義 |
| 情報提供 | 2時間 | 講義・演習 |
| 代筆・代読1 | 1時間 | 講義・演習 |
| 代筆・代読2 | 0.5時間 | 講義・演習 |
| 誘導の基本技術1 | 4時間 | 演習 |
| 誘導の基本技術2 | 3時間 | 演習 |
| 誘導の応用技術(場面別・街歩き)1 | 4時間 | 演習 |
| 誘導の応用技術(場面別・街歩き)2 | 1時間 | 演習 |
| 交通機関の利用 | 4時間 | 演習 |
| 合計 | 28時間 | ‐ |
参考:こども家庭庁「同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について(p.1)」
一般課程の講義では、視覚障がいがある方への理解を深め、同行援護従事者の役割や具体的な業務内容を学びます。演習は、実際に街を歩いたり交通機関を利用したりする実践的な内容です。誘導技術の習得や留意点の理解を目指すカリキュラムとなっています。
受講費用の相場
一般課程の受講料は、2万~5万円程度が相場です。受講先の資格スクールや自治体によって受講費用には幅があるので、事前に調べてみましょう。
取得に必要な期間
一般課程の日程は、3~4日程度で組まれる場合が多いようです。受講先によっては、土日のみの研修だったり、欠席した場合に振替講義を行っていたりすることもあります。
出典
こども家庭庁「社会保障審議会障害者部会(第142回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第7回)合同会議」(2026年2月3日)
同行援護従業者養成研修応用課程
同行援護従業者養成研修の応用課程では、サービス提供責任者の業務や利用者さんへの対応方法、他機関との連携などを学びます。一般課程と同じく、基本的に全カリキュラムを修了することで資格取得が可能です。
受講要件
応用課程を受講するには、基本的に同行援護従業者養成研修の一般課程を修了する必要があります。自治体やスクールによっては、視覚障がいのある方の支援に関するほかの資格を保有をしている方も、受講要件を満たせる場合があるようです。
なお、「同行援護に従事していること」や「サービス提供責任者として働く予定があること」を要件としている場合もあるので、受講先の情報をチェックしておきましょう。
カリキュラム
6時間の講義を受講することで、同行援護従業者養成研修の応用課程のカリキュラムを修了できます。
こども家庭庁の「同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について(p.1)」によると、科目と時間数は下記のとおりです。
| 科目 | 基本時間数 |
| サービス提供責任者の業務 | 1時間 |
| 様々な利用者への対応 | 1時間 |
| 個別支援計画と他機関との連携 | 1時間 |
| 業務上のリスクマネジメント | 1時間 |
| 従業者研修の実施 | 1時間 |
| 同行援護の実務上の留意点 | 1時間 |
| 合計 | 6時間 |
参考:こども家庭庁「同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について(p.1)」
同行援護従業者養成研修の応用課程では、同行援護事業所の体制や役割、サービス提供責任者の業務、リスクマネジメントなどを学びます。受講することで、同行援護サービスを管理するための知識を身につけられるでしょう。
受講費用の相場
同行援護従業者養成研修応用課程の受講料の相場は、5,000~1万5,000円程度です。一般課程に比べて受講時間が短い分、受講費用が安い傾向にあります。
取得に必要な期間
応用課程の修了に必要な日数は、1~2日程度です。スクールによって違いがあるので、全日参加できるか、必ず事前にチェックしましょう。
出典
こども家庭庁「社会保障審議会障害者部会(第142回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第7回)合同会議」(2026年2月3日)
同行援護従業者養成研修の申し込み方法
同行援護従業者養成研修の申し込みは、Webサイトから行える場合が多いようです。スクールによっては、申込書を自分でダウンロードして、FAXや郵送、メールなどで申し込む場合もあります。
盲ろう者向け通訳・介助員養成研修を修了している方は、同行援護従業者養成研修における一般課程のカリキュラムが一部免除される可能性があるので、確認したうえで申し込むと良いでしょう。
なお、同行援護従業者養成研修を実施するのは、自治体の指定を受けたスクールです。日程や会場をチェックし、無理なく通えるスクールを選択することで、資格取得を成功させられます。
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同行援護とは?
同行援護とは、視覚障がいがあって1人で外出するのが難しい利用者さんに同行し、必要な手助けを行うことです。利用者さんの歩行を介助したり、周囲の情報を口頭で伝えたりして移動を支援します。
同行援護のサービス内容
同行援護では、視覚障がいのある方の外出に必要な支援を行います。主なサービス内容は、以下の4つです。
- 移動介助
- 視覚的情報の提供や代読・代筆による移動の支援
- 外出時の排泄介助
- 外出時の食事介助
移動介助では、歩道や階段、混雑地など、街中を歩く際の危険を考慮したサポートを行います。公共交通機関を利用するときに時刻表を代読したり、お店で商品を予約するときに名前を代筆したりなど、外出に伴う支援もサービスの一環です。
また、外出先で食事を取る場合やトイレを利用する場合は、イスや手すりに案内するなど、不慣れな場所でも困らないよう利用者さんを介助します。
同行援護のサービス対象外の援助
同行援護のサービスは、通勤や通学など、通年かつ長期的な外出には利用できません。公的な福祉サービスなので、ギャンブルや飲酒を目的とした外出もサービス対象外です。
また、外出準備の援助などの自宅での介助も、基本的には同行援護では行えません。外出以外に介助が必要な利用者さんは、居宅介護などのサービスを併用することになります。
同行援護とほかの障がい者支援サービスの違い
障がいのある方の移動を支援するサービスとして、「行動援護」や「ガイドヘルプ」もあります。同行援護とほかのサービスの違いを、以下で確認してみましょう。
行動援護との違い
同行援護と行動援護の主な違いは、支援の対象者です。同行援護は視覚障がいのある方が対象なのに対し、行動援護は知的障がいのある方と精神障がいのある方を対象としています。
行動援護では、行動するうえで困難があり常時介護が必要な方に対し、危険を回避するための支援や外出時の介護を行います。詳しくは、「行動援護とは?移動支援と同行援護との違いや仕事内容を解説」をご参照ください。
ガイドヘルプサービスとの違い
同行援護は視覚障がいがある方の支援を指すのに対して、ガイドヘルプは障がいのある方の移動に関する支援全般を指します。つまり、同行援護や行動援護も、ガイドヘルプサービスの一つです。
障害福祉サービスとして全国で提供されるガイドヘルプサービスのほかに、市区町村が独自でガイドヘルプ(移動支援)のサービスを提供することもあります。
ガイドヘルプの仕事については「ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは?必要な資格や仕事内容を解説」の記事にまとめているので、参考にしてみてください。
出典
厚生労働省「障害福祉サービスについて」(2026年2月3日)
同行援護従業者養成研修を取得するメリット
同行援護従業者養成研修を取得すると、視覚障がいのある方の外出支援ができるようになるため、仕事の幅が広がります。視覚障がいや原因疾患に関する知識を学ぶことで、視覚障がいのある利用者さんの気持ちに寄り添えたり、適切な介助を行えたりするのもメリットです。
また、専門的な資格を取得することで、障害福祉サービス事業所への就職・転職に有利になる可能性があるので、障がいのある方の支援に興味がある方は受講を前向きに検討すると良いでしょう。
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同行援護従業者養成研修を活かせる職場
同行援護従業者養成研修を活かして働ける主な職場は、以下のとおりです。
- ガイドヘルパー事業所
- 障がい者支援施設
- 障がい者グループホーム
- 障害福祉サービス事業所
- 在宅介護サービスを行う事業所
居宅系のサービスを提供する事業所や入居型の施設など、同行援護のスキルを活かせる職場は多様です。職場によっては、同行援護だけではなく、その他の障害福祉サービスや介護保険サービスにも携わることがあります。
同行援護従業者養成研修で得られる知識は、加齢や疾患により視力が衰えている高齢者の介護にも活かせるでしょう。また、介護職員初任者研修や重度訪問介護従業者養成研修などを取得し、さらなる介護技術を習得すれば、同行援護従業者として活躍できる場が広がります。
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同行援護従業者養成研修についてよくある質問
ここでは、同行援護従業者養成研修についてよくある質問に回答します。研修の受講方法や、科目免除があるのかが気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
同行援護従業者養成研修はオンラインで受講できますか?
同行援護従業者養成研修の一般課程は講義と演習があり、スクールによっては講義をオンラインで受講ができる場合があります。演習はスクールへの通学が必須のため、オンラインのみですべてのカリキュラムを修了することはできません。とはいえ、カリキュラムの一部をオンラインで受講すれば通学日数を減らせるので、仕事で忙しい方も効率良く資格取得を目指せるでしょう。
同行援護従業者養成研修のカリキュラムが気になる方は、この記事の「同行援護従業者養成研修一般課程」「同行援護従業者養成研修応用課程」を参考にしてみてください。
同行援護従業者養成研修で科目免除になる条件は?
同行援護従業者養成研修(一般課程)の科目免除の条件は、「盲ろう者向け通訳・介助員養成研修」を修了していることです。自治体によっては、同等のほかの資格も免除の要件になっている場合があるので、確認しておきましょう。
ただし、科目免除を行わないスクールもあるため注意が必要です。また、応用課程に科目免除はありません。
まとめ
同行援護従業者養成研修とは、視覚障がいがあり1人で移動するのが難しい方を支援する「同行援護」に携わるための資格です。外出時に同行して援護するスキルや、視覚障がいに関する専門的な知識を学べます。
同行援護従業者養成研修は、一般課程と応用課程の2段階です。一般課程は同行援護の役割や技術を学ぶカリキュラムで、応用課程はサービス提供責任者に必要な知識を習得するカリキュラムとなっています。どちらも修了試験の実施義務はなく、基本的にすべてのカリキュラムを修了すれば資格を取得可能です。
同行援護従業者養成研修を取得すると、ガイドヘルパー事業所など、障害福祉サービスを提供する職場で幅広く活躍できます。そのほか、専門性が身についたり、転職に有利になったりするメリットもあるでしょう。障がい者支援の現場で働くことを検討している方は、取得を前向きに検討してみてくださいね。
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働きながら資格を取る方法教えます
執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


