
この記事のまとめ
- 介護福祉経営士とは、経営に必要な知識が身についていることを証明する資格
- 介護福祉経営士を取得すると、介護職員のリードやキャリアアップに役立つ
- 介護福祉経営士を取得するには、試験への合格や実践研修の修了などが必要
「介護福祉経営士ってどんな資格?」と疑問に思う方もいるでしょう。介護福祉経営士とは、介護事業所の経営について学んだり、マネジメント能力を育成したりするための資格です。この記事では、介護福祉経営士を取得する3つのメリットや介護福祉経営士資格の試験概要を解説します。介護事業所で施設長や管理職として活躍したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
介護福祉経営士とは?
介護福祉経営士とは、介護事業所の経営やマネジメントができる人材を育成するために、設立された資格です。「一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会」が認定を行っています。資格取得後は、3年ごとに更新が必要です。
介護福祉経営士には、介護福祉に関する法律や財務管理、人材育成、リスクマネジメント、コンプライアンスなど幅広い知識が求められます。2級と1級に分かれており、1級を取得するには、より高度な知識が必要です。
介護福祉経営士2級
介護福祉経営士2級を取得すると、介護福祉経営の基礎知識を習得できます。認定試験に合格することで、資格を取得可能です。
介護福祉経営士2級を更新するには、更新手数料11,000円(2024年7月時点)と年会費を納付し、正会員更新申請書と顔写真を提出する必要があります。また、協会推薦図書の精読も求められるようです。
介護福祉経営士1級
介護福祉経営士1級では、介護福祉経営の実践力を習得します。1級は専門性が高い分、資格を活かせる場も多いでしょう。
介護福祉経営士1級の更新には、2級同様、更新手数料11,000円と年会費の納付、正会員更新申請書・顔写真の提出が必要です。これに加え、「介護福祉経営士実践研修の受講」もしくは、「協会推薦図書の章を一つ選び、1,000~2,000字程度の論述を提出」しなければなりません。
「介護施設で管理職になるには何が必要?仕事内容や平均年収をご紹介」の記事では、管理職に求められるスキルや知識を解説しているので、「介護福祉経営士を取得して、管理職になりたい」と考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
出典
一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会「資格認定の手続き」(2024年7月26日)
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介護福祉経営士を取得する3つのメリット
下記では、介護福祉経営士の資格を取得する3つのメリットを紹介します。介護福祉経営士に興味がある方は、ぜひご一読ください。
1.経営マネジメントや人材育成に係る知識が身につく
介護福祉経営士の資格を取得すると、経営マネジメントや人材育成の知識を身につけられます。介護事業所の管理者や施設長は、職員が働きやすい環境や、キャリアアップ制度を整えることが必要です。また、コスト削減、資金計画の策定、助成金・補助金、介護福祉関連の法律などに対する理解も求められます。
介護福祉経営士の資格を取得すると、施設の経営ノウハウや人材育成について学べるので、介護福祉分野における経営のスペシャリストになれるでしょう。
2.身につけた知識で介護職員をリードできる
介護福祉経営士は、介護職員をリードできます。資格取得で身につけた人材育成の知識により、施設の職員全体の知識やスキルを底上げできるでしょう。施設全体の介護サービスの質が高まれば、利用者さんにより満足してもらえます。
3.キャリアアップや転職に活かせる
介護福祉経営士の資格を取得すると、キャリアアップや転職に活かせます。介護福祉経営士の資格取得で学ぶ経営ノウハウやマネジメント、人材育成の知識は、管理者や施設長に求められる知識です。介護福祉経営士を取得すると、施設の管理に必要な知識が身についていることを証明できるので、キャリアアップや転職に有利になるでしょう。
将来的な独立・開業にも活かせる
施設経営のノウハウが学べる介護福祉経営士を取得すると、独立や開業にも活かせます。そのため、「経験を積んで、将来的には独立がしたい」と考えている方にもおすすめの資格です。
また、独立や開業を目指している方は、「認定介護福祉士」の資格取得も目指してみると良いかもしれません。認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位資格です。介護福祉経営士と同様に、人材育成やマネジメントの知識を身につけられます。「認定介護福祉士のメリットとは?取得にかかる費用やカリキュラムも解説」の記事では、認定介護福祉士について解説しているので、ぜひご一読ください。
介護福祉経営士1級までの資格認定の流れ
ここでは、介護福祉経営士1級を取得するまでの流れを解説するので、ぜひ参考にしてください。
| 1.介護福祉経営士2級資格認定試験を受験 |
| 2.介護福祉経営士2級資格認定試験に合格 |
| 3.登録審査の通過 |
| 4.日本介護福祉経営人材教育協会「介護福祉経営士2級」取得 |
| 5.介護福祉経営士1級資格認定試験を受験 |
| 6.介護福祉経営士1級資格認定試験に合格 |
| 7.介護福祉経営士実践研修を修了 |
| 8.変更登録審査の通過 |
| 9.日本介護福祉経営人材教育協会「介護福祉経営士1級」取得 |
参考:一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会「資格認定の流れ」
介護福祉経営士1級を取得するには、2級を先に取得する必要があります。
試験合格だけでなく実践研修の修了や登録審査が必要
介護福祉経営士2級・1級は、試験合格後の登録審査に通過しなければ取得できません。2級から1級に変更する際は、事後課題と等級変更申請書、顔写真の提出が必要です。等級変更手数料は、2,600円です(2024年7月時点)。
なお、介護福祉経営士1級になるには、筆記試験に合格のうえ、実践研修を修了する必要があります。試験に受かっただけでは、介護福祉経営士1級にはなれないので、上記の流れを覚えておきましょう。
介護福祉経営士の概要
以下では、介護福祉経営士の受験資格や試験方式、試験科目などについて解説します。
受験資格
介護福祉経営士2級の取得には、年齢や学歴、国籍の制約がありません。ただし、「成年被後見人および被保佐人でないこと」という条件があります。
介護福祉経営士1級の受験資格は、介護福祉経営士2級(正会員)であることです。2級と同様、「成年被後見人および被保佐人でないこと」も条件となっています。
試験方式
介護福祉経営士資格認定試験は、CBT方式です。CBT方式とは、Computer Based Testingの略称で、コンピュータを利用して試験を受ける方法のこと。試験を受けたその場で、合否が出ます。
介護福祉経営士2級の試験科目
介護福祉経営士2級資格認定試験は、「介護福祉経営学基礎I」と「介護福祉経営基礎II」の2科目から出題される、40問・60分の試験です。
介護福祉経営学基礎I
介護福祉経営学基礎Iの詳細は、以下のとおりです。
- 介護福祉政策概論
- 介護福祉経営史
- 介護福祉関連法規
- 介護福祉の仕組み
- 高齢者介護と介護技術の進歩
- 介護福祉倫理学
介護福祉経営学基礎Iは、介護福祉に関する制度について学ぶ科目です。
介護福祉経営基礎II
介護福祉経営学基礎IIの詳細は、以下のとおりです。
- 医療を知る
- 介護報酬制度/介護報酬請求事務
- 介護福祉産業論
- 多様化する介護福祉サービス
医療や介護報酬請求についてなどの知識を身につけるのが、介護福祉経営基礎IIです。
出典
一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会「認定区分」(2024年7月26日)
介護福祉経営士1級の試験科目
介護福祉経営士1級は、「介護福祉経営学実践I」「介護福祉経営実践II」「総合問題」の3科目から出題される、50問・80分の試験です。
介護福祉経営学実践I
介護福祉経営学実践Iの詳細は、以下のとおりです。
- 介護福祉経営概論
- 介護福祉コミュニケーション
- 事務管理/人事、労務管理
- 介護福祉財務会計
人事、労務管理など、経営に求められるスキルを磨く科目が、介護福祉経営学実践Iです。
介護福祉経営実践II
介護福祉経営実践IIの詳細は、以下のとおりです。
- 組織構築、運営
- 介護福祉マーケティングと経営戦略
- 介護福祉ITシステム
- リハビリテーション、マネジメント
- 医療、介護福祉連携とチーム介護
- リーダーシップとメンバーシップ、モチベーション
介護福祉経営実践IIでは、組織の運営やマネジメントなどについて学習します。
また、総合問題としては、「社会保障に関する時事問題等」が出題されるようです。
出典
一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会「認定区分」(2024年7月26日)
試験スケジュール
介護福祉経営士資格認定試験は、会場受験とリモート受験から選択し、好きな日に試験を受けられます(年末年始を除く)。そのため、自身のスケジュールに合わせて日程を選択可能。3ヶ月先までの受験日を設定できます。
出典
総合試験運営サービスJ-Testing「介護福祉経営士資格認定試験」(2024年7月26日)
受験料
介護福祉経営士資格認定試験の受験料は、2級が9,000円。1級が10,400円です(2024年7月時点)。
合格率・難易度
選択式の試験問題なので、試験の難易度はそれほど高くないと考えられます。1級は2級より難しくなりますが、しっかり勉強して試験に臨めば、合格を目指せるでしょう。合否基準は、得点率60%以上です。不安な方は、試験対策講座を受けたり、出題例を事前に確認したりしておくと良いでしょう。
出典
総合試験運営サービスJ-Testing「介護福祉経営士資格認定試験」(2024年7月26日)
介護福祉経営士を取得すれば年収はアップする?
一般的に、介護福祉経営士の資格を取得しただけでは年収アップにつながりませんが、施設によっては資格手当がつくこともあります。
資格を活かして管理職に就ければ、年収アップの可能性も十分にあるでしょう。年収アップを目指す方は、介護福祉経営士の資格を取得するだけではなく、役職に就けるよう経験を積むことが大切です。
施設長と介護職員の平均給与
ここでは、施設長と介護職員の平均給与を解説します。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.136)」によると、介護事業所の管理職と管理職ではない介護職員(月給・常勤)の平均給与は、以下のとおりです。
| 事業所の種類 | 管理職の平均給与 | 管理職以外の平均給与 |
| 介護老人福祉施設(特養) | 427,140円 | 341,540円 |
| 介護老人保健施設(老健) | 402,080円 | 331,790円 |
| 介護医療院 | 384,510円 | 316,730円 |
| 訪問介護事業所 | 339,290円 | 282,130円 |
| 通所介護事業所(デイサービス) | 338,690円 | 269,010円 |
| 通所リハビリテーション事業所(デイケア) | 384,160円 | 295,390円 |
| 特定施設入居者生活介護事業所 | 389,550円 | 307,130円 |
| 小規模多機能型居宅介護事業所 | 354,090円 | 281,090円 |
| 認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 365,600円 | 283,680円 |
参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.136)」
管理職の給与は、管理職ではない介護職員の給与よりも高水準です。管理職と一口にいっても、施設形態によって平均給与は異なるので、求人を比較して就職先を選ぶと良いでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年7月26日)
介護福祉経営士についてよくある質問
ここでは、介護福祉経営士についてよくある質問に回答します。介護福祉経営士の資格取得を考えている方は、ぜひご一読ください。
介護福祉経営士資格の受験資格にはどんなものがあるの?
介護福祉経営士資格認定試験2級の受験資格は、「成年被後見人および被保佐人でないこと」。1級の受験資格は、「介護福祉経営士2級の取得」です。この記事の「介護福祉経営士の概要」では、介護福祉経営士の受験資格や試験方式、試験科目について解説しているので、あわせてご覧ください。
介護福祉経営士資格の合格率はどれくらいなの?
一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会の「介護福祉経営士1級22人、2級49人合格」によると、2017年の介護福祉経営士資格認定試験の合格率は、1級が66.7%、2級が62%でした。専門的な知識を問われる試験なので、公式テキストで出題範囲を勉強してから臨むと良いでしょう。
出典
一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会「プレスリリース」(2024年7月26日)
まとめ
介護福祉経営士とは、介護業界における経営力やマネジメント能力を保証する資格です。取得するためには、介護福祉関係の法律や人材育成、コンプライアンスなどの幅広い知識が求められます。
介護福祉経営士を取得すると、経営マネジメントや人材育成の知識が身についたり、介護職員をリードできたりします。ほかにも、キャリアアップや転職に活かせるというメリットもあるでしょう。そのため、独立や開業を目指している方にもおすすめの資格です。
介護福祉経営士を取得するには、認定試験に合格し、登録審査に通過する必要があります。また、1級を取得するには、試験合格後に実践研修を修了しなければなりません。試験問題は選択式で、難易度はそれほど高くはないと考えられるので、しっかりと準備をしておけば合格を目指せるでしょう。
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執筆者

「レバウェル介護」編集部
お役立ち情報制作チーム
介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点


