行動援護従業者養成研修とは?受講要件やカリキュラム、メリットなどを解説

介護の資格 2026年2月25日
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この記事のまとめ

「行動援護従業者養成研修ってどんな資格なの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。行動援護従業者養成研修とは、行動障がいのある方の外出を支援するための資格です。この記事では、行動援護従業者養成研修の概要や、行動援護の仕事について解説します。研修の申し込み方法や取得するメリット、活かせる職場もまとめました。行動援護の仕事に興味がある方は、ぜひご一読ください。

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目次

行動援護従業者養成研修とは?

行動援護従業者養成研修とは、行動援護に従事するために必要な資格です。知的障がいまたは精神障がいがあり、行動するうえでの困難やリスクを抱える方に対し、適切な支援を行うための知識や援護技術を学べます。

厚生労働省の「行動援護に係る報酬・基準について≪論点等≫(p.1)」によると、行動援護従業者として働くには、「行動援護従業者養成研修」もしくは「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」の修了と、知的障がいや精神障がいがある方の支援に直接従事した実務経験が1年以上あることが必要です

また、行動援護のサービス提供責任者になるには、「行動援護従業者養成研修」もしくは「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」の修了と、3年以上の実務経験が求められます。

なお、2021年3月31日時点で「介護福祉士」もしくは「実務者研修」などの資格と実務経験がある方は、経過措置として「行動援護従業者養成研修」を修了していなくてもサービス提供責任者に従事できます。
ただし、厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(p.26)」によると、2027年3月31日にサービス提供責任者の要件に関する経過措置が終了する予定のため、継続して業務にあたるには「行動援護従業者養成研修の修了」が必要です。該当する方は、期限直前に慌てないよう、早めに受講しておきましょう。

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行動援護従業者養成研修の概要

ここでは、行動援護従業者養成研修の概要を解説します。資格要件やカリキュラム、取得費用などをまとめたので、受講を検討している方は参考にしてみてください。

受講要件

行動援護従業者養成研修には、受講要件がありません。そのため、資格や実務経験がなくても受講可能です。年齢制限もないため、学生からシニアの方まで幅広い世代の方が挑戦できます。

ただし、研修機関によっては「該当する自治体の事業所に勤務しているもしくは、在住していること」などの条件が設けられていることも。受講を検討する際は、各スクールの募集要項を事前に確認しておくと安心です。

研修のカリキュラム

行動援護従業者養成研修のカリキュラムは、10時間の講義と14時間の演習で構成されています。基本的に修了試験はないため、カリキュラムをすべて履修すると、行動援護従業者養成研修を取得可能です。

スクールによっては、重度訪問介護従業者養成研修(行動障害支援課程)修了者もしくは、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者は、講義や演習の一部が免除になる可能性があります。これらの研修を修了している場合は、受講するスクールの科目免除を調べておくと良いでしょう。

以下では、千葉県の「千葉県「行動援護従業者養成研修」実施要綱:行動援護従業者養成研修カリキュラム」を参考に、具体的な科目を紹介します。

【講義の内容】

以下は、行動援護従業者養成研修の講義のカリキュラムです。

科目時間数
強度行動障害がある者の基本的理解に関する講義1時間30分
強度行動障害に関する制度及び支援技術の基礎的な知識5時間
強度行動障害のある者へのチーム支援3時間
強度行動障害と生活の組み立て30分
合計10時間

参考:千葉県「千葉県「行動援護従業者養成研修」実施要綱:行動援護従業者養成研修カリキュラム

この研修の講義の目的は、行動援護の基本や制度の理解を深めることや、適切なサポートを提供するために必要な基礎的スキルの習得です。たとえば「強度行動障害がある者の基本的理解」では、行動障がいの定義や、知的障がい精神障がいに関する基本的な知識を学びます。

講義で一番多くの時間を割く「強度行動障害に関する制度及び支援技術の基礎的な知識」は、制度や支援の枠組み、アセスメント票や支援手順書に対する理解を深める科目です。「強度行動障害のある者へのチーム支援」では、行動障がいのある方をチームや地域で支援する重要性を学びます。

【演習の内容】

以下は、行動援護従業者養成研修の演習のカリキュラムです。

科目時間数
基本的な情報収集と記録等の共有1時間
行動障害がある者の固有のコミュニケーションの理解3時間
行動障害の背景にある特性の理解1時間30分
障害特性の理解とアセスメント3時間
環境調整による強度行動障害の支援3時間
記録に基づく支援の評価1時間30分
危機対応と虐待防止1時間
合計14時間

参考:千葉県「千葉県「行動援護従業者養成研修」実施要綱:行動援護従業者養成研修カリキュラム

演習では、現場での対応力を養うために、実際の援護を想定した実践的な学習を中心に行います。行動障がいがある方とのコミュニケーション方法やアセスメント、危機対応の方法など、行動支援の技術を身につけられるでしょう

受講費用の相場

行動援護従業者養成研修の受講料は、1~5万円程度が相場です。資格スクールによって受講費用には幅があるため、事前に調べておきましょう。カリキュラムは厚生労働省の基準に沿って構成されるため、受講費用の差によって学習内容が大きく変わることはありません。

なお、職場によっては、資格取得の費用を補助してもらえる可能性があります。介護や福祉の仕事に携わっている方は、勤務先の資格取得支援制度の有無や対象資格などを確認してみると良いでしょう。

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取得に必要な期間

行動援護従業者養成研修は、3~5日程度で取得可能です。土日祝日の講座コースがあったり、欠席した場合の振替に対応していたりするスクールもあるので、自分に合った講座を選びましょう。

申し込み方法

行動援護従業者養成研修は、Webサイトや電話、郵送などで受講を申請します。申込書は、Webサイトからダウンロードするほか、資料請求をすることでも入手可能です。申込書を入手したら、必要事項を記入して手続きを行いましょう。

受講先については、インターネットで「行動援護従業者養成研修 都道府県」で検索すると、候補が見つかります。受講日程や費用、手続き方法などをご確認のうえ、無理なく全日参加できる講座を選んでみてください。

なお、科目免除を希望する場合、修了証明書の写しが求められるので、受講先の指示に従って提出しましょう。

行動援護とは?

行動援護とは、知的障がいもしくは精神障がいがあり、行動に困難や危険が伴う方が利用できる支援です。主に、外出の介助や身の回りのお世話、利用者さん本人や周囲の人の危険を回避するための支援などを行います。

行動援護は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。障がいのある方が社会や地域から孤立せず、基本的人権が尊重された生活を送れるよう、専門的な立場からサポートします。

行動援護の対象者

行動援護の対象者は、「障害支援区分3以上」「障害支援区分の認定調査項目のうち、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上」という2つの条件を満たす方です。また、同等の支援が必要と判断されれば、障がいのある子どもも利用できる場合があります。

行動関連項目は、「コミュニケーション」「大声・奇声を出す」「他人を傷つける行為」などに関する支援の必要性についての基準で、0点、1点、2点の3段階で評価する仕組みです。

行動援護のサービス内容

行動援護従業者が提供する主なサービスは、以下のとおりです。

  • 外出先での移動介助
  • 行動に伴う危険を回避するための援護
  • 初めての場所での混乱を防ぐ予防的対応
  • 問題行動があったときに適切に対応する制御的対応
  • 外出に伴う排泄介助や食事介助などの身体介護

行動援護では、利用者さんが安全に外出できるよう、移動に伴う介助を行います。外出中は、利用者さんが苦手とする音やシチュエーションに遭遇して不安を感じないよう、状況の説明や移動ルートの選択をする「予防的対応」を実施。もしも、利用者さんに行動障がいが見られた場合は、適切に対処する「制御的対応」を取ります。

行動援護のサービス対象外の援助

行動援護は、通勤や通学など、通年かつ長期的な外出を目的とした利用はできません。ギャンブルや飲酒など、障害福祉サービスで対応するのに適さない目的の外出も、サービス対象外です。

なお、1日に利用できる行動援護の回数や、1回の利用時間には制限があります。移動支援の併用の可否やサービス範囲などは、自治体ごとに異なるので、事前の確認が必要です。

行動援護従業者養成研修と強度行動障害支援者養成研修の違い

「行動援護従業者養成研修」と「強度行動障害支援者養成研修」は、受講の目的やカリキュラムの構成が異なります。前述のとおり、行動援護従業者養成研修は、行動援護に携わるための資格です。講義と演習による合計24時間のカリキュラムで、専門的なスキルを習得できます。

一方、強度行動障害支援者養成研修は、強度行動障がいのある方の支援に携わる方が、必要な知識を身につけるための資格です

東京都福祉局の「強度行動障害支援者養成研修事業の実施について(運営要領)」によると、強度行動障害支援者養成研修は基礎研修と実践研修の2段階。実践研修を受講するには、基礎研修の修了が求められます。
基礎研修の学習内容は、行動障がいに関する基本的な知識や支援技術です。実践研修では、アセスメントや支援手順書の作成について学びます。基礎研修と実践研修を合わせた時間数は24時間です。

なお、「行動援護従業者養成研修」と「強度行動障害支援者養成研修」の標準カリキュラムは共通。強度行動障害支援者養成研修の基礎研修と実践研修を修了すれば、行動援護従業者養成研修を取得した場合と同じ扱いになります
どちらを取得すべきか迷う場合は、資格取得の目的やスケジュールなどを考えて選ぶと良いでしょう。

強度行動障害支援者養成研修について知りたい方は、「強度行動障害支援者養成研修とは?資格の概要や取り方、メリットを解説」の記事も参考にしてみてください。

行動援護従業者養成研修を活かせる職場

行動援護従業者養成研修を取得すると、居宅系の障害福祉サービス事業所のほか、以下のような職場でも活躍できます。

  • 障害者支援施設
  • 障害者グループホーム
  • 障害者福祉サービス事業所
  • 放課後等デイサービス

行動援護従業者養成研修の資格は、障がい者施設の仕事などに活かせます。障がいのある方が何に不安を抱えているのか、どのような支援が必要なのかを理解していれば、気持ちに寄り添ったケアができるでしょう。

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行動援護従業者養成研修を取得するメリット

行動援護従業者養成研修を取得するメリットは、障がい者支援を提供する職場で広く活躍できることです

厚生労働省の「障害福祉サービス等の最近の動向について(p.2~p.3)」によると、障害福祉サービスの利用人数や事業所数は増加傾向にあります。
これに伴い、知的障がいや精神障がいがある方に対する支援のニーズも高まっているため、行動援護従業者養成研修を修了していれば、多くの職場から即戦力として期待されるでしょう。

行動援護従業者養成研修についてよくある質問

ここでは、行動援護従業者養成研修についてよくある質問に回答します。受講方法や行動援護のサービスについてを知りたい方は、確認してみてください。

行動援護従業者養成研修はオンラインで受講できますか?

スクールによっては、行動援護従業者養成研修を完全にオンラインで受講できる場合があります。講義は動画視聴で進め、演習についてはZoomなどのWeb会議システムを活用することで、自宅にいながらすべてのカリキュラムを修了することが可能です。
完全オンラインのほかにも、通学とオンラインを組み合わせた講座もあります。いずれの講座を選んでも取得条件が変わることはないので、自分に合った講座を選択してみてください。

行動援護と同行援護の違いは?

行動援護と同行援護の大きな違いは、支援内容や対象者です。行動援護では、知的障がいやある方や精神障がいがある方を対象に、外出時の移動介助や危険回避の支援を行います。一方の同行援護は、視覚障がいがある方を対象としており、外出時の視覚的な情報の提供や移動介助、代筆などを行うサービスです。
同行援護については「同行援護とは?対象者や行動援護との違いを解説」、行動援護については「行動援護とは?移動支援と同行援護との違いや仕事内容を解説」の記事で解説しているので参考にしてみてください。

行動援護従業者とガイドヘルパーの違いは?

行動援護従業者とガイドヘルパーの違いは、担当する支援の範囲です。ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは、障がいがあり1人で外出するのが難しい方を対象に、外出に必要な支援を行う職種全般を指します。行動障がいのある方の外出に関する支援をする「行動援護従業者」は、ガイドヘルパーの分類の一つです。
ガイドヘルパーの詳細は、「ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは?必要な資格や仕事内容を解説」の記事にまとめているので、気になる方はぜひご覧ください。

まとめ

行動援護従業者養成研修とは、知的障がいや精神障がいがあり、1人で行動するのが難しい利用者さんを支援するための資格です。障がいに関する専門的な知識や援助技術を学べます。

行動援護の仕事をするには、行動援護従業者養成研修を修了する以外にも、実務経験を積まなければなりません。行動援護サービスとして外出介助を行うだけではなく、行動障がいを防いだり適切に対処したりするのも、行動援護従業者の役割です。

行動援護従業者養成研修は、10時間の講義と14時間の演習から構成されます。一般的に修了試験はないので、すべてのカリキュラムを履修することで取得可能です。障がいのある方の支援に活かせる資格なので、興味がある方は取得を検討してみましょう。

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執筆者

  • 「レバウェル介護」編集部

    お役立ち情報制作チーム

介護職専門の転職支援サービス「レバウェル介護」が運営するメディア。現役の介護職とこれから介護職を目指す方に寄り添い、仕事や転職の悩み・疑問を解決する記事を制作している。これまでに公開した記事は1400記事(※)以上。制作チームには介護福祉士ライターも在籍し、経験をもとにリアルな情報をお届け。資格や介護技術など、スキルアップにつながる情報も発信中!(※)2023年10月時点

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※この記事の掲載情報は2026年2月25日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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