
この記事のまとめ
- 「介護職はクズばかり」と言う人が一部にいる理由は、偏見を持っているから
- 介護業界では、働きやすい職場環境の整備が進められている
- 介護職の仕事の魅力は、利用者さんやご家族から感謝の言葉をもらえること
「介護職はクズばかりだ」と思っている人もいるかもしれませんが、それは偏見です。介護職の多くは、高齢者の生活や最期の時間を良いものにするために、日々努力をしています。では、なぜ「介護職はクズばかり」と言われてしまうのでしょうか?この記事では、介護職がクズばかりだと言われることがある理由や介護業界の実態について解説します。介護の仕事の魅力についても紹介しているので、ぜひご一読ください。
目次
「介護職はクズばかり」と言う人がいる理由は?
介護職は社会の役に立つ立派な職業なのにもかかわらず、「介護職はクズばかり」と言う人がいるのはなぜなのでしょうか?介護業界への偏見や誤解がある人のなかには、介護職に対して失礼なことを言う人もいるようです。
介護業界は転職のハードルが低いから
介護職の採用では、学歴や職歴より人柄を重視する傾向にあり、さまざまな経歴の方が求人に応募可能です。介護業界の人手不足は深刻で、資格や経験がない方も比較的就職・転職しやすいので、「介護職は誰でも受かる」という勘違いが生まれることがあるのでしょう。
しかし実際は、介護事業所が適性を見てから採用するので、誰でも受かるわけではありません。介護業界は、転職のハードルが低いイメージから「変な人が多いのでは?」という懸念を抱かれる場合があるようです。
労働環境や給料への悪いイメージが残っているから
「体力を消耗する肉体労働」「夜勤を含む長時間勤務」「離職率が高い」「給料が低い」など、昔のイメージが残っていて、介護業界にネガティブな印象を抱く人もいるようです。しかし、介護職の待遇は年々改善されており、働きやすい環境の職場も多くあります。
介護業界の現状を知らないまま、マイナスなイメージに引っ張られて、働く人に対してネガティブな言葉を掛ける人がいるのかもしれません。
問題のある介護施設が報道されやすいから
介護関連のニュースで大々的に報道されやすいのは、職員による暴力・暴言などの虐待事件です。利用者さんに対して虐待を行うような人はごく一部でしかないのにもかかわらず、悪いニュースばかりが拡散され、「介護業界は変な人が多い」という誤った認識が広まってしまうことも考えられます。
本来、メディアは介護業界の良い部分も等しく伝えるべきですが、ポジティブなニュースを発信したとしても、悪い報道の方が世間の注目を集めてしまうのかもしれません。
介護業界と他業界の常識にギャップがあるから
介護業界でずっと働いてきた人は、ほかの業界のことを知りません。介護職が当たり前だと思っていることが、異業種の人から見るとそうではないケースもあります。介護業界のなかには、ビジネスマナーよりも介護サービスのノウハウを優先して教育する職場もあるので、異業種から転職すると、「介護職は常識がない」と感じることがあるのかもしれません。
とはいえ、「常識がない」と思われる場合があるのは、介護職個人ではなく、運営や風土の問題です。介護業界には一般企業も参入しているので、ほかの事業も運営している勤務先を選べば、ビジネスマナーといった教育も充実している可能性が高いでしょう。
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「介護職はクズばかり」ではない!介護の仕事の実態
一昔前の介護業界には悪いイメージもあったかもしれませんが、今では改善されている部分が多くあります。「介護職として働いていけるか不安…」と感じている方は、以下で現在の職場環境や労働条件をチェックしてみてください。
介護職員は真面目で責任感が強い
レバウェル株式会社の「きらケア介護白書2022(p.5)」では、介護職に自分自身の性格をアンケートしました。

介護職には、真面目な方や責任感が強い方が多いと分かります。実際、介護の現場では、転倒事故などがないよう責任感や緊張感をもって高齢者と関わることが重要です。介護職は、1人ひとりの利用者さんが自分らしく生活できるよう個別ケアを実施することもあり、プロ意識をもって仕事をしている人が多いでしょう。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2023年11月30日)
介護職の給料や待遇は改善されてきている
介護職に対して、「離職率が高い仕事だ」「待遇が悪い」というイメージをもっている人もいるかもしれませんが、介護業界の職場環境は改善されてきています。
介護職の離職率は高くない
介護職は離職率が高いと誤解されていることがあります。しかし、公益財団法人介護労働安定センターの「令和4年度介護労働実態調査:事業所における介護労働実態調査結果報告書 (p.39)」によると、介護職の2022年度の離職率は14.4%でした。
厚生労働省の「産業別の入職と離職」によると、2022年の全産業の離職率は15.0%なので、介護職の離職率は平均的で、決して高いとはいえません。
出典
公益財団法人介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査結果について」(2023年11月30日)
厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概要」(2023年11月30日)
介護職の待遇は改善されている
介護業界では、働きやすい職場環境の整備やキャリアパスの策定などを行う介護事業所に、報酬として処遇改善加算を支給する制度が運用されています。この処遇改善加算は、介護職の給与アップにあてるのが原則です。国全体で処遇改善に取り組んでいるため、介護職の労働環境や給与面の改革は進んでいるといえます。
介護職の給与は増加している
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(p.13) 」によると、2022年の介護職(常勤)の平均給与は、31万8,230円でした。
同省の「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(p.12)」によると、介護職の2017年の平均給与は、29万7,450円です。
政府の処遇改善に関する取り組みの結果、直近5年間で介護職の平均給与は2万円以上増加しました。このように、介護職の低賃金といった問題点は、年々改善されています。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2023年11月30日)
厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2023年11月30日)
介護の仕事には高いスキルや経験が必要
介護職になる際に学歴や職歴は問われないことが多いので、無資格や未経験の方も転職することが可能です。しかし、質の高い介護を提供するためには、介護のプロとして知識や技術を身につける必要があります。
たとえば、「認知症の症状や利用者さん疾患などを理解したうえで、ケアの方法を考える」「思っていることを言葉にするのが難しい利用者さんと信頼関係を築く」など、専門的なスキルが必要な業務が多いでしょう。
このように、介護職として働くにあたっては、一定の知識や技術を求められるので、継続的に介護について学び、日々の業務を振り返って改善する努力が不可欠です。
介護職が段階的にスキルアップできるよう、介護に関係する公的な資格は複数存在しています。なかでも国家資格の「介護福祉士」を持つことで、高度な介護スキルが身についていることを証明できるでしょう。
介護は今後の社会に必要不可欠な仕事
現在、日本では高齢化が加速中です。2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることで、介護のニーズはさらに増加するでしょう。高齢化に伴い、介護の担い手不足が社会問題の一つになっているなか、介護職はその道のプロとして最前線で高齢者の生活を支えています。
家族に介護が必要となったとき、仕事や自身の生活、家族の介護を両立させることは、簡単ではありません。自分の生活のために介護サービスが必要になれば、介護職のありがたさを強く実感するはずです。
介護職に必要な能力・素養
介護職として働く際には、適性やスキルが求められます。「具体的にはどんな能力が必要なの?」と気になる方は、下記を確認してみましょう。
安全にミスなく介護を行う意識
介護職は、命を預かっている意識をもって、利用者さんの安全を第一に考える必要があります。責任をもって注意深くケアを行うことが求められるので、基礎的な介護技術の習得はもちろん、観察力や危険を察知するスキルなども必要です。
精神面の強さ
介護職は人と関わる仕事です。ときには、利用者さんから過度な要求を受けたり、暴言を吐かれたりすることもあるかもしれません。利用者さんから理不尽な対応をされると、「メンタルがやられる」という危機を感じる介護職もいるようです。
対応が難しい利用者さんと接する際に、「仕事だから」と割り切って、マイナスな感情をコントロールできる方は、介護職として長く働けるでしょう。
自分の感情のコントロールは大切ですが、「介護職は利用者さんから理不尽な扱いを受けても我慢すべき」というわけではありません。利用者さんの対応に困ったら、早めに上司に相談して改善の方法を話し合うことが大切です。
コミュニケーション能力
スムーズに介護を行うには、利用者さんと信頼関係を構築することが最重要です。適切な声掛けや傾聴をすることで、利用者さんにとって頼れる存在になるでしょう。介護職には、利用者さんに共感して、気持ちに寄り添うスキルが必要です。
適切なコミュニケーションの取り方は、利用者さんごとに異なります。個々の利用者さんに合わせて適度な距離感で接すると、少しずつ信頼関係を築けるでしょう。
細かいことに気づく観察力
利用者さんの生活の様子を観察して、変化に気づいて対応するスキルがある方は、介護職として活躍できます。介護職は利用者さんとの距離が近く、「歩行時のふらつきが増えた」「薬の飲み忘れがある」といった生活の変化を目にすることが多いでしょう。身体機能・認知機能に変化が見られた場合、医師やケアマネジャーなどと連携することで、適切な支援ができます。
介護職としての観察力が身につけば、多職種との連携で、利用者さんの生活全体のサポートが可能です。介護の専門的な視点は、簡単に身につくわけではないので、介護職として経験を積み重ねて養っていきましょう。
職場の人と協力する協調性
介護職は、複数のスタッフと連携して1人の利用者さんをサポートするため、協調性が大事です。ほかのスタッフとの連携では、報告・連絡・相談を徹底することや、関係を良好に保つことが重要になります。
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介護職として働く魅力とは?
冒頭でお伝えしたように、一部の心ない人から「介護職はクズばかり」と言われてしまったとしても、決してそんなことはないので気にしないようにしましょう。介護職は、多くの魅力がある仕事です。以下で、介護職のやりがいや働くメリットをご紹介します。
利用者さんや家族から感謝される機会が多い
介護職は、利用者さんのケアをしたときに、「ありがとう、助かったよ」「〇〇さんに担当してもらえて良かった」など、直接感謝の言葉をもらえる場合があるでしょう。利用者さんのご家族から、「おかげで安心して働ける」「これからもよろしくお願いします」といった声掛けをしてもらえることもあります。
介護職は、人の役に立っていることや、自分のケアで利用者さんをサポートできていることに、手応えを感じられる仕事です。利用者さんやご家族からの感謝の言葉は、介護職のやりがいにつながります。
社会貢献性が高い
前述したように、日本の高齢化によって介護職の需要は高まっています。介護業界は、「福祉に関わって社会貢献がしたい」という方が、第一線で活躍できる環境です。
一生使える介護技術が身につく
レバウェル株式会社の「きらケア介護白書2022(p.10)」では、介護職の方に、仕事の魅力・やりがいをアンケート。その結果、「介護の知識や技術が身につく」と答えた人が全体の45.4%で最多でした。また、「自分の家族を介護するときに役立つ」という回答も多く、介護のスキルが身につくことを魅力と捉えて働いている介護職は多いと分かります。
介護技術は、習得すれば一生役立つスキルなので、手に職をつけたいという理由で介護職に転職する人もいるようです。
出典
レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2023年11月30日)
無資格・未経験から国家資格に挑戦できる
「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」といった介護の基礎的な資格には受講要件がないので、誰でも取得を目指せます。介護業界は、無資格・未経験から始めても、資格取得やキャリアアップに挑戦しやすいのが特徴です。
また、国家資格である「介護福祉士」は、「介護福祉士実務者研修の資格」と「介護等の実務経験3年以上」があれば受験できます。介護職として着実にステップアップすれば、無資格・未経験から最短3年で、介護福祉士国家資格を取得可能です。
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人間として成長できる
介護職は、いろいろな利用者さんと出会い、日常的に会話をします。高齢の利用者さんと接しているなかで、昔ながらの知恵や個々の人生観まで、幅広い話が聞けるでしょう。介護職は、利用者さんとのコミュニケーションをきっかけに視野が広がることもあり、人として成長できる仕事です。
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「レベルの低い介護職員」と言われてしまったら
真面目に仕事に取り組んでいるにもかかわらず、同僚や利用者さんから「使えない介護職員」と言われて、悩んでいる方もいるかもしれません。介護職が職場で批判的な言葉を掛けられた場合、どのように対応すれば良いのかを解説します。
理由なく馬鹿にしてくる人のことは気にしない
職場で「レベルが低い」と言われたとしても、必ずしもあなたが悪いわけではありません。根拠なく感情的に悪口を言われた場合、伝えた人の心に余裕がなく嫌味で言っただけという可能性もあります。
「仕事ができるあなたに劣等感がある」「介護に対する考え方が違って受け入れられない」といった理由で攻撃的になる人もいるので、気にし過ぎないのが賢明です。ストレスを感じたときは、信頼できる相手に話を聞いてもらうと、気持ちが落ち着くかもしれません。
自分に問題があるなら改善すればOK
もしも、「レベルが低い」「使えない」と言われて、自分にも落ち度があったと感じた場合、改善すれば大丈夫。誰かに言われたことをきっかけに、自分の改善点に気づけるのは良いことです。
「レベルの低い介護職員」と思われないためには、下記のような姿勢で仕事に取り組むと良いでしょう。
- 分からないことは放置せず質問する
- 教わったことはメモを取って復習する
- 自分から元気よくコミュニケーションを取る
- 不安を利用者さんに見せず、自信をもって介助する
注意不足で何度も同じ失敗を繰り返す人や、素直にアドバイスを受け入れない人、苦手な仕事を避ける人は、職場内で敬遠されてしまう可能性があります。詳しくは、「職場で「使えない介護職員」と言われるのはどんな人?特徴や改善方法を解説」の記事にまとめているので、不安のある介護職の方は参考にしてみてください。
まとめ
「介護職はクズばかり」というのは間違いです。介護職は、利用者さんが安心・安全に生活できるよう常に気を配っており、自立して暮らすための支援をしているプロ。誤ったイメージだけで介護職を侮辱するべきではありません。
仮に、介護職について何も知らない他人に「クズばかりだ」と言われたとしても、実態とは異なり、何の根拠もありません。介護職は社会に必要不可欠な仕事なので、心ない悪口を真に受けず、自分の仕事に誇りを持ちましょう。
介護職の給与や待遇は改善されており、働きやすい職場環境の整備が進んでいます。また、介護職は利用者さんやご家族の役に立って感謝される、やりがいの大きい仕事です。
「介護業界に転職したいけど、変な噂があるから不安」という方や、「もっと働きやすい環境の職場を探したい」という介護職の方は、レバウェル介護(旧 きらケア)をご利用ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。介護職の求人数が多いので、複数の介護施設を比較して職場を選べます。面接を行う前に、職場見学を行うことも可能です。アドバイザーは介護業界に精通しているので、「転職するか悩む」「介護施設について詳しく知りたい」など、何でも気軽にご相談ください!
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執筆者

実
元介護士ライター
グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。


