介護現場での言葉遣いとは?意識するべきポイントについて解説

介護職の悩み 2021年8月31日
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介護現場で働く介護士さんのなかには、「利用者さんに対する言葉遣いが難しい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?介護業務で使う言葉遣いは敬語が基本です。タメ口や若者言葉は相手が聞き取れなかったり不快にさせたりする恐れがあるため避けましょう。本記事では、介護現場で使う言葉遣いについて、基礎知識や意識すべきポイントを解説。介護で使ってはいけない言葉遣いもご紹介しているので、ぜひご覧ください。

目次

介護士さんが知っておくべき言葉遣いの基礎知識

介護現場で用いられる言葉遣いは敬語が基本で、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分けられます。使い分けているつもりでも、それぞれの違いをよく知らない介護士さんは意外と多いもの。この項では、敬語の種類を詳しく解説するのでチェックしてみてください。

1.尊敬語について

尊敬語は、相手を高めて敬意や尊敬を表すための言葉遣いを指します。分かりやすいものを例に挙げると、「召し上がる」や「お越しになる」などです。相手への敬意を示すための言葉遣いなので、自分の行動などに対して用いてはいけません。

2.丁寧語について

丁寧語は丁寧さや上品さを表現する言葉遣いで、尊敬語と同じく相手への敬意を示すことができます。語尾に「です」や「ます」をつけるなど、普段からよく使われる言葉遣いです。介護現場でもよく用いられており、敬語にありがちな堅苦しい表現を避けて柔らかい表現にしたいときに適しています。

3.謙譲語について

謙譲語は、相手に対して自分自身を下げ、へりくだった表現をするのが特徴です。「参る」「伺う」など、敬語のなかでも最上級の表現である反面、日常で使用するには堅苦しくなり過ぎることもあります。介護現場では、かしこまった席などで用いるのが適切でしょう。

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介護現場で意識する言葉遣いの5つのポイント

介護現場での言葉遣いには、敬語を使うこと以外にも「相手を敬う気持ちを持って接する」「クッション言葉を取り入れる」などのように、意識しておくべきポイントがいくつかあります。

1.相手を敬う気持ちを持って接する

利用者さんは自分よりも年上であることが多いので、相手を敬う気持ちや不快にさせない言葉遣いを意識しましょう。どんなに言葉遣いが丁寧であっても、そこに相手を敬う気持ちがなければ相手のプライドを傷つけてしまうかもしれません。言葉遣いを意識することも大切ですが、相手を敬い敬意を示す気持ちを忘れないようにすることが大切です。

2.クッション言葉を取り入れる

敬語が堅苦しいと冷たい印象を与えてしまうため、クッション言葉を用いて柔らかい表現にしましょう。クッション言葉とは、直接伝えるときつく感じる発言を緩和する役割を持つ言葉です。「恐れ入りますが」「お忙しいところ申し訳ありませんが」などが該当します。

利用者さんがやりたいことを制止する際に、「後にしましょう」とだけ伝えると冷たい印象を与えて、相手が納得しない場合も少なくありません。クッション言葉を用いて、「申し訳ないのですが、○○なのでもう少し後にしましょう」と伝えると言葉遣いも優しい印象になります。

3.上から目線の言葉遣いをしない

介護の現場では、上から目線での物言いは避けてください。利用者さんに対して上から目線で話すのは失礼です。思いやりや敬意が足りないと悪印象を与えてしまいかねません。無理にへりくだる必要はありませんが、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。

4.利用者さんやご家族を不快にさせない言葉を使う

自分にはそのつもりがなくても、言葉遣いを間違うと利用者さんを不快にさせてしまうこともあります。利用者さん自身が気にしていなくても、近くで聞いていたご家族が不快に思う場合もあるでしょう。失礼な言葉遣いは、クレームにつながるリスクもあるため気をつけてくださいね。

5.利用者さんの行動を制限する言葉遣いは避ける

「それをやったら駄目です」など、利用者さんの行動を制限する言葉は避けましょう。空いていの行動を制限するような声がけを、スピーチロックといいます。介護現場では、スピーチロックを無意識に行ってしまいがちですが、利用者さんの行動を制限する言葉遣いは相手の尊厳を傷つけてしまいかねません。利用者さんの行動を制限する言葉遣いを避け、「どうしましたか?」と行動の理由や原因を確認するようにするのがポイントです。

介護現場で使ってはいけない言葉遣い4選

介護現場で用いられている不適切な言葉遣いは、タメ口や子ども扱いした言葉などです。以下で詳しく解説するので、利用者さんと接する際にうっかり使ってしまっていないかを振り返ってみましょう。

1.タメ口や馴れ馴れしい言葉

「敬語では堅苦しく他人行儀になってしまう」「お互いの信頼関係があるから大丈夫」などとタメ口や馴れ馴れしい言葉を使ってしまう人は少なくありません。どんなに信頼関係があっても、介護士という立場上、利用者さんには敬意を持って接する必要があります。プライベートの場ではないため、コミュニケーションや対応にはメリハリをつけましょう。

2.子ども扱いした言葉や赤ちゃん言葉

利用者さんを子ども扱いしたり、赤ちゃん言葉を使ったりして接するのは、ご本人だけではなくご家族や周りのスタッフを不快にさせてしまいます。繰り返しお伝えするように、利用者さんは介護士さんよりも年配であることが多いため、敬語を使用するのが自然です。どんなに親しみを込めていたとしても、幼稚な言葉遣いは避けるようにしてください。

3.流行りの言葉や若者言葉

年齢の若い介護士さんは、普段使っている流行りの言葉や若者言葉を使うのは避けたほうが無難です。利用者さんによっては、不快に感じたり混乱してしまったりする可能性があります。相手に伝わらない表現は避け、丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。

4.命令するような口調

利用者さんに対する命令口調や強い言葉遣いは、威圧的で相手を怖がらせてしまう恐れがあるため介護の場にふさわしくありません。相手によっては口論に発展することもあり、コミュニケーションを阻害する要因となってしまいます。接遇マナーの観点や相手に敬意を示さなければならない介護という仕事の観点からも、不適切な言葉遣いです。

不適切な言葉遣いをしてしまう人の3つの特徴

介護の現場で不適切な言葉遣いをしてしまうのは、マナー意識の低さや言葉遣いの勘違いなどが考えられるでしょう。心当たりのある介護士さんは、普段の生活で意識することから始めてみることをおすすめします。

1.マナーの意識が低い

マナー意識が低ければ、正しい敬語を知らずに間違った言葉遣いをしてしまうこともあります。施設や事業所によっては定期的に接遇マナーや敬語に関する研修を実践しているところもあるので、マナーの意識が低いと感じている人は、研修を積極的に受けてみましょう。

2.親しみを込めたつもりになっている

早く利用者さんとの信頼関係を築きたい、仲良くなりたいという考えからタメ口や不適切な言葉遣いをしてしまう介護士さんもいます。先輩の介護士さんが利用者さんに対してタメ口で話しているのを見て、そのような考えに至ってしまう場合もあるようです。いきなりタメ口を使われるのは誰でも嫌なもの。利用者さんと信頼関係を築くためにも、きちんとした言葉遣いで話すことが大切です。

3.短く伝えようとして雑な言葉を使ってしまう

利用者さんによっては、丁寧に言葉を伝えようとしてもなかなか伝わりにくいことがあります。そのため、できるだけ簡潔に伝えようとして命令口調や雑な言葉遣いになってしまう場合があるようです。もちろん短い言葉で分かりやすく伝えることは大切ですが、結果として相手を不快にさせてしまうことにつながります。

介護のシチュエーション別!役立つ言葉遣い5選

介護の現場ではシチュエーションごとに役立つ言葉遣いがあります。言葉遣いに自信のない介護士さんは、状況によってどのような言葉遣いが役に立つか、以下で確認しておきましょう。

1.起床時や出勤時のあいさつは元気良く

朝は1日の始まりであり、介護士さんだけでなく利用者さんにとっても気持ちよく迎えたい時間です。朝のあいさつは、「おはようございます!」と明るいトーンで元気よく行うのがポイント。「○○さん、今日は良いお天気ですよ」のように名前を呼んだり、何気ない会話を交えたりしながら、利用者さん一人ひとりと顔を合わせるようにしてみましょう。

2.レクリエーション中は積極的に話しかける

レクリエーションをする際は、参加している利用者さんのモチベーションをあげるような声掛けをしてみましょう。「○○さん、今日も素敵な作品ができましたね」「ご参加くださりありがとうございます」といったやり取りを積極的に行うのがおすすめです。楽しい雰囲気にするのは大切ですが、砕け過ぎた言葉遣いにならないように注意してください。

3.食事中は一人ひとりに配慮した会話を

食事時は誤嚥のリスクがあるため積極的に会話をする必要はないものの、無言では暗い雰囲気になってしまいます。「(料理が)美味しいですよ」「この野菜は近所で採れたものなんですよ」のように、提供したメニューについて話したり、テレビ・ラジオで流れてくる話題を出したりしてみると良いでしょう。先述のとおり、食事介助の際にはタメ口や子ども扱いした言葉遣いはNGです。利用者さん一人ひとりに配慮する姿勢が求められるでしょう。

4.入浴介助の際は命令口調にならないよう注意

入浴介助の際は、「お風呂の用意ができましたよ」「足元に気をつけてくださいね」のように丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。とはいえ、入浴を喜んでくれる利用者さんであれば丁寧な言葉遣いを意識しやすいですが、入浴を嫌がる人にはついつい口調が荒くなる、命令口調になる人も少なくありません。そのような場合は相手が嫌がる理由を聞いて、優しい言葉遣いで説得や誘導を行うようにしてください。命令口調で強制してしまうと、その後の関係が悪化してしまう可能性があります。

5.排泄介助は利用者さんの気持ちに寄り添う

利用者さんのなかにはトイレの介助を必要とする人が多いものの、羞恥心やプライドから介助を拒否する人もいます。あまりに拒否されてしまうと口調が荒くなったり命令口調になったりする人もいますが、介護士として相手の複雑な気持ちに寄り添うことが大切です。「(お出かけ前に)トイレに行っておきましょうか?」「(身体を拭くときに)ちょっとお手伝いしますね」など、丁寧な言葉遣いを意識するようにしてください。

介護士さんが言葉遣い以外に気をつけることは?

利用者さんに話す際は、言葉遣い以外にも表情や声のトーンなども大切です。たとえ丁寧な言葉遣いを心掛けていても、表情や声のトーンが暗いと、相手は「何か怒っているのでは」と不安になってしまかもしれません。以下の事柄を意識して話すと、利用者さんとのコミュニケーションがよりスムーズになるはずです。

1. 分かりやすくゆっくり話す

分かりやすくゆっくり話すことを心掛け、利用者さんの理解や判断のペースに配慮する必要があります。利用者さんのなかには耳が遠い人や相手の話した内容をすぐに理解するのが難しい人もいるので、どんなに丁寧な言葉遣いでも、早口ではなかなか伝わりにくいことも。長文で説明するのではなく、できる限り短くまとめることもポイントです。

2.適切な声のトーンを心掛ける

声のトーンは低いと聞き取りやすい反面、怖い印象や不愛想な印象を与えてしまいがちです。反対に高過ぎても聞き取りにくいことがあります。適切な声のトーンを心掛けることで、相手も聞き取りやすく明るい印象を与えられるでしょう。

3.明るい表情で接する

どんなに言葉遣いが適切なものでも、無表情や怒ったような表情で対応されると利用者さんは委縮してしまいます。円滑なコミュニケーションをするためにも、笑顔で接することが大切です。口角をあげる、目も笑顔を作るなど、ポイントを押さえて明るい表情をキープしておけば、利用者さんやその家族からも「話しかけやすい穏やかな人」とよい印象を持ってもらえるでしょう。

4.相手の気持ちや体調に配慮する

利用者さんの体調が悪いときに明るく元気なトーンで話しかけても、空気が読めていない、うるさいと受け取られてしまいかねません。明るく元気に話しかけることは大切ですが、相手の気持ちや体調に配慮して、声のトーンを落とす、ゆっくり話しかけるなど、話し方を工夫することも大切です。相手に寄り添った言葉遣いや対応を意識することで、温かみがある表現や態度も意識できます。

介護の現場では相手を思いやる言葉遣いを心掛けよう

介護の現場で使う言葉遣いは「敬語」が基本です。不適切な言葉遣いは自身への印象を悪くするだけではなく、利用者さんやその家族との信頼関係にも悪影響を及ぼす可能性があるため、気をつけるようにしてください。また、言葉遣い以外にも、相手に思いやりを持つことが大切です。表情や声のトーンなどにも気をつけながら、円滑なコミュニケーションを心掛けましょう。

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