経過的要介護って何? 要介護認定区分の変遷を知ろう

介護の知識 2024年9月3日
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この記事のまとめ

経過的要介護とは、2006年の介護保険制度改正に伴って、法改正前に認定されていた介護区分でのサービスを、認定有効期間中はそのまま受けられるという一時的な状態区分のこと。「要介護」から「要支援」へ認定変えになっても、有効期間中は「要介護」とみなされました。より詳しく知るために、まずは介護保険制度の理解を深めていきましょう。

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目次

介護保険制度の概要

平成20年(2008年)にスタートした介護保険制度は、加齢等で介護が必要な状態になっても尊厳を保持し、できるだけ自立した生活が送れるようなサービスを提供するための仕組みです。制度成立の背景にあったのは急速に進む高齢化や、核家族世帯数の上昇、それに伴う一人暮らし老人の増加などでした。
制度の目的は、介護を必要としている人たちやその家族が安心して暮らせるように、個人ではなく社会全体で支えること。財源は40歳以上の人が支払う介護保険料と税でまかなわれ、介護や支援が必要と認定された人はそれぞれの状態に応じたサービスを受けます。サービスの対象は65歳以上の人に加え、初期認知症や脳血管疾患など特定疾病の診断を受け、介護が必要になった40~65歳の人です。
介護保険制度では、制度の運営を行う市町村を「保険者」、必要となった時にサービスを利用できる保険料を支払っている40歳以上の人を「被保険者」といい、被保険者のうち65歳以上を「第1号被保険者」、40~65歳の医療保険に加入している人を「第2号被保険者」と呼んでいます。
介護保険制度は施行当初より3年ごとに制度改正することが予定されており、現在に至るまで定期的な制度の見直しと改正が行われています。

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2006年の介護保険制度改正について

介護保険制度では、介護が必要と判断された人をそれぞれの状態に合わせた「状態区分」にわけ、区分に合ったサービスを提供します。
介護保険制度スタート当時の状態区分は全部で6段階あり、以下の通りでした。

○要支援
○要介護1
○要介護2
○要介護3
○要介護4
○要介護5

要介護認定者数は介護保険制度開始の年から増加の一途を辿ったため、平成18年(2006)の介護保険制度改正では、この区分が変更されることになりました。改正では、年をとっても要介護状態にならないこと・身体能力の低下を防ぐことを考えた「介護予防」重視の考えが打ち出され、介護予防の観点から状態区分は以下のように変更されました。

○要支援1
○要支援2
○要介護1
○要介護2
○要介護3
○要介護4
○要介護5

改正後は、要介護は従来通りの1~5のままで、要支援が要支援1、2に細分化され、状態区分は全部で7段階となりました。変更後は、要支援1・2の人は自立支援・介護予防に重点を置く「新予防給付」を、要介護の人は「介護給付」と呼ばれるサービスを受けることになりました。

経過的要介護とは?

平成18年の介護保険制度改正を受け、改正前に要支援認定であった人は、改正後は要支援1・2 へ振り分けられることになりました。また、改正前に要介護1と認定されていた人のうち、認知症・病気・怪我のため介護予防の効果が出にくい人は、そのまま要介護1にとどまりました。一方で、改正前に要介護1だったが、介護予防の効果が見込まれると判断された人は、要支援1・2へ振り分けとなりました。
この変更の結果、要介護から要支援に認定変えとなった人は従来より保険給付金が減額、サービスの内容が変更となりました。
ここで登場する新しい区分が、<経過的要介護>です。状態区分の変更に対応して、制度改正前に要介護認定を受けていた人は、法改正後も認定有効期限内であれば「介護給付」の対象となり、従来のサービスを受けることができると定められました。
このようにして設けられた新しい区分を<経過的要介護>と呼びます。経過的要介護の区分となった人が次の更新を行う際には、法改正後の新しい認定区分が適用されるため、経過的要介護は状態区分変更の過渡期に設けられた一時的な位置づけということです。

上述の通り、経過的要介護とは平成18年の制度改正によって、要支援・要介護状態区分が変更となった際に実施された処置のことです。要介護(要支援)認定の有効期間は新規の認定で原則6ヶ月、認定変更の場合は原則12ヶ月であり、現在は経過的要介護にあたる人はいません。
介護保険制度は制定から3年ごとの改正が続いており、時代や状況に合わせて変化していきます。平成27年(2015)の制度改正が重視したのは、団塊の世代が75歳となる2025年を完成の目標とした「地域包括ケアシステム」の構築。介護状態となっても、住み慣れた土地でその人らしい生活を送るための体制づくりが進んでいます。今後も介護保険制度改正の動向に目を配っていきたいですね。

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※この記事の掲載情報は2024年9月3日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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