
夜勤時の介護記録の書き方に悩み、「例文からコツやポイントを学びたい」とお考えの方もいるでしょう。効率的な介護記録を作成するには、テンプレートを作ったうえで使える表現や言葉をストックしておくのがおすすめです。この記事では、夜勤に入る介護職員の方向けに、状況別の介護記録の例文を紹介します。分かりやすい介護記録を作成するコツもまとめました。介護記録の書き方をマスターするのにぜひお役立てください。
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【状況別!】夜勤の介護記録例文
ここでは、夜勤の介護記録の例文を状況別に紹介します。記入のポイントも解説するので、夜勤の介護記録の書き方にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
夕食
食事の際は、主食と副食をそれぞれ何割食べたのかという食事量や水分摂取量を記録します。食事は健康に大きく関わる要素なので、夕食時の利用者さんの様子も詳しく記載しましょう。
18時:お茶を飲んだ際にむせ込みあり。背中をさすると1分ほどで落ち着いたが、その後も少し息苦しそうに何度か咳き込まれていた。いつもより時間がかかったが、主食を8割食べ、副食は完食。
服薬状況
普段どおりの服薬であれば特別な記録は必要ありませんが、服薬拒否があった場合や頓服の服用があった場合は、介護記録への記入が必要です。
19時15分:頭痛の訴えがあり、主治医に報告のうえで頓服薬のカロナールを服用。就寝前21時に確認したところ、痛みは落ち着いたとのこと。
排泄
排尿・排便は利用者さんの健康に関わるため、排泄回数や量、色やにおい、形状などを記録します。書き方は施設によって異なり、便量を「親指大」「コップ一杯程度」などと表現することもあるようです。先輩職員の表現を見て同様の書き方にすると良いでしょう。
「17時:オムツ内に泥状便普通量あり。」
「17時:オムツ交換時、親指大の硬便あり。その後トイレ誘導するも、排尿のみ。」
排泄時の動作の様子や回数も意識が必要です。排泄回数が多過ぎたり少な過ぎたりなど、気になることがあれば記載しておきましょう。
21時:トイレ介助。ご自身でズボンを下ろすが、リハビリパンツは下ろせなかったため介助。パット内に普通量の排尿あり。便座に座る際に介助を行い、スムーズに排便。便の状態はバナナ状で茶色、手のひら大。においはほぼなし。
帰宅願望
利用者さんに帰宅願望がみられる場合、そのときの言動とスタッフの対応を記録します。具体的な状況を書くことで、効果的な対応の情報共有にも役立ちます。そのため、どのような声かけをしたのか、やりとりも記載しましょう。やりとりはできるだけそのまま書くのがポイントです。
17時:「帰って夕飯の準備をしないと」とエレベーター前でボタンを押されていた。「夕飯は何にされる予定なんですか?」「今日はここで用意しているので召し上がっていきませんか?」と声かけ。少しお話していると、食堂へ行って夕飯を召し上がった。
体調不良の訴え
体調不良の訴えがあった場合、看護師のいる施設の場合は看護師に報告します。施設に看護師がいない場合は、主治医や訪問看護と連携を取りながら介護職員が対応し、状況を記録に残しましょう。
体調不良の際は、血圧や体温を測定し、顔色を確認します。可能であれば、口頭でどのように痛むのか、ほかの症状がないかなども聞き、介護記録に記載しましょう。
20時30分:「頭が痛い」との訴えあり。血圧126/64、体温36.1℃。「後頭部ががんがんと痛む」と話す。咳、鼻水なし。吐き気や手足のしびれなどもないとのこと。動作も普段と変わらない様子。主治医に電話で報告し、頓服のカロナールを服用していただく
22時:就寝した様子。
6時:起床されたので体調を伺うと、「大丈夫」とおっしゃる。顔色や様子も変わった様子はない。
転倒
転倒の瞬間を見た場合、その様子を詳しく記載します。起き上がれなくなっている利用者さんを発見した場合は、発見時からどのようなやり取りをしたのか、痛みの度合いや動作などを記録しましょう。文面だけでは状況が分かりにくいため、図を交えて記載する場合もあります。
18時:夕食時に食堂にいなかったため訪室すると、ベッドの下で側臥位になっていた。「転んじゃって起き上がれない」と話す。ベッドから降りる際にふらついてしりもちをついたとのこと。臀部の痛みの訴えあり。確認したところ、少し赤くなっていた。動いても痛みはないようだったので、介助して立ち上がっていただく。ほかに打ったところはないとのことで全身確認したところ、あざや腫れはなし。その後食堂へ向かう。歩行状態は変わりない様子。
怪我
ここでは、あざや腫れ、傷や皮膚の異常などを見つけた場合の例文を紹介します。利用者さん本人から訴えがあったときだけではなく、入浴時などにも全身の状態をチェックして、身体に異変はないかを確認しましょう。
あざ
日ごろから、利用者さんの身体にあざがないか気にしておきましょう。あざやは利用者さん本人が知らないうちにできていることも少なくありません。あざを見つけたら、利用者さんにぶつけたり転倒したりしていないか確認しましょう。色や大きさを確認して看護師や管理者に報告し、記録に詳細を書きます。
7時:更衣介助の際に、右の太ももに3cmほどの青あざを発見。ご本人に確認したところ、トイレでズボンのすそを踏んでふらつき、トイレットペーパーホルダーにぶつけたとのこと。触ると痛むようだが、何もしなければ痛みはなく、歩行状態も普段と変わりない。全身を確認したが、ほかの怪我はなかった。
腫れ
ひざや手足などの関節は、よく腫れが見られる部位なのでチェックしましょう。介護記録には、痛みの有無や熱を持っているかどうかを記載します。
午後8時:左ひざ全体に手のひら大ほどの腫れあり。熱感あり。動かすと痛みがあり、歩行時も痛みがあるとのこと。主治医に電話で報告すると、アイシングの指示があり実施。明日主治医が確認に来る予定。
掻き傷
高齢者は皮膚が乾燥しやすいので、自分で身体を掻いて傷ができてしまうなどの皮膚トラブルが発生することがあります。
7時30分:更衣介助の際に、右ひざ下の外側に5cmほどのかき傷を発見。出血はないが、皮が薄くめくれて赤くなっている。痒みがひどく、自分で掻いてしまったとのこと。痛みはなし。乾燥していたため、ワセリンを塗布。昼食時にはかゆみが落ち着いたとのことで、赤みも治まっていた。
皮膚の異常
発疹や発赤、褥瘡(じょくそう)など、皮膚の異変はさまざまありますが、いずれにせよ看護師や医師による確認・処置が必要です。診察時に伝えやすいよう、介護記録に残しておきましょう。
8時30分:かゆみの訴えあり。確認すると、右わき腹に20cmほどの広さの赤みを伴う発疹がある。昨日の入浴時には見られなかった。主治医に報告。
表皮剥離
高齢者は皮膚がデリケートで傷つきやすく、少しの接触で皮膚がめくれてしまうことがあるため注意が必要です。表皮剥離がみられる場合は処置が必要なので、見かけたら看護師や医師に報告しましょう。
午後5時:左上腕部に3cmほどの表皮剥離あり。出血もあり、めくれて間もないと思われる。〇〇看護師に処置を依頼。
睡眠
夜勤時の利用者さんの睡眠に関する記録は、消灯時間から起床時間まで何もなく休まれている場合は、良眠の旨の記載のみで問題ありません。不眠や不安な様子が見られたり独語があったりした場合は詳細を記録しましょう。
23時:訪室すると開眼されていたため声かけると、「眠れない」とおっしゃる。
1時:訪室すると開眼されていた。
3時:目をつむっている。眠っている様子。
6時:起床して「いつの間にか寝ていた。今は眠くない」とおっしゃる。
夜間のひとり歩き
利用者さんが夜間に覚醒して、施設内を歩いている場合もあります。昼夜逆転が続くと、健康状態の不調につながるリスクもあるので、介護記録で状況を共有して対応することが大切です。ひとり歩きには、「トイレの場所が分からない」「家に帰りたい」などの理由がある場合が多いので、適切な声かけや対応が重要です。
22時:訪室。眠っている様子。
23時30分:食堂方面に向かう廊下を歩いていたので声かけ。「トイレに行きたい」とのことでトイレに案内。排尿して居室に戻られた。
入浴
入浴は、夜勤時よりも人手の多い日勤帯に行う施設が多い傾向があります。入浴に限らず、シャワー浴や清拭を行った場合もその旨を記載しましょう。入浴介助の際は、プライバシーに配慮しつつ、身体の状態を確認することが大切です。利用者さんの安全を確保したうえで介助を行いましょう。
午前8時:オムツ内に軟便多量。体調は変わりないとおっしゃる。シャワー浴を実施。「さっぱりしたわ」と笑顔がみられる。
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介護記録を効率的に作成するには、テンプレートを使用したり使える言葉をストックしたりといった工夫が必要です。詳しい方法を紹介するので、「介護記録の作成が苦手…」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
テンプレートを作っておく
介護記録のテンプレートを作っておくと、記入や情報共有がしやすくなります。記録作成を効率化すると、利用者さんの介護に使える時間が増えるメリットがあるでしょう。
施設や事務所でテンプレートが用意されている場合が多いですが、統一されていない場合は作成を提案してみるのがおすすめです。また、古い介護記録の様式を使い続けている場合、職員間で意見を出し合い、より良いテンプレートを作成するのも良いでしょう。
以下のように必要な項目を記載し、基本的に選択肢を〇で囲むだけで済ませられるテンプレートにすると、スムーズに記録できます。
| 項目 | テンプレート例 |
| 夕食介助 | 食事量 主食: 割、副食: 割 水分量: ml 介助:自立・見守り・一部介助・全介助嚥下:良好・むせ・嚥下困難 特記事項( ) |
| 就寝介助 | 口腔ケア:自立・セッティング・見守り・一部介助・全介助 更衣:自立・セッティング・見守り・一部介助・全介助 特記事項( ) |
| 起床介助 | 口腔ケア:自立・セッティング・見守り・一部介助・全介助 更衣:自立・セッティング・見守り・一部介助・全介助 特記事項( ) |
夕食や就寝・起床に関する介護記録のテンプレートを作成しておくと、夜勤の際に役立ちます。ほかにも、日時や記録者名、利用者さんのバイタル、排尿・排便回数などの記入欄も用意しましょう。援助内容に数字を割り振り、数字を記載するだけの形にしておくなど、自由記入の項目を減らすのがポイントです。
忘れないうちに書く
介護記録を作成する際は、できるだけリアルタイムで書くことが大切です。あとで書こうとすると、忘れてしまって思い出すのに時間がかかったり、正確な記録にならなかったりする可能性があります。その場で記録するのが難しい状況の場合は、簡潔にメモを取っておくのがおすすめです。
使える表現や言葉をストックしておく
ほかの職員の介護記録を見て、使える表現や言葉をストックしておくと、介護記録の記入にかかる時間を削減できます。具体的には、以下のような表現があるでしょう。
- 気分や表情:明るい・笑顔・意欲的・活気がない・落ち着きがない・不安そう
- 顔色:血色が良い・むくんでいる・青白い・土気色
- 食事:一気に・急いで・ゆったりと・よく噛んで
- 睡眠:ウトウト・寝言を言っている・ぐっすり・すやすや・うなされている・いびきをかいている
- 呼吸:ハアハア・ぜえぜえ・早い・荒い・浅い
実際に起きた出来事だけではなく、表情や行動も観察して記載することで、どのように過ごしていたかが分かります。利用者さんの様子を伝える言葉が思いつかないと、記録に時間がかかってしまうため、ある程度使う表現を用意しておくと良いでしょう。
分かりやすい介護記録を作成するコツ
分かりやすい介護記録を作成するには、読む人に内容が伝わることや、読み手によって受け取り方が変わらないことに注意して書くのが大切です。以下で解説するので、介護記録の作成についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
5W1Hを意識する
文章を書くときは、5W1Hを意識すると読み手に伝わりやすくなります。5W1Hとは、「When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(何を)・Why(なぜ)How(どのように)」のこと。以下は、5W1Hを意識した、夜勤の介護記録の例文です。
2時:〇〇さんからナースコールがあり、訪室。オムツ交換を希望され、ベッドで上体を起こしていた。オムツ内に排便があったため、陰部洗浄とオムツ交換を実施。腹痛はないとのこと。オムツ交換後はすぐに再入眠される。
5W1Hを意識して書くことで、誰が読んでもそのときの状況を具体的にイメージできるでしょう。
簡潔に書くことを意識する
介護記録は、誰が読んでもすぐに理解できるように簡潔な文章を心掛けましょう。具体的には「専門用語や業界用語を使用しない」「施設独自の表現は使わない」「文末をだ・である調で統一して記載する」などのコツがあります。
また、時系列で記録することも大切です。時系列がバラバラだと、読みにくくて頭に入ってきません。現在形と過去形も意識して書き分ける必要があります。現在進行形で続けている対応があれば、現在形で記録しましょう。
憶測で書かない
介護記録は憶測で書かず、状況を正しく伝えることを意識しましょう。たとえば、利用者さんが床に寝ているのを発見した場合、「転倒した」と書くのではなく。「床に側臥位になっていた」のように見た状況をそのまま記載します。利用者さんが話した内容も、事実として断定するのではなく、「〇〇とおっしゃる」「〇〇と言っていた」というように、事実ベースで記載すれば、正確な介護記録になります。
介護記録に関するよくある質問
ここでは、介護記録に関するよくある質問にQ&A形式で回答します。介護記録の目的や書き方が知りたい方は、ぜひご一読ください。
介護記録をつける目的はなんですか?
介護記録をつける目的は、利用者さんの状態を把握し、職員間で共有することです。利用者さんが適切な介護サービスを受けるために、介護記録は欠かせません。また、ご家族への説明や報告、介護保険の請求の際にも使用します。どのような介護サービスを提供したのか明確にしたうえで介護保険の請求を行わないと、事業所が必要な報酬を受け取れないおそれがあるため、正確に記入しましょう。
介護記録で使ってはいけない表現はありますか?
介護記録で使っていけないのは「侮辱表現」「命令表現」などです。「同じ話をしつこく繰り返す」「認知がある」といった使われた側が不快になる失礼な表現は、絶対に使用しないようにしましょう。介護記録は利用者さんのご家族にも開示する可能性があるものなので、ご家族が読んで不快に思わないかを意識する必要があります。ほかにも、「介護の専門用語」「診断のない医療用語」なども避けたほうが無難です。詳しくは「介護記録で使ってはいけない言葉とは?言い換え表現も解説」の記事で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
介護記録を書くときの注意点はなんですか?
介護記録では、主観的な表現を避けて、客観的で分かりやすい表現を心がけましょう。たとえば「レクリエーションを楽しんでいた」というのは、あくまでそう見えただけで、実際に利用者さんがどう感じたかは分かりません。この場合は、「レクリエーション中に笑顔が見られた」「穏やかに談笑されていた」など、客観的な事実を記載すると良いでしょう。
まとめ
夜勤時の介護記録の書き方にお悩みの方は、まずは例文と記載するべき内容を知って書き方のコツを掴みましょう。効率的な介護記録を作成するには、テンプレートを活用するのがおすすめです。夜勤で人が少ない時間帯であっても、できるだけリアルタイムに書くことで、正確な記録を残せます。「どのように表現したら良いか分からない」という方は、ほかの職員の介護記録を見て、使える表現や言葉をストックすると良いでしょう。
介護記録の作成には、利用者さんの状態を職員間で共有する目的があります。そのため、誰が読んでも分かりやすい内容になるよう、5W1Hを意識して簡潔に書くことが重要です。
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実
元介護士ライター
グループホームに2年、訪問介護事業所に3年勤務。多くの高齢者や、障害のある方の介護に携わる。訪問介護事業所では、サービス提供責任者の業務も担当した。2022年に介護福祉士を取得。現在は、知識や経験を活かして、介護職員の方に役立つ情報を発信している。




