この記事のまとめ
- 英語が話せる介護福祉士がそのスキルを活かせる職場はあまりない
- 外国人介護士との仲介役や医療・保育の現場で英語が話せることを活かせる
- 介護の国際化が進めば英語が話せる介護福祉士の需要が高まる可能性がある
年々国際化が進む日本社会。駅の案内やファミリーレストランのメニューに、複数の外国語が表記されていることも珍しくなくなってきました。そんな時勢の中、介護士さんの中にも「英語力を活かしてできる介護の仕事はないのかな?」と思っている方もいるかもしれません。
介護の仕事で英語を活かせるものはあるのでしょうか?
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目次
介護×英語の現状は…
実は、介護の現場で英語を活かして働ける仕事は、今のところほぼないと言っていい状況です。日本国内の介護施設利用者は、日本語を話せる方がほとんど。多くの施設では、英語力を求められることはありません。介護の求人を見てみても、英語が活かせるものを探すのはかなり難しいと言えるでしょう。
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それでも英語を活かして働ける場所は?
「どうしても介護で英語を活かしたい!」という方のために、介護の知識と英語力を活かせる仕事を何点かご紹介します。
外国人介護士との仲介役
いま、日本国内で外国人介護士が活躍していることはご存じですか?EPA(経済連携協定)に基づき、2008年から始まっているこの受け入れ制度。平成30年度までに受け入れ人数は約4300人、雇用実績のある施設は約800か所にも上ります。また、調査当時にEPA介護職員を雇用していた介護施設のうち、約80%「今後も受け入れ予定」と回答、外国人介護職員を受け入れていない介護施設のうち20%は、今後の雇用を予定しています。
EPA制度のほかにも、留学生や技能実習生など、外国人労働者の介護業界への受け入れは広がりつつあり、今後もさらに多くの施設で、外国人介護士を見る機会が増えていくと考えられます。
この外国人介護士の受け入れで大きな課題となっているのが「言葉の壁」。利用者の方や他のスタッフとのコミュニケーションには日本語の習得が欠かせませんが、介護に関わるには日常会話に加えて専門用語も覚えなければいけません。さらに、介護サービスを利用する方の中には会話が難しい状態の方もいらっしゃいますので、より適切な言葉を選ぶ能力が求められます。慣れない日本での生活の中で、日本語の習得は外国人介護士の大きなハードルとなっているのです。
そんな外国人介護士を現場でフォローするポジションとして、英語が話せる介護士の需要が考えられます。フィリピンの公用語には英語が含まれているので、フィリピン出身の介護士さんが在籍する施設では英語能力が重宝されるでしょう。言語の面だけではなく、日本での生活についても親身にアドバイスできるような方が喜ばれるようです。
出典
厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」
外国人のための介護サービス
在留外国人の高齢者は、日本人ほどではありませんがゆっくりと増加を続けています。外国人であっても、条件を満たせば介護保険が適用される場合もあるのですが、日本人スタッフとの意思疎通がうまくいかない、日本語で書かれたサービスの内容が十分理解できない、日本人の利用者ばかりの施設には出入りしづらい、などの理由で適切なサービスを受けられないこともあるようです。
そういった人々を支援するために、外国人高齢者を積極的に受け入れる施設も出てきました。外国語が話せるスタッフを配置し、利用者の方それぞれの国の文化や習慣、食生活を尊重した介護サービスを提供しています。まだ数は少ないのですが、こういった施設が全国に増えれば、英語が話せる介護士の活躍の場も広がっていくことでしょう。
医療、保育関係
介護に近い、医療や福祉、教育の分野で働く介護士も一定数存在します。その中で英語が活かせる場所としては、外国人の患者の方が多い病院や、英語教育を行なっている幼稚園・保育園などが挙げられます。仕事内容は介護そのものではない場合もありますが、介護士としてのケア能力を活かしつつ、英語力も発揮できる職場と言えるのではないでしょうか。
海外の介護施設で働く
英語を活かすなら海外で!と考える方もいるでしょう。海外で介護士として働く場合、日本人や日系人が多く利用する施設での活躍が想定されます。
仕事に就くまでの流れとしては、留学中に海外の介護を学び、卒業してそのまま就労というパターンが考えられます。
また、日本で介護士の経験があり、海外に引っ越した後にも介護の仕事をしたいという場合は、改めてその国の介護資格を取らなければいけません。日本の介護資格は海外では適用されないので、すでに資格を持っている方も現地の介護についてじっくりと学ぶ必要があります。海外移住を伴うので、大きな決断が必要な選択肢です。
現在の介護業界では、英語の需要はまだほとんどありません。しかし、国際化・高齢化がさらに進めば、英語が話せる介護士が注目される時代が来る可能性もあります。英語を活かして介護に貢献したい!という思いを形にできる日も遠くないかもしれませんね。
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