介護現場における音楽療法とは?リリムジカの取り組みと合わせてご紹介

仕事 2017/07/31
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介護の現場でも度々用いられる音楽療法。
しかし、その実施方法や効果など、詳しく把握している方は実は少ないのではないでしょうか?
本コラムでは、音楽療法を元にしたプログラムで介護現場のニーズにこたえる株式会社リリムジカの事例も見ながら、介護における音楽療法について探っていきます。

介護現場における音楽療法について


音楽療法(Music Therapy)とは、文字通り、音楽を用いた治療法のこと。古来より、音楽には、人間の心身状態に作用する力があると考えられてきました。こうした音楽の力を医療分野で活用する研究は、1950年代以降、アメリカにおいて急速に発展します。その結果、音楽療法は有効な「補助療法」として、広く認知されるようになりました。国内では、「日本音楽療法学会」が中心となり、音楽療法士の育成や学際的な研究、普及活動に取り組んでいます。

 

音楽療法の定義


日本音楽療法学会では、音楽療法を以下のように定義しています。

「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動変容などに向けて音楽を意図的、計画的に使用すること」(ガイドライン11)

私たちは普段、好きな音楽を聞いたり、歌ったりすることで、リフレッシュ効果を感じることができます。しかし、より厳密な意味での「治療」を目的として、音楽から十分な効果を引き出すためには、他の医療行為と同様、「科学的プロセス」が必要です。

音楽療法では、個別のニーズを詳細に分析し、適切な音楽の種類を選び、活用法を考え、実践と効果の検証を繰り返します。アセスメント、治療方針の確立、実践、検証、の各要素を適切に行うには、音楽理論や心理学、医療、福祉など、総合的な知識と専門技術の習得が欠かせません。このように、音楽療法は確立された専門領域であり、音楽療法士のライセンス取得者によって提供されるべきものと言えるでしょう。

 

音楽療法の効果、メリット


音楽は、人間の自律神経系や免疫系、ホルモン系に作用すると言われています。この特性を活かして、「心身障害の回復」「機能の維持改善」「生活の質の向上」「行動変容」をサポートするのが、音楽療法です。実際的な効能に関しては、従来よりエビデンスの構築が進められており、不安感の軽減や疼痛緩和、NH細胞の活性化、認知症の緩和、失語症の改善といった有効性が確認されています。

また、現代に生きる私たちにとって、音楽はとても身近な存在です。性別や年代、趣味・趣向、障がいの有無に関係なく、万人に受け入れられやすい素材を用いる点も、音楽療法のメリットの一つと言えるでしょう。近年、健常者の健康増進、高齢者のADL向上、障がい児・者の発達支援など、医療や福祉、教育分野での活用が進んでおり、今後はより広い分野への応用が期待されています。

 

音楽を用いた主なレクリエーション


介護施設で行われるレクリエーションの中でも、高齢者の方々に高い人気を誇るのが、音楽・歌を用いたレクリエーションです。最近では、定番のカラオケやコンサートだけでなく、体操や発声、計算、想起・連想など、通常のトレーニングに音楽的要素を組み合わせたレクリエーションを導入する施設が増えています。

【代表的な音楽レクリエーション】
「童謡カルタ」
「キーワード名曲当てクイズ」
「もしもし亀よ8421体操」
「ふるさとソング&スケッチ」 など

音楽レクリエーションは、ご利用者の五感に訴える多彩なアプローチが特徴です。音楽により、「動く」「思い出す」「考える」といった行為が自然に促されることで、意欲の創出、運動機能の向上、コミュニケーションの活性化などの効果が高まると言われています。

リリムジカの取り組み


リリムジカでは、既存の音楽療法に立脚しながら、新たな価値を創造する「ミュージックファシリテーション」を提案しています。ファシリテーションとは、会議やセッションにおいて、立場や役割を異にする人々の相互理解や合意形成をスムーズに生み出す能力のこと。リリムジカは、ミュージックファシリテーションを通して、誰にとっても心地よく楽しめる場の形成を目指しています。

 

介護施設向け音楽プログラムの内容


ミュージックファシリテーションは、参加型の音楽プログラムです。専門家であるミュージックファシリテーター1名が、介護施設や高齢者向け住宅に出張し、プログラムを実施しています。

【プログラムの概要】
時間:1回45分程度
内容:音楽を使った体操、楽器体験、歌や音楽をテーマにした会話、歌いやすくアレンジした生伴奏での歌唱など
曲目:歌謡曲、演歌、童謡、唱歌、民謡、賛美歌など
曲数:6曲~12曲

当日のプログラムは事前に組まれていますが、参加者のリクエストに応じて、柔軟に変更することもできます。

 

プログラム実施による効果


ミュージックファシリテーションの参加者には、主に3つの効果が期待できます。

1. 声を出すことで、喉や口周りの筋肉を自然と鍛えられ、嚥下機能の維持・向上につながる
2. 音楽によるリラックス効果と適度な疲れにより、安眠できる
3. 昔のことを思い出したり、歌と楽器、音楽と体操など、2つ以上の動作を同時に行ったりすることで、脳が活性化する

また、リリムジカがプログラム参加者に対して「また参加したいかどうか」をアンケートでたずねたところ、98%以上の方が「はい」とこたえていました。また、参加者には、以下のような変化が見られたと報告されています。

・プログラムがあるとき他のご利用者に自ら声がけしたり、誘ったりするようになった
・「皆さん練習しましょう」とリーダーシップを発揮するようになった
・ご家族から見ても、いきいきとした様子が見て取れるようになった
・認知症が進み趣味のハーモニカを諦めていたが、プログラムを機に演奏を再開し、笑顔も多くなった
(導入半年以上の事業所を対象としたアンケート:実施期間2017年5月~6月)

 

現場スタッフの反響


日常の介護業務に多忙な施設スタッフにとって、この音楽プログラムは、ご利用者との関係を見つめ直す絶好の機会です。ミュージックファシリテーターは、参加者お一人おひとりの反応や動向をつぶさに観察しています。プログラム終了後には、こうした情報を施設スタッフと共有するとともに、プログラムの感想や要望をヒアリングする時間を設けています。

ミュージックファシリテーションは、参加者だけでなく、同じ場を共有する施設スタッフにも良い影響を与えることを目指しています。導入事業所の管理者を対象としたアンケートでは、約50%の方が「職員にも変化があった」と回答。具体的には、次のような反響が寄せられました。

・普段あまり話す機会のないご利用者との話題作りができた
・ご利用者の方々の「思い出の曲」が分かるようになった
・ミュージックファシリテーターの影響で、大きな声で、明るく接客するようになった
・ミュージックファシリテーターのコミュニケーション術が、普段のコミュニケーションに役立った
(導入半年以上の事業所を対象としたアンケート:実施期間2017年5月~6月)

いかがでしたでしょうか?音楽療法の目的や実際の進め方、その効果・反響など、より深く知っていただけたかと思います。
まだ音楽療法を自身の介護ケアに取り入れたことのない方は、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
施設利用者の方の、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にもつなげられるかもしれませんよ。

<協力>
◆株式会社リリムジカ
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-4-4 武蔵ビル5階
連絡先 電話:050-3786-5470 ファックス:050-3737-5503
Webサイト http://lirymusica.co.jp/

【主要な出張エリア】
東京都、神奈川県、埼玉県、栃木県、群馬県、千葉県、大阪府

【料金】
単発のイベント:1回15,000円(税別)~
定期的なプログラム:1回あたり12,000円(税別)~
別途出張料:1,000円(税別)~

【音楽の場づくり講座】
リリムジカでは、介護施設をはじめ、高齢者福祉に関わる企業や団体を対象に、「音楽の場づくり講座」を開講しています。
自分たちでも音楽を活用したいと思う方は、ぜひお問い合わせください。

●講座内容の一例
1. 「理想の音楽の場とは何か?」をテーマにしたグループワーク
2. 介護施設で実際に行われているプログラムの体験会
3. 心地よく楽しめる「音楽の場」のつくり方 など

参考URL:
株式会社リリムジカ:http://lirymusica.co.jp/
「株式会社リリムジカ管 偉辰(かん いたつ)のブログ」:http://iysks.blog51.fc2.com/
日本音楽療法学会:http://www.jmta.jp/

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