高齢者向け音楽レクリエーションを15種類紹介!レクの効果や注意点も解説

介護のアイデア 2024年8月1日
  • この記事をシェアする
  • facebook
  • X
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ギターを弾く高齢者と歌をうたっている高齢者と介護士のイメージ

この記事のまとめ

「高齢者向けの音楽レクリエーションって何をすればいいの?」「音楽を使ったレクリエーションが思いつかない…」という方も多いでしょう。音楽を使ったレクリエーションは、カラオケや合唱、イントロクイズなどがあります。この記事では、利用者さんに楽しんでもらえる音楽レクリエーションを15種類ご紹介。音楽レクリエーションの企画にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

▶転職の相談はこちら(無料)

目次

レクリエーションで音楽を使う効果

音楽を使用するレクリエーションには、利用者さんの身体機能の維持・向上や認知症の予防などの効果が期待できます。以下で音楽レクリエーションの効果について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

身体機能の維持・向上

音楽に合わせて動いたり、楽器を演奏したりすることによって身体機能の維持・向上が期待できます。使用する楽器は、軽くて持ちやすいことや誰にでも音が出しやすいことを基準に選ぶと良いでしょう。マラカスやタンバリン、鈴、ハンドベルなどがおすすめです。ただ体を動かすだけでは、退屈に感じてしまう利用者さんもいるかもしれませんが、好きな音楽を聞きながらだと楽しみながらレクリエーションを実施できます。

認知症の予防

楽器を演奏したり、歌詞を思い出したりすることが認知症の予防につながります。楽器演奏は、認知症が進んで言葉が出にくい人や歌いにくい人も参加することが可能です。音楽レクリエーションでは、歌にまつわる昔の出来事を思い出すこともあり、脳のトレーニングになるでしょう。

ストレス解消

声に出して歌うことで、高齢者のストレス解消になります。介護サービスを利用する高齢者は、施設にこもりがちになったり孤独感を覚えたりするなど、ストレスを抱えることも。音楽レクリエーションを通して、適度にリフレッシュすることで生活の質の向上につながるでしょう。

社会性の醸成

合唱や曲当てクイズ、歌リレーなど集団で行う音楽レクリエーションは、高齢者の社会性を育めます。好きな歌について話したり、ゲームをしたりすることでコミュニケーションを取ることが可能。ゲームで勝負したり、人とのつながりを実感したりすることでやりがいや楽しみを見つけられるでしょう。

▼関連記事
デイサービスのレクリエーションとは?種類や盛り上げるコツを紹介

登録は1分で終わります!

アドバイザーに相談する(無料)

音楽を使った高齢者向けレクリエーション15選

ここでは、音楽を使った高齢者向けレクリエーションを15種類紹介します。「音楽レクリエーションのネタが思いつかない…」という方はぜひ参考にしてみてください。

1.カラオケ

カラオケは音楽レクリエーションの定番です。認知症の予防やストレス解消の効果が見込めます。カラオケは、利用者さんの歌いたい曲を機械に入力して、1人もしくは複数人で歌うことが可能。カラオケをする際は、特定の年代の利用者さんだけが知っている曲にならないように注意し、周りの方も楽しめるようにしましょう。また、懐かしの曲だけではなく、CMやドラマに起用されている流行りの曲などを選曲してみるのもおすすめです。

2.合唱

合唱も、高齢者の方が気軽にできる音楽レクリエーションです。利用者さんごとにパートに分かれて歌います。みんなで歌うことで一体感が生まれ、きれいにハーモニーを奏でられた際は達成感を得られるでしょう。合唱をする際は、曲の歌詞を利用者さんが読みやすい大きさで書いておきます。また、「歌うのが恥ずかしい…」という方もいるので、積極的に声掛けをすることが大切です。

3.手遊び

手遊びは音楽に合わせて手を動かして遊ぶ音楽レクリエーションです。手遊びの曲には、『もしもし亀よ』や『茶済み』『あんたがたどこさ』『おちゃらかほい』などがあります。たとえば、「もしもし亀よ8421体操」は、リズムに合わせて左右の方を叩いていく遊びです。右肩を8回、左肩を8回叩き、その後も左右それぞれ4回、2回、1回と叩いていき、最後に両手を合わせます。身体を動かすので、身体機能の維持・向上が期待できるでしょう。手遊びをする際は、周りの人に手が当たらないように注意が必要です。

4.童謡カルタ

童謡カルタは、童謡の歌詞や連想するイラストが書かれた札で行うカルタです。やり方は通常のカルタのように読み手が歌ったり、音楽を流したりして行います。歌詞の出だしや2番・3番の歌詞、歌詞の最後など札に書く内容で難易度を変えることが可能。また、札の裏に得点を書いておくと、取った枚数で勝ち負けが決まらないので最後まで盛り上がれるレクリエーションです。札を作るときは、ダンボールや画用紙を使って大きめの札を作ると良いでしょう。

5.イントロクイズ

利用者さんが知っている曲のイントロを流して、曲名が分かった人から解答するゲームです。曲名を思い出すのは高齢者になるとなかなか難しいものなので、脳のトレーニングになります。イントロクイズをする際は、誰もが知っている有名な曲を出題するようにしましょう。また、利用者さんが正解したときは、しっかりと盛り上げます。間違えてしまったときも「惜しいですね!」と声を掛けてネガティブな気持ちが残らないようにフォローすることが大切です。

6.キーワードで曲名当てクイズ

キーワードで曲名当てクイズとは、歌詞や場面、場所、季節などその曲に関するキーワードから曲名を当てるゲームです。キーワードで条件を少しずつ絞りながら、考えるので脳の活性化につながります。これまでの紹介した音楽レクリエーションと同様に、利用者さんに馴染みのある曲から出題しましょう。

7.音楽で神経衰弱

曲名と歌詞を書いたカードを合わせる神経衰弱です。伏せたカードを2枚ずつ順番にめくり、ペアができたときはその曲を歌います。記憶力を鍛え、認知能力の維持・向上が見込めるゲーム感覚の音楽レクリエーションです。できる限り誰もが知っている曲を使用するのがおすすめですが、利用者さんが知らない歌を引いた場合は、みんなで歌いましょう。

8.音楽の連想ゲーム

特定のテーマの曲をいくつか流して、連想できるテーマを当てるゲームです。たとえば、『およげたいやきくん』『おべんとうばこのうた』などの曲であれば「食べ物」がテーマといえます。ほかにも、花の種類や季節などさまざまなテーマで出題が可能です。また、複数のテーマを連想できることがあるので、一つの正解を当てるというよりは、好きなように連想することを楽しむゲームといえます。自由に思考できるので発想力を鍛えられる音楽レクリエーションといえるでしょう。

9.字抜き歌あそび

字抜き歌あそびは、言葉のとおり特定の文字を抜いて歌い、文字を抜いた部分で手拍子をする遊びです。たとえば、『むすんでひらいて』で「て」を抜く場合、「むすんでひらいて」の「て」の部分で手を叩きます。頭を使いながら、手先の運動ができる音楽レクリエーションです。ほかにも、『黒田節』の「の」抜き、『七つの子』の「か」抜き、『うさぎとかめ』の「の」抜きなどがあります。
字抜き歌あそびは、なかなか難しいゲームなので、歌詞カードを用意しておくと利用者さんもやりやすいでしょう。また、抜く文字数や曲の長さによって難易度を調整できます。慣れてきたら2人で向かい合って、手拍子をハイタッチにしてみるのもおすすめです。

10.歌リレー

歌リレーは、一曲を1人ずつ決められた文字数分だけ歌い、次の人にリレーするゲームです。5文字や10字などいろいろな文字数で挑戦してみてください。全員で間違えずに歌えたら成功です。歌リレーは、高齢者だけでなく、介護職員にとっても脳のトレーニングになります。実際に歌リレーをする際は、円になって顔を合わせながら行うほうがコミュニケーションが取りやすく、盛り上がるでしょう。歌詞カードも忘れずに準備することが大切です。

11.歌合戦

歌合戦は、2チームに分かれて別の歌を歌うゲーム感覚の音楽レクリエーションです。スタントコーラスともいい、間違えたり、相手チームにつられたりしてしまうと負けになります。同時に歌うほかにも、一節ごとに交互に歌う方法も。対戦することで盛り上がり、利用者さんに楽しんでもらえるでしょう。
歌合戦には、身体機能の維持・向上や認知機能トレーニングの効果が期待できます。『早春賦』と『スキー』、『証城寺の狸囃子』と『かたつむり』、『あめふり』と『鳩ぽっぽ』、『花咲かじいさん』と『金太郎』、『春が来た』と『雪やこんこ』などの曲で対戦するのがおすすめです。

12.音楽を描く

歌から感じた印象や連想されるものを描きます。絵の腕前は気にせず、感じたままに絵を描いてもらいましょう。「聞く・思考する・描く」という工程を経ることで高齢者の脳の活性化につながります。たとえば、『ふるさと』を聞き、利用者さんそれぞれが思い描く故郷を描いてもらうのもおすすめです。絵を描く際に、利用者さんが異食をしてしまわないように注意しましょう。

13.リズム体操

リズムに合わせて身体を動かす音楽レクリエーションです。高齢者の身体機能の向上やストレスの発散が期待できます。『365歩のマーチ』『幸せなら手をたたこう』『上を向いて歩こう』『ズンドコ節』『ドレミのうた』などの曲に合わせて身体を動かしてみましょう。リズム体操をするときは座りながらできる体操を選ぶことで、誰でも参加でき、多くの利用者さんに楽しんでもらえます。

14.輪唱

輪唱は歌い出しをずらして歌う音楽レクリエーションです。ただ歌うだけではなく、ほかの人に釣られないように歌うのは意外と難しいので、高齢者の認知機能の維持・向上が見込めます。輪唱する曲は、『もみじ』『ほたるこい』『雪』『静かな湖畔』などがおすすめです。

15.楽器の演奏

楽器の演奏も音楽レクリエーションの一つです。みんなで演奏すれば一体感を得られるほか、コミュニケーションの活性化につながるでしょう。ほかにも、楽器の演奏は認知症の予防になったり、手先の運動になったりするなどのメリットがあります。
楽器は、利用者さんに合ったものを選びましょう。鈴やタンバリン、ツリーチャイム、トーンチャイム、カスタネット、スティックなど、振ったり叩いたりすれば簡単に音が出る楽器がおすすめです。楽器を自分で作るのも愛着が湧きます。また、演奏をする際は、利用者さんの手から楽器が離れてしまわないように注意しましょう。

▼関連記事
介護のレクリエーション嫌いを克服するには?どうしても苦手な場合の対処法

音楽レクリエーションをする際の注意点

ここでは音楽レクリエーションをする際の注意点を詳しく解説しています。高齢者の方が安全に楽しめるように、以下の点を注意してレクリエーションを実施しましょう。

なるべく全員が知っている曲を使用する

音楽レクリエーションをするときは、なるべく全員が知っている曲を使用しましょう。曲を知らない人が疎外感を覚えないように注意が必要です。また、「曲は知っているけど、歌詞はうろ覚え…」という方もいるので、歌詞を書き出しておくと良いでしょう。

高齢者に人気の曲

高齢の方に人気があり、誰でも歌える曲といえば、歌謡曲や童謡などが挙げられます。以下で、高齢者に人気のある曲の一例を紹介するので、「どの曲を使えばいいの?」とお悩みの介護職の方はぜひ参考にしてみてください。

  • 津軽海峡・冬景色
  • 天城越え
  • 川の流れのように
  • 見上げてごらん夜の星を
  • 上を向いて歩こう
  • また君に恋してる
  • さそり座の女
  • きよしのズンドコ節
  • 贈る言葉
  • おら東京さ行ぐだ
  • 雨の慕情
  • 男はつらいよ
  • まつり
  • こいのぼり
  • たき火
  • めだかの学校
  • 春の小川
  • かえるのがっしょう
  • 夕焼け小焼け
  • ちょうちょ
  • 茶摘み
  • ふるさと
  • 手のひらを太陽に
  • 仰げば尊し

「何度も実施するうちにマンネリ化してきた…」と思う場合は、利用者さんにレクリエーションに使用する曲のリクエストを事前に募るのも良いでしょう。

お手本を見せる

歌を唄うときや楽器を演奏するときは、介護職員がお手本を見せます。介護施設には車椅子の方もいるので、安定して立位姿勢を取れる方だけではなく、座ったままできるレクリエーションのお手本を見せると良いでしょう。利用者さんの緊張をほぐすために正しいお手本の前に職員が失敗例を見せるのも効果的です。

利用者さんが参加しやすくなる声掛けをする

利用者さんが音楽レクリエーションに参加しやすくなる声掛けをすることも大切です。「△△さんも一緒にやりませんか?」「何を歌いたいですか?」など個人的な声掛けをしっかりと行いましょう。恥ずかしがっていたり、ルールが理解できていなかったりする可能性があるので、全員が輪に入れているかしっかりと確認します。また、「せーのっ!」「うまいですね~!」というように全体に声掛けをするのもレクリエーションが盛り上がるポイントです。

利用者さんの身体機能に合った内容にする

利用者さんの身体機能に合った内容にするのも音楽レクリエーションを成功させるコツです。たとえば、激しい動きのあるレクリエーションは体を動かすことが難しい方が楽しめないかもしれません。曲のキーやテンポなども利用者さんが歌いやすい・演奏しやすいように調整しましょう。

高齢者向けの音楽レクリエーションに関するよくある質問

高齢者向けの音楽レクリエーションに関するよくある質問に回答します。「音楽レクリエーションが思いつかない…」という方は、ぜひチェックしてみてください。

高齢者のリズム遊びにはどんなものがあるの?

高齢者のリズム遊びには、「健口(けんこう)体操」や「グーパー体操」などがあります。健口体操とは、音楽にあわせて「あいうえお」などと発声し、口や顔の筋肉を動かす体操です。グーパー体操は、左右の手を閉じたり開いたりして交互にグーとパーの方に動かします。ほかにも、リズムに合わせたボール運びや風船バレーなど、気軽にできるリズム遊びの種類はさまざまです。「音楽を使った高齢者向けレクリエーション15選」で高齢者向けの音楽レクリエーションを紹介しているので、ぜひご一読ください。

音楽療法と音楽レクリエーションは何が違うの?

音楽療法は音楽を用いた治療を目的としています。一方で、音楽レクリエーションは楽しむことが目的です。音楽には、不安や痛みの軽減、コミュニケーションのサポート、精神の安定、リラックス効果が見込めます。音楽療法では、専門家である音楽療法士が指導しているので、よりその効果が期待できるでしょう。

まとめ

高齢者向け音楽レクリエーションの効果は、「身体機能の維持・向上」「認知症の予防」「ストレスの発散」「社会性の醸成」などがあります。介護施設では、利用者さん同士のコミュニケーションの活性化にも役立つ場面があるでしょう。
音楽レクリエーションには、「カラオケ」や「手遊び」「童謡カルタ」などさまざまな種類があります。利用者さんの状態に合ったレクリエーションを企画しましょう。音楽レクリエーションを企画・実施する際は、なるべく利用者さん全員が知っている曲を使用するようにします。また、ルール説明をしっかりと行い、最初にお手本を見せることで、利用者さんも参加しやすくなるでしょう。声掛けを積極的に行うことも大切です。利用者さんが間違えてしまった、もしくはゲームで負けてしまったときは「惜しいですね!」「次こそ、勝ちましょうね」と声を掛けてみてください。

介護サービス事業所の音楽レクリエーションの方法や担当頻度は施設によって異なります。レクリエーションの企画に積極的に携わりたい方は、レクリエーションに力を入れている介護施設を見つけることが重要です。また、レクリエーションが苦手な方は、レクの実施が少ない施設へ転職する道もあるでしょう。

自分に合った職場を探している方は、「レバウェル介護(旧 きらケア)求人」をご利用ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した就職・転職エージェントです。どのようなレクリエーションを行っているのか、どれくらいの頻度でレクリエーションを実施しているのかなど、施設には直接聞きにくいこともアドバイザーに質問できます。ほかにも、アドバイザーがあなたの希望条件に合った求人をご提案!介護職のキャリアパスについて相談もできるのでお気軽にご登録ください。

▶レバウェル介護(旧 きらケア)TOPページはこちら
▶正社員の求人一覧はこちら

登録は1分で終わります!

アドバイザーに相談する(無料)

関連ジャンル: 介護のアイデア

この記事をシェアする

  • facebook
  • X
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※この記事の掲載情報は2024年8月1日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

「介護のアイデア」の人気記事一覧

「総合」の人気記事一覧

新着記事一覧