食事介助のスプーンテクニックの基本!誤嚥を防ぎスムーズに介助するには?

介護の仕事 2024年5月14日
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男性介護士がスプーンでご飯を中年男性に食べさせているイメージ

この記事のまとめ

「スプーンでの食事介助が難しい…」こんな悩みを抱えている介護職の方もいるのではないでしょうか? 食事介助は、介護職にとって基本的な業務ですが、コツを抑えていないと意外と時間を要してしまうものです。本記事では、食事介助のスプーンテクニックの基本をはじめ、誤嚥を防ぎ、スムーズな介助を行うための基本を解説しています。本記事を読んで食事介助のスプーンテクニックについて学び、介護現場で活用しましょう。

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目次

食事介助をスムーズにするスプーンテクニック

人が食べ物を口に運ぶ手順と、手順ごとのスプーンテクニックを解説します。

食べ物が乗ったスプーンを下唇に当てる

1つ目のテクニックは、「スプーンを下唇に当てる」です。食事介助される利用者さんは、認知症の進行により食べ物を認識できない場合があります。スプーンを下唇に触れさせることで、食べ物が口元にあると認識させることができます。利用者さんを驚かせたり不快な思いをさせたりしないよう、スプーンは優しく当てるようにしましょう。

口の中に取り込む食べ物は一口量にする

誤嚥を防止するため、スプーンには一口量の食べ物を載せましょう。食べ物を認識して口に入れると、利用者さんは飲み込むために咀嚼(そしゃく)したり、飲み込める位置に食べ物を舌で送り込んだりします。一口量が多すぎると、この動きがスムーズにできません。適切な一口量は食べ物によって異なるため、介助をする際は利用者さんの様子を見ながらスプーンに載せる分量を調整しましょう。また、介助の際、スプーンを口の中に入れすぎないことも重要なポイントです。食べ物を奥に入れすぎると咀嚼しにくく、誤嚥リスクを高めてしまいます。

スプーンは水平に引く

スプーンを口から出すときは、水平に引くように意識するのがポイントです。斜め上に引いてしまうと自然にあごが上がってしまう格好になるため、誤嚥を促してしまう危険性があります。

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自然な摂食嚥下を促すスプーン操作がポイント

スムーズで安全な食事介助を行うには、介助対象の方が食べ物を認識し、飲み込むまでの自然な動きを促すのがポイントです。スプーンを使って介助を行うときは、食事の際の自然な口や舌の動きを再現することを意識しましょう。物を飲み込むときの手順は「摂食嚥下の5期」と呼ばれます。以下にそれぞれのプロセスと介助のポイントを表にまとめたので、参考にしてください。

摂食嚥下の5期

プロセスと介助のポイント

先行期

見た目や香りで食べ物を認識します。認知症などの症状によっては難しい場合もありますが、できるだけこの段階で食べ物を認識できるよう、工夫をしてみると良いでしょう。

準備期

食べ物が口の中に入り、咀嚼する段階。食べ物と唾液を混じらせ、飲み込みに適した形にします。スプーンテクニックが最も活きるプロセスなので、咀嚼しやすいよう、一口の量に気を付けながら、奥に入れすぎないように注意して介助しましょう。

口腔期

舌を上あごに押し当てるような動きで食べ物をのどの奥へと運ぶ段階です。

咽頭期

食べ物を食道に送る段階です。このプロセスでは、気道が蓋がされ、誤嚥を防ぐ働きがあります。高齢者などではこの機能が弱いため、誤嚥のリスクが高まります。頻繁にむせ込みが見られる場合などは、食形態の変更やトロミ剤の使用を検討すると良いでしょう。

食道期

食べ物を食道から胃に運ぶ段階です。このプロセスでは、口腔内に食べ物はなく、自分の意思で行うことはありません。

以上が「摂食嚥下の5期」です。自然な摂食嚥下の流れを理解しておくだけでも、食事介助がスムーズに行えるようになります。何度か見直して、意識しながら業務にあたれるようにしておくと良いでしょう。

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スプーンテクニック以外の食事介助の基本対応

食事介助を行う際のスプーンテクニック以外の重要なポイントについて押さえておきましょう。基本的なことですが、まだ自信がない方は、今一度しっかりと確認しておくことをおすすめします。

食事中の姿勢を整える

ベッド上で食事介助をする場合と椅子や車いすに座る場合それぞれで、適切な姿勢を保てるよう、適宜クッション等を使用しながら姿勢を整えましょう。姿勢が悪いとそれだけで食事量が低下することもあります。誤嚥のリスクも高まるため、姿勢には気を配るようにしましょう。

利用者さんの斜め前から食事介助を行う

食事介助は斜め前から行うのが基本です。正面だと監視されている感じがあり、圧迫感で食べにくいと感じる方もいるので注意しましょう。また、普段食べ慣れている方向から介助するのが望ましいとされているため、利用者さんの利き手側、もしくは健側(けんそく)側から介助を行うのが鉄則です。

スプーンに乗せる一口の量に気をつける

一口の量が多すぎると食べにくく、食事のペースが落ちるだけでなく、誤嚥リスクも増大します。一口の適正量は個人差がありますが、時間に余裕がない状態で介助すると、無意識に多めになってしまうこともあるので十分に気を付けましょう。義歯を使用していたり、歯がない状態で食事をする方の場合は、特に気を配る必要があります。

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食事介助に役立つ福祉用具

食事介助で使うスプーンは、小さめで1回ですくえる量が少なく、柄が長めのものやシリコンなど柔らかい素材でできたものが役立ちます。

小さめのスプーンを使用して介助を行うと一口の量が多くなることを防げるため、適正量がわからない場合は積極的に使用すると良いでしょう。また、少し奥の方まで入れないと飲み込みができない利用者さんなどには、柄が長いものが役立ちます。さらに、口が開きづらい方にはシリコン製のものを使うと、口を傷つける心配がないため、安心して介助が行えます。

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食事介助で困ったときの対処方法

食事介助中によくあるトラブルやつまずきポイントについて解説します。

食事介助中に誤嚥したとき

むせこみがある場合は、顔を下に向けて背中をタッピングするのが基本的な対応です。口の中に残渣や淡がある場合は、ティッシュやガーグルベースンを使って排出を促しましょう。

飲み込みが悪いとき

飲み込みが悪い状態が続くようであれば、食形態の見直しを検討しても良いかもしれません。また、一口の量が多すぎないか確認するのも有効です。さらに、食事の時間にも留意し、30分程度で終わらせるように心がけましょう。

利用者さんが、食事介助で長い間、不適切なスプーン操作を受けてきた場合は、すぐに飲み込めるようにはなりません。この場合、舌の前方をスプーンで押してあげると飲み込みが促され、飲み込む力が徐々に戻ってくるので、ぜひトライしてみてください。

認知症による食事拒否があるとき

強い拒否の場合は無理をせず、時間を置く対応が鉄則です。また、本人の嗜好を考慮して、好きな物を提供してみるのも有効でしょう。

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まとめ

本記事では、介護現場での食事介助における、スプーンテクニックと食事介助に関する基本的な知識について解説しました。食事介助のスキルは、介護職にとって必須のスキルになりますが、介助のスピードを優先するあまり、間違ったスプーンテクニックを取得してしまっている介護職も少なくありません。
大切なのは介助のスピードや全量摂取を目指すことではなく、利用者さんが無理なくおいしく食事を摂るための手助けをすることです。
気持ちに余裕を持ち、丁寧で安全な介助を心がけましょう。

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執筆者

  • 椿るい

    介護福祉士ライター

現役介護福祉士。認知症専門病院で看護助手として勤務した後に介護福祉士を取得し、現在は特養に勤務している。食事・排泄・入浴等、利用者さんの生活に係る介護全般に従事。派遣社員として勤務していた経験や副業経験もあり、介護職として柔軟な働き方を目指す。

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※この記事の掲載情報は2024年5月14日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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