食事拒否の原因とは?介護者が押さえておきたい認知症を患う方への対応方法

介護職の悩み 2024年5月14日
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食事を拒否する老人の画像

この記事のまとめ

「最近食事を拒否するようになった」「食事拒否をする原因は?どんな対応をしたらいい?」といったお悩みや疑問を抱えている介護者の方は多いでしょう。認知症を患う高齢者は、症状の進行から食事拒否をするケースが多い傾向にあります。本記事では、認知症を患う方が食事拒否をする原因や対応方法などについて解説。原因を知れば正しい対策を講じることができるはずなので、食事拒否への不安や心配がある方は、ぜひご覧ください。

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目次

認知症を患う方が食事拒否をする原因

まずは、認知症を患う方が食事拒否をする原因について詳しく解説します。

食べ物や食べ方が分からない(認知症の進行)

食事拒否をする原因は、認知症の症状が関係していることがあります。具体的な症状としては、食べ物を食べ物と判断ができない「失認」と、食べ方が分からなくなってしまう「失行」です。

失認・失行の症状が現れると、「食べ始めるのに時間がかかる」「食事をしようとしているが、困った顔をして手が止まっている」などといった様子がみられ、結果的に食事拒否につながってしまいます。

体調が悪い

便秘や睡眠不足など、体調不良が原因で食事拒否をするケースもあります。体調不良が原因で食事拒否をしている場合は、その原因が解決することで食欲が戻ることが多いです。

認知症を患う方の中には、体調不良を訴えることが難しい人もいるため、介護者が体調確認をしっかり行い、異変に気づけるようにすることが大切です。

気分の落ち込みが見られる

認知症の症状の一つに「BPSD(行動・心理症状)」というものがあります。人によっては、このBPSDの精神症状である「気分の落ち込み(抑うつ状態)」が見られることも。気分が落ち込むと食欲が湧かなくなったり、食事が楽しめなくなったりして、結果的に食事拒否につながってしまうケースもあるようです。

BPSD(行動・心理症状)について詳しく知りたい方は、「BPSDの症状や影響とは?原因や対応のコツ、治療・予防の方法も解説」の記事をぜひチェックしてみてください。

病気の症状や薬の副作用が影響している

本人が患っている病気の症状や服用する薬の副作用が影響して、食事拒否につながっている可能性も考えられます。

認知症を患う方や高齢者は、認知症の進行を遅らせるための薬や血圧を下げる薬など、いろいろな薬を服用している方も多いです。そのため、「のどが乾きやすい」「食事中に眠くなる」などといった薬の副作用による影響があると食事に集中できず、食事拒否につながっていきます。

嚥下などの身体機能が低下している

高齢者自身の飲み込む力(嚥下)や消化する力などの身体機能が加齢によって低下していると、食事拒否につながることがあります。

たとえば、飲み込む力(嚥下)が低下しているとむせて咳込んだり、食べたものを吐き出したりすることがあります。このような状況が続くと、「また苦しい思いをするかも…」と考えてしまい、食事の時間を嫌な時間として認識してしまうこともあるでしょう。その結果、食事を楽しめなくなったり、食欲が低下したりして食事拒否につながってしまいます。

食事内容に問題がある

たとえ、栄養バランスが整った食事だとしても、自身の好みに合わないものは食べたいと感じないですよね。そのため、食事内容に苦手な食べ物があると食欲が湧かず、拒否が起きることがあります

また、食事形態の変更も、拒否の原因の1つになりえます。本人の患う病気や嚥下状態によって食事形態が減塩食になったり、ミキサー食になったりすると「味が薄い」「見た目がドロドロで食事内容が分からない」といった理由から、食事拒否が起こることも珍しくないようです。

入れ歯や虫歯などによる口腔トラブルがある

高齢者のなかには、入れ歯を装着している人も多いでしょう。入れ歯を装着している場合、「入れ歯が合わない」「虫歯によって痛みがある」などといった口腔トラブルが原因で食事拒否が起こるケースもあるようです。入れ歯が合わないとしっかり噛むことができないため、食事中にストレスを感じてしまいます。また、虫歯などの痛みを伴う場合も食事に集中できず、結果的に食事拒否につながってしまうでしょう。

認知症を患う方は、このような状況を言葉でうまく説明できず、食事拒否をすることで伝えている可能性があるので、注意深く観察することが大切です。

食事をする環境に問題がある

「テレビの音が気になる」「静かすぎて落ち着かない」「電気が明るすぎて眩しい」など、食事をする環境に問題があることで集中できず、食事拒否が起きている場合もあります。

また、「介護者の介助するスピードが早すぎて落ち着いて食べられない」といったことも食事拒否をする原因の1つです。そのため、なるべく本人がリラックスした状態で食事ができるよう環境を整えたり、介助スピードに配慮したりすることが大切になります。

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認知症を患う方が食事拒否をした際の対応方法

前項では、認知症を患う方が食事拒否をする原因についてお伝えしました。しかし、「実際に食事拒否をされたらどう対応すればいいの?」という疑問をお持ちの方は多いはず。ここでは、認知症を患う方が食事拒否をした際の対応方法について解説しています。普段のケアのなかで、すぐに実践できる内容なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

本人の食事習慣や意思を尊重する

もともとの本人の食事習慣が現在と違っていると、食事拒否が起こることがあります。食事をする時間や食事の内容などに決まった習慣がある場合は、なるべく合わせるよう努力することが重要です。とはいえ、施設などに入所していて食事の時間が決まっている場合は難しいこともあるでしょう。可能な範囲で本人の今までの食事習慣に近づけるのが理想です。

また、食事拒否が起きている際は本人の意思を尊重することも大切です。食事が進まないのに無理に進めることは、本人にとって大きなストレスにつながります。本人の意思を尊重し、体調などにも配慮しながら対応していきましょう。

普段から体調を管理する

食事が美味しく食べられるように、普段から体調を管理することも大切です。「便が出ない」「体がだるくて食欲が湧かない」といった体調不良における管理だけではなく、口腔内の管理もしっかり行いましょう。義歯に異常があったり、虫歯による痛みなどがあったりすると食事拒否につながりかねません。

特に認知症を患う方は、自身の不調を訴えることが難しい場合もあるため、介護者がすぐに異変に気づけるようにすることが大切です。

介護者が無理強いしないようにする

食事が進まないからといって、無理強いしないようにしましょう。介護者が食事を無理に進めたり、食べないことを責めたりすると食事をすることがストレスとなり、食事拒否をさらに強めてしまうことも。また、無理に進めることで誤嚥につながってしまう可能性もあります。

食事が進まない時は水分摂取を促し、本人が食べられそうなものを提供するなどして対応しましょう。その際に介護者は、見守る姿勢でいることが大切です。

適度な運動をしてもらう

適度な運動は食欲を刺激したり、低下していた食欲の改善につながったりする効果が期待できます。軽いストレッチや散歩など、体への負担が少ない範囲で行うだけでも良いので、適度な運動を日々の生活のなかに取り入れましょう。

食器や食材を工夫する

食べ物や食べ方が分からない(認知症の進行)」の項目でもお伝えしましたが、認知症の症状の一つとして、食べ物を食べ物と判断ができない「失認」が見られる場合があります。失認が見られる場合、食器の柄と食べ物の判別がしづらいことがあるため、シンプルな食器を使うと良いでしょう。その際、食欲が湧きやすい暖色系の食器を選ぶのがおすすめです。

食器以外にも箸やスプーンなどのように食事に使う道具も工夫しましょう。筋力の低下などによって箸がうまく使えなくなってしまった場合は、スプーンやフォークを用意しておくのもおすすめ。こうした工夫を行うことで、食事をする際のストレスが軽減でき、食事に集中しやすくなります。

また、本人が食べやすいように食材の大きさや固さを工夫することも大切です。大きくて食べづらかったり、固くて嚙み切れなかったりする食材では食欲が減退してしまうでしょう。本人の食事の進み具合などをしっかり観察しながら、対応するよう心がけてください。

高齢者が食べやすい食材

高齢者が食べやすい食材は、以下のとおりです。

  • 細かく刻んだものやミンチ状にした柔らかいもの
  • 口の中でまとまりやすいもの
  • おかゆ
  • ゼリーや豆腐など飲み込みがしやすいもの

上記のような食材は高齢者が咀嚼や嚥下がしやすいため、食べやすい食材とされています。しかし、食べやすいからといって一口の量が多くなってしまったり、しっかり噛まなかったりすると誤嚥につながってしまうことがあるため、注意が必要です。

嚥下機能が低下している方にはとろみ剤も合わせて使用するなど、一人ひとりに合わせた対応を行いましょう。

調理方法や盛り付けを変える

食材をカットするときの大きさや食べ物の固さを変えるなど、調理方法を工夫することで「食べやすい」と感じてもらえることがあります。

また、今まで盛り付ける量が多かった場合は、少なくして提供してみましょう。盛り付ける量が多いと見た目の圧迫感から食欲が減退し、食事拒否につながってしまうケースもあります。自然と食欲が湧いてくるような調理方法や盛り付けを意識しましょう。

好きなメニューを提供し、食欲を出してもらう

食事拒否をする方のなかには、「苦手な食べ物ばかりだから食べたくない」と感じて食事拒否をするケースがあります。栄養バランスも大切ですが、苦手な食べ物ばかりでは食欲が湧きづらいだけではなく、食事拒否がさらに強くなってしまうことも。可能な範囲で本人の好きなメニューを提供し、食欲を出してもらえるようなケアを行いましょう。

食事環境を変える

認知症を患う方は周囲の環境の変化や影響を受けやすい傾向にあるため、食事環境を変えることで、拒否が起きづらくなることがあります。テレビを消したり、食事以外のものをテーブルには置かないようにしたりするなど、集中して食事ができる工夫を行いましょう。

また、テーブルや椅子の高さを調整したり、食べやすい姿勢をとったりする工夫も大切です。姿勢を整えることは誤嚥予防にもつながるため、しっかり行いましょう。

状況によって声かけや食事介助などを行う

認知症を患う方の中には食べ方が分からなくなってしまう方もいるため、状況によって介護者が声かけや食事介助などを行うと良いでしょう。一緒のテーブルにつき、食べ方を見てもらったり、道具の使い方を伝えたりすることで真似をして食べてくれるかもしれません。なるべく本人の力で食事が摂れるよう促し、どうしても難しい場合は介助を行うと良いでしょう。食事介助を行う際は、「今日のメニューは〇〇ですよ」「どれから召し上がりますか?」など、食欲が湧くような声かけも効果的です。

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認知症を患う方が食事を摂らなくなったときの寿命

認知症末期では寝たきりになってしまうことが多く、寝たきりの状況が続くと食欲が低下したり、食事を摂ったりすることが徐々に難しくなっていきます。最後には食事自体を認識できなくなり、寿命を迎えるというケースも多くみられます。

認知症を患う方が自宅や介護施設で食事を摂れなくなった場合、今のまま看取りをするか病院に入院するかの2つの選択があります。入院する場合は、胃ろうなどの経管摂取で栄養を摂る方法が一般的です。しかし、経管摂取は手術が必要になるため、本人にとっては体力的な負担が大きくなってしまいます。

本人の意向や家族の意思確認など、後悔のない最期を迎えるための準備をしっかり行うことが大切です。

食事拒否に関するよくある質問

ここでは、食事拒否に関するよくある質問にQ&A形式で回答します。食事拒否をする理由や対応方法などへの疑問をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてください

食事拒否への対応はどうしたらいいの?

食事拒否がある際は、無理強いをせず、本人の今までの食事習慣や意思を尊重しましょう。ほかにも、食事環境を変えたり、食器や食材、盛り付けを工夫したりすることも効果的です。人によっては、「食べ方が分からない」「食べ物と認識できない」といった認知症の症状が見られることもあるため、介護者が声かけや食事介助を行うなど、状況に応じた対応を行いましょう。本記事の「認知症を患う方が食事拒否をした際の対応方法」で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

高齢者が食事拒否をする理由は何?

高齢者が食事拒否をする理由は、いくつかあります。たとえば、「食べ物や食べ方が分からない」「嚥下などの身体機能が低下している」「入れ歯や虫歯などによる口腔トラブルがある」などです。しかし、あくまで理由なので、その人の体調や服用している薬の副作用が影響して食事拒否が起こることもあります。詳細については、本記事の「認知症を患う方が食事拒否をする原因」で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

認知症を患う方は入院や点滴を行うことは可能なの?

認知症を患う方は、入院や点滴を行うことは可能です。しかし、認知症の進行レベルやほかの病気の有無、状況などによっては入院を断られてしまうことも。「もし、入院や点滴が必要になっても断られてしまったらどうしよう…」と不安な気持ちになってしまう介護者の方もいるでしょう。一般の病院では対応が難しくても、認知症を患う方を専門に対応している病院もあるので、諦めずに探してみることをおすすめします。

まとめ

食事拒否が起こる理由は、認知症の進行や身体機能の低下、口腔トラブルなどさまざまです。しかし、一概にこれらの理由だけが原因で起こるわけではなく、その日の体調や食事環境、服用する薬の副作用などが影響することもあります。

食事拒否が起こった際には、まず本人の気持ちや意思を尊重し、無理強いをしない対応を心がけましょう。ここで無理に食事を進めてしまうと、本人にとって大きなストレスとなり、食事拒否をさらに強めてしまう可能性も。本人のペースや状況に合わせながら、食材や食事環境などを工夫したり、声かけ・介助を行ったりして対応することが大切です。

本人と介護者がお互いにストレスなく、安全に食事の時間が楽しめるよう、食事拒否が起こる原因や対応方法をしっかり理解しましょう!

「人手が足りず、自分の思うような介護ができない」

「もっと利用者さん一人ひとりとの関わりを大切にしたい!」

現場で働く介護士さんのなかには、このようなお悩みを抱えている方もいるでしょう。

施設によっては食事介助が作業のようになってしまっている所もあり、それが原因で食事拒否が起きてしまっている可能性もあるかもしれません…。

上記のようなお悩みやお考えをお持ちの方は、介護職専門の転職エージェントレバウェル介護(旧 きらケア)の利用がおすすめです。レバウェル介護(旧 きらケア)では、介護業界に特化した就職・転職支援を行っているため、あなたの希望条件に合った職場探しをしっかりサポート!ほかにも、面接対策や待遇の交渉など専任のキャリアアドバイザーが付いて対応するので、安心して転職活動を進めることができます。サービスはすべて無料なので、まずはお気軽にご登録ください。

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執筆者

  • おいもッコ

    元介護士ライター

グループホームを中心に、有料老人ホームやデイサービスなどの施設で約7年半ほど介護士として勤務。リーダー業務なども経験しながら、多くの認知症高齢者や介護業務に携わる。2021年に介護福祉士を取得。現在は今までの経験を活かし、「元介護福祉士ライター」として介護士さんに共感してもらえるような、お役立ち情報などを発信している。

関連ジャンル: 介護職の悩み

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※この記事の掲載情報は2024年5月14日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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