回想法とは?認知症に対する5つの効果と介護施設や自宅での実践方法を解説

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ソファーでヘッドホンで音楽を聴いている男性高齢者とそれをサポートする男性介護士のイメージ

この記事のまとめ

「回想法の効果ってなに?」「回想法の具体的な実践方法が知りたい」

上記のようなお悩みを抱えている介護職員もいるのではないでしょうか?回想法は認知症へのアプローチ方法の1つとして知られており、介護現場で広く活用できる心理療法です。本記事では、回想法の効果や実践方法について解説します。具体的な会話の手順も記載していますので、本記事を読み、回想法の実践手順を身につけて介護現場で活用しましょう。

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目次

回想法とは?

回想法とは、アメリカの精神科医であるロバート・バトラー氏が提唱した心理療法の1つです。介護業界において、認知症への効果的なアプローチ方法の1つとして知られ、認知症の進行を予防するなど、さまざまな効果が期待されています。

昔の写真や音楽、風景などをきっかけに当時を思い出し、思い出を語り合うことで脳の働きを活性化させる効果などがあるとされており、それによって認知症の進行が予防できると言われています。

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回想法の効果

認知症に対する回想法の効果についてさらに詳しく解説します。本記事で紹介する回想法の効果は次の5つです。

  • 脳の活性化
  • コミュニケーションの機会の創出
  • 不安や孤独感の軽減
  • 自尊心や自信の回復
  • 認知症の予防や改善

脳の活性化

回想法では、過去の思い出や当時の生活などを振り返る必要があります。そのため、「思い出す」という作業に脳を使ったり、思い出したことを他者に話したりすることで発語の機会も増えるでしょう。ほかにも、考えることや発語によって脳が活性化する効果が期待できます。
また、回想することで脳の血流量が増えることも認知症にとって非常に良いことと言われています。

コミュニケーションの機会の創出

認知症を患うと会話の中での失敗体験が続き、会話が億劫になったり、自信をなくすきっかけになってしまったりすることがあります。その結果、認知症を患うと会話の機会が減少する傾向があるのです。回想法では、昔のことを思い出して振り返るだけでなく、それを他者に伝える機会もあります。そのため、他者とのコミュニケーションの機会を創出する効果も期待できるでしょう。

不安や孤独感の軽減

認知症を患うと、今までできていたことができなくなったり、周囲の会話についていけなくなったりと日常生活の中で不安や孤独を感じやすくなります。回想法は、複数人で行う場合でも認知症の程度をなるべく合わせて行うため、会話に違和感を覚えにくく、不安や孤独を感じずに会話をすることが可能です。

自尊心や自信の回復

認知症の進行の度合いが近い方と一緒に会話することで、指摘や訂正をされずに会話を楽しむことが可能です。そのため、自分の想いを存分に語ることができ、自尊心や自信を取り戻す効果が期待できます。

認知症の予防や改善

上記で紹介した4つの効果により、活動性が高まり、集中力の向上、発語の増加などが期待できます。これらは認知症予防に非常に効果的です。また、回想法は認知症の改善にも効果的な方法であると言われています。

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介護施設や自宅での回想法の実践方法

回想法には個人回想法とグループ回想法の2つのパターンが存在します。介護施設においては、レクリエーションの一環としてグループ回想法を実施するのも良いでしょう。
それぞれの実践方法について、詳しく解説します。

個人回想法

個人回想法は、1対1で対話をしながら進めていく方法です。日常会話や普段見ているテレビなどから過去の話のきっかけを作り、回想を進めます。きっかけが掴めない場合は、昔の写真や好きな音楽などから話をすると思い出話が進みやすいでしょう。

また、話を聞く側は介護・医療従事者でなくても良いため、在宅で介護を受けている場合などは家族が回想法を実施することも可能です。

グループ回想法

グループ回想法は複数人で行います。基本的には、スタッフ2名に利用者さん6、7名が適切な人数とされていますが、施設の規模や参加できる利用者さんの人数に応じて臨機応変に対応しましょう。
グループで行う場合は、事前に参加者の生活歴などを確認しておき、全員が不快な思いをせずに楽しめる話題をいくつか決めておくとスムーズに進めることができます。また、回想法を実施する際は、スタッフはあくまで傾聴に徹することを忘れずに。自分の話題を話すのは、利用者さんの記憶や言葉を引き出すための手段として使いましょう。

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介護福祉士の筆者が回想法で実践している質問方法

回想法を実践する際に、筆者が実際に行っている質問方法や実践の流れを解説します。次の3ステップを意識するとスムーズに行えることが多いため、回想法の手順に自信がない場合は、ぜひ参考にしてみてください。

  • きっかけを作る
  • 話題を広げる
  • 傾聴する

きっかけを作る

きっかけは何でも問題ありません。たとえば、見ているテレビから流れる音楽や風景から話題を作っても良いでしょう。とっさにきっかけを作る自信がない場合は、事前にテーマを決めておくのも良いかもしれません。その場合は、テーマに関する道具などを用意しておくと会話が広がりやすいのでおすすめです。

歌謡曲の特集を見ながら、「好きな曲はありますか?」「美空ひばりさんの歌、素敵ですよね」と声を掛ける。そこから好きな歌手を聞き出したり、「カラオケが好き」「演歌が好き」など、個人的なことを話してもらえるように会話を促したりして傾聴します。
質問攻めになりすぎないように、会話のテンポを利用者さんに合わせながら行うのがポイントです。

話題を広げる

上記の方法で会話のきっかけを作れたら、次は会話を広げる段階です。話題を広げるときは、利用者さんの反応を見ながら行います。たとえば、歌から歌手の話をしたり、カラオケの話に派生して趣味の話に持って行ったり、歌詞に地名があれば「行ったことありますか?」と尋ねてみるのもいいでしょう。そこから、「旅行が好きだった」「夫(妻)との思い出で…」など別の話題につながる場合もあります。

1つのテーマからさまざまな話の広げ方を想定しておくと、話題が尽きることなく、会話が自然と続けられます。最初はぎこちなくなってしまったり、会話が途切れてしまったりするかもしれませんが、自然な会話には慣れも必要です。何度も挑戦して練習を繰り返し行いましょう。

傾聴する

会話のきっかけを作り、話題を広げて会話が弾んできたら、適度に相づちをうったり、質問を織り交ぜたりしながら傾聴します。スタッフが自分の話をすることもありますが、あくまで利用者さんの記憶や話題を引き出すための手段として使う意識を忘れずに。話しすぎて利用者さんの回想を邪魔してしまわないように注意が必要です。
また、傾聴する際は表情を観察することも忘れてはいけません。認知症を患う方の場合、話題や単語1つで不安を感じたり、混乱してしまったりすることがあります。万が一、そのような状況になりそうと感じたら、話題を変えたり、休憩を挟んだりするなどして臨機応変に対応する心がけが必要です。

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回想法実践のポイント

回想法を行う際、円滑に進めるためのポイントをお伝えします。このポイントをおさえておくことで、参加した利用者さんが不快・不安になることも防げるため、ぜひ意識して実践してみてください。

話に集中できる環境を整える

物が散乱していたり、話に関係ない音声が聞こえていたりすると集中して会話に参加できない利用者さんもいます。そのため、整頓された環境を用意して回想法を実施することが大切です。

ポジティブな感情で終わる

回想法を終了するときの利用者さんの感情は非常に重要です。焦りや不安など、ネガティブな気持ちで終わってしまうとその状態が続きやすく、その後のケアに悪影響を与える可能性もあるため注意しましょう。また、回想法終了時には、お茶を提供して和やかな雰囲気にするなど、ポジティブな感情を残す工夫を意識的に行うのもおすすめです。

事前に昔を思い出す補助となる道具を準備する

回想のきっかけを作るものとして、事前に道具の準備が必要な場合もあります。その場合は、事前に確認と準備を忘れずに行いましょう。

回想法を実践する際の注意点

最後に回想法を行う際の注意点について解説します。

  • 強制はしない
  • 否定や指摘をしない
  • プライバシーに十分配慮する
  • 政治や宗教など意見が別れやすい話題は要注意

参加を強制しない

特にグループでの回想法を実施する際は、利用者さん各々のペースを乱さないように配慮が必要です。疲れた様子があれば、予定より早めに終えるなど臨機応変に対応することを心がけましょう。

否定や指摘をしない

事実と異なる発言があっても指摘や訂正をしないように注意しましょう。家族が実施する場合などは過去の事実を知っていることが多いため、無意識に訂正してしまいがちです。多少の間違いは多めにみて、聞くことに徹する意識を持ちましょう。

プライバシーに十分配慮する

グループで行う場合などは特に注意が必要な項目です。離婚歴や死別など、人によっては触れられたくない話題になる可能性のあるテーマは避けましょう。生活歴を事前に確認し、一般的にポジティブな話題になりづらいことはテーマとして扱わないように心がけることが大切です。

政治や宗教など意見が別れやすい話題は要注意

政治や宗教、スポーツの話題など、異なった意見が出やすい話題には注意が必要です。些細な意見の違いで口論になるなど、トラブルにならないよう配慮しながら進める必要があります。

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まとめ

本記事では、回想法の効果とその実践方法についてまとめました。
回想法は昔を思い出して語り合うことで脳を活性化させる効果が期待でき、認知症の進行を予防する手段として介護現場でも活用されています。
回想法を介護現場で実践することができれば、利用者さんの認知症の症状を軽減したり、レクリエーションの幅が増えたりとさまざまなメリットが期待できるでしょう。

しかしながら回想法をしっかりと実践するには、時間の確保が必要不可欠です。現在、時間に追われる働き方をせざるを得ない職場にいる場合は、転職を検討してみるのも良いかもしれません。レバウェル介護(旧 きらケア)では、介護業界に特化した転職支援を行っています。介護業界に精通したアドバイザーが一人ひとりの希望に合わせたご提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。ご登録・ご利用は全て無料です。

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※この記事の掲載情報は2024年5月10日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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