
この記事のまとめ
- 色は利用者さんの心理に影響するため、介護福祉の現場でも役立つ
- 高齢者が落ち着く色には緑や青などがあるが、どの色にも長所と短所がある
- 部屋の利用目的や利用者さんの特徴に合わせて色を配置するが大切
目次
各色の心理的効果と問題点
色は、知らず知らずの内に人の心理に少なからず影響を与えます。大脳が色を感知すると視床下部や海馬を刺激し、過去の記憶を蘇らせたり、喜怒哀楽の感情を揺さぶったりもします。高齢者の心のケアを目指す福祉の現場にとって、色は決して軽視できるものではありません。
同時にそれは、心身ともに負担の多い介護士のストレスを軽減する役割も果たしています。色には仕事の効率を高めたり、疲労を軽減させたりする効果もあるのです。その力を有効活用できれば、介護する側とされる側双方にとって大きなプラスになるでしょう。それにはまず、それぞれの色が人に与える影響がどのようなものであるかを理解する必要があります。
例えば、赤は気分高揚、意欲向上、食欲増進の効果があります。しかし、高齢者にとっては血圧が上がりやすく、体力低下時には刺激が強すぎ、バランス感覚も狂いやすいのが難点です。
また、黄色は気持ちが和み、リラックスした気分になります。さらに、胃腸の働きが活発になって消化が良くなるのも高齢者にとってはありがたい点です。ただ、長時間その色を見ていると目がチカチカして疲れてきます。
その点、緑は目に優しい色です。頭痛を和らげる効果があり、身体の疲労回復も期待できます。その上、穏やかな気持ちになって攻撃性も鎮めるのなど良いことずくめに思えますが、周囲への関心や積極性が低下するため、活動的なことを行う場所の色としては不向きです。それに、度合いの強い緑だと、逆に頭痛の原因になることもあるので注意が必要です。
同じように、青にも興奮を静めて精神を安定させる作用があります。しかし、食欲が減退して口数も少なくなるというのが難点です。
最後にピンクですが、この色にも攻撃性を抑える効果があり、その上、明るい気持ちになって幸福感が得られやすいという魅力的な色です。しかしその反面、幼さが強調され、依存性が強くなりやすいという問題があります。
このように、どの色にも長所と短所があるため、介護に活用するには、いかに適切な色を選んで効果的に配置するかが問題になってきます。
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介護の現場における色の配置の仕方
実際に福祉の現場で色を活用する場合、部屋全体に配色するのは大変です。そのため、要所に目的にかなった色のアイテムを置き、部屋にアクセントをつけることになります。それだけでも部屋の雰囲気は大きくかわります。
例えば、ベージュのカーテンと緑の観葉植物の組み合わせなどは福祉介護の部屋に最適です。共に気分をリラックスさせる効果がある上に、ふたつの色を合わせることで、互いの欠点を補完し合います。他にも、絵やクッションや小物など、ちょっとしたもので彩りを与えてあげれば、殺風景だった部屋も華やいで見えてきます。この時に気をつけなければならないのは、色の組み合わせです。
例えば、黒と黄色など明暗がはっきりしすぎた色を使うとコントラスト強すぎて緊張感や疲労感を生んでしまいます。特に、認知症の方などはその刺激に過剰に反応してしまい、思わぬ行動にでる可能性もあります。やはり、色の配合は暗すぎず、明るすぎず、落ち着いた色であるベージュ辺りをベースに考える方が無難です。また寝室は、沈静色と呼ばれる青系統の色をベースにすると気分が落ち着いてよく眠れます。しかし、高齢者の場合だと寒冷色は体の冷えにつながってしまいます。青系統は少なめにして、あまり強すぎない温暖色と組み合わせるのが良いでしょう。
このように、日頃ほとんど意識することない色も人体に与える影響は少なくありません。そのことは介護福祉の現場でも認識が広がり、現在では色彩福祉士という資格もあるほどです。介護福祉関連の仕事を目指している方や現在従事されている方は、介護についてより理解を深めるためにも、福祉と色の関係について考えてみてはいかがでしょうか。
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高齢者に色が与える影響に関するよくある質問
ここでは、高齢者に対して色が与える影響に関するよくある質問に回答します。介護における色の効果に興味がある方は、ぜひご一読ください。
高齢者が見えやすい色と見えにくい色が知りたい
高齢者は、目の水晶体の老化により、色の識別能力が低下してしまうため、見えやすい色と見えにくい色があります。見えやすい色は、暖色系の赤色やオレンジなどです。ほかにも、緑色は目の黄変の影響を受けにくいので、見えやすいでしょう。一方で、高齢者は寒色系の色を識別しにくい傾向にあるため、青色や紺色、グレーなどは見えにくいようです。
認知症に色が与える効果は?
認知症を患っている方は、視力や視覚情報などの情報処理能力が低下している可能性があります。そのため、扉や手すり、段差などの色が同化して見えたり、逆に色のコントラスト差で段差があると勘違いしたりする場合も。施設・居宅内の配色を工夫することで、衝突や転倒などの事故を防げます。また、色の心理効果を使えば、明るい気分や落ち着いた気持ちを感じてもらうことができるでしょう。
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