介護ロボットとは?現場の介護職員や利用者さんに与える影響について解説!

その他 2022年10月14日
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屋内に設置されたロボットの画像

「介護ロボットが導入されるとどうなるの?」と疑問に思う介護職員の方もいるでしょう。超高齢化社会が進む日本では、介護人材の不足が問題となっています。介護職が不足すれば、十分なケアを提供できなくなる恐れも。そこで注目されているのが、国として開発支援を実施している「介護ロボット」の存在です。本記事では、介護業界の現状を踏まえたうえで、介護ロボットとは何かをまとめました。興味のある方は、ぜひご覧ください。

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目次

介護ロボットとは?

介護ロボットとは、文字通り介護に関わるロボットを指します。厚生労働省の資料によると、ロボットを定義するものは「情報を感知」「判断し」「動作する」の3つの要素を備える知能化した機械システムのこと。この3つのシステムを活用し、介護支援や介護者の負担軽減などに役立つロボットを総称して介護ロボットと呼びます

国として介護ロボットの開発・活用支援を実施

介護ロボットは、「まだまだ未来の話」と思う人もいるかもしれません。しかし実際には、国として開発ロボットの開発・普及を促進する事業が展開され、幅広く支援されています。厚生労働省の「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業 事業報告書(p.1)」では、介護ロボットの開発支援を実施する背景と目的について述べているので、紹介します。

日本の高齢化は、世界に例を見ない速度で進行しており、介護人材不足が大きな課題となっている。介護分野の人材を確保する一方で、限られたマンパワーを有効に活用する解決策の一つとして、高齢者の自立支援を促進し、質の高い介護を実現するためのロボット・センサー等の活用が期待されている。

厚生労働省「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業 事業報告書(p.1)

超高齢化社会にともなう介護人材不足が進行する日本において、介護ロボットの開発・普及は大きな意味を持っているといえます。特に、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行により、人と人との接触を控えるなどの新しい生活の形が求められるなかでは、コミュニケーションや見守りを行う通信機能を備えた介護ロボットや、移乗介助を非接触でサポートする介護機器などのニーズが高まっていきました。
現段階では、まだまだ開発・実証を進めている段階のものも多いのが実情ですが、今後さらに普及が進めば、日本の課題である介護人材不足を解消する一つの材料になるかもしれませんね。

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介護ロボットの種類

介護ロボットの種類は、開発分野によって大きく分けることが可能です。厚生労働省の「介護ロボットの開発支援について」によると、経済産業省と厚生労働省が重点的に開発を支援する分野は下記の6分野に分かれています。

  1. 移乗支援
  2. 移動支援
  3. 排泄支援
  4. 見守り・コミュニケーション
  5. 入浴支援
  6. 介護業務支援

それぞれ、どのような介護ロボットや介護機器が開発支援されているのか、詳しく見ていきましょう。

1.移乗支援

ベッドから車椅子、車椅子からトイレなどへの移乗支援を行う場合、利用者さんの全体重を支える介護者の身体的な負担は大きいものです。この負担を軽減するために、介護者の身体に装着してパワーアシストを行う装着型の機器や、リクライニングするアシストベッドなどの非装着型の機器の開発が行われています。

2.移動支援

比較的自立度の高い方であっても、日常生活で移動支援が必要な場合もあります。介護者に代わって移動をサポートするのが、ロボット技術を活用した歩行支援機器です。歩行支援機器には、外出先で荷物などを安全に運搬しつつ歩行をサポートするようなものから、屋内移動、立ち・座りといった動作、トイレ内での姿勢を維持するものなどがあります。また、介助が必要な方の脚に装着し、転倒予防や歩行を補助する移動支援機器も開発が進んでいるようです。

3.排泄支援

ロボット技術を活用した排泄支援もあります。排泄物を自動で処理し、吸引・処理、陰部の洗浄・乾燥まで行うものや、排泄予測をしてタイミングを図りトイレへ誘導する機器、トイレ内での着脱動作を支援する機器などの開発が進められているようです。

4.見守り・コミュニケーション

介護施設や自宅で使用できる、転倒検知センサーや通信機能を備えたシステム開発も進んでいます。コミュニケーションに特化した介護ロボットのなかには、会話機能が搭載されているものも。生活支援だけでなく、セキュリティ対策としても活躍する介護ロボットもあるようです。

5.入浴支援

介護職の仕事のなかでも大変といわれているのが入浴介助。介助者の身体的な負担が大きい介護支援のため、ロボット技術の開発が進んでいます。たとえば、入浴用のロボットは、浴槽に出入りする際の一連の動作をサポートします。

6.介護業務支援

介護業務支援では、これまでの介護ロボットや介護支援機器と異なり、情報活用に特化した機器を開発しています。移乗支援や移動支援、排泄支援、見守りといった介護業務にロボット技術を役立てるため、情報を収集・蓄積して活用に結びつけるのが開発の目的です。

介護ロボットに期待されていること

冒頭で少し触れましたが、介護ロボットに期待されていることは、介護業界の人手不足を補う一つの手段になることや介護職員の負担軽減などです。介護ロボットだけですべての期待に応えられるわけではありませんが、少しでも技術を役立てようと開発が進められています。

深刻な人手不足の緩和

厚生労働省の「介護人材確保に向けた取り組み」によると、介護職員の必要数は2019年度で約211万人だったのに対し、2023年度は約233万人、2025年度は約243万人にも及ぶと言われています。

引用:厚生労働省「介護人材確保に向けた取り組み

介護人材の需要は年々高まることが予想されるものの、少子高齢化が進む日本では、介護人材を十分に確保するのは難しいと言わざるをえません。国としては、多様な人材を確保できるよう、未経験から介護職に参入する機会を増やしたり、スキルを身につける研修制度を整備したりするなど、対策を推進しています。しかしそれでも、介護人材を十分に確保できていないのが現状です。ロボット技術により、少しでも介護人材不足を緩和することが期待されています。

介護職員の負担軽減

介護業務のうち、身体介助は介助者の身体的負担が大きい仕事です。その部分を軽減するためのロボット開発も行われています。たとえば、前述した移乗支援や排泄介助、入浴介助などは、介護者の身体的負担がかかりやすく、人によっては腰痛の原因になっていることも。装着型のパワーアシストや自動で介助支援をしてくれる介護ロボットがあれば、介護職員の身体的な負担の軽減につながるでしょう。

高齢者の見守り・コミュニケーションの機会の創出

高齢者や介護を必要とする方の見守りや、コミュニケーションの機会を創出するため、介護ロボットが役立つ場面もあります。たとえば、家族が遠方に住んでいたり、近所の付き合いがあまりなかったりするなど、コミュニケーションの機会が減ってくると、なかなか周りの人が様子を知る機会は少なくなってしまうもの。モニター型の介護機器や人形・ペット型の介護ロボットを導入することにより、新たなコミュニケーションの機会が生まれる可能性があります。なかには、人工知能を搭載し、呼びかけに応じたり豊かな感情表現や愛らしい仕草をしたりする介護ロボットもあるようです。

介護ロボットと介護職の未来

介護ロボットの普及により、「介護職は必要なくなってしまうの?」と不安になる人もいるかもしれません。結論から言うと、介護ロボットが普及したからといって、介護人材が不要になることはないでしょう。介護ロボットは、あくまで介護者の負担を軽減したり、よりよい介護支援につなげるもの。介護ロボットだけで、質の良い介護サービスを提供するのは難しいといえるので、今後も介護職員の需要は高まっていくことが予想されます。

介護ロボットは介護の現場ですでにいくつかの成果を発揮していますが、本格的な導入はまだまだこれからです。今後、どのような形で高齢者に寄り添ったロボットが開発され介護の現場のニーズを満たしていくのか、その進化に注目が集まっています。

まとめ

介護ロボットの普及や実用化に向けて、国を挙げて開発や研究が進められています。とはいえ、介護ロボットが超高齢化社会における介護人材不足を根本的に解消することは難しく、普及もまだまだ先になることが予想されるため、「介護人材」が必要といえるでしょう。

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※この記事の掲載情報は2022年10月14日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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