東海学院大学健康福祉学部総合福祉学科の齋藤代彦先生にインタビューしました!

ニュース 2019/04/11
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◆はじめに


『介護・福祉の現場で働く方に、いつもとは違った視点でその分野を研究している人を知ってもらいたい』という想いで始まったこちらの大学の研究室紹介。
第5回目は東海学院大学健康福祉学部総合福祉学科で『介護福祉実践の本質』を研究している齋藤代彦先生にお伺いしました。

「研究の概要について教えてください」


当研究室では、介護福祉専門職たる介護福祉士が固有すべき思想と哲学(*)とはいかなるものかについて考察するために、主に次の二つの観点から取り組んでいます。

①確固たる芸術的信念を持って人生を捧げ研鑽し続けている芸術家にとっての芸術とは、そして、その“人生の生き方” とは。
②“人生の生き方”に関する全容の相互作用モデルとしての、WHOによる国際生活機能分類(ICF)構成要素間の相互作用モデルの修正と展開

(*)介護福祉サービスを活用し、自立的に暮らしていこうとする個々人が、社会において自らの良さを大切にして生きて行くことの出来る生き方の可能性を追求し、その豊かな自由度を保障するための支援にたずさわる専門職としての思想と哲学。

「研究の詳細について教えてください」


①確固たる芸術的信念を持って人生を捧げ研鑽し続けている芸術家にとっての芸術とは、そして、その“人生の生き方” とは。
論文 介護福祉実践思想に関する一考察 : 肯定的理解に基づく"人生の生き方"への支援 掲載誌 地域福祉サイエンス (5):2018 p.165-175
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000002-I029425531-00

下記は上記の拙著論文から一部引用しました。
肯定的理解に基づく“人生の生き方”への支援は、個々人にとっての“人生の生き方”における柔軟性を高め、その可能性に満ちた創造的で豊かな繋がりを、ご本人にとっての生き続けていく意味として肯定的に見いだしていくことに貢献し得ます。それは、“尊厳ある生き方”を通して、個々人が自らの人生を全うしていくことのできる自尊心の保持への支援です。そのために、支援者は肯定的な理解に基づき、本人主体による生き方を尊び、臨機応変にご本人自らの必要性ともあいまって自発的に展開されていく人生の妙味とかかわっていくのです。個々人は、多様な人間と集団・組織による社会的分業との繋がりにおいて、人間社会での生き方を成り立たせています。そこで、社会的な連携・協働をもって、その支援に関する種類といった豊かな幅と量、そして、多様な支援の質といった豊かな奥行きと高さに応じて、ご本人にとっての自尊心に占める度合いといった重みの意味と、その繋がりを豊かに理解していくことが必要となります。このように、介護福祉実践とは、個々人が自らの自尊心の有り様を、多様な個別の心身と環境の状況に応じつつ、かかわりを通して考え続け、生きていることを通して豊かに見いだしていくことに資する、生き方の支援でもあるのです。

②“人生の生き方”に関する全容の相互作用モデルとしての、WHOによる国際生活機能分類(ICF)構成要素間の相互作用モデルの修正と展開
論文 個人と世界に関する相似的3次元モデル : 介護福祉実践に資する修正「ICF構成要素間の相互作用モデル」 掲載誌 社会福祉科学研究 7:2018 p.139-148
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000002-I029222246-00

下記は上記の拙著論文から一部引用しました。
ICFモデルと修正ICFモデルの先行研究に基づき、個人の生きる意味と生き方の肯定的な支援にかかわる介護福祉実践に資するために、新たに3つの次元でとらえた「個人と世界に関する相似的3次元モデル」を提示し、各次元が、共通する超越的世界に包まれていて相似的であること、しかも、各構成要素も相似的であることを示唆しました。
ここでは、その中からミドル・ディメンション(ミドル次元)のモデルのみを提示しておきます。

このミドル次元のモデルは、ICFモデルの次元に対応するものです。ICFの構成要素間の相互作用モデルに示された6つの構成要素に、Spirituality(霊性)を加えて、個人の生き方にかかわる7つの構成要素からなる修正ICFモデルとしました。それとともに、ICFモデルでは健康状態と背景因子とは直接的に相互作用していませんが、これらを含めた7つの全ての構成要素が直接的に相互作用する修正ICFモデルとしました。
ミドル次元のモデル2

「今後の研究の展望を教えてください!」


芸術の中でも、とりわけ、指揮者セルジュ・チェリビダッケの音楽哲学とその音楽的信念を貫いた孤高なる生き方と演奏録音を通して、また、他にも、音楽家としての信念を貫こうとして研鑽している音楽家の生き方を通して、介護福祉実践思想・哲学への手掛かりを考察していきたいと思っています。そして、さらには、信念を貫いて描き続けている画家の作品とその生き方を通して、芸術と人間の生き方にかかわる根源的で一なるところを考察し、人間の生き方の肯定的な理解とその支援に繋がる手掛かりを得ていきたいと思っています。

論文 セルジュ・チェリビダッケ : 介護福祉実践に資するチェリビダッケの肯定的理解 掲載誌 東海学院大学紀要 (9):2015 p.27-45
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006347060

東海学院大学S2

東海学院大学S1

◆東海学院大学の基本情報


齋藤代彦先生、お話ありがとうございました!

最後に、東海学院大学の基本情報を記載します。
東海学院大学
http://www.tokaigakuin-u.ac.jp/

東海学院大学健康福祉学部総合福祉学科
http://www.tokaigakuin-u.ac.jp/faculties/health_and_welfare/sougoufukushi/
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【参考URL】


http://kaigofukushi.sakura.ne.jp/

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