介護の申し送りとは?メモやノートを活用してスムーズに行うコツを紹介!

介護の知識 2022年8月31日
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介護現場で働いていると、申し送りという専門用語を耳にします。申し送りとは、介護の仕事をするうえで欠かせないものです。特に24時間体制でサービスを提供する介護施設などでは、申し送りをする機会がたくさんあります。しかし、経験の浅い介護職員の中には「申し送りが苦手」という方が多いようです。そこで、介護の申し送りとは何なのか、申し送りをする意味、伝え方のコツなどをご紹介します。

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目次

介護の申し送りとは

申し送りとは、シフトの交代時に仕事を後任の担当者に引き継ぐため必要事項を伝えることです。口頭や日誌、連絡ノートなどで、仕事の進捗度合いや自分の担当時間内にあったこと、利用者さんに起こった体調不良などの変化、次の時間帯に行う処置などの必要な指示を共有します。申し送りは適切な介護サービスを提供し、事故を防止するためにも、介護現場では欠かせない重要な業務です。

申し送りと引き継ぎの違い

申し送りと引き継ぎはよく似た言葉ですが、言葉としては意味合いが違います。申し送りは「業務を行うにあたり、必要な情報を共有する」ために行いますが、引き継ぎは「担当者が退勤や休憩する際に、していた業務を代わりに行う」ことを意味します。申し送りは伝えることがメインで、引き継ぎは作業することがメインです。

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申し送りを行う目的とは

申し送りは提供するケアに矛盾を生じさせないために行うものと前述しましたが、申し送りを行う目的はほかにもあります。

継続的で適切な介護サービスを提供するため

申し送りの最大の目的は、利用者さん一人ひとりに継続的で適切なサポートを提供することです。情報共有がきちんとできておらず、職員によって提供するサービス内容が違っていると、利用者さんは混乱してしまいます。後任の担当者が同じ水準でサービスを提供できるようにするためにも、申し送りをきちんと行うことが大切なのです。

スタッフや施設を守るため

申し送りをきちんと行えば、職員や施設を守ることにつながります。たとえば、離床者さんの心身に変化や施設内で事故が発生した場合、そのときの状況を全体に共有しておけば、事態の拡大や再発を防ぐことができます。
また、大きな事故や事件、クレームが起こってしまった場合にも、どのように対応したかを細かく記録しておくことで、利用者さんやご家族に丁寧に説明することが可能です。

ケアプランや業務内容を見直しするため

申し送りは、ケアプランや業務内容を見直すためにも必要です。ケアの内容や利用者さんのそのときの様子、利用者さんから聞いた要望などは、担当した介護職員本人しかわかりません。そのため、申し送りの内容は介護職員だけでなく医師や看護師、ケアマネ、栄養士などの多職種も参考にしています。利用者さんに安心して日常生活を送ってもらうためには、申し送りでケアの詳細や利用者さんの様子を全体共有し、サービスの見直しや改善を図ることが大切です。

また、新人の研修に役立てるために読まれることもあり、介護職員一人の経験を、大勢で活かすことも、申し送りの重要な役目です。

申し送りで伝える内容

施設形態が違っても、申し送りで伝える内容はほとんど変わりません。多くの介護施設で申し送り時に共有されている内容は以下の通りです。

  • 利用者の体調や精神状態の変化
  • 利用者からの要望
  • 利用者のご家族からの要望や連絡
  • 施設内で起こった事故やトラブル
  • 事務連絡

これらはすべて、業務を引き継ぐ介護スタッフが知っておくべき情報です。引き継ぐ介護職員の勤務状況や時間帯などを考慮しながら、情報を共有しましょう。

また、申し送りを行う場合は、「相手にどのように行動してほしいのか」という部分を意識することがポイントです。注意喚起なのか、それともお願いなのか、改善を求めているのか、相談なのか、共有事項に加えて、その情報を共有する意図もしっかり伝えましょう。

申し送りをスムーズに行うコツ

申し送りはとても重要な業務ですが、介護職員の中には「申し送りが苦手」という方も少なくありません。特に新人スタッフは「情報が多すぎて何を話せばいいかわからない」「情報を選別する基準がよくわからない」「突っ込んで聞かれるとしどろもどろになる」など、頭を悩ませているようです。

こちらでは、申し送りをスムーズに申し送りを行うコツをご紹介します。

1.正確な情報を伝える

申し送りで大切なことは、適切な情報を正確に伝えることです。5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識すると、正しい情報を伝えることができます。しかし業務に忙殺され、申し送りで伝えるべきことを忘れてしまうことがあるかもしれません。

自分の記憶だけを頼りに申し送りをしようとすると、要点を押さえることが難しくなります。重要な情報はできるだけすぐにメモに残すようにしましょう。メモ帳やノート・付箋を活用し、記録すべき内容や時刻を書き留めることが申し送りをスムーズに行うコツです。メモは箇条書きやキーワード、イラストなど簡単なもので構いません。共有すべき内容を自分なりに記録することが大切です。

2.簡潔に伝える

申し送りをスムーズに行うには、共有する情報を簡潔にまとめることが重要です。たとえば「体調変化が起こった利用者の情報」や「次の担当者にしてほしいこと」など、必ず伝えないといけない情報を事前に決めておきましょう。ただし、共有する情報は伝え方次第で食い違いが生じる可能性があるので、できるだけ要点を整理して端的に伝えることがポイントです。

口頭で申し送りをする場合は、「えーと」「あのー」などのつなぎ言葉や語尾を伸ばすクセ、不必要なジェスチャーなどは極力減らしましょう。文章を使って申し送りをする場合は、句読点を使って一文を短く区切ると読みやすくなります。

3.事実と意見と推測を分ける

申し送りでは、事実と意見と推測は分けて話しましょう。事実や意見、推測が混ざってしまうと聞き手は理解しにくいうえに、間違った解釈をしてしまったり、誤解が生じてしまったりする原因にもなります。介護の申し送りの際は、自分の意見や推測を事実と分け、客観的に正確な情報を伝えることが大切です。

また、自分の意見や推測を伝える必要があるときは、「私の意見ですが」や「推測になるのですが」など、一言入れると理解しやすくなるでしょう。

4.話の順序を組み立てる

申し送りをスムーズに行うために、事前に話す順序を考えておきましょう。伝える内容を簡潔にまとめ、事実と意見、推測を分けていたとしても、話す順序が悪ければ相手に伝わりにくくなってしまいます。わかりやすく話すには、結論やもっとも伝えたいことを一番最初に持ってくることがコツです。どのように話せば相手が理解しやすくなるかを想像して、話す順序を考えましょう。

また、これから何の話をするのか、いくつ話をするのかなど、先に伝えるのも聞く人に理解してもらいやすい話し方になるのでおすすめです。

5.テンプレートを用意しておく

申し送りをする際の文章を簡単に作れるよう、テンプレート(ひな形)を作っておくと、言い回しに困ったときにとても役に立ちます。最初はテンプレートを作るのに苦労するかもしれませんが、「食事介助」「体調変化」「転倒事故」など、シーン別の定型文をノートなどに少しづつ書き溜めましょう。先輩スタッフの過去の記録を見せてもらい、使えそうな文章を控えておくのもおすすめです。

申し送りに必須の介護記録とは

口頭の申し送りは、素早く短時間で済ませることができますが、伝達漏れや言い間違いなどが起きてしまう可能性があります。そこで役立つのが介護記録です。介護記録とは「スタッフが利用者に行ったケア」「そのときの利用者の反応」「その後の変化」「生活状況や心身の状態」などを記載したもののこと。介護記録を見れば、利用者さんの状態や経過、反応が良かったケア、あまり反応が良くなかったケアなどを知ることができます。

施設によっては手書きでノートにまとめたり、パソコンに記入したり、タブレットを使って記録するなど、やり方はさまざまですが、介護記録も申し送りと同様に的確かつ簡潔に記載することが大切です。

介護職の申し送りに関するよくある質問

介護職の申し送りに関するよくある質問を紹介します。「申し送りの目的は?」「どうやってやればいいの?」など、申し送りについての疑問・興味がある方は、チェックしてみてください。

介護職の申し送りって何のためにするの?

介護職の申し送りは、「利用者さんに適切なサービスを継続的に提供するため」「利用者さんの怪我や事故を予防し、職員や施設を守るため」「ケアの状況を共有し、ケアプランの見直しや改善を図るため」に行われます。介護職の申し送りは、利用者さんのためだけではなく、職員のためでもある重要な業務の一つです。この記事の「申し送りを行う目的とは」で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

申し送りをする際のコツって?

申し送りをする際は、正確な情報を簡潔に伝えることが重要です。そのためにも、話の順序を組み立ててから伝えると良いでしょう。また、事実と意見を分けて伝えることも大切なので、客観的な視点から申し送りをします。伝え漏れがないように、申し送りをする際のテンプレートを作成しておくのもおすすめです。申し送りのコツは、この記事の「申し送りをスムーズに行うコツ」で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。

介護記録ってどうやって書けば良いの?

介護記録を書く際は、5W1Hを意識しながら、客観的に事実をまとめます。また、専門用語や略称は使用せず、誰が読んでも内容を理解できるようにしましょう。介護記録は、利用者さんやそのご家族が読むこともあるので、読んで不快になるような表現を使用してはいけません。介護記録の書き方は、「介護記録の上手な書き方のコツとは。基本や例文を解説!」の記事で詳しく解説しています。介護記録の書き方にお悩みの方は、ぜひご覧ください。

まとめ

申し送りは、介護現場で必要不可欠な業務です。苦手に感じてる方も多いですが、ケアに差を生じさせないためにも避けて通ることはできません。利用者さんに継続的で均一な介護サービスを提供するためにも、申し送りはきちんと行うことが求められています。申し送りをスムーズに行うには、適切な情報を簡潔に伝えることが大切。事実や意見、推測を交えず、話の順序を考えることがコツです。また、申し送りは口頭のみで行うと伝達ミスを起こしてしまう可能性があるので、メモやノート、介護記録を活用すると伝える内容を間違える心配がなくなります。

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監修者

  • 篠田 浩行

    介護福祉士/ケアマネージャー

愛知県出身S58.12.28生まれ。老人保健施設、特別養護老人ホームなどで10年以上介護の仕事に関わった後、管理職も経験。現在はこれらの経験を活かし、介護情報ブログの運営や執筆業にも携わる。介護職員や在宅介護者が元気になれるよう、介護・お役立ち情報などを発信中。

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※この記事の掲載情報は2022年8月31日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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