この記事のまとめ
- 認知症は多くの映画作品の題材になっており、そこから学ぶことも多い
- 洋画・邦画から選ぶ、認知症が題材の名作映画をご紹介
- 映画を通して認知症の真の姿を知り、考える機会となる
介護の現場では向かい合うことが多い認知症の患者さんたちですが、認知症という病気は症状も複雑なことから、多くの映画作品の題材になっています。認知症を深く知るための教科書として、名作に触れてみる機会をもってみましょう。
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目次
認知症の映画①『アウェイ・フロム・ハー君を想う』
グラントとフィオナは仲睦まじい老夫婦でしたが、フィオナに認知症の症状が表れるようになってしまいます。施設に入ったフィオナは治療のため、30日間の面会謝絶を言い渡されます。期間が終わり、フィオナを訪ねてきたグラントでしたが、フィオナはすでにグラントとの記憶を失っており、別の入居者に恋をしていたのでした。それでも、フォオナの幸せを願うグラントは、自分の寂しさを心にしまい献身的にフィオナの恋を支えます。
老夫婦の絆が感動を呼ぶ、女優サラ・ポーリーの監督作です。認知症になって自分がもし好きな人のことを忘れてしまったら、あるいは好きな人が自分のことを忘れてしまったら、何ができるか想像してみましょう。
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認知症の映画②『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』
有名人の中にも認知症になった人はたくさんいます。例えば、強気な政策の数々で「鉄の女」と呼ばれたイギリスの元首相、マーガレット・サッチャーもその一人です。本作は、首相時代の凛々しいサッチャーと、晩年、認知症に苦しむサッチャーの姿を交互に見せていく構成になっています。あの敏腕政治家すらも認知症になってしまうのかという驚きがあります。
主演女優はメリル・ストリープ。彼女はこの映画の演技で、アカデミー主演女優賞を受賞しました。強い女性のイメージと、認知症にかかった後の老女のイメージを演じ分けていて圧巻です。どんな優秀な人物でも認知症になり、年を重ねていく姿は気づきを与えてくれるはずです。
認知症の映画③『明日の記憶』
日本映画では、渡辺謙さん主演の『明日の記憶』が有名です。渡辺さんが演じるのは49歳の敏腕ビジネスマン。家庭も仕事も順風満帆だった彼が、若年性アルツハイマーによって、認知症に犯されてしまいます。これまでテキパキと職場も家庭もきりもりしてきた彼でしたが、急に今までできていたことができなくなってしまう恐怖に、悲しみます。階段を上り下りする、そんな簡単なことすらもできなくなってしまい、しゃがみこんでしまうシーンは痛切に響くでしょう。そんな彼を支える家族との愛が深くしみわたってきます。
渡辺さんと言えば、いまやハリウッド超大作にも引っ張りだこの世界的大スターですが、日本映画で演じているビジネスマンの姿は中年男性の老いについて考えさせられるでしょう。
認知症の映画④『アリスのままで』
若年性アルツハイマーによる認知症は、海外でも映画の題材になっています。ジュリアン・ムーア主演の『アリスのままで』です。言語学者としてキャリアを築き、夫と子どもに囲まれながら幸せに暮らしていたアリス。彼女は50歳にして認知症になってしまいます。トイレに行きたくてもトイレの場所を忘れてしまうなど、以前のアリスでは考えられなかった行動に、周囲はもちろんですがアリス自身も戸惑い、深く傷つきます。不便になる日常生活、仕事への障害、しかし彼女がもっとも苦しめられたのは「自分が自分でなくなってしまう」悲しみでした。
監督はALSという難病と闘いながらこの映画を制作したそうです。作り手のさまざまな深い思いを画面の隅々から感じとることができるでしょう。
いずれの作品も認知症の患者にとって、周囲の理解とサポートが必要であることを教えてくれます。そして、それらの映画は感動を与えるだけではなく、作品を通して認知症の真の姿をひとびとに知ってもらいたいという作り手の思いが深く込められています。
出典
アカデミー賞受賞!若年性アルツハイマー型認知症を描いた映画 『アリスのままで』 2015年2月24日(8/25引用)
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