入浴介助の手順と種類。機械浴やリフト浴とは?

仕事 2020/04/08
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体を清潔にするために欠かせない日々の入浴。今回は入浴介助の基本的な手順と入浴の種類、入浴にあたっての利用者への気遣いについてみていきましょう。

【目次】


入浴の目的
入浴の手順と注意点
入浴の種類
入浴に際しての心のケア

入浴の目的


お風呂に入る目的の第一は、体を清潔に保つこと。皮膚を清潔にして細菌感染を防ぎます。きつい体臭は周囲の人たちを不愉快にさせてしまいますから、清潔を保つことで社会的な関係を良好にする意味もありますね。
温かいお湯につかると血液の循環が良くなり、代謝機能が高められるという効果もあります。また、普段は間接の痛みなどで体を動かしづらい方も、お湯の浮力を借りて少ない負担で手足を動かし、体をほぐすことができます。
入浴の効果は精神面にもおよび、適温のお湯につかると副交感神経が働いて体の緊張がほどけ、リラックスした気分にしてくれます。

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入浴の手順と注意点



体力の衰えた高齢者の入浴介助には細やかな注意が必要となります。入浴前から入浴後の処置について、基本的な手順と注意点をみていきます。

入浴前のチェック



・バイタルチェック


入浴の前に必ずバイタルチェックを行います。バイタルチェックの内容は体温、血圧、脈拍等で、当日の朝と入浴の直前に看護師が行うのが基本です。しかし人手不足で十分な確認が行えない場合や、数値はあくまで機械が出したものだということを頭に入れ、介護士が普段の睡眠や食事の状態、入浴直前の体調や顔色に気を配る必要があります。なお、入浴は食前・食後の一時間は避けましょう。

・脱衣所・浴室の環境チェック


入浴介助中には、転倒事故が起こりやすいといわれます。脱衣所につまずきの原因になる障害物がないかを確認、浴室も泡が残って滑りやすくなっていないか、タオルなどが床に落ちていないかを確かめます。加えて、利用者に適した福祉用品が揃っているかをチェックします。
そして重要な注意ポイントとなるのが、脱衣所・浴室の温度差です。脱衣所・浴室の温度差が大きいと、利用者がヒートショックを起こす危険があります。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急上昇、または下降してしまう現象のことで、脳出血や心筋梗塞を招く要因となります。ヒートショックが起こるのは特に冬場が多く、脱衣所に暖房器具を置くと良いでしょう。脱衣所の温度は介護士が少し暑く感じるくらいが調度良いといわれます。

入浴のはじめはシャワーの温度をチェック



まずはシャワーの温度を介護士が確認し、利用者の足元にかけて適温であるかを確かめます。シャワーの温度は突然変わってしまうことがあるので、シャワー使用中は常に介護士の指が流水に触れているようにします。また、足元は冷えやすい部分なので、洗髪中・洗体中はお湯を張った洗面器につけておきます。首の後ろにタオルをかけておくのも冷え予防に効果的です。

それから、入浴中に大切なのは利用者への声かけです。声をかけずにシャワーを流し、驚いた利用者が動いて転倒してしまったというケースもあります。動作ひとつひとつに対して声かけをし、安全確認を怠らないようにします。

洗髪



シャンプーは介護士が指で泡立ててから頭皮につけます。洗髪中は利用者に耳をふさいでもらい、頭皮に傷や湿疹などがないかチェックしながら、指の腹でマッサージするように洗います。シャンプーがたれるのを嫌がる場合は、シャンプーハットを用意するなどの工夫をしましょう。利用者が自分で耳をふさげない場合は、介護士が片耳ずつふさいで、頭の右半分、左半分とを分けて洗います。

洗体



足元からかけ湯をし、皮膚の重なり合う手足の関節や陰部、耳の裏、発汗しやすい脇の下や胸の下などを特に丁寧に洗います。強くこすりすぎず、体の先から心臓へ向かって洗うのが基本です。洗髪の際と同様に、体に傷やヤケドなどの異常がないかを確認しながら洗います。立位をとる場合は必ず手すりにつかまってもらい、転倒を防ぎます。

浴槽



浴槽の適温は38度~40度とされますが、高血圧の方はぬるめの設定にする等個人差があります。浴槽に入る動作に不安を感じる人も多いので、浴槽に移動する際には「腰を支えますよ」などと丁寧な声かけを行います。高齢者の入浴は体に負担の少ない半身浴が基本で、お湯の高さが心臓より上にならないようにします。浴槽に浸かっている時間は5分程度が目安です。

入浴後



入浴後は湯冷めしないようにすぐにバスタオルで体を拭き、ドライヤーで髪を乾かしまします。脱水症状を防ぐために必ず水分補給を行い、入浴で疲労していることもあるので体調の変化に気をつけます。

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入浴の種類



・一般浴
・中間浴(リフト浴)
・機械浴


入浴の方法には、利用者の身体の状態に合わせていくつかの種類があります。心臓や疾患を抱えている等の問題がない時には、本人の希望を尊重しながら入浴の形態を選びます。

一般浴



自力で歩行可能な人、手すりなどをつかんで歩行できる人たちが、共同浴場を利用する入浴方法です。湯船は床に埋め込まれる設計になっている所も多くあります。一般浴では、介護士は洗髪や背中を流すなどの最低限の手伝いをし、なるべく利用者自身に洗ってもらうようにします。これは残された体の機能を生かすためです。
感染症で共同浴場での入浴ができない方や、一人での入浴を希望する方は、家庭のお風呂のイメージに近い「個浴」を利用します。

中間浴(リフト浴)



リフトを使った入浴で、立つことに不自由があるが、座った状態で安定を保てる人が使います。車椅子から上下左右に電動する椅子タイプのリフトに移動し、入浴を行います。

機械浴



・座って入浴するタイプ(チェアー浴)


専用の椅子に座ったまま入浴します。浴槽の壁が開き椅子ごと入る方式ですが、椅子が上下しないので安心感があり、体への負担が少なくて済みます。足を上げて浴槽に入れないが、安定して座った姿勢が保てるという方に向いています。

・寝て入浴するタイプ(ストレッチャー浴)


ストレッチャーにベルトで体を固定し、寝たまま入浴する方式。ストレッチャーが上下に電動し、湯船に入ります。寝たきりの方、座った姿勢が安定しない方でも入浴できる方法です。服を脱いだ状態で寝かされるので羞恥心を伴いやすいというデメリットもあり、タオルを用意するなどの配慮をします。

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入浴に際しての心のケア



入浴介助は裸の体を他人に任せるという大変デリケートな場面であり、利用者への細やかな心遣いが必要です。羞恥心から異性の介護士の介助を嫌がる方には、同性の介護士がつけるように調整するといった対応が求められます。入浴を嫌がる相手に無理強いすると、次の入浴への意欲も落ちてしまいます。シャワーだけの入浴を提案するなど、工夫をしましょう。入浴の代わりにドライシャンプーを使うといった手段もあり、頻繁に入浴できない場合は、足湯だけでもリラックス効果を得ることができます。また、認知症の方は気分が不安定な傾向にあるので、一度入浴を断られても時間を空けて尋ねると受け入れてくれるケースもあります。

入浴中、洗浄を嫌がっているのに無理に洗おうとすると、相手の気持ちを傷つけてしまいます。そんな時は「今日は足だけにしましょう」などと、本人と話し合ってOKの出た箇所だけを洗うといった対応をとると良いでしょう。自分で洗いたいという希望は尊重し、背中などの洗いにくい部分をさりげなく手伝います。

よく知らない人に裸の体をゆだねる、というのは利用者にとって大変抵抗のあることです。リラックスして入浴してもらうためにも、大切なのは日頃からのコミュニケーションで信頼関係を築くこと。毎日の健康チェックを重ねていれば、入浴直前の不調にも気付きやすくなります。入浴介助にあたっては、体の状態・心の状態の両面に配慮しつつ、安心して気持ちよく入浴できる環境を整えましょう。

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