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認知症は症状と考える
介護に携わるものとして、基本的な知識として知っておきたい認知症のこと。ですが認知症はまだまだ未解明な部分も多い病。認知症に接する機会の多い介護士でも、知っているつもりで案外知らないことも多いかもしれません。今一度認知症について、見直してみましょう。
認知症は一つの病気のように語られることが多いですが、実際には色々な病気が要因としてあり、その結果として認知「症状」が発生しているというのが真実です。そのため「認知症は治せる」「認知症が劇的に改善する方法」といった言説が飛び交うことになります。これらの言説が誤っているわけではありません。ですが認知症をよく知らない人に、ある種の誤解を招く結果となっている点も見逃してはならないでしょう。これらの言葉を聞いて、多くの人は「認知症(という病気)は治る」と考えてしまいがちです。ですが実際には「認知症(という症状)は改善する」という意味なのです。
この違いはガンとそれに伴う疼痛と比較してみると良いでしょう。痛みを取り除く注射を打つと、たとえガン患者であっても一時的に痛みはなくなります。ですがこれを「ガンが良くなった」と表現することはないはずです。「ガン(という病気)が治った」のではなく、「ガンに伴う痛み(という症状)が改善した」わけですよね。認知症の場合もこれと同じです。現代の医療ではアルツハイマー病や脳血管障害を治療することはできません。ですがそこから派生した認知症状は改善したり和らげたりすることができるのです。
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加齢によるもの忘れとなにが違う?
では認知症は、一般的な加齢によるもの忘れとなにが違うのでしょうか?
一番顕著に違いが現れるのが、「行為そのものの忘却」です。例えば1時間前に食事をしたところだとしましょう。普通のもの忘れであれば、「なにを食べたか」が思い出せないことはあっても、「食事をした」こと自体を忘れることはありません。認知症の場合、「食べたこと」それ自体が記憶から抜け落ちてしまいます。そのため、食事の直後から「私のご飯はないの?」と訴えられる、トイレに行った帰りにまたトイレに行くといった行為に繋がるのです。
また症状の進行の仕方にも大きな違いが見られます。老化によるもの忘れの場合、ある程度の段階から進行することはほとんどありません。先ほどの例でいえば、「私さっきなにを食べたっけ?」という段階がずっと続くわけですね。認知症の場合、特にアルツハイマー病が原因となっている場合には症状はだんだんと進行していきます。記憶力の低下は比較的初期から見られる症状ですが、やがて見当識障害が起こり、失行・失認につながります。見当識障害とは、自分が今どこにいて、何をしているのかがわからなくなること。失行や失認とはどのように行動すれば良いのか、この文字が何を意味しているのかなどが分からなくなることです。提供されている食事を見てもどうすれば良いのか分からないというのがこの状態です。
一口に認知症といってもその原因となる疾病によって症状の現れ方も異なります。先ほど紹介したアルツハイマー病だけでなく、脳血管障害やレビー小体型が現在認知症の3大要因とされています。それぞれの特徴を把握した上でケアを行うことが、これからの介護士には求められているといえるでしょう。
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