服薬介助のポイント!医療行為とのボーダーラインとは?

介護の知識 2020年12月9日
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介護士さんは、介護が必要な方の日常生活をサポートをすることだけが仕事ではありません。時には服薬介助という、ご利用者が処方薬を服用する際のお手伝いをすることも。しかし、服薬介助はただ薬を飲むよう促せば良いというものではありません。また、介護士さんが服薬介助をする際は医療行為との線引きも把握しておくことも大切です。このコラムでは、介護士さんにもできる服薬介助やその際に注意すべきことなどをご紹介します。







目次

服薬介助とは

服薬介助とは、介護士さんが介護を受けている方に服薬のお手伝いをする行為を指します。ただ薬を飲ませれば良いというわけではなく、薬の種類や個数、服薬の時間帯を正確に把握して介助をしてあげなければいけません。特に高齢者の方は薬の飲み忘れや、逆に服薬済みの薬をもう1度飲んでしまうなどの間違いが起こりうるため、しっかりと確認しなければならないのです。

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服薬介助は医療行為?介護士はどこまでやって良い?

介護現場で介護士さんが悩むことのひとつに、医療行為との線引きがあります。特に訪問介護では、利用者さまやその家族からやってほしいと頼まれても、介護士には禁止されている行為が多々あるのが現状です。ここでは、介護士ができる服薬介助とやってはいけない服薬介助の違いを見ていきましょう。

介護士ができる服薬介助

薬には、錠剤や粉薬を水で飲み込む内服薬以外にもさまざまな服用の仕方があります。たとえば貼り薬や坐薬、目薬などです。現在の厚生労働省の見解によると、軟膏の塗布、湿布の貼付、一包化された内用薬の内服、坐薬挿入、点眼に関しては原則として医療行為に当たらないとされています

介護士がやってはいけない服薬介助

介護士さんが服薬介助をしてはいけないケースも存在します。

・患者さんが入院・入所して治療する必要があり、容態が安定していない場合
・副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師または看護師による連続的な容態の経過観察が必要な場合
・服薬において専門的な配慮が必要な場合
・PTPシートから薬を取り出すこと

以上のケースでは、介護士さんが薬に関する業務を行うことは禁止されています。体調が急変する可能性が高い人に関しての服薬介助は、看護師が行わなければならない領域です。また、PTPシートから薬を取り出すことについては「ただ薬を出すだけ」と思われるかもしれませんが、それは服薬管理という医療行為にあたってしまうので注意しましょう。

出典:厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」(2020年11月30日)

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服薬介助のやり方

では、実際に服薬介助はどのように行えば良いのでしょうか?内服薬の場合、外用薬の場合をそれぞれ見てみましょう。

内服薬の服薬介助

錠剤やカプセルを飲ませるときは、薬を1つずつ舌に乗せます。たとえ小さな薬でも、複数個を同時に飲もうとすると誤嚥が起こりやすいので、焦らず1つずつ飲んでもらいましょう。粉や顆粒剤は、量の多さや薬の苦みによって飲みづらいものもあります。その場合は、オブラートに包んで苦みを軽減させたり、何回かに分けたりして飲ませてあげるようにすると良いでしょう。また、服用ゼリーを使うのも効果的です
液体の薬の場合は、中身を均一にするために容器を軽く振ってから付属の容器またはコップで飲んでもらいます。こちらも量が多い場合は少しずつ飲ませるのが良いでしょう。舌下剤の場合は唾液で溶かして口腔内から吸収する薬なので、舌の下に薬を置いたら飲み込まないよう注意してあげてください。

外用薬の服薬介助

貼り薬や塗り薬の服薬介助はさほど難しくありませんが、少し注意が必要なのは坐薬と目薬です。坐薬を挿入する場合、ご利用者には横向きで寝てもらいましょう。坐薬の先端にワセリンなどの保湿剤や潤滑剤を塗って滑りやすくしたら、指の第二関節が隠れる程度まで挿入します。その後薬が中から出てこないように、約10秒間ティッシュで肛門を押さえましょう。目薬の場合、頭を支えつつ下まぶたを軽く押さえて粘膜が見えたら、そこに目薬を落とします。液が流れ出ないよう、すぐに目をつぶってもらってください。もし液が流れてしまったり目からあふれてしまったりしたら、口や耳に入らないようすぐにティッシュで拭き取りましょう。また、点眼の際に薬が皮膚やまつ毛との接触で雑菌に感染してしまう場合があるため、スポイトの先端は皮膚やまつ毛に触れないように気を付けてください。

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誤薬に注意!服薬介助で気をつけること

医療行為にあたらない服薬介助は介護士でもできるといっても、飲み方を間違えると薬が毒になってしまう場合も。ここでは、服薬介助を行う際に気を付けなければならない4つのポイントを紹介します。

誤嚥に気をつける

内服薬の場合、薬を飲むときはできるだけ体を起こして飲んでもらうようにしましょう。起き上がって薬が飲めない方には、頭を持ち上げてあげたり、姿勢を横向きにしてあげたりすることで飲みやすくなります。薬と水を口に含んだら、少し下を向いてもらって飲むように声をかけてあげましょう。あごが上がった状態で薬を飲もうとするとむせやすくなってしまい、誤嚥の原因になります。

飲み間違いに気をつける

食後の薬を飲み忘れてしまった、薬を指定された数より多く飲んでしまったなどの誤薬によって、体調が著しく悪化してしまうこともあります。飲み間違いの対策としては、薬局で薬を一包化してもらうのが良いでしょう。ただし、一包化には若干の費用がかかります。その点も説明しつつ、飲み間違いを防げる利点をご利用者やご家族に提案してみてはいかがでしょうか。

落薬に気をつける

錠剤やカプセルを誤って落としてしまい、そのままどこにいったかわからなくなってしまうことも起こりがちな事故のひとつです。テーブルにタオルなどを敷いたり、ふちのあるお盆の上で薬を出したりすることで、落下を防ぎやすくなるでしょう。

ジュースで薬を飲まない

内服薬は基本的に水かぬるま湯で飲むようにしてください。どうしても水で薬を飲めない方はお茶で服用してもかまいませんが、その場合はカフェインの含有量が少ない麦茶や玄米茶を飲むようにしましょう。しかし、中には薬の苦みをごまかすために、介護士さんに甘いジュースで飲ませてほしいと頼む方もいます。ジュースで薬を服用すると薬の効果が減少したり、副作用を引き起こしたりする可能性があるため避けてください。

服薬後の変化に気をつける

服薬後は、様子に変化がないかを観察しましょう。薬を後から吐き出してしまう人もいるため、確実に服薬したかどうかをしっかり確認しなければなりません。また、服薬後に副作用で体調が悪くなってしまう場合もあるので、その点にも注意して様子を見ます。もし体調に変化が見られた場合は、かかりつけの病院や医師に報告するなどの対応をしてください。

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服薬拒否された時の対応

介護のご利用者から、薬を飲むことを拒否されてしまうケースもあります。原因は薬の味や量であったり、認知症による被害妄想や自分は病気ではないという間違った認識であったりするなどさまざまです。その場合の対処法を2点紹介します。

薬の味を変える

薬独特の苦みが嫌で飲みたくない、といった思いから服薬を拒否される方もいます。その場合、錠剤や粉薬を苦みのないカプセルやシロップなどに変更できることもあるので検討してみましょう。また、薬には吸入や点眼、注射や点滴などさまざまな投与方法があります。その人にとってなるべく服用しやすい形の薬を処方してあげることで服薬してくれるようになる場合もあるので、医師と相談し工夫してみましょう。

医師の指導のもとで食べ物に混ぜる

「毒を飲まされるから」「自分は病気じゃないから」といったような思い込みから、服薬を強く拒否されてしまうこともあります。そういった方を説得して薬を服用してもらうのは難しいものです。その場合は、どうしても服用してもらわなければいけない薬に限り、医師の指示のもとで食べ物に混ぜることも必要になります。

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認知症の方の服薬介助のポイント

認知症になると日常のさまざまなことを忘れてしまったり、医師や家族から言われたことを拒否したりするなどの症状が現れます。時には、処方された薬を飲まない、逆に薬を飲んだのに飲んでいないと思い込むなど、介護士さんにとって困ったことも。以下のことを実践してみると、認知症の方への服薬をスムーズにしやすくなるかもしれません。

お薬カレンダーを使う

日付や曜日ごとに薬を仕分けてセットしておける、お薬カレンダーというものがあります。あらかじめ飲むべき薬を整理しておくことで、飲み忘れた日や時間帯がなかったかが一目瞭然です。もし薬を飲まない時間帯がある場合には、たとえば「昼食後 薬なし」という札などを作ってカレンダーにセットしておくと更に便利になるでしょう。

声かけをする

介護士さんやご家族から服薬の声かけをするのも効果的です。本人に直接声をかけるほか、ご家族が遠方に住んでいるのであれば、服薬の時間帯を見計らって電話をという方法をとるのも良いでしょう。

目に見えるところにメモを置く

認知症の症状には、聴覚からの情報よりも視覚からの情報の方が忘れにくいという性質があります。上記で紹介した声かけに加えて、見やすい位置に薬を飲んだか確認する内容が書かれたメモなどを置いておくと、認知症の方でも自分から服薬を思い出してくれる可能性が上がるでしょう。

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まとめ

服薬介助が必要な方は高齢者に多く、病気によって処方される薬の種類も増える傾向にあります。時には誤薬により、命にかかわる事態を招いてしまうことも。そうならないためにも、介護士さんは介護を必要とする方に常に寄り添い、臨機応変に必要な介助ができるよう心掛けましょう。

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