
この記事のまとめ
- 夕暮れ症候群とは、夕方の時間帯に認知症を患う方に出現する不穏症状の総称
- 夕暮れ症候群では、症状が出現している状況に合わせて対応を行うことが大切
- 夕暮れ症候群への対応は、無理に一人で行わず、事前に対策を決めておこう
「夕暮れ症候群の対応に困っている」「夕暮れ症候群の効果的な対応方法を知りたい」
このような悩みを抱えている介護職員も多いのではないでしょうか?夕暮れ症候群の対応は、正しく理解し適切な対応ができない場合、非常にストレスがかかる場面です。本記事では、夕暮れ症候群の症状や原因についてまとめ、その対応方法についても詳しく解説しています。本記事を参考に適切な対応のポイントを理解して介護現場で活用しましょう。
目次
夕暮れ症候群とは?
夕暮れ症候群とは、夕方の時間帯に認知症の高齢者に出現する不穏症状の総称です。興奮状態が続き、コミュニケーションが困難になったり、介護拒否や暴言が出現したりします。このような状態になると、介護職員にもストレスがかかり、不適切な対応をしてしまう危険性が高まります。夕暮れ症候群の対応を心得て、落ち着いた対応ができるようにしましょう。
夕暮れ症候群の症状
夕暮れ症候群の具体的な症状はさまざまですが、代表的なものとして以下の4つが挙げられます。
- 徘徊
- 介護抵抗・拒否
- 興奮
- 暴言や暴力
など
家に帰る・会社に行く・子供を迎えに行くなどの理由で施設内を歩き回り、介護職員が制止しても落ち着かない様子は、夕暮れ症候群の症状としてよく見られます。また、食事や排泄などの介護介入を拒否したり、急に大声を出し攻撃的になったりする様子が見られることも少なくありません。
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夕暮れ症候群が出現する理由とは?
夕暮れ症候群が出現する原因は、現時点では明確には分かっていません。しかし認知症により、認知機能が低下し見当識障がいがあるために、外が暗くなるにつれて不安な気持ちが募り、夕暮れ症候群としてさまざまな症状が出現するとされています。
認知症は短期記憶は保たれにくくなりますが、昔の記憶は残っていることが多いものです。そのため、記憶の時系列が曖昧になり、会社から帰宅したり、夕飯の買い物に出かけたりといったことが思い出され、不安が強く出てしまうのではないかとされています。
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夕暮れ症候群の不安に寄り添った対応とは?
夕暮れ症候群の対応は、否定せず本人の不安な気持ちを尊重しながらの対応が基本となります。また介護する側もストレスが大きいため、無理はしないよう心がけましょう。可能であれば、介護職員は交代しながら対応を行う、もしくは複数名で対応するのが理想です。
以下に夕暮れ症候群が出現した際の効果的な対応の例を3つ紹介します。
何かに集中してもらう
手持ち無沙汰で暇な時間を作ると不安が増強しやすいため、利用者さんの好きなことをしてもらう時間を作るといいかもしれません。塗り絵や編み物、将棋、家事など利用者さんが落ち着く行動を促しましょう。
空腹を満たす
空腹のイライラやそわそわした気持ちが夕暮れ症候群のきっかけになることもあります。夕方に温かい飲み物や果物などの軽食を提供すると空腹が落ち着き、夕食までの時間を穏やかに過ごせるのでおすすめです。
部屋の明るさを調整する
外が暗くなる様子に気付き、夕暮れ症候群の症状が強く出てしまうことも少なくありません。このような場合は、カーテンや証明などで外の暗さが分かりにくくなるような工夫をするのがおすすめです。
【状況別】夕暮れ症候群の具体的な対応方法
夕暮れ症候群の症状でよくある徘徊や興奮などの状況に合わせて、適切な対応をより詳しく解説します。現役介護福祉士の筆者が普段から行っている対応を記載しますので、ぜひ参考にしてください。
利用者さんが徘徊しているとき
徘徊をしてしまう場合は、無理やり徘徊を止めず、不安な気持ちを肯定する対応が原則です。制止するとかえって症状がエスカレートし、興奮状態が悪化する恐れがあるので注意しましょう。傾聴し、肯定しながら適宜休憩を促すなど利用者さんの体調・体力に配慮した対応を心がけると良いでしょう。
物盗られ妄想で不穏になったとき
物盗られ妄想は、あるはずの物が見当たらず不安な気持ちになり出現する症状です。物盗られ妄想があるときは、不安な気持ちを受け止めて共感し、一緒に探すなどすると落ち着く場合が多くあります。共感して、一緒に行動することで安心感を与え、不安を和らげる効果が期待できるためです。
一緒にモノを探す際は、あらかじめ場所に見当がついていてもすぐには見つけず、探すそぶりをするのもポイントです。すぐに見つけたり、「ここにあるでしょ!」と怒鳴ってしまうと不穏な状態が悪化し、モノを盗った犯人として認識されてしまうことがあります。そうなると、その後のケアがスムーズに行かず、お互いにストレスを感じてしまう原因になるため注意が必要です。もしモノを盗った犯人として認識されてしまっている場合は、対応する職員を変えてしばらく距離を取ると良いでしょう。
大声や興奮状態が続くとき
大声や興奮状態が続いているときは、必要以上に介入しないのが鉄則です。しつこい声かけや介護介入は逆効果になる可能性があるため、声かけのしずぎには要注意。しつこい介入を避け、居室に誘導したり、好きな音楽やテレビ番組を流すなど、落ち着く環境を整えて興奮が治まるのを待ちましょう。
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夕暮れ症候群の対応の注意点
夕暮れ症候群が出現する時間帯は、お昼過ぎから夕食時の時間帯であることが多いため、介護職員としても忙しい時間帯です。そのため対応に余裕がなく、イライラしてしまいがち。
1人での対応が難しいときは、ほかの介護職員と協力して対応したり、交代で対応にあたるなどの対策をあらかじめ決めておくのがおすすめです。
まとめ
本記事では、夕暮れ症候群の原因や症状をはじめ、対応のポイントや注意点を解説しました。夕暮れ症候群が出現しやすい時間帯は、介護職員にとっても忙しい時間帯であるため、あらかじめ対策を決めて対応することをおすすめします。そうすることで余裕を持った対応が可能になり、利用者さんの不穏も最小限に抑えられる可能性も高まります。
介護をする側の余裕が不穏の軽減に繋がるという意識を忘れずに対応しましょう。しかしながら、介護現場は忙しく、余裕のあるケアを提供できないことも珍しくありません。1人で対応しなければならず、余裕がないと感じる場合は、余裕の持てる職場への転職も有効です。レバウェル介護(旧きらケア)では、介護業界に特化した転職支援を行っています。介護業界に精通したアドバイザーが一人ひとりの希望に合わせたご提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。ご登録・ご利用は全て無料です。
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執筆者

椿るい
介護福祉士ライター
現役介護福祉士。認知症専門病院で看護助手として勤務した後に介護福祉士を取得し、現在は特養に勤務している。食事・排泄・入浴等、利用者さんの生活に係る介護全般に従事。派遣社員として勤務していた経験や副業経験もあり、介護職として柔軟な働き方を目指す。


