生活リハビリとは?介護職が担当できるメニューや資格について解説!

介護の知識 2021年10月8日
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食事をする高齢者とその様子を見る介護スタッフの画像

「生活リハビリ」に興味を持っている介護職の方はいませんか?機能回復訓練といったリハビリは専門職が行うものというイメージがありますが、生活リハビリは介護職も行うことが可能です。このコラムでは、「ご利用者のためにできることはないか」と考えている介護職向けに、生活リハビリをご紹介します。

目次

介護職が行う生活リハビリとは何?

生活リハビリとは、日常生活動作をリハビリの一環として捉え、自立した生活を支援することです。介護職は、ご利用者の食事や着替え、入浴、トイレといった生活動作のすべてをサポートするのではなく、見守りや適切な介助を行うことで、できるだけ自立した生活の維持、能力向上に努めます。

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そもそもリハビリテーション(リハビリ)とは

リハビリとは、身体に障害を持った方ができる限り元の自立した生活を取り戻すことを指します。リハビリというと、理学療法士や作業療法士といった専門職が行う機能回復訓練をイメージする人も少なくありませんが、介護職が行う生活リハビリも「自立した生活を目指す」という目的は同じです。

 

介護職ができる生活リハビリのメニュー

生活リハビリには、以下のような方法があります。介護職のサポート別に見ていきましょう。

食事介助

食事中にお箸を使うのが難しいご利用者には、食事補助具を使用する方法があります。普通のお箸が使えないからといって安易に介護職が介助してしまっては、ますますご利用者の生活機能は衰えてしまいます。持ちやすい箸やスプーン、食器に変えることで、自分で食事をする楽しみを感じてもらいましょう。

入浴介助

入浴介護では、身体を洗うこともご利用者の生活リハビリになります。すべりにくいバスマットに変更したり、シャワーチェアを活用したりして、可能な限りご自身で洗えるように配慮し、声かけや介助を行いましょう。ただし、浴室ではご利用者の転倒や体調不良が起こりやすい場所でもあるので、見守りはしっかりと行うことが大切です。

排泄介助

ご利用者がトイレまで自力で行けない場合は、ポータブルトイレを活用して移動距離を短くする方法があります。トイレまで間に合わなかった場合、「また失敗したらどうしよう…」と不安になり、おむつでの排泄を希望するご高齢者は少なくありません。工夫次第でご利用者が生活しやすくなると心得て、適切なフォローをしましょう。

その他

ほかに、着替えるのが難しい場合は着替えやすい前開きの服を用意する、1人で歩きにくい場合には手すりを使ってもらうなども生活リハビリの方法です。介護職の役割は、ご利用者の今ある能力を維持し、できる限り自立した生活を送ってもらえるようサポートすることと捉え、過剰な介助にならないよう気をつけましょう。

介護に生活リハビリが求められる3つの理由

介護に生活リハビリが求められる理由には、以下のような事柄が挙げられます。「リハビリの専門職のような本格的なリハビリができなくても良いの?」と疑問を感じている介護職の方は、ぜひチェックしてみてください。

1. 各介護施設・事業所の介護サービスの違い

1つ目は、各介護施設・事業所の提供する介護サービスの違いが挙げられます。通常リハビリを行う理学療法士が常勤で配置されている介護施設・事業所は、老健やデイケアなど限りがあります。ケガや病気の後遺症を改善するためには専門職による本格的なリハビリが必要ですが、改善後は専門的にリハビリを受けられるかどうか分かりません。そのようなとき、日常的に接する機会の多い介護職が生活リハビリを意識したサポートを行えば、ご利用者のADL(日常生活動作)の維持・向上が期待できます。

2.寝たきりを防ぐため

2つ目は、ご利用者の寝たきり状態を防ぐためです。ケガや病気により長期的な安静状態を続けると、活動量や筋力といった身体能力が低下して寝たきり状態になることがあります。寝たきりは、本人の意欲と活動量次第で防げるとされていますが、ご高齢になるとサポートなしに動くのは難しい場合もあります。そこで、介護職がご利用者の活動や意欲を引き出し適切なサポートをすることで、寝たきり状態を改善できる可能性が高まります。

3.ご利用者自身の機能を最大限に発揮するため

3つ目は、ご利用者が持っている機能を最大限に発揮できるようにするためです。「できることはご利用者自身でしてもらう」といった、ご利用者の今ある力を使っていくことで、運動能力の低下を防げます。また、ご利用者の「できること」は、環境整備によって増えるものです。起立や歩行をサポートする手すりの設置やポータブルトイレの準備などを徹底し、ご利用者が少し頑張ればクリアできるステップを設けてみましょう。ご利用者に合わせた環境を整備すれば、結果としてリハビリにつながります。ご自身で行えることを維持できるよう配慮し、ご自身らしい生活を行っていただけるよう支援しましょう。

介護職が生活リハビリを行うポイント

介護職が生活リハビリを行う際のポイントをご紹介します。

多職種との連携

生活リハビリは介護職の個人の判断で行うより、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった異職種と連携して行ったほうが効果的です。施設にリハビリ専門職がいる場合は、どのようなリハビリをすべきかアドバイスをもらいましょう。「リハビリはリハビリ職に任せるもの」という風土がある場合は聞きにくいかもしれませんが、「介護職」として行えることはあるはずです。より良い介護ケアを行えるよう、多職種と積極的にコミュニケーションを取りましょう。

ご利用者の能力を活かす

生活リハビリは、ご利用者に無理をさせてはいけません。その人の能力を活かし、無理のない範囲でリハビリを行うことが大切です。ご利用者に合わせた生活リハビリを行うには、介護職自身がご利用者の特徴を正確に捉える必要があります。「箸が持ちにくそうだけどスプーンなら使えそう」「歩行器があれば散歩も楽しめそう」など、その人の能力に合った福祉用具を提案するのも生活リハビリのポイントです。

介護職がリハビリを行うのに資格は必要?

生活リハビリを行うのに資格は必要ありませんが、機能回復訓練を含む本格的なリハビリを行うには専門資格が必要です。介護系の資格の一つである「介護福祉士(国家資格)」は、介護が必要な方に向けた自立支援として介護方法や生活動作のアドバイスができますが、生活リハビリに近いサポートになります。

リハビリの基礎を学んで介護の業務に活かしたいと考えている介護職の方は、以下のような資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか?

理学療法士 Physical Therapist(PT)

理学療法士(国家資格)とは、ケガや病気などで身体に障害のある人に対して、自立した生活が送れるよう支援するリハビリ専門職です。医師の指示のもと、立つ・座る・歩くといった基本動作能力の回復・維持・悪化の予防を目的に、運動療法(歩行練習や動作練習)や物理療法(電気や温熱の利用)などを用いたリハビリを行います。

作業療法士 Occupational Therapist(OT)

作業療法士(国家資格)とは、身体に障害のある方に対して、手芸や工作といったさまざまな活動を通して治療、指導、援助を行うリハビリ専門職です。医師の指示のもとで、生活に関わる諸機能の回復・維持・開発を促す作業療法を行います。

言語聴覚士 Speech-Language-Hearing Therapist (ST)

言語聴覚士(国家資格)とは、聴覚障害や構音障害、失語症などにより言語によるコミュニケーションが難しい方に対して訓練、指導、援助を行うリハビリ専門職です。医師の指導のもとで、嚥下訓練などを行うこともあります。

民間資格ケアリハ検定

国家資格は少々ハードルが高いと感じる介護職の方は、民間資格のケアリハ検定がおすすめです。ケアリハ検定とは、理学療法士といったリハビリ専門職が講師を務める認定講座(2種)と認定資格(5種)から構成される資格認定制度を指します。リハビリ職以外の方が、ケアリハの考え方や運動学、解剖学といった専門的な知識を習得しやすいプログラムになっているのが特徴です。詳しくは、厚生労働省の「ケアリハプロジェクト」でもご確認いただけます。

まとめ

介護職が行う生活リハビリとは、日常生活動作をリハビリの一環として捉え、自立した生活を支援することを指します。生活リハビリでは、機能回復訓練を含む本格的なリハビリはできませんが、ご利用者が自立した生活を送れるようにきめ細やかなサポートができるのが魅力でしょう。

生活リハビリの知識を身につけたい介護職の方は、リハビリ関連資格の勉強をしてみてはいかがでしょうか?民間の認定資格なら、介護の仕事をしながら無理なく取得を目指せますよ。また、生活リハビリに力を入れている施設に転職するのも方法の一つです。介護専門転職エージェントのきらケアなら、施設の特徴を踏まえた求人をご紹介できます。そのほか、個人で分かりにくい職場の雰囲気、有給消化率といった詳しい情報もお伝えしているので、安心して職場環境を変えられますよ。ご興味のある方はお気軽にご相談ください!

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監修者

  • 篠田 浩行

    介護福祉士/ケアマネージャー

愛知県出身S58.12.28生まれ。老人保健施設、特別養護老人ホームなどで10年以上介護の仕事に関わった後、管理職も経験。現在はこれらの経験を活かし、介護情報ブログの運営や執筆業にも携わる。介護職員や在宅介護者が元気になれるよう、介護・お役立ち情報などを発信中。

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