介護事故はなぜ起こる?ありがちな事例と対処方法

ニュース 2020/10/28
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介護事故は、介護サービスの提供中にご利用者側に起こる事故を指しています。よくあるのは、転倒や転落、誤嚥、誤薬などです。いずれも、骨折や窒息といった重大な事態に至る危険があり、事業所は事前に事故防止策を検討することが求められます。
このコラムでは、介護事故の種類と、事故を防ぐための方法を解説。事故が起こった際の対応もご紹介するので、介護事故の予防法や対処法が知りたい方はぜひご覧ください。

【目次】


介護事故の定義
介護事故は転倒が多く死亡につながることもある
介護事故の原因
介護事故を防ぐには
もし介護事故が起こってしまったら
まとめ

介護事故の定義


介護事故に明確な定義はありませんが、一般的には介護サービスの提供中に起こる事故を指しています。あくまでサービスを受けるご利用者に起こる事故を指し、介護を提供する側のスタッフに起きた事故は労災として分けて考えるのが普通です。

全国社会福祉協議会が作成した『福祉サービス事故事例集』では、福祉サービスにおける事故を次のように定義しています。

「社会福祉施設における福祉サービスの全過程において発生する全ての人身事故で身体的被害及び精神的被害が生じたもの。 なお、事業者の過誤、過失の有無を問わない。」

介護事故には、ご利用者本人に原因がある事故や防止が困難な事故もあり、すべての責任が介護事業者にあるわけではありません。就寝時間など、スタッフがそばについていないときに事故が起こることもあります。
ただ、事業者は質の高い介護サービスを提供するうえで、起こりうる事故を予測し、適切な対策を考えることが求められます。

出典:厚生労働省「「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針 ~利用者の笑顔と満足を求めて~」について」(2020年9月30日)

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介護事故は転倒が多く死亡につながることもある


介護事故には、転倒や転落、誤薬などいくつかの類型がありますが、特に多い事故は転倒だといわれています。ここでは、介護サービス中に起こりやすい代表的な介護事故の種類をまとめました。

転倒


ご高齢者は加齢により筋力や視力、バランス感覚が低下し、若い人に比べて転倒リスクが高くなります。転倒時に足を骨折し、歩行が困難になって車椅子や寝たきりになるケースも少なくありません。
転倒は介護する側のミスで起こる場合もありますが、ご利用者が自分で立ち上がる際や、杖を忘れて歩行した際にも起こり得ます。施設内の曲がり角で人とすれ違う際に転倒する、方向転換の際にバランスを崩して転倒するのもよくある例です。後ろから声をかけられ、振り返ろうとして転倒する例も多いので、ご利用者には必ず前方から声をかけましょう。

転落


ベッドや椅子、車椅子、便座などから転落する事故です。たとえば車椅子では、ご利用者の体に合わないものを使い、ずり落ちるように転落する事故が想定されます。トイレで起こる事故は、介助中に介護スタッフが目を離し、ご利用者が1人で立ち上がろうとして転倒する例があるようです。ほかにも、ご利用者が1人でベッドから降りようとして転落したり、入浴中にシャワー椅子から立ち上がろうとして転落したりするといった事故が考えられます。

誤嚥


誤嚥は、食べ物や飲み物が気管に入ってしまう現象のことで、ご高齢者では窒息や誤嚥性肺炎に至る危険があります。ご高齢者は、加齢によって唾液が減少したり、歯にトラブルがあったりするなど、自覚がなくても軽度の嚥下障害を持っていることも。
また、施設のイベントで通常とは違う食事を提供したとき、介護スタッフのミスでご利用者に合わない食事形態(刻み食など)を提供したときなどにも事故が起こりやすいようです。

誤薬


誤薬は、誤った量や時間で薬を飲んでしまう、もしくはほかの人の薬を飲んでしまう事故です。看護師や介護スタッフが誤った薬を提供したり、目を離した間にほかの人の薬を飲んでしまったりするという事故があります。
誤薬をすると、薬の種類や量によっては命に関わるため、十分な注意が必要です。人為的なミスによって起こりやすい事故なので、服薬前・服薬中の確認を徹底することで防止できます。

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介護事故の原因


介護事故が発生する背景には、介護をする側と介護を受ける側それぞれの要因があります。

介護をする側の要因


事業所の教育体制が十分でないこと、手すりなどの設備が整っていないことが原因で事故が起こることがあります。介護スタッフや看護師の連携が不十分で事故を招くこともあるでしょう。
また、担当スタッフが慣れている介護で油断したり、多忙で確認を怠ったりして事故につながるパターンもあります。人手不足の施設ではついご利用者から目を離してしまい、事故が起こることもあるようです。
介護事故を防止するには、個人の責任を追及するよりも、「マニュアルや教育が十分だったか?」といった事業所側の体制を見直す視点が大切です。介護スタッフとして働く人は、設備や体制に問題があると気づいたときに、現場のリーダーや責任者に報告することを心がけましょう。

ご利用者側の要因


ご利用者は加齢に伴って、足が不自由になっていたり、自分で食事や排泄をするのが困難になっていたりするなど、さまざまな症状を抱えています。若い人に比べて日常生活でトラブルが起こる可能性が高く、介護現場には常に事故の危険があるといえます。
介護事業所はご利用者一人ひとりが抱えるリスクを理解し、何に気をつけるべきかを考えながらサービスを提供しなければなりません。

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介護事故を防ぐには


介護事故を防ぐには、以下のような方法があります。

ヒヤリハットを記録し大きな事故を防ぐ


重大な事故を防ぐには、ヒヤリハット事例を記録し予測される事故の対策を考えるのが有効です。ヒヤリハットとは、事故にはならなかったものの、介護中に「ヒヤリ」「ハッ」とする体験のことで、多くの介護スタッフが経験しています。
ヒヤリハットは報告書などにまとめ、スタッフ全員で事例と予防策を共有しましょう。ヒヤリハットの記録を残しておくと、事故が起きやすい介助や時間帯が分かり、事例ごとの対策をとれます。スタッフ同士で情報共有する際は、「起こりやすい事例」に対して対策を考えるグループワークを行うのも効果的です。

PDCAサイクルを回す


継続的に介護事故の対策を見直すには、施設内でPDCAサイクルを回すのがポイントです。PDCAとは、計画(Plan)、実行(Do)、点検(Check)、見直し(Act)のサイクルを繰り返し行うことによって、業務を改善する手法です。
介護の現場では、ヒヤリハット報告やご利用者・ご家族からのクレーム、スタッフからの提案などから情報を収集し、施設が抱えるリスクをあぶり出します。集めた情報は事業所内の安全管理委員会などで分析を行い、対策やマニュアルを考案するのが流れです。対策はスタッフ全員に周知し、リスクのコントロールを行います。ただ、1度リスクを回避する体制を整えても、その後当初は予想していなかったリスクが見えてくる場合もあります。その際は改めて運用を見直し、継続的に改善をはかりましょう。

人員配置を見直す


人手不足による事故の危険がある場合は、採用人数を増やして人員配置を手厚くすることが求められます。介護スタッフ1人あたりの負担が減れば、余裕をもってご利用者のケアを行えるようになるはずです。
ただ、介護業界は業界全体で慢性的に人手が不足しており、人員の確保は施設の努力だけでは難しい面もあります。限られた人員で事故を防止するには、「会議を減らして見守りの時間を増やす」「スタッフへの教育を徹底して介助の質を上げる」などの対策を検討しましょう。

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もし介護事故が起こってしまったら


万全の対策を講じても、事故の可能性をゼロにすることはできません。介護事故が発生した場合は、以下のような対応をとりましょう。

ご利用者の安全を確保する


まずはご利用者の状態を確認し、安全を確保したうえで応急処置を行います。状態によっては救急車の手配も必要です。
経過を見守る場合は、急変した際に備えて緊急連絡体制を整えましょう。

事故の状況によって関係機関に連絡する


重大な事故の場合は警察、食中毒や感染症の際は保健所や自治体など、関係機関に連絡します。

ご家族に連絡し、状況説明と謝罪を行う


事故発生時はすみやかにご家族に連絡し、事故の状況と現在のご利用者の状態を説明します。ご家族への謝罪は後回しにせず、誠意をもって行うことが大切です。事業所にとって都合の悪い事実を隠すような話し方は避けて、ご家族に必要な情報をわかりやすく伝えましょう。

事故の記録を行う


事故が起きた現場の写真を撮ったり、担当スタッフに聞き取りを行ったりして、事故の状況を記録しましょう。「介護スタッフが適切なサービスを提供していたか」「教育体制に問題はなかったか」「事業所がスタッフの健康状態を把握できていたか」といった点を把握することが大切です。
事故の記録は、ご利用者やご家族から損害賠償を求められた際に、事業所側に落ち度がなかったことを示す資料になります。事故を検証した後は再発防止策を考え、マニュアルに反映してスタッフに周知しましょう。

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まとめ


介護の現場では、転倒や転落、誤嚥、誤薬といった事故が起こっています。介護事故はどの事業所でも起こる可能性があるので、事前に十分な対策を講じましょう。
事故を防止するには、ヒヤリハット事例を集めて起こりうる事故を予測し、対策を立てるのが基本です。万一事故が発生した際は、すみやかに救急車を手配する、ご家族に正確な説明を行うなどの対応をとり、事故後は再発防止策を検討します。

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