
当記事では、皮膚を保護しながら排泄介助をサポートするコットン、高齢者の見守りアプリ、薬の飲み忘れ防止に役立つ製品などを開発・提供している企業を紹介します。高齢者の日常に過度に介入することなく、ほどよい距離感とケアを実現するこれらの製品は、本人に自信を与えたり、介護士の業務負担を軽減したりと、関係者にさまざまなメリットをもたらします。優れた製品や介護に真摯に向き合う企業姿勢について、ぜひ一読ください。
目次
カクイ株式会社
創業140年以上の歴史と実績を持つ、カクイ株式会社。製綿業の老舗として大きなシェアを誇る同社は、化粧用コットンから衛生用品、油吸着材まで幅広く繊維関連のビジネスを展開しています。
時代のニーズに即した綿製品づくりを通して、同社が掲げる「豊かさと快適さの創造」というテーマを体現している会社です。
吸水パッドの目詰まり対策に、皮膚や排せつをケアするコットン

介護の現場における困りごととして、紙オムツに関連したトラブルがよく聞かれます。本来、紙オムツの吸水パッドは、水分の吸収性に大変優れています。しかし、軟便や水様便によって目詰まりしてしまうと、吸水機能が果たせなくなってしまいます。それにより、尿の横モレが生じ、介護士やスタッフはオムツや衣服、シーツの交換に追われるのです。
人材不足が常態化している介護業界において、このようなトラブルは介護士にとって大きな負担となるでしょう。加えて、紙おむつを付ける高齢者本人の尊厳も損なわれる恐れがあります。
加齢による排泄の不自由は致し方ないものです。しかし、それが紙オムツの機能が果たせないトラブルであれば、高齢者にとって非常に切ないでしょう。なかには、汚れる度に着替えさせてもらうことを恐縮してしまう方もいらっしゃいます。
介護する側とされる側、双方のそんな困りごとを解決に導くのが、同社が取り扱っている「皮膚や排せつをケアするエステル綿」です。
この繊維は、固形物は受け止め、水分はそのまま通すという性質をもっています。これを紙オムツの吸水パッドの上に配置したり、陰部を覆うように装着したりすると、軟便や水様便による吸水パッドの目詰まりを防げるのだそうです。ひいては、尿の横モレを軽減し、オムツ・衣服・シーツの交換回数も減らせると言えます。
また、吸水パッドと皮膚の間に隙間ができるため、褥瘡・発赤・びらんといった肌トラブルを予防できるというメリットもあります。

排泄ケアはデリケートなことだからこそ、最善の対応で高齢者の尊厳を守らねばなりません。同時に、介護士にもストレスのかかるケアのため、業務の負担軽減が求められます。
同製品は、これらを叶える一翼として大いに期待できるでしょう。関係者全員にとって快適な環境を作り出してくれる同コットン。今後、ますますの普及が望まれます。
詳細情報
株式会社つなまも
株式会社つなまもは、経営者のための情報を整理・管理するツールを開発・運営している会社です。その拡大版として近年は、シニア世代に向けたアプリを開発。超高齢社会において、多くのニーズが見込まれています。
低コスト・負担軽減のスマートな見守りを提案する「つなまも」

いまや珍しくない、高齢者の一人暮らし。健康寿命の延伸もあり、一部介護を受けながらでも快活に生活している方が増えてきたことの現れだと言えます。
しかし、離れて暮らす子世代や、訪問介護を行っている事業所にとっては、やはり心配なことが多々あるでしょう。もしかすると、高齢者本人も、周囲に心配をかけたくないという思いやり故、不安を我慢しているケースがあるかもしれません。

そんな方々のサポートとして、同社が開発・運営しているのが、見守り機能つきアプリ「つなまも」です。
これは、高齢者のスマホの日常使用を感知し、設定した期間に使用が認められないと本人のスマホに確認、それにも反応がない場合には見守りパートナー(子どもや事業所など)に確認依頼通知を発信するというもの。特別な機器や回線の設定、メンテナンス等は不要なので、普段からスマホを利用する高齢者であれば、どなたでも使用できます。
また、定期的な通知に返信する、出かけるときは忘れずにスイッチを切るなどの操作も必要ありません。スマホの歩行センサーや、画面ロック解除などの普段使いのみを感知するので、プライバシーが気になる方も安心です。見守る側と、見守られる側のどちらにも負担がかからないような仕様になっています。
さらに注目したいのは、もしものときに備えて、高齢者自身が資産の状況、家族へのメッセージなどを書き込める機能が搭載されている点です。エンディングノートと言うと大げさかもしれませんが、メモ感覚で気軽に入力でき、随時更新することもできます。
なお、常時共有機能を使うと、見守りパートナーへ情報共有も行なえます。たとえば、アレルギーや常用薬情報、終末医療の考え方などを共有しておくと、緊急入院の際などは大変役に立つでしょう。
高齢者の一人暮らしや介護をより安心なものにするツールとして、シニアを見守る家族はもちろん、自治体や地域活動団体、またシニアサポート事業者等での同アプリの活用が期待されます。
詳細情報
株式会社サンポーウェルズ
株式会社サンポーウェルズは、調剤薬局を運営している会社です。調剤業務を通じ、毎日薬を服用されている方々、医療・介護の関係者の声に耳を傾け、実態に即した提案を行っています。その中で開発した服薬支援ツールが注目を集めており、近年、介護の現場に多く導入されています。
毎日の服薬を簡単に「お薬束®」

(画像右下)ワゴンを利用し、複数人の服薬管理や服薬介助をスムーズ化
高齢者の中には、日常的に服薬している方が多くいます。それ以外でも、季節性の感染症等で、一時的に服薬するケースもあるでしょう。
これらで大切なのが、忘れることなく決められた回数で正しい量の薬を飲むこと。しかし、一日複数回となると、うっかり忘れそうになったり、服薬したかどうかが曖昧になったりする高齢者もいるようです。
なかには、カレンダー形式で薬を小分けできるもの、1回分ずつ小分けできるピルケースなどで管理している方もいます。この方法は非常に分かりやすい反面、カレンダーポケットやケースに予め充填する手間がかかるのも事実。服薬の度にわざわざ取りに行くのが面倒だという声もあるようです。家族が管理するという手段もありますが、働き盛りの子世代にとって現実的ではないでしょう。
高齢者本人や家族からのそんな声をヒントに作られたのが、同社の「お薬束®」です。使用方法はいたってシンプル。箱型の同製品の中に調剤薬局で分包された薬をそのまま入れ、服用時は取り出し口から一包だけ引っぱって切り取るという仕様になっています。
取り出し口からは常に次回服用分が出ているので、目につきやすいところに置くと、飲み忘れを防止できるでしょう。どこにでも設置しやすい箱型のため、本人の手が届きやすい範囲に置くことで、わざわざ取りに行く面倒さも軽減します。
また、誰かの手を借りずに自分できちんと服用できるということが、高齢者本人の自信にも繋がるでしょう。

同製品は、介護施設での使用例も多数あるとのこと。箱に施設利用者名を記入したり、朝・昼・晩ごとに箱を分けたりして、介護士の服薬管理や服薬介助をスムーズ化しているそうです。
なお、「お薬束®」は、ベーシックなLite、ピンク・グリーン・ブルーの3色カラー、高級感のあるWAカラー木目調など、さまざまなバリエーションを取り揃えています。便利さはもちろんのこと、個人の好みや、部屋の雰囲気に合わせて選べるという楽しみも兼ね備えた製品です。
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