
介護施設や介護従事者は、より快適な介護のために、さまざまな製品やアプローチ方法を駆使しています。たとえば、高い技術が施された自社の製品、既往症へのサポートの工夫や理解の啓発などが挙げられますが、それらの多くは、高齢者や障がい者、介護従事者などの声をもとに考案されたものです。
今回はこのように現場の声を細やかにすくい上げ、快適な日常づくりへ貢献している企業や団体を紹介します。
目次
関西ペイント株式会社
1918年に設立された関西ペイント株式会社は、主に各種塗料の製造や販売、配色設計、バイオ関連および電子材料関連製品事業を行なっています。国内外に多くの拠点を持ち、魅力ある製品を世界市場に提供している企業です。
関西ペイント株式会社の事業内容
製品ジャンルについて
関西ペイントでは、さまざまな種類の塗料を製造し販売しています。
それらの製品の用途は多岐にわたっており、なかには、私たちの日常生活の支えになっているものもあります。
建築物や橋を美しく強く保つための建築用塗料や防食用塗料、海外でも多く採用されている自動車補修塗料と自動車用塗料、環境に考慮した船舶用塗料、家具や電化製品などに用いられる工業用塗料、そのほか多くのジャンルやシーンで同社の塗料が大きな役割を担っています。また、工作用や屋内壁塗料等の家庭用までラインナップされており、その幅広さからも同社の技術の高さがうかがえるでしょう。
塗料を通して社会へ貢献
関西ペイントの創業者である岩井勝次郎氏は、経営の基本は利益追求と同時に経済社会の発展に貢献するものでなければならないという理念を持っていました。
同社は、現在もその精神を引き継ぎ、優れた技術開発力による高品質な製品をもって、世界市場に進出し日本の経済発展に大きく寄与しています。また、同社の基盤・塗料・塗装技術研究は、常に時代のニーズと感性を重視し研鑽に余念がありません。こうした研究の成果や製品は、各種コンクールにおいて数々の入賞を果たしています。
なお同社では、持続可能な開発目標(SDGs)を見据えて、循環型社会への対応、生活満足度向上への貢献、社員のやりがい・達成感の創出などに重点的且つ具体的に取り組むための指針も打ち出しています。
接触感染対策シリーズ
商品の特徴と効能
関西ペイントの漆喰塗料(アレスシックイ)技術から生み出された製品、接触感染対策シリーズには『接触感染対策シート・テープ』『抗ウイルス置くだけマット』などがあります。
『接触感染対策シート・テープ』『抗ウイルス置くだけマット』は、多くの人が触れるドアノブに貼るだけ、又は敷くだけで抗菌・抗ウイルス効果が期待できるというものです。誰でも手軽に使える仕様が、多くの方から好評を得ています。
漆喰塗料『アレスシックイ』は、屋内外の塗料として用いることで、ウイルスの増殖を抑制するという商品です。なお、ウイルス対策だけではなく、高い消臭性や落ち着いた質感や色合いが、空間を優しく明るい印象へと演出する効果もあります。

抗菌・抗ウイルス機能について
漆喰塗料は、抗菌・抗ウイルス機能があるという日本古来の素材「漆喰」の特性を活かした商品です。
漆喰の主原料である消石灰は強いアルカリ性のため、そこではウイルスや細菌などは増殖できません。つまり、接触感染対策シリーズは、漆喰成分(消石灰)に付着したウイルスや細菌の感染力を抑制するることで、抗菌・抗ウイルス性能を発揮しているのです。なお、接触感染対策シリーズの抗ウイルス性は、長崎大学感染症共同研究拠点の指導のもと行われた実証実験でも効果が認められています。
このような性能が評判をよび、接触感染対策シリーズは、医療機関や公共施設、交通機関などで数多く導入されています。

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大成樹脂工業株式会社
東京、埼玉、群馬に拠点を持つ大成樹脂工業株式会社は、プラスチック製品のデザインや金型製作、量産射出成形、電機・器具類の製品組立などを行なっています。1963年の創立以来、堅実に培ってきた技術と柔軟な対応力を活かし、各分野に貢献している企業です。
大成樹脂工業株式会社の事業内容

製品ジャンルについて
大成樹脂工業株式会社では、金型製作や量産射出成形の技術力、組立てのノウハウ、プラスティック製品におけるデザイン力などを駆使し、さまざまな製品を世に送り出しています。
一例として、同社が完備している大中小の成形機を用いた自動車部品や筐体の製造、アミューズメント機器のスピーディかつ安定品質な組立てなどが挙げられます。
なかでも、プラスチック製品においては、デザイン起案から製造までを一気通貫で対応しています。ユニバーサルデザインの食器製作など、各々のスキルが幅広い分野で活用されています。
大成樹脂工業の強み
大成樹脂工業は自社の強みとして、製品や金型の設計から組立までをトータルで行うことを第一に挙げています。そのほかにも、都心部周辺への迅速な製品お届け、コマ替え成形によるコストダウン、強度が非常に高いスーパーエンプラやガラス入り樹脂での生産対応など多くのストロングポイントを提示しており、たゆまぬ研究と研鑽が窺い知れます。
プラスチック技術を生かした『IROHA』
製作背景と商品の特徴
大成樹脂工業株式会社がデザインおよび製作した食器『IROHA』は、「五感で楽しむ自立支援食器」をコンセプトに作られた自社ブランド商品です。
製作の背景には「体の自由が利かず食事がつまらない」という社員の親御さんの声に応え、すべりにくい機能をつけ、楽に食事がすくえる低重心のデザインに仕上げています。
『IROHA』は、このような機能性とデザイン性が評価され、2015年にはグッドデザイン賞を受賞しました。
『IROHA』がもたらす効果

『IROHA』の全ての食器(スプーンを除く)には会津塗りが施してあるため、外見からはプラスチック製品や機能食器だとは分かりません。そのため、料理の見栄えが大変良く、食欲をそそる効果があるようです。
また自分で食事をすくいやすいデザインなので、使用者の自律支援にも大きく寄与しています。実際に『IROHA』を導入している施設の職員、利用者やその家族からは、「見た目が素敵」「こぼれづらいので片付けが簡単」「食事の時間が楽しくなった」といった感想が寄せられています。
『IROHA』は、コンセプト通り「見る・香る・すくう・味わう・語らう」といった五感で楽しむ食事を叶えてくれる食器です。
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大成樹脂工業株式会社
プラスチック技術を生かした『IROHA』
横浜失語症者のコミュニケーションを支援する会

横浜失語症者のコミュニケーションを支援する会は、『失語症会話パートナー』の養成を目的として、2001年に6人の言語聴覚士によって立ち上げられました。
その後、同会の趣旨に賛同する言語聴覚士の入会が増え、国家資格を有する言語聴覚士の団体として会の運営が発展し、2004年と2005年には、横浜市協働事業の提案支援モデル事業に選定されました。現在も、横浜市をはじめ神奈川県内でさまざまな活動を行い、地域密着型の団体として失語症への理解を促しています。
失語症とは
失語症とは、脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血・交通事故などよって、脳の言語中枢に障害が生じ、「聴く・話す・読む・書く・計算する」といった機能がうまく働かない状態のことをいいます。
具体的な症状には個人差がありますが、例えば、相手の話すことが理解できない、自分が何か言おうとしても言葉が出てこない、上手く発音できない、文字や文が読めない、文の意味が分からない、文字が書けない、数字が理解できないなどの症状が見られます。

無料でダウンロードできる失語症リーフレットはこちら
失語症の人の困りごと
失語症の方は言葉が不自由なため、日常生活を送る中でさまざまな困難に直面します。
たとえば、電話やメールでのやり取りがスムーズにできない、会話のやりとりが難しい、買い物の支払いに困るなどが挙げられます。そのほかにも多くの困りごとが考えられるでしょう。
いずれも周囲の人が接し方を工夫し、適切に援助をすることで、思いを伝え合い、いきいきと生活できます。しかしながら、失語症の知識がない人の対応だけでは難しい面が多々あるため、 『失語症会話パートナー』の存在が頼りになります。
横浜失語症者のコミュニケーションを支援する会の活動
『失語症会話パートナー』とは
『失語症会話パートナー』とは、失語症の方の心に寄り添い、抱えている悩みや生活の不便さを理解し、正しい知識と適切な会話技術でコミュニケーションを補いながら共に会話を楽しむ人を指します。また周囲の人や地域社会との仲立ちをすることもあります。失語症会話パートナーは、失語症の方と社会をつなぐ橋渡し役とも言えるでしょう。
『失語症会話パートナー』の養成
横浜失語症者のコミュニケーションを支援する会では、毎年「失語症会話パートナー養成講座」を開講しています。
対象者は、失語症の方と接する職種の方、ボランティア活動をしたい方、家族が失語症になった方などです。講座内容は、言語聴覚士による失語症の講義や小グループでの演習、実際の失語症の方との会話、会話パートナー活動先の見学などが設けられています。
現在はコロナの感染予防のため開講を見合わせていますが、これまで多くの方が、失語症の基礎的知識とコミュニケーション援助の技術を修得していきました。また修了者の有志で立ち上げた会「港」など、講座を修了した方々が失語症会話パートナーとして地域で活動を続けています。
失語症の方たちへ会話の場を提供
同会は、失語症者へ会話の場「失語症カフェ」を提供する活動も行っています。月に1回、市内のカフェにて開催しているおしゃべりの場で、気軽に参加できるうえ、言語聴覚士のサポートもあるので安心です。
同団体の活動で失語症者が「できること」を増やしつつ、周囲の人々や社会全体が失語症について理解を深める機会にもなるでしょう。
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