
高齢化が進み、介護の役割は身体的なケアだけでなく、利用者一人ひとりの「やりたい」という想いを尊重し、その人らしい豊かな生活を実現することが求められるようになりました。
そうした中、専門的な知識や最新のテクノロジーを活用した新しいサポートが生まれています。
この記事では、利用者のQOLを高め、介護に携わる方々の業務も支えるサービスをピックアップ。利用者にもっと笑顔を届けたい方は、ぜひご覧ください。
目次
付き添い介護サービス・介護旅行「さくらの樹」

沖縄県に拠点を置く「さくらの樹」は、看護師かつ旅行介助士の佐々木さんが代表を務める付き添い介護・介護旅行事業所です。看護師として20年以上の医療現場経験を持つ佐々木さんは、「家に帰った後の生活を支援したい」という思いから、訪問看護での研修や住宅型有料老人ホームでの勤務を経て、同事業所を創業しました。
優しさと愛あふれるサポートを提供する付き添い介護サービス・介護旅行
高齢化が進む現在、介護士が日々向き合う利用者やその家族の課題は多様化しています。 その一つが外出に関する課題です。介護保険制度には利用目的や時間に厳格なルールがあり、日常生活の範囲を超える要望には柔軟に対応できないというデメリットがあります。そのため旅行をはじめ、趣味の買い物、冠婚葬祭への出席といった外出は対応できる範囲が限られているのが現状です。介助への不安から、やりたいことを諦めてしまうケースも珍しくありません。
こうした公的保険の枠では応えきれない願いを形にするのが、同事業所が提供する完全自費の付き添い介護サービス・介護旅行です。完全自費のため利用目的や時間にとらわれることなく、旅行のような特別な機会から日々の暮らしのさまざまな場面まで、一人ひとりの多様なニーズにきめ細かく応えられるという魅力があります。
たとえば「介護旅行」は、沖縄県外から沖縄県へ、沖縄県から沖縄県外へなど、介護と旅行の知識を兼ね備えた旅行介助士が要望の場所に付き添います。 介護が必要な方も同行者も楽しめるように、バリアフリー状況を踏まえた旅行プランの提案、観光時・移動時の付き添い、着替え・身支度、入浴介助、排泄介助、食事の介助、夜間帯の体位変換、ホテル内での付き添いなど、旅行中に必要なあらゆることをサポートしてくれるサービスです。

また、「さくらの樹」では介護旅行のほかに、生活・家族支援サービスも提供。病院付き添いはもちろん、お買い物やお出かけ、冠婚葬祭など、さまざまな外出をサポートしています。このサービスの特徴は、介護が必要な方だけでなく、家族都合での利用にも対応している点です。仕事や美容室、友達とのランチなど、普段介護している方が出かけたいときは、家族に代わって介護を行っています。
実際の活用事例は、市役所や携帯会社の手続きへの付き添い、お墓参りや展覧会への付き添い、沖縄県の施設から沖縄県外の施設への転院サポートなどさまざま。なかでも、サポートする側も幸せを感じられるというのが、結婚式へのサポートだそうです。具体的には、車いすを利用する要介護4の男性が息子の披露宴に参加したケースがあります。佐々木さんは会場での着替え、食事、トイレ介助などのサポートを行いました。その結果、男性は「子どもたちの中で初めて長男が披露宴を挙げたので、ぜひ参加したかった。その夢がかなってとてもうれしい」と笑顔で語ったそうです。長男も「サービスを利用したことで、家族全員が安心して披露宴を過ごせた」と喜び、普段介護を担う長女も「落ち着いて弟の披露宴に参加できた」と笑顔を見せたといいます。
自分や家族に介護が必要になると、やりたいと思っても諦めてしまう方は多いでしょう。同事業所のサービスは、そんな方に寄り添い、そっと背中を押してくれるものです。旅行を躊躇している方がいたら、こういうサービスがあることを伝えてみてはいかがでしょうか。
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kaigoぴあの教室

kaigoぴあの教室は、大阪府を拠点とする認知症予防専門のピアノ教室です。
要介護・要支援認定を受けた方も歓迎しており、認知症を持つ方を一人の「人」として尊重しケアする「パーソン・センタード・ケア」の理念に基づきレッスンを行っています。代表の吉沢さんは、ピアノ講師であるとともに現役のケアマネージャーです。豊富な介護と音楽指導の経験を活かし、音楽を通じて高齢者の心豊かな生活をサポートしています。
訪問レッスン
介護現場では、利用者の認知症に伴うBPSD(行動・心理症状)への対応が大きな課題となっています。暴力や暴言、徘徊、睡眠障害などの症状は、介護士の心身への負担を増やす要因の一つです。
また、高齢者の多くは身体機能の低下により外出が困難になり、社会的な孤立感や生きがいの喪失を感じているケースもあります。
こうした状況の打開につながるのが、ピアノを弾くことです。ピアノを弾くことは、利用者の心と身体に多くの良い影響をもたらします。
楽譜をみて指を動かす、自分の出した音を聴き脳にフィードバックさせ身体の動きに反映させる、これらは脳全体を活性化させます。また、ピアノを弾く姿勢の維持は楽しみながら行える全身運動になります。
さらに、音楽で感情が豊かになり、音楽を通じてコミュニケーションを取ることで、利用者の不安やストレスを和らげ、BPSDの予防・緩和に期待できる可能性もあります。
同教室の「訪問レッスン」は、こうしたピアノ演奏の力を最大限に活用したサービスです。介護の知識と経験を持つ講師が利用者の自宅や入居施設へ直接伺い、生徒一人ひとりの心身の状態に合わせた無理のないオーダーメイドの指導を行います。通学の必要がないため、利用者は身体的な負担なく、住み慣れたリラックスできる環境で音楽を楽しめるでしょう。
さらに、レッスンの合間や終了後に個別の介護相談も実施。心身の健康を保ちながら充実した生活を送れるよう、本人や家族が抱える介護に関する課題について、専門的なアドバイスを行っています。
そのほか、家族や介護士などとのコミュニケーションを大切にしている点も特徴です。レッスン中の利用者の様子や変化について、交換ノートを通じて家族や介護士へ情報を共有しています。これにより、介護士は利用者の新たな一面を発見したり、日常のケアに活かせるヒントを得られるはずです。

音楽の力で利用者の心身の健康をサポートし、生きがいや新たな楽しみを提供する訪問レッスン。介護現場に明るい雰囲気をもたらす貴重なサービスといえるでしょう。
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ポランの広場
ポランの広場は、岩手県立大学ソフトウェア情報学部で講師を務める伊藤さんの主宰サイトです。伊藤研究室が開発した重度障がい児・者の支援アプリ「EyeMoT」シリーズの説明をはじめ、重度の障がいのある方に関連した福祉・工学系の情報を提供。障がいのある方のコミュニケーション支援や社会参加促進に取り組んでいます。
重度障がい児・者の「できた!」を支えたい「EyeMoT 3Dシリーズ」

介護の現場では、言葉や身振りでの意思表示が難しい利用者と接する機会も少なくありません。そうした方々の意思が読み取れず、「何を伝えたいのだろう」「楽しんでくれているだろうか」と悩む介護士もいるのではないでしょうか。
どのようにしてその人らしさや意思を引き出すのかは、質の高い介護サービスを提供するうえで重要な課題となっています。
そうした介護現場の課題に応えるのが、伊藤研究室が開発した視線入力訓練システム「EyeMoT 3D」シリーズです。
視線入力とは視線の動きだけでパソコンを操作する技術で、重度の障がいのある方々とのコミュニケーションを実現します。しかし、そのためには視線入力装置が必要となり、その操作の習得は容易ではありません。
「EyeMoT 3Dシリーズ」は、そんな視線入力をゲームを通して練習できるシステムです。無料で公開されており、全国の特別支援学校や医療機関、さらには各家庭でも活用されています。

同システムの魅力は、「風船割り」や「もぐらたたき」など、誰でも直感的に遊べるゲーム形式を採用している点です。たとえば「風船割り」は、障がいの程度にかかわらず、画面に目を向けることでどなたでも楽しめます。キャリブレーション(視線調整)が不完全でも遊べるように設計されているため、初めての方でも「できた!」という成功体験を積みやすいでしょう。
また、オンラインで対戦できるゲームも用意。家や施設にいながら全国のユーザーと交流できます。他者の手を借りずに本気で勝負する体験は、利用者の社会参加意欲を刺激し、生活に新たな張りをもたらすのではないでしょうか。
利用者からは「息子が自分の力で楽しくゲームをし喜ぶ姿は、家族にとっても希望となった」「今まで見たこともないキラキラした表情になった」といった声が寄せられています。同システムは単なる訓練ツールを超えて、人と人との絆を深める架け橋としての役割も果たしているといえるでしょう。
重度の障がいのある方の可能性を広げ、家族や介護士といった支援者に希望をもたらすEyeMoT 3Dシリーズ。今後のさらなる広がりが望まれます。
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