
介護施設の利用者さん、介護士さんやスタッフの方々など関係者全員が健やかに向き合えると、介護の現場はもっとより良いものになるでしょう。当記事では、そんな理想を実現すべく尽力している企業や団体に注目しました。いずれも目のつけどころが新鮮かつ、実行にあたってハードルが高くないものばかりです。温かみのある介護、健全な職場環境づくりに、ぜひお役立てください。
株式会社 テコデコドリーム研究所
株式会社 テコデコドリーム研究所は、高齢者の健康づくり、介護予防に関する商品の企画・販売を手掛けている会社です。
「どのような時代にも人々に笑顔を届け、大切な人との心をつなぐ」という企業理念のもと、女性3名が60歳からリスタートし、高齢者の認知機能をサポートし家族の絆を深めるアルバムを考案。両親の介護や大切な家族との別れを経験したからこその、ユーザーの気持に寄り添った繊細な工夫や発想を活かした事業が注目されています。
離れて暮らす親への贈り物「TEKODEKO RECOLLECTION 回想アルバム」
超高齢社会に突入している現在、国内の高齢者数は年々増加傾向にあり、2025年には70歳以上の高齢者の5人に1人が認知症と試算されています。(厚生労働省推計)「平均寿命」が伸びるのは喜ばしい反面、健やかな生活をおくれる「健康寿命」と、9年~12年の開きがあるとのこと。つまりこの数年間は、多くの高齢者が医療や介護を要するということです。
この隔たった期間をできるだけ近づけられるよう、医療や介護業界では、さまざまな取り組みがなされています。そのひとつに、昔の出来事を語りながら認知機能を鍛える「回想法」というものがあります。1960年代初期にアメリカの精神科医ロバート・バトラーによって開発された非薬物療法のことで、脳が活性化することで認知症の進行を穏やかにし、認知症の予防方法としても効果が期待されています。

この回想法に着目して考案されたのが、同社の「TEKODEKO RECOLLECTION 回想アルバム」です。これは、子や孫世代の方が、施設や離れて暮らしている祖父母や両親のために、実家に何年も眠っている写真を使いアルバムを作成するサービスです。笑顔の写真、楽しそうな懐かしい写真など、本人のこれまでの人生が分かる写真を家族らがチョイス。付属の手引書にある「回想法の会話のポイント」を参考に、完成したアルバムを一緒に見て語らうことで、高齢者自身が昔を回顧し心身への良い刺激を図るというものです。子ども世代は、親の人生を知る事で感謝が湧き、家族の絆が深められるそうです。
ある介護施設からは、「入居前の利用者さんの情報を知る事は施設側でも難しい。このアルバムがあるとその人の人生が解り介護に活かせますね」という声があったとのこと。また、利用者さんも当時を思い出し、「私の人生もそんなに悪くなかった」と前向きな気持ちになり喜びを感じ、家族との会話も弾むのだそうです。
アルバム本体の仕様にも大きな特徴があります。1枚、1枚簡単に取り外せるマグネット台紙は高齢の方にも扱いやすく、お気に入りのページを冷蔵庫に貼ったり、写真立て風に飾ったりすることも可能。ページ追加も簡単にでき、自由にダウンロードできるインデックスシートを利用すると写真選びが楽になり、アルバム作成の負担が大幅に軽減されます。
施設スタッフとのコミュニケーションツールとして、施設と家族を結ぶツールとしても
活用が期待できる同サービス。今後益々の普及が望まれるでしょう。

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株式会社ソフトシーデーシー
栃木県に拠点を構える株式会社ソフトシーデーシーは、「ソフトウェアの開発を通してより明るい未来社会を創造することを常に考えます。」というモットーのもと、顧客や社会が抱える問題解決に役立つシステム開発を行っています。
1954年の設立以来、地域の商工業や公的機関、大手企業など多方面へ技術を通して寄与してきました。その真摯な姿勢と確かな実績から、2017年には「情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格ISO 27001」を取得。ソフトウェア開発のプロ集団として邁進しています。
大学との共同開発「きらきら星脳活計®」

介護の現場では、高齢者の健康管理に対して介護士やスタッフが日々、細心の注意を配っています。しかし、目に見えづらい脳の調子については、管理やケアがしづらいのが現状でしょう。脳の病気、脳機能障害、疲労や加齢による脳の衰えにより、脳の調子は悪くなります。脳活動の状態を本人や周囲が認識することで、より健やかに過ごせるのではないか。そのような狙いから、同社は宇都宮大学と共同し「きらきら星脳活計®」を開発しました。
この装置は、脳の総合的な状態を15秒で測定できる装置です。使用方法はたいへんシンプルで、被験者は画面に映し出される手の動きをまねして、センサー上で両手の手指を動かすのみ。どのくらいまねできたかを測ることで、脳の調子を点数として可視化します。
同社によると、軽度認知障害や脳梗塞の検知にも役立つとのこと。もし点数が低い場合は、医師に相談するといった早期対応も図れます。
また、測定時に身体へ機器を装着する必要がないので、どなたでも気軽かつ安全に使うことができるというのも注目すべき特長でしょう。製品は施設に設置して誰もが使えるようにしたり、訪問介護の際に計測したりと、いろいろな使い方ができます。また、計測結果はプリントすることができます。

介護施設や訪問介護の利用者のみならず、介護士やスタッフの方々も測定してみてはいかがでしょうか。自身の脳の調子を知りいたわることで、より健康な状態で業務に向き合えるようになるかもしれませんね。ウェルビーイングな状態で仕事をできる環境づくりにも使えます。
さまざまなメリットが期待できる「きらきら星脳活計®」、職場への導入を検討する価値が大いにありそうです。
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じぶんsmile♡
地域の笑顔をつなぐコンサルタントとして活躍する林英奈(あやな)氏が代表を務める、じぶんsmile♡。「ケアするじぶんが笑顔に その先のあの人も笑顔になる社会をめざします」という理念のもと、利用者や介護職の方々が笑顔になれるような活動を行っています。
林氏自らの体験に加え、豊かな知識と高いコーチングスキルから考案されたコミュニケーションメソッド、対話をリアルタイムで可視化し、自己選択の意思決定をサポートする”ミエルカ”を活用し、介護・医療の人材育成に貢献中です。
笑顔に変える「笑いヨガ講座」

「利用者さんに笑顔で過ごしてほしい」「利用者さんへ笑顔であたたかく接したい」、介護士やスタッフの方々はみんなそう願っていることでしょう。しかし、慣れない施設での生活、業務の多忙さなどから、利用者・介護スタッフ双方が笑顔になれないこともあるようです。
そんな状況の解決方法として、じぶんsmile♡が提供しているのが「笑いヨガ」です。笑いヨガは「ユーモアやジョーク、コメディを使わず、理由なくだれでも笑うことができるユニークなエクササイズ」です。講座の中で利用者さんや介護スタッフに向け、笑いヨガのポイントを説明したり実際に行なったりしています。
その様子が公式HPに掲載されていたので紹介します。2023年4月に開講した藤沢市生涯学習人材バンク体験講座では、参加者同士が向き合い握手後に声を出して笑う、ということを相手を次々に変えながら実行。理由なく笑う動作をテンポよく繰り返す様子からは、陽気さと朗らかさが伝わってきます。

また、心身の状態や体調に応じて行えるよう工夫されているのもポイント。椅子に座ったまま笑うだけでも楽しめるので、体を動かしづらい高齢者や気恥ずかしさのある初心者も安心して参加できるそうです。
受講者から寄せられた「久しぶりにこんなに笑って楽しかった」「最初は不安でしたが自然と笑えました」といった感想からは、笑いヨガが心身に及ぼす良い影響がうかがえるでしょう。
なお、林氏は「介護事業所で笑いヨガをする際は、必ずスタッフも参加し一緒に笑ってください」と伝えているといいます。そこには、利用者さんと一緒に笑って距離を縮めてほしい、自分自身のメンタルヘルスも大切にしてほしい、という林氏の想いが込められています。
介護士が笑うことで利用者も笑い、関係者みんなの表情が明るく柔らかくなり、会話が弾む。そのような介護現場の実現に寄与する笑いヨガの広がりが、ますます期待されます。
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